「ミラン、もうお前は用済みだ。城から出ていけ!」
ラフラン王子が私を指差して言う。
「どうして?」
私は聞いた。
「お前のような庶民で美しくもない女が、私の妃になれると思っていたのか? 浅ましい」
私は王子と結婚したい訳じゃないの
に、罵られて嫌な気分になる。
「私の妃になるのは、このマーガレット・ミルクス侯爵令嬢だ。聖女になった彼女がいれば、お前など用はない」
「ごめんなさいね、ミランさん。私の方が後から聖女になったのに、ラフラン様に選ばれてしまったわ」
銀糸の髪を手で巻き王子に隠れるように話す彼女は、私にしか見えないように微笑みを浮かべていた。
美しい紫紺の瞳が揺らめいて、とても綺麗な瞳からは涙が溢れた。
「ああ、マーガレット様はなんてお優しい。こんな庶民にまで慈悲を与えるとは」
「まるで女神だ」
「本当にお綺麗だわ」
そんな声があがり、私は諦めて城を後にした。
また駄目だったのかと、彼女は呟いた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-19 10:36:35
3241文字
会話率:42%
「ずっと、ずっと君が好きだ、ネリア。君のやりたいことは何でも叶えたいと思う。その準備はしてきたつもりだ。どうか、私と結婚してください」
紅潮した頬で私の前に跪き、青年は透き通るような紫の瞳でまっすぐに私を見つめている。
高級な銀糸のよ
うなきらめく銀色の髪が、風に吹かれてさらりと揺れた。
「ネリアの恋が実って、本当に嬉しい! こんな夢みたいな人が本当にいたのね」
ミサーラさんが感動したように目を潤ませて私達を見ている。
確かに目の前に居る人は、銀髪が美しく、冷たい目をした美形だ。加えて言うならすらっとした長身で、動物のような筋肉を感じさせる。
サッシュがつけられた白い制服は国の騎士団での高い位置を示し、貴族であることは間違いないだろう。
私が好きだと公言してきた人物と一致する。
でもその人物……架空の人物なんですけど!?
気がついたら(身に覚えのない)恋が実っていたネリアのハッピーエンドの話です。
※他のサイトにものせてます折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-20 13:46:39
12899文字
会話率:49%
とくに神に愛された神子姫に贈られる称号、フランツィスカ。
歴代の神子姫(フランツィスカ)のなかでも雨乞いの儀式によって必ず雨を降らせるといわれているイルムヒルトはある日、魔力が枯渇する。
魔力がなければ、雨乞いの儀式を行うことができない。
そこで、神殿の指示によって、その国を形成する六部族のそれぞれからもっとも魔力の高い者と見合いをし、伴侶を選ぶことになった。
その中のひとりハーラルトは、実は幼いころに会ったことがあった。
イルムヒルトは魔力を取り戻し、この地にふたたび雨を、天の恩寵をもたらすことができるのか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-08 18:00:00
36448文字
会話率:41%
私の名前はコリンヌ。セルジア国のトレディール公爵令嬢、アシュリー様に仕えるメイドです。
お嬢様に出会ったのは私が四歳、お嬢様が六歳の時。
遡れば公爵家と遠縁になる貧乏男爵家の娘の私は両親を流行病で失い、身寄りもなく公爵家にアシュリー様のお世
話係として引き取られました。
銀糸の美しい髪にアメジストの瞳、透き通るような白い肌。出会ったとき思い出した。ここは前世の乙女ゲームの世界。お嬢様は悪役令嬢。この国の第二王子の婚約者で、彼のルートでは最後に婚約破棄されて国外追放されてしまう。
私はゲームでお嬢様の手足となりヒロインへ嫌がらせをした罪でお嬢様の追放後に処刑それてしまう。
何としてもそれだけは回避したい。そのためにお嬢様が断罪されないようにしなくては。
でもこの世界のお嬢様はなぜかゲームの設定と違う。体が弱くて毎日特別に調合された薬を飲まなくてはいけない。
時折発作も起こす。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-17 21:00:00
31927文字
会話率:46%
近況報告(小説書く枠で近況報告していいのか?)
最終更新:2022-12-04 22:41:17
316文字
会話率:0%
お母さんとお父さんが大好きな子ども、そして親の話。
最終更新:2022-08-17 14:44:41
8484文字
会話率:21%
「アドリエンヌ嬢、どうか……どうか愚息を見捨てないでくださらんか?」
ここガンブラン王国の国王は、その痩せた身体を何とか折り曲げて目の前に腰掛ける華奢な令嬢に向かい懸命に哀訴していた。
「国王陛下、私は真実の愛を見つけてしまったのです
。それに、王太子殿下も時を同じくして真実の愛を見つけたそうですわ。まさに奇跡でしょう。こんなに喜ばしいことはございません。ですから、そのように国王陛下が心を痛める必要はありませんのよ」
美しい銀糸のような艶やかな髪は令嬢が首を傾げたことでサラリと揺れ、希少なルビーの様な深い紅の瞳は細められていた。
「い、いや……。そういうことではなくてだな……。アドリエンヌ嬢にはこの国の王太子妃になっていただくつもりで儂は……」
国王は痩せこけた身体を震わせ、撫でつけた白髪は苦労が滲み出ていた。
そのような国王の悲哀の帯びた表情にも、アドリエンヌは突き放すような言葉を返した。
「国王陛下、それはいけませんわ。だって、王太子殿下がそれをお望みではありませんもの。殿下はネリー・ド・ブリアリ伯爵令嬢との真実の愛に目覚められ、私との婚約破棄を宣言されましたわ。しかも、国王陛下の生誕記念パーティーで沢山の貴族たちが集まる中で。もはやこれは覆すことのできない事実ですのよ」
「王太子にはきつく言い聞かせる。どうか見捨てないでくれ」
もっと早くこの国王が息子の育て方の間違いに気づくことができていれば、このような事にはならなかったかも知れない。
しかし、もうその後悔も後の祭りなのだ。
王太子から婚約破棄された吸血鬼の侯爵令嬢が、時を同じくして番い(つがい)を見つけて全力で堕としていくお話。
番い相手は貧乏伯爵令息で、最初塩対応。
『アルファポリス』に掲載中のものを移植しました。
執筆し始めて二ヶ月ほどの作品の為、拙いですがご了承くださいませ(੭ ˃̣̣̥ ω˂̣̣̥)੭ु⁾⁾
*今度の婚約者(王太子)は愚か者です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-21 18:11:07
60717文字
会話率:48%
白薔薇の姫君と謳われるロゼッタ・ハイガーデン。
銀糸のような艶やかな白銀の髪とミントグリーンの瞳を持つ彼女は、この日を心待ちにしていたはずだった。
婚約してから早二年。ようやく婚礼を迎える事となったのだから。
真っ白な薔薇に囲まれたロゼッタ
は、いつの間にか真っ赤に染まっていた。ロゼッタはこの日を境に、一人ぼっちになってしまった。
茨に囲まれた呪われた屋敷にたった一人で暮らしていたロゼッタは、一人の青年と出会う。庭師を名乗るその青年との出会いが、ロゼッタの心を溶かしてゆく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-06 16:22:30
16380文字
会話率:26%
僕の婚約者はかつてセプテントリオの妖精姫と呼ばれていた。
銀糸のような癖のない髪に透き通った碧玉の瞳。
儚げな美貌に柔らかな微笑をたたえ、誰にでも穏やかに接する彼女は理想の令嬢、いや姫君だ。
彼女は僕の自慢の婚約者だった。
僕の身代わ
りとしてあの泥沼の戦場に彼女が行ってしまうまでは。
ようやく平和が訪れて、帰って来た彼女を僕は生理的に受け付けることができなかった。
何も映していないような虚ろな瞳。
周囲にピリピリとした空気をまき散らし、精神を削り取るような緊張を強いるあの眼光。
彼女の精神は今もあの戦場で泥の中を這いまわり、血と糞尿をすすってもがき続けているのだろう。
僕はそんな惨めな戦争の残滓を見たくなくて、その言葉に飛びついてしまった。
彼女を貶め、この世から消し去る事を正当化してくれる、あの根も葉もない噂に。
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アルファポリス様にも掲載しております
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全10話、完結保障。
1万字程度の短い作品です。
最終話まで執筆済み。
登場人物の感情を描いている作品なので、軍の組織や作戦などはものすごく適当です。
戦車などについても作者は全くの無知なので、あり得ない勘違いなどがあれば教えていただけると幸いです。
関東軍の従軍看護師だった母の従姉の思い出や、今まで読んだり人から聞いた戦争体験がごちゃまぜに入っています。
どこかで聞いたようなエピソードがまじっていても生温かくスルーしてください<(_ _)>
基本的にバッドエンドです。
苦手な方は回避してください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-18 19:00:00
14580文字
会話率:19%
お姫様には夢がありました。
それは、広い世界を自分の足で見て回ること。
お父様からお姫様のお誕生日に送られた、世界の不思議なものを集めた図鑑が大好きでした。
例えば、入口が巨人の喉仏に見えることから名のついた大あくび洞窟。
四百九十九の
骨で動く深海のボーンフィッシュ。
呪いの花だとも幸運の印だとも言われる、糸のような赤い花。
古来の魔王が根城にしていたという魔王島。
安全な鳥かごから羽ばたいて、少女は希望を抱くのか、絶望してしまうのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-20 23:57:39
1387文字
会話率:21%
塔に幽閉された姫君の歌う魔歌に魅せられて集まったモノは、人間ではなかった。
姫君は歌い続け、運命の糸が絡めたものは姫君の解放と王国の滅亡だった。
最終更新:2021-05-19 21:43:17
4434文字
会話率:19%
孤児院暮らしの少女フィンは、シスターや子供たちから除け者にされ、寂しく辛い日々を送っていた。
彼女の唯一の心の安らぎは、ぽっちゃり老婆のジューンが経営する薬屋での手伝いの時間。成人したら住み込みの弟子になるという約束を胸に、少女はひたす
ら頑張るのであった。
そんなとある日、少女は薬草採取に出掛けた森で二人の青年を助ける。なにやら訳ありの彼らとの出会いや、ジョージと名乗る貴人らしき男性に目を付けられたことでフィンの運命は徐々に変わってゆく…
明らかになるフィンの生い立ちや、彼女ばかりを虐げるシスター・アマンダの思惑。
フィンはすべてを知った時、どのような未来を選択するのだろうか?
(※ カクヨムにて別ペンネームで同時掲載しております)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-21 17:59:50
149536文字
会話率:48%
あたしの名前は栗山あずきです。
ひょんなことから、クラスメイトの佐伯りんごちゃんとうちの女子校、星愛女学院高等部の七不思議について調べることになりました。
しかし、調査を続けるうちに、隠された女学院の秘密に触れることになるのですが……。
台
車で運んだり運ばれたり、厳格菜食主義者(ビーガン)に目覚めたり、図書室や保健室でバトったり、タダでは済みません。
そんなギャグでほのぼのな七不思議探索について、お話ししたいと思います。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-23 21:06:51
51814文字
会話率:37%
あたしの名前は栗山あずきです。
あたしの高校の女子寮では、すごく個性的な人がたくさんいます。
変人のルームメイト、いたずら好きな隣人、ストイックな先輩、料理当番を代わってくれない先輩、そして清楚でハイスペックな寮長。
そんな個性的な人の集ま
る女子寮での、くすりと笑える日常の一端を紹介しますので、聞いてくれると嬉しいです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-28 22:04:55
30070文字
会話率:33%
あたしの名前は栗山あずきです。あたしの所属している美術部はとにかくヤバいです。変人の部長、スイーツ好きの副部長、全裸の先輩、無慈悲な同級生、そんな面々と過ごした日常の一端をご紹介します。
最終更新:2018-06-21 08:07:16
6590文字
会話率:23%
ーーあれは、傷だらけで帰った月映えの夜のことでした。
見たことのない美しい銀糸を靡かせ、迷いの無い瞳はじっと私を見つめている。
傷ついた手を掴む異形の手は、見た目に似つかないほど優しく、温かい。
感じた
ことがない温もりに心が揺さぶられ、気付けば降っていた雨は止んでいた。
初めて会ったはずなのに、懐かしいというような眼差しで微笑むこの人ならざるモノによって、如月雪花(せつか)の運命は走り出したのだと知った。
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カクヨムさんにも投稿しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-09 08:00:00
64579文字
会話率:45%
明朗快活で盛り上げ上手な女子高校生、比良田楓(17)が、クラスのいじめられっ子の、天宮さん(16)に心惹かれてしまうお話。
普段はpixivの方で活動させていただいております。
最終更新:2019-11-09 13:54:32
3313文字
会話率:18%
柔らかな銀糸に輝くサファイヤの瞳。
美しさを体現した様な可憐な令嬢――ステファニーは、今宵社交界デビューをする。
その夜会で出会ったとある紳士との、恋愛の始まりのお話―――。
最終更新:2019-09-28 18:28:51
3490文字
会話率:38%
【ブクマ件数290突破感謝です!】
「哲也君。薄々気が付いてるとは思うけど、君は私達に監禁されてるの」「今日からこの、わたしの部屋は!キミとわたし達の愛の巣になるわけだ!」どこにでもいる大学生の不壇通哲也(ふだんどおり てつや)はある日、知
らない部屋で目を覚ます。
そこにいたのは、輝く銀糸の髪を持つ、涼天咲夜(りょうてん さくや)と、作るごはんがやたら美味い、涼天咲月(さつき)の双子の姉妹。まったく面識のない美人双子に監禁された哲也は、夏休みを目前にして奇妙な監禁生活を強いられることに。
「――俺はお前達に手を出さない!絶対に!」毎夜迫りくる姉・咲夜の猛攻に、待ち構えてましたとばかりに包み込む妹・咲月。『咲夜が哲也を愛している』ということ以外は明かされない監禁理由。そこには並々ならぬ事情があるようで――?
哲也と美人双子の、ちょっぴり刺激的で、甘くスリリングな生活が今、幕を開ける……
果たして哲也はこの【愛の檻】から抜け出すことができるのか――!?
――え?抜け出さなくていい?
続編はこちら!是非よろしくお願いします。
https://ncode.syosetu.com/n3392fs/
※ コンテスト参加中の為、最新話はカクヨムにて随時更新中!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890475742
是非そちらもご覧ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-27 22:00:00
110140文字
会話率:53%
狭河市、それはこの世界で最も異界に近しい都市――通称、交叉都市である。
魔術結社『銀糸境界』に身を置きつつも魔術師ではない青年、荒凪十夜はそんな狭河市に住んでいる。
ある夜、魔術絡みの仕事に出向いていた十夜は、悪名高いはぐれ魔術師に魔術戦を
吹っ掛けられる。
戦いの最中、異世界から一人の少女が召喚されてきた時、交叉都市を丸ごと巻き込んだ戦いの幕が切って落とされた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-20 08:00:00
122802文字
会話率:41%
無事に再会を果たしたアマーリエとステファンは婚約パーティーを開くことになった。
様々な周りの反応を覚悟して臨むアマーリエだったがーー
紫陽花シリーズです。
前作をお読みになっていないと話が分かりません。
最終更新:2018-06-18 22:01:11
1611文字
会話率:25%
娼館に売られてしまった愛しい婚約者であるアマーリエを思い続けるステファン。
ステファンは力をつけてアマーリエを取り戻すことを誓う。
そしてもう一度会ったなら、もう二度と、
君を離したりはしないーー。
銀糸に映るは紫陽花色のステファン視点で
す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-17 19:01:04
2478文字
会話率:23%
婚約者で仲睦まじかったアマーリエとステファン。幸せな日々は突然の終わりを告げる。無実の罪を告げられ、娼館に売られたアマーリエは今夜も月を見上げる。あの人も同じ月を見ているのだろうかーー。
性描写はありませんが、ほのめかす表現がございます。ご
注意下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-10 01:05:55
2967文字
会話率:36%
「錆びた剣に降りそそぐは、銀糸の雨」の小話・番外編集。
※本編では脇役の登場人物からの視点もあります。よって、本編でのイメージが崩れるなどの恐れがあります。ご注意ください。
※読み切り投稿。不定期更新。
※本編「錆びた剣に降りそそぐは、銀
糸の雨」読了推奨。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-16 13:30:21
41576文字
会話率:29%
身を売って暮らす女・紫龍(しりゅう)は、ギーリンランドル国では珍しい銀色の髪に紫色の瞳を持つ。
馴染み客の一人であるウィーゼンという男に密かに想いを寄せているものの、自分の立場にも、自分自身そのものにも自信のない紫龍は、すべてをあきらめてい
た。ところがウィーゼンがしばらく紫龍の元で滞在することになり、二人の関係が変わり始める。
二人の想いが通じたかに思えた矢先、ウィーゼンは仕事により紫龍の元を立ち去ることになるのだが――……。
※主人公(女性)に、登場人物が暴言・暴力を向けるシーンが予告なく出てきます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-30 02:08:25
143693文字
会話率:30%