とある博打屋に住む右近は無宿の者だ。ここに来るまでの過去を誰一人として知らない。
吉原で育ったと言うものもあれば、関八州(現在の関東地方)から流れてきたと言うものもいる。育ちの良さからとあるお武家様のご落胤だと言う噂もある。
実際、
同心の方も右近に会うために博打屋を訪れる。
……作者が岡っ引は私立探偵もどきという事実をネットで見てしまったがゆえに、出来た創作です。
御用聞きというのは岡っ引のことです。
岡は「岡目八目」と同じく脇の立場であることを指し、公儀のお役人である同心ではない脇の人間が拘引(逮捕)することから岡っ引と呼ばれた。
御用聞きは博徒やエタ、的屋などのやくざ者や親分と呼ばれた地域の顔役がなっていたことが多く、下っ引や手下と呼ばれる子分を持つことも多かった(ウィキペディアより)。
無宿(むしゅく)……江戸時代において現代の戸籍台帳と呼べる宗門人別改帳から名前を外されたもの。現在の住所不定無職と同様に必ずしもホームレス状態にあるわけではない。連座を恐れた親族から感動された町人や、軽罪を犯して追放刑を受けたものもいたが、飢饉や商業資本主義の発達による農業の破綻により、農村で生活を営むことが不可能になった元百姓もいたという(ウィキペディアより)。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-14 21:07:18
11613文字
会話率:61%
時代は江戸の中期、京都にほど近い「土生村」に生まれ育った一人の人物がいた。
彼は厳格な剣豪の祖父に育てられ、密かに誓願を立てていた。そして自ら祖父を斬って村を出奔し、都で「首斬鬼」と呼ばれる辻斬りになった。
次々と人を殺めながら同心た
ちから見事に逃げおおせる首斬鬼の前に、錦と名乗る男が現れる。
初めて自分の剣技が通じない男と出会った首斬鬼は、錦に殺し屋の一人として雇われ、その屋敷に住むことになったが……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-03 01:06:01
26606文字
会話率:42%
東の大国葦之原国の北にある物流の要所月餅町。
その町にはしばし猟奇的な事件が引き起こされていた。
猟奇と怪異、そして人の情。
町の治安を守るべくそれらを追うのは若き同心
笹原剣承と仲間たち。
物語は空想時代劇。剣と術、町が織り成すト
ンデモ時代劇の幕開けである。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-29 14:00:00
57191文字
会話率:43%
世は泰平。剣術に秀でている剣道場主の小暮京介も、竹刀を扇子に代えて町娘を相手に踊りを教える始末。深川の水路に浮かんだ女の死体を検証した同心が道場に乗り込んで来て一悶着が起きた。同心との悶着が片付くと次なる悶着が発生。それが原因で門弟たちは去
り、道場は閑古鳥が鳴くようになった。ヒマな京介は門弟だった町娘の依頼を受けて、死んだ女の身元を捜しに動き出したのだが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-14 08:28:35
52475文字
会話率:63%
色吉は岡っ引だが北町奉行所同心、羽生多大有の供も兼ねており、出退勤時と市中見廻り時には随行する。羽生はなにを考えているのかまったくわからないが、それというのも実はぜんまい仕掛けの絡繰人形だからである。色吉捕物帖、続色吉捕物帖もぜひどうぞ。
最終更新:2023-12-09 06:00:00
318214文字
会話率:56%
岡っ引色吉の捕物帖。色吉は北町奉行所同心、羽生多大有の供も兼ねており、出退勤時と市中見廻り時には随行する。羽生はなにを考えているのかまったくわからないが、それというのも実はぜんまい仕掛けの絡繰人形だからである。色吉捕物帖の続きです。
最終更新:2020-11-08 04:00:00
140544文字
会話率:52%
本郷金助町の岡っ引、色吉による捕物帖。読み切り連作短編。色吉は北町奉行所同心、羽生多大有の供も兼ねており、出退勤時と市中見廻り時には随行する。羽生はなにを考えているのかまったくわからないが、それというのも実はぜんまい仕掛けの絡繰人形だからで
ある。どうぞ色吉の活躍をお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-22 05:00:00
133144文字
会話率:53%
万延元年のこと。
町居の剣術家は廃墟に出るという幽霊のうわさ話を聞いた。
江戸の庶民は物見遊山のつもりで廃墟に押し掛け、夜半に町の戸を出ているのも問題あるし、留守の長屋に泥棒が入るというので番所の同心が追い払いに来る始末だという。
町の名
主に幽霊退治を頼まれた剣術家は、件の廃墟に残された絵を発見し、描かれた美人像に一目惚れしてしまう。
家に持って帰るか? いやしくも武士がそんな盗むような真似はできない。寝食も忘れ、廃墟で独り、つい何刻もこの絵を見つめてしまうのだった。
そのうち、この廃墟の幽霊は男女1人ずつ、薄幸そうな女と、浪人風の男の幽霊だという噂に変化した。
ある町民は確かに幽霊を見たと言い張った。幽霊はふたりいたのだと。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-08 17:44:56
7955文字
会話率:38%
現代日本の検屍(法医学)で数々の事件を解決してきた大石花蓮は、事故で幕末の江戸にタイムスリップしてしまう。江戸で医院を営む家の娘になった花蓮はお花という名前で生きていくことになる。それから数年過ぎお花は幕末の江戸で比類無き医学の腕を駆使して
、医者としてのみだけではなく犯罪捜査における検屍官としても活躍していくことになる。
また法医学だけではなく、FBI行動科学(プロファイリング)や人の無意識下の行動で心の中を探るノンバーバルコミュニケーション(行動心理)を駆使して心許せる奉行所同心の永井源三郎と共に数々の不可解な部分が残る殺人事件に挑み事件を解決していくことになる。
この物語は現代のように科学捜査がない江戸で、現代水準の最高の検屍知識「法医学」やノンバーバルコミュニケーション「行動心理学」の技術を持ったお花が悪「殺人犯」を追う物語である。
『一話目 吊り下がる女』
『二話目 死んだ女』
『三話目 猟奇犯罪事件』
お話は現在時点では短編連作の三話で構成されています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-29 08:00:00
67605文字
会話率:56%
そこは信用できるお客しか入れない江戸の薬屋さん。と称した肉食料理のお店。ご禁制の肉料理屋に現れた同心の目的とは。
最終更新:2023-10-07 23:20:22
3008文字
会話率:24%
日頃、現世の人々の生活に蔓延る呪い、生を羨み障りを起こす怨霊等を取り締まる冥界警察、閻魔庁。
生前警官だった者達が刑事として活躍する閻魔警察刑事課にも生きていた時代や価値観を無視してタッグを組まされるマッチングシステムが導入された。
縦
社会も横の繋がりも突き破るこな迷惑なシステムで組まされたのが生前火付盗賊改方の同心と昭和の刑事。
相棒改め朋輩の幽霊刑事コンビの活躍のお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-08 21:04:25
16257文字
会話率:33%
「お華の髪飾り」続編にございます。
時代は江戸。いよいよ幕末に突入致します。
柳橋の芸者でありながら、北町同心の兄、桜田浩太郎の妹でもあるお華は、町廻同心の手下として、江戸の町を守っているのだが、否応なく時代に巻き込まれていく。
前作
では、江戸幕府最後の改革・天保の改革の波を、得意の簪と頭脳で、叩き潰したお華だったが、今回は明治維新の大嵐。
彼女は、逃れられない時代の大波をどう切り抜けるのでしょう。
乞うご期待。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-17 14:00:00
914623文字
会話率:36%
同心とその妻。そして芸者の妹が織りなす物語。
幕末も近い、天保の頃の事。
お華は、武家の娘にも関わらず、深川でお華太夫を名乗る芸者。
亡き父が教えてくれた技と心意気で、仲間と一緒に自分の人生、
そして時代の波に立ち向かっていく。
最終更新:2021-01-24 14:00:00
464925文字
会話率:40%
さよならだけが人生か、それなら出会いはなんなのさ。見回り同心の西村右京はある日、数人の他殺死体を検分する。死体は全て、拳による打撃により撲殺されていた。彼は、江戸最大の裏の組織・龍牙会の大幹部だった拝み屋の呪道と接触する。地上最強の拳獣・
泰造。声を失った暗殺者・お鞠。そして狂乱の奇行士・西村右京……彼と死事屋の面々との出会いは、始まりの始まりだった。やがて彼らは、江戸の裏社会を根底から揺るがす大事件に巻き込まれていく──
※ 江戸時代が舞台となっておりますが、地名などには架空のものも多く登場します。また、独自の設定が多数存在しています。「目明かしは十手を持たない」「花魁はありんすとは言わない」といった賢くて意識高い系の歴史好きな方々には、読まないことをオススメします。さらに、残虐なシーン及びグロいシーンも多々あります。苦手な方はお気をつけ下さい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-20 00:33:33
191532文字
会話率:38%
晴らせぬ恨みを晴らし、許せぬ人でなしを消す。仕掛けて仕損じなし、口外法度の仕掛屋稼業。昼行灯の同心・中村左内を中心とする仕掛屋のメンバーたちの生き様を描いた作品です。差別用語が数多く登場します。また江戸時代が舞台ですが、史実とは異なる部分
があります。歴史が好きすぎて、テレビの時代劇にもいちいち重箱の隅をつつくような突っ込みを入れる意識高い系の人は読まない方がいいです。
さらに昨今のスペシャルドラマの必殺シリーズとは根本的に違い、暗く不快で残酷な話が多くなります。苦手な方は注意してください。
また『闇の仕掛屋稼業〜』の続編でもありますが、前作を読まなくても問題はありません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-26 00:53:26
248225文字
会話率:44%
うだつが上がらない同心、神山仁助はとある少女と関わるうちに、不可思議な事件に出会ってゆく。幼いころに神隠しにあった少女は、人には言えない秘密を背負いながら、捕物を陰ながら手伝っていた。江戸を舞台に、様々な奇譚が二人を巡らす……
神隠し、幽霊
……目には見えない超自然現象を、あなたは信じますか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-26 19:00:00
216011文字
会話率:40%
江戸時代中期、人に悪さをする妖怪・悪霊を退治する妖霊退治人がいた。
妖霊退治人は寺社奉行が管轄し、僧侶、神官、巫女、拝み屋などがいる。
妖霊退治人の中でも、高い能力を持つ女忍者集団がいた。
その名は、天摩忍群といい、不思議な神
気術忍法を身につけ、悪霊・妖怪・妖術師などとと戦っていた。
人呼んで妖霊退治忍ーー天摩くノ一衆。
構成員は、
男の子っぽい女剣士で、火術を得意とする熱血元気娘の紅羽(くれは)。
怜悧な頭脳をもつ、美貌の巫女忍者で、薙刀と氷術の使い手、竜胆(りんどう)。
明るく可愛いが、少しドジなところのある、円月輪と風術を使う、最年少の黄蝶(きちょう)。
そして、彼女達の頭目であり、いつもホワワンとしているが、類い希なる麗貌と、高度な法術を使う秋芳尼(しゅうほうに)。
彼女たちの後見で、三白眼で強面だが、真面目で正義感あふれ、一刀流の剣の達人で、寺社役同心の松田半九朗。
このメンバーを中心に活躍します。
陽気なコメディ話もあれば、ホラーでシリアスな話、泣ける話もあります。
この物語は、いわば大江戸版くノ一ゴーストバスターズや霊幻道士シリーズであり、ライトな山田風太郎忍法帖テイストでお送りします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-10 21:39:43
1249293文字
会話率:50%
しがない浪人だが無外流の達人である鷹野鷗と、仕事熱心だが空回りしてしまう同心の藤田蓮次郎。各々の理由でやくざ者の死を追うことになる。そして二人が交差するとき、立場を超えた協力関係が結ばれる――
最終更新:2022-10-07 22:07:06
9279文字
会話率:45%
明治維新が成されてしばらく経った頃の日本。
司法省に勤務する元同心の唐澤幸光(ゆきみつ)は、病死した妻の妹の葬儀に参列した。その帰りの汽車の中で、幸光は自身の過去の闇と、それによって妻の心に負わせた深い傷と向き合う事になるのだった。
最終更新:2022-08-29 21:24:53
2400文字
会話率:35%
【元剣豪の野盗の頭領と、藩の同心・急遽加わった謎の剣士たちとの斬り合いの行方は・・・】
■あらすじ
野盗退治に向かった藩の討伐隊が全滅した。そのため再度討伐隊が組まれた。谷川左内と柏原衛守は岡っ引きを引き連れて出立しようとしていた。その城
門前で、肥富数馬という妙な剣士が同行することになった。
その夜、討伐隊は野盗と遭遇して斬り合いになった。中でも野盗の頭領はかなりの剣の達人であった。討伐隊のメンバーは、左内と衛守、それに数馬の三人のみとなり……。
※400字詰め原稿用紙換算枚数:25枚
※非ラノベ作品です。
※こちらの作品はエブリスタ、カクヨム、小説家になろう、ノベルデイズの各小説サイトにも掲載予定です。
■所感
・当初このネタは、カ○ヨムで春休み頃に開催されたショートショートコンテスト用に起案したものでした(←投稿に失敗)。その後某社の某時代小説新人賞用に仕上げようとしましたが、結局失敗。そしてついに短編としてようやく切り出しました。
・初めての時代小説で手こずりました。もっと早く書き上げる予定だったのですが・・・。楽しんでいただけると嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-11 00:00:00
7895文字
会話率:15%
浅巳家は武州北部の秋霜村の豪農であった。広大な農地と小作人を抱え、絹、煙草、お茶などを扱う商家としての側面も、持っていた。
そして、関東八州取締出役(八州廻り)から十手を預かっており、秋霜村寄場組合の大惣代を勤めていた。秋霜村寄場組合は
秋霜村を中心に近隣の村々が協力して運営している、現代で言うところの警察組織であった。八州廻りの役人の道案内が仕事だったが、実際には、無宿ものの捕縛や賭場の手入れなどの荒事にも従事していた。
秋霜村寄場組合は二百五十名余りの取り方を動員できた。そしてこの二百五十余りは、実質的に浅巳家の私兵であった。
秋霜村から西の永尾郡は山深い土地であり、「山筋」などと呼ばれていた。痩せた土地であり、最近では蚕の生産で息を吹き返していたが、それでも不作となれば、餓死する者も出た。そのため、これまでも大小はあるが、一揆が起きていた。「山筋の一揆」は、永尾郡の、豪農や商家を襲ったのちに、木の川沿いに平野に下りてきた、近隣の村々の豪農や商家を襲うこともあった。そのため、八州廻りも警戒を怠らなかった。
八州廻り同心、佐々木繁明が、山筋の巡視に向かった。道案内として、秋霜村寄場組合から、浅巳家次男の勇次郎を筆頭に十数名が同行した。一向は、永尾郡の中心である永尾宿に一泊し、翌日に奥永尾の豪農である大野家を訪れた。
大野家で待っていたのは、久馬と三人の侍であった。この浪人立ちは、過去に一揆を先導したかどで、お尋ね者となったいた。
久馬は、浅巳家に、一揆を手始めに、大規模な反乱を起こす協力を求めてきた。しかし、勇次郎は即座に断り、逃走を図る。
一行は間道を抜けて秋霜村を目指すが、その途中の戦いで数名の犠牲でたが、その対価として、大野久馬を討ち取り、勇次郎や佐々木らは、無事に秋霜村に逃げ切った。
大野久馬と浪人たちは、一揆の中核として犬神党を組織していた。二百名余りの犬神党は、故大野久馬の妹を新たに党首として担ぎ出し、秋霜村に向けて進軍を始めた。
秋霜村では、寄場組合の二百五十に近隣や付き合いのある者の助力を得て、三百余りを動員し、山筋の一揆勢を迎え撃つ準備を始めた。
三日後、犬神党を中核とした一揆勢は、千二百余りとなり、秋霜村に襲い掛かってきた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-25 11:36:14
29930文字
会話率:37%
下道寺一家の清次郎が新免の弥助に惨殺される。清次郎の子分の四辻の捨松は、仇を取るため、単身、殴り込む。捨松は、荒戸の伴造達を退けるが、弥助を逃し、また、自身も重傷を負う。
重傷を負った捨松は、音吉という商人に救われる。音吉は、武州秋霜村の
浅巳家の手代であった。浅巳家は武蔵有数の豪農であった。
九年前
浅巳家の長男の嘉一郎が家を出て、上州でその日暮らしをしていた。そのときに、地域の顔役である四辻の捨松と知り合っていた。
八州廻り同心の佐々木が会いに来る。佐々木は、浅巳家大番頭の伊助に嘉一郎の消息を探すように頼まれていた。家に戻る気のない嘉一郎に、佐々木はお絹という小料理屋の女将を紹介する。お絹は、凄腕の元隠密であった。
梅雨の晴れた日に、嘉一郎は、遊女のおえんと出会う。数週間後、おえんの労咳が悪化し、余命が僅かであると医師から宣告される。
嘉一郎は、おえんを身請けし、旅に出る。故郷に思い出の地があり、そこを嘉一郎に見せたいと希望したためであった。
嘉一郎とおえんは、三人の無宿人に襲われるが、同行していたお絹が撃退する。翌日、捨松が現れ、蓮華寺の安五郎一味が、嘉一郎を追っていると知らされる。安五郎一味は、嘉一郎を人質にして、浅巳家を強請ろうとしていた。思い出の地を目前にして、安五郎一味に追いつかれる。捨松とお絹は奮戦するが、絶体絶命となる。そこに、秋霜村から援軍が現れ、安五郎一味を撃退する。
現在
浅巳家の長女のお琴が弥助に捕らわれる。捨松は単身、お琴を救いに向かう折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-25 11:27:43
27107文字
会話率:39%
浅巳家は武州北部の秋霜村の豪農であった。広大な農地と小作人を抱え、絹、煙草、お茶などを扱う商家としての側面も、持っていた。
また関東八州取締出役(八州廻り)から十手を預かっており、秋霜村寄場組合の大惣代を勤めていた。秋霜村寄場組合は秋霜村
を中心に近隣の村々が協力して運営している、現代で言うところの警察組織であった。八州廻りの役人の道案内が仕事だったが、実際には、無宿ものの捕縛や賭場の手入れなどの荒事にも従事していた。
秋霜村寄場組合は二百五十名余りの取り方を動員できた。そしてこの二百五十余りは、実質的に浅巳家の私兵であった。
上州で博徒同士の争いが起きた。親分を殺された四辻の捨松は、単身で仇である新免一家に挑むが、重傷を負う。その捨松を救ったのは、浅巳家の跡取りである嘉一郎であった。嘉一郎は手代の音吉を使い、捨松を浅巳家で匿った。
嘉一郎は捨松に恩義があった。そのことを知っていた嘉右衛門は、食客の間尚蔵や八州廻り同心の、佐々木繁明等を使い、新免一家を葬り去る。
秋霜村から西の永尾郡は山深い土地であり、「山筋」などと呼ばれていた。山筋は一揆の暴発の危険が常にあり、八州廻りは警戒を怠らなかった。
八州廻り同心、佐々木繁明が、山筋の巡視に向かった。道案内として、秋霜村寄場組合から、浅巳家次男の勇次郎を筆頭に十数名が同行した。一向は、永尾郡の中心である永尾宿に一泊し、翌日に奥永尾の豪農である大野家を訪れた。
大野家で待っていたのは、久馬と三人の侍であった。この浪人立ちは、過去に一揆を先導したかどで、お尋ね者となったいた。
久馬は、浅巳家に、一揆を手始めに、大規模な反乱を起こす協力を求めてきた。しかし、勇次郎は即座に断り、逃走を図る。
一行は間道を抜けて秋霜村を目指すが、その途中の戦いで数名の犠牲でたが、その対価として、大野久馬を討ち取り、勇次郎や佐々木らは、無事に秋霜村に逃げ切った。
大野久馬と浪人たちは、一揆の中核として犬神党を組織していた。二百名余りの犬神党は、故大野久馬の妹を新たに党首として担ぎ出し、秋霜村に向けて進軍を始めた。
秋霜村では、寄場組合の二百五十に近隣や付き合いのある者の助力を得て、三百余りを動員し、山筋の一揆勢を迎え撃つ準備を始めた。
三日後、犬神党を中核とした一揆勢は、千二百余りとなり、秋霜村に襲い掛かってきた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-24 09:33:18
36573文字
会話率:30%
江戸の町奉行についての記録が見つかったそうで、読んでみたいなーなんて思いながら書いたものです。
最終更新:2022-05-25 07:05:07
1874文字
会話率:0%
元禄時代、江戸に「くじら侍」と呼ばれた男がいた。かつて武士であるにも関わらず鯨漁に没頭し、そして誰も知らない理由で江戸に流れてきた赤銅色の大男――権藤伊佐馬という。海の巨獣との命を削る凄絶な戦いの果てに会得した正確無比な投げ銛術と、苛烈なま
での剛剣の使い手でもある伊佐馬は、南町奉行所の戦闘狂の美貌の同心・青碕伯之進とともに江戸の悪を討ちつつ、日がな一日ずっと釣りをして生きていくだけの暮らしを続けていた…… 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-11 18:00:00
123408文字
会話率:28%
オエンドランドという江戸時代に良く似た世界で定町廻り同心をしている五歳の幼女オンドちゃん。婿養子で冴え無い昼行灯と言われている万年平同心の彼女ですが、その裏の顔はオエンドランドの闇に蠢く悪党をお金を貰って成敗するプロフェッショナルの殺し屋な
のです。
仲間の破戒僧で同じく五歳の幼女「御呪いの悦」と、三歳の幼女「葬祭ディレクター屋のお嬢」と共に、オンドちゃんは今日も市井に生きる力なき庶民に代わって、晴らせぬ恨みを晴らしているのです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-29 08:58:26
11342文字
会話率:51%
ある日突然、グリーンランドを中心に、同心円状に「電気」が無くなる現象が広がり始めた。丁度地球外に住んでいて、被害を受けなかった「少年」は理由があり、この謎を解きに動き始める。
生き物はおろか、植物さえ直に消え去るであろう「地の球」に少年は何
を見たのか?
(粗筋...とは言いましても、ここで書くと結構ネタバレになるので、あまり書きたくないんですよねー)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-28 18:41:40
879文字
会話率:0%