機道ユウは既に世界を救っていた。
20年前地球外より飛来した謎の隕石『サイバーメテオ』は、世界中のあらゆる機械を暴走させ人類の積み上げてきた文明を蹂躙した。
機道ユウは6歳の時、それをたった一人で止めたのだ。彼は天才だった。
その後ユウは奇
跡の動力機関『ディバインエンジン』を開発し、その恩恵によって人々は世界を復興させた。
余りにも偉大な功績にユウのことを神と崇める者も少なくはなかった。彼が18歳の若さでこの世を去った時は、世界が悲嘆に暮れ、それを信じられない者もたくさんいた。
だがその1年後。世界に再び危機が迫り、同時に実は機道ユウが生きていたことが判明する。
ディバインエンジンを悪用し世界を蝕む邪悪を前に、人びとはもう一度彼に救いの手を求める。
だがユウは言い放った。
「俺は人間が嫌いだ。世界を救ったのは間違いだった」と。
世界を救ったはずの少年の正体は、他人の不幸に同情も感傷も抱くことは無い最低最悪の冷血漢だった。
彼にいったい何があったのか。そもそも彼はなぜ世界を救ったのか。
世界はまた救われるのか。人類に未来はあるのか。
カギを握るのは機道ユウが自ら組み上げた一台のオートバイ。神秘の心臓を持つそのマシンに奇跡が起こり魂が宿る時、止まっていた物語が動き出す。
始まる一人と一台の旅路。この戦いはきっと神話になる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-06 18:54:30
200515文字
会話率:39%
会社帰りに立ち寄ったスーパーで、男は一枚の不思議なレシートを手にする。その最下部には、こう印字されていた。
> 「あなたの願いは叶います」
冗談半分で「明日の会議が潰れろ」と呟いた翌日、本当に社長が倒れ会議は中止に。半信半疑のまま
再び同じスーパーでレシートを入手し、今度は昔の知人からの連絡を願うと、それも現実になる。
男は次第にその「願いが叶うレシート」の虜となった。最初はささやかな願いだったが、やがて他人の不幸を願うようになっていく。叶った願いの裏にある代償を見ようともせず。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-01 00:01:51
4942文字
会話率:20%
中性的で可愛らしい顔立ちを武器に「善人」を演じてきた僕は、いつも誰にも責められず、穏やかに生きてきた――他人の不幸には目を背け、自分の責任には絶対に関わらないという“上手な生き方”で。
しかしある日、通勤中のビルで爆弾テロに巻き込まれ、謎
の悪魔に「誰か一人を選べば他は助かる」と迫られる。
責任を負うのが怖くて、僕は“選ばなかった”。
多くの命が失われる中、奇跡的に生き残った僕は世間から「勇敢な生存者」と持ち上げられるが、心の奥には拭いきれない罪悪感が残る。
――けれど、人は忘れる。罪も、死者も、そして反省も。
自己弁護と演技の中で、再び“善人”を装って生きていく僕。
これは、「責任だけは取りたくない僕」が選び取った、薄っぺらくて冷酷な生存戦略の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 22:15:33
4986文字
会話率:27%
バーチャルの世界なら、何でもやり放題だ!!
どれだけ、人徳に反する行為をしても、どれだけの破壊行為を行っても、どれだけ略奪しようと、どれだけ人の不幸を知ったこっちゃ無いと、自身の思うままに暴虐の限りを尽くそうとも、ゼロにできる。
全て無かっ
たことにできる。
何故なら、この世界はバーチャルだから。
ボタンひとつでリセットできる。
ボタンひとつで、思い出も、夢も、希望も、どれだけの積み重ねがあろうとも、私がひとつ、このボタンを押すことで、無かったことにできる。
そんな世界で、それでも希望を失わずに、戦おうとするあなたは、変わりなく私の憧れだ。
あのとき、私を助けてくれたように。
私に生きる理由をくれたように。
しかしもう、私は現実に希望をもてないのだ。
人々は愚かだ。現世に真の平和などあり得ない。
だから、この世界を作った。
大丈夫。
何度間違ったって、リセットできる。
何度過ちをおかそうとも、あなたが正しい道をいけるまで、待ってあげる。
愛する人と、心ゆくまで、永遠の時間を過ごすことができる。
それが、私の作ったバーチャル世界。
慈愛と、狂気と、真の平和を実現し得たこの世界で、
みんなで幸せに過ごそう。
あなたもこっちへ来ない?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 08:28:50
108947文字
会話率:53%
大道芸を稼業とするカイに拾われた孤児院出身のアリス。彼女はカイの弟子入りをして芸師として経験を重ねていく。次第にスキルも磨かれ順風満帆だった。しかしアリスには気になることがあった。それは師匠の秘密である。カイは、心に悩みのある人を拉致して
は、その人の不幸を取り除き幸せな人生に修正していくという魔法じみた能力を扱うことができたのだ。その能力に関しては終始一貫してアリスには黙秘していた。カイは凄腕の芸師だ。手品も扱う。それにはそれはどんなタネがあるのか。だが何年師匠に付き添ってもアリスはそれを暴くことができなかった。
しかしある時突然、カイと同じ能力を手にする機会がアリスに転がり込んできた。この能力があれば不幸な人を皆、幸せにできる。そう確信してならなかった。しかし彼女の身にふりかかったのは……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 12:11:38
105086文字
会話率:59%
双子の兄が俺とは違い陽キャでクラスメイトにも妹に親しくされていたのに、問題を起こしてとばっちりが俺にも来た。
最終更新:2025-04-22 15:04:16
714文字
会話率:59%
謎の男「焔 炯一(ほむら けいいち)」が変身する謎のヒーロー「バーニングフレア」もまた、謎のヒーロー。
人の不幸が何よりも大好きな卑劣な集団「ゲスー」の侵略の魔の手から、
平和を守るべく、人知れず、しかし大胆に、熱い心で戦い続けて行くのだ!
最終更新:2025-01-22 17:12:26
5566文字
会話率:29%
世界は悪意に満ちている。人という生物はどこまでも醜悪で、容易く悲劇を引き起こし、それがまた悪意を生み出す螺旋構造になっている。だからヨルンは世界中の人々の精神を支配し、皆を「善人」に定義した。
───それがゲームでの話。
俺はヨルン
に転生したが、ディストピアなんぞ作る気はない。他人の不幸なんぞどうでもいい。家族がいて、友がいて、幸せに暮らせる日常さえ無事ならば。そのために、特大の悪意の種は芽吹く前に摘んでやろう。
うん。だから国家転覆は止めてね? 邪神も復活させるなよ? いや、疫病呪術の実験とか何考えてんですかお前。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-05 22:00:00
2212文字
会話率:30%
湖の見えるベンチにイーダは座る。王宮に戻る前に、食べそこねたお昼をすますことにしたからだ。
1品目は肉の燻製をはさんだパン。口に含むと麦穂と牛肉が燃えてだいなしになったのを知る。ボリボリというパンにあるまじき食感が、午後に必要な気力を
遠ざけて……。生産者たちの嘆きの声が、料理人の無遠慮な笑い声にかき消されていった。
「食べられるタイプの廃墟、かな」
魔王のまねをして、皮肉をひとつ。
2品目はマッシュポテト。ビーツと小さく切られた人参の葉が相席していてかわいい。でも、食感は「ベチャ」だし、妙に硬いビーツが顎に入れる力加減を迷わせる。全体的に無味。「素材の味を生かした」という苦しまぎれのほめ言葉すら使う余地がないくらいに。
「……共同墓地」
紙につつまれた3品目を手に取る。小さく黒いグミのようなもの。日本で食べていたものよりも硬く、色も相まって強者感がすごい。舌の上に置くと広がる、独特な味。ダイオウイカの浮袋、古い時代の咳止め。自分の故郷では工業製品にも使われた、つまり塩化アンモニウム。
――これは食べ物じゃない。これは食べ物じゃない。食べても害のない、食べられるよう配慮された、食べ物以外のなにかだ。
なんとか飲みこみ魔界の食事に肩を落とす。腰にぶら下げた皮水筒に手をのばすと、横にならぶのは戦利品の入った袋。
開けて中を見る。暗い井戸のような袋の底から、いくつか指の欠けた右手が、こちらに手のひらをむけていた。
むやみに力を振りかざし、神様を馬鹿にし、この世界を踏みにじった『勇者』の体の一部。適切に保存されたそれから、新鮮な血の匂いが香る。
「あなたみたいな勇者がいるから、本物の勇者が迷惑するんだよ?」
怨嗟を吐く右手をイーダは笑顔で見下ろした。魔王たちが同じことをしたら、口の中へ他人の不幸でできた蜜の味が広がっただろう。
今自分はそうじゃない。けれど魔界の魔女として、ふさわしい言葉は知っている。
そう思った彼女は今日一番美味しいだろうそれに声をかけてあげた。
「ごちそうさま」と。
【作者より】
興味を持っていただき、ありがとうございます。
本作はローファンタジー風味のアンチヒーローものです。
第4回HJ小説大賞後期・2次選考突破作品
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-18 11:20:00
1387928文字
会話率:37%
人の不幸は蜜の味、あなたの不幸は蜜の味、皆んなの不幸は蜜の味。
これは人類を滅ぼす蜜の味。
どうか極上の蜜を味わってください。
最終更新:2024-08-16 15:07:35
26488文字
会話率:21%
ごく普通の高校に一人の異端者あり、他人の不幸を喰らい破滅の道へ誘うそれは周りの者から忌み嫌われていた。そして悲しき魔物は奇妙な男と巡り会う
関野ヶ丘第二高等学校にて、孤独を謳歌する「鈴木良太」が異界から来た悪魔と自称する転入生が引き起こ
す、喜怒哀楽の日常劇が今始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-22 13:36:41
6746文字
会話率:51%
他人の不幸は蜜の味という言葉がある。誰かにとっての不幸を見ることで自分が幸せであると再確認することができるという心理状態から来ているらしい。だけど私にとって不幸というのはどこまでも、
──ゲロの味がした。
キーワード:
最終更新:2024-06-14 00:18:51
7993文字
会話率:62%
王家の影を輩出するグロウズ家の少女、ステイシー。趣味の人間観察と情報収集をする傍ら、第四王子アレンの護衛兼仮初めの婚約者として二重生活中。
この物語は、アレンの双子の兄の不貞を野次馬したり、創作のネタに情報を提供いたり、他人の幸せや不幸を喜
んだりする話である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-09 07:00:00
28343文字
会話率:49%
俺がふっつーの社会人として生活している中で遭遇した出来事や、嫌な経験、面白いこととかを綴る。
――――――――――――――――――――――――――――――――
不定期かつ駄文。
R15は保険です。
今後タグ追加の可能性あり。
他人の不幸話で
ストレス解消したい方、ちょっとクスリと笑いたい方、こいつよりはマシと思いたい方、ぜひご一読ください♪
内容はバラバラですが、一応各話タイトルに簡潔に記す予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-07 06:00:00
12544文字
会話率:30%
病により15歳で人生を終えた少年は、ケモミミ吸血鬼少女ノーラ・ルワールに転生した。
新しい家族に愛されすくすくと成長していくノーラだったが、周りでは不穏な影が動き始めており――?
「大事な人の不幸な運命なんて認めません!」
これは、全
てを視ることができる魔眼を得た少女が大切な人たちを救うため運命に立ち向かうお話――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-15 19:48:36
16472文字
会話率:67%
私には奇妙な体質が備わっている。
それは不幸な人を見ると、舌があまったるく気持ちの悪い“蜜の味”を感じてしまうという体質だ。
その味を消すため、私は人助けに奔走した。
しかし、終わりのないその日々の中で、私の心は荒んでいく。
そんなある日、
疲労の溜まった私が道端でうなだれていると、あるホットケーキ屋の娘に助けられる……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-23 16:40:14
4875文字
会話率:18%
「人には不幸になってほしいし、自分は幸せになりたい」
長きに渡り虐待を受け続けてきた末に性格が歪みきってしまった純華。交通事故に遭って死んでしまったのだが何の因果か再び目を覚ました。しかしその姿は人とは全く違うものだった。鏡に映るのは黒猫に
蝙蝠の羽が付いた謎の生物(たぶん生物じゃない)。
私、悪魔になってる……?
人の不幸が何よりも好きな純華にとって、悪魔はまさに理想の転生先。自由気ままに悪魔ライフを満喫しているたが、なんやかんやあってとある少女に拾われた。
最初は少女や少女の弟などを自分のために利用していたのだが、少しずつ興味や愛着が湧いてきて……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-29 19:46:28
2665文字
会話率:18%
人の不幸は蜜の味なのだろう。私は現在90歳。哀しいのか嬉しいのか身体はぴんぴんしている。お喋り相手の娘っこに買わされたのは和菓子の一式コーヒーの一式化粧品の一式洋服の一式キッチン用品の一式庭いじりの一式。これから買わされるのは多分健康食品の
一式だろう。しょうがないから買ってやる。仕方なく。そう言いながら私は今日も熱い日本茶を淹れ娘っこが訪ねてくるのを待っている。お茶が減るのが楽しみでお茶うけを用意するのが生きがいだ。
この作品は作家でご飯に掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-08 10:59:39
9246文字
会話率:13%
「レーネが売れた! 化け物公爵が娶りたいと言ってきたんだ!」
家族に虐げられていたレーネは、祖母が残した形見の薬草と共に、化け物と恐れられる獣人、マーベリック公爵の元に嫁ぐことを決意する。
決して不安がないわけではないが、狂気に満ちた笑
顔で人の不幸を喜ぶ家族の方が化け物に思えて仕方なかった。
「早く出ていけ。目障りだ」
すでに自分の居場所がないと悟るレーネは、祖母とのある約束を守るため、化け物公爵の元を訪ねる。
しかし、黒い噂が流れる残虐な公爵様の姿はなく――。
「嬢ちゃん。今は無理せずに休むべきだ」
「無理は良くない、奥方。筋肉が悲鳴を上げている」
屋敷で働く家臣の獣人たちに親切にされ、傷ついた心が癒されていく。
もしかしたら、本当の旦那さまは優しい人かもしれない。
会えない気持ちで思いが募り、妄想という名の恋心が芽生え始めるのだった。
「はぁ~。私の旦那さまはいったいどこに……」
一方その頃、レーネを売り払った家族の元には、なぜか次々に災難が押し寄せてくることになり……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-09 20:13:04
206618文字
会話率:42%
ここは魔法で溢れる世界。
この世界で生まれた人間は皆、神から加護を授かれる。
だが神はなにも1人しかいないわけではない。
人間が「呪い」と呼ぶものを授ける神だって存在する。
森に住む青年ユウは暴食の神に呪いに等しき加護を受けたことで、何
でも食べられる体になった。それこそそのへんの石ころや木の枝すらも…
だがその加護には1つ欠点があった。
「あ〜、お腹が減ったな…」
どんなに食べても腹が満たされない。山盛りの料理を平らげてもずっと空腹のまま。
そんな呪いとも言える暴食を唯一満たせる物があった。
それは…
『食べられないものを食すこと』
暴食の呪いを受けた青年が、人が食べられない不幸を、食材に変えて美味しく頂くお話です。
※この作品は、話が進むと異世界転移者が現れます。しかし、異世界勇者を主人公として扱っておりません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-09 17:31:12
16666文字
会話率:40%