――“〈心の平静〉って、本当に手に入るのだろうか?”
慶應・日吉キャンパスで哲学書を片手に朝を迎える大学一年生・新名透。
無音イヤフォンに頼りながら日々のざわめきを遮断していた彼は、テニスサークルの新歓で天真爛漫な同級生・桜と出会い、やがて
胸の鼓動を覚える。銀杏並木、渋谷のミニシアター、宮下公園の夕暮れ——重ねた時間の末、透は桜に想いを告げる。けれど返ってきたのは、やさしい微笑みと「友達でいさせて」という言葉だった。
社会人になった数年後、ある先輩とふとした再会をきっかけに“ある真実”が姿を現した瞬間、透が積み上げてきた静けさは音を立てて崩れ去る。初恋と現在(いま)――二つの鼓動のあいだで揺れる青年は、〈痛み〉と〈愛〉をどう分かち合い、どんな〈平静〉をつかみ取るのか。
哲学が導く静寂の行方と、東京で交差する三つの想い。
静かにして激しい“心の再生”の物語が、今はじまる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-06 10:49:12
8660文字
会話率:40%
なんでもない日常に少しの彩りを
好きなあなたに愛情を
入学式の日、同じクラスの光崎 碧に一目惚れした
揺木 咲のゆるり恋物語
最終更新:2025-04-03 17:07:03
1412文字
会話率:67%
三月の東京。桜吹雪舞う日本武道館前でスーツを整えていた彼は、ふと懐かしい映画の半券を思い出す。礼堂のステンドグラスが蜂蜜色の光を落とす中、浅黄の振袖を着た女性が現れ「久しぶり」と声をかけてくる。十八歳の頃と変わらぬ笑顔ながら、まつげの化粧と
翡翠の指輪が新たな時間の経過を示していた。
記憶が蘇る。大学時代、彼女はゼミの後ろで銀杏の栞を挟んだ文庫本を読み、梅雨の映画館で柑橘の香りを漂わせていた。卒業目前の研究室で交わした「浅草の提灯祭り」の約束は台風で流れ、そのまま疎遠になっていた。
再会した今、彼女が手渡したのはあの日行けなかった浅草のインスタント写真。薬指に指輪はないが小指の翡翠が輝く。言葉に詰まる二人の間に、茉莉花の香りと時報の鐘が切なさを引き立てる。
帰宅準備を告げる彼のスマホには、現在の恋人から赤いドレスの写真が届く。哲学堂公園の桜吹雪の中、過去と現在が交錯する。電車の轟音と共に悟る――未完成の物語は風に溶けるが、眼前には新たな幸せが瞬いていることを。暮れなずむ街で、彼は新幹線の便当を二人分買う決意をするのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-21 21:36:01
1334文字
会話率:20%
時は、明治九年。異国の文化が馴染み始めた横浜の地で、元旗本の次男である桐嶋雄斗は、何でも屋「銀杏堂」を営んでいる。
24歳になっても妻を迎えず悠々自適に暮らしているように見える雄斗だが、実は、もう一つの顔がある。それは魔を打ち払う術を持つ
”魔祓師”。といっても法術が使えず、仲間からは”ヘタレ法師”と呼ばれている。
そんな雄斗は、ある日、路地裏で廓から逃げ出した振袖新造──瑠華を拾ってしまい、己の運命が大きく変わっていく。
これは一度は全てを投げ捨て横浜に逃げた青年の、再起と奮起と、運命を覆す物語。
あるいは港町横浜で織りなす、一人の不器用な青年と、不遇な少女の恋のおはなし──
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-17 09:35:20
110247文字
会話率:33%
晴れて大学を卒業し、小伏凪沙探偵事務所に就職することになった渡橋銀杏。もうすぐ事務所で働き始めて一年になる初めての冬、ついに初めての捜査依頼が訪れた。依頼主は日本有数の大グループである椋木グループの長女、椋木四葉。依頼の文面によると、グルー
プの会長である椋木増吉が不可解な状況で殺されたというのだ。混乱を避けるために警察にも相談はしないという依頼主の方針に従い、凪沙と銀杏は東京から椋木家の館がある仙台へと向かう。そこで待ち受けていたのは、椋木家の所有する洋館・六花館と謎に包まれた密室殺人だった。
二つの密室と、人間にはとてもじゃないが不可能な殺人。近くに伝わる一本だたらの伝承と、椋木家の暗部。
果たして、凪沙と銀杏は協力してこの謎を解き明かすことができるのか?
小伏凪沙……探偵
渡橋銀杏……助手
椋木増吉……椋木グループ会長で故人
椋木修一……椋木増吉の長男
椋木英二……椋木増吉の次男
椋木雄三……椋木増吉の三男
椋木四葉……椋木増吉の長女で修一らとは腹違いの兄弟
中道俊郎……椋木家の執事で、増吉の元秘書
柴崎佑月……椋木家のメイド
今泉由梨……椋木家のメイド
久米ミヨ……椋木家の料理長
黒崎吉彦……増吉のかかりつけ医折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-04 21:10:00
89350文字
会話率:54%
かつて大陸に広大な領土を築いたアンドロマキア帝国。しかし、その栄光も長くは続かなかった。相次ぐ戦争に飢饉、天災によって国は崩壊して、今やもう見る影はない。さらにはそこに介入してきた他国の侵略によって、平和な時代は終わりをむかえた。しかし、そ
れらの勢力に対抗するべくアンドロマキア旧軍人らによる新たなる組織≪レジスタンス≫が結成され、その一員としてナナは戦いに身を投じる。果たして、ナナは再び国に平和と安寧をもたらすことが出来るのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-30 21:00:00
100746文字
会話率:42%
主人公・荒木大輔は普通の男子高校生だった……はずだった。
そんな大輔の元を訪れた、生徒会副会長の水川蛍。その用事は「パソコン部」への勧誘だった。
しかし、そのパソコン部には恐ろしい秘密が隠されていて。
最終更新:2023-05-19 18:00:00
85916文字
会話率:45%
とある町のとある山。その山の奥の奥には、不思議な噂のある鳥居があった。
『鳥居の先には人喰いドラゴンが住んでいるから、進んではいけないよ』
そんな怖い噂に加えて、この山には凶暴なクマや猪などの野生動物も生息していた。そのため、人々が
山の奥へ足を踏み入れることはない。
しかしそこには一軒の家があった。
「はっはっはっ、人の子を拾ったぞ!」
「返してきなさいクソじじい」
人知れずひっそりと暮らすドラゴンたちだったのだが、人間の子供を拾ったことで彼らの日常は賑やかに動き出す。
ここに綴ったのはそんな山の奥の奥に住むドラゴン四匹たちと、出会いと別れの物語。
※完結まで執筆済み
※カクヨムでも連載しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-24 08:25:13
29780文字
会話率:62%
※ノベルアップ+様の「第1回歴史・時代小説大賞」で入賞致しました。応援してくださった皆様に多大なる感謝を申し上げます。
20歳の大学生だった栗岡成輝は、気が付くと戦国時代の近江国の小さな国人領主の子供に生まれ変わっていた。寺倉家の嫡男・淀
峰丸として生を受けた彼は、前世で得た知識を使って幼少の頃から少しずつ領内を発展させ、民からは“神童”と呼ばれて尊敬を集めていく。
のちに「寺倉正吉郎蹊政」となった彼の元に集ってくる「寺倉六芒星」や「寺倉十六将星」「寺倉六奉行」と呼ばれる家臣達の力を借りて、正吉郎は『日ノ本の民を豊かにし笑顔の溢れる世を作るべし』と壮大な宿志を掲げ戦乱の世を生き抜いていく。
※ノベルアップ+、カクヨムにも転載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-01 11:02:57
1455593文字
会話率:33%
ボクと一緒に暮らすおばさんの奮闘を回想した備忘録。
最終更新:2025-01-12 22:37:34
9974文字
会話率:7%
青少年教育施設に勤務する藤井は、夕方、宿泊する小学校の先生と打ち合わせを行っていた。いつもどおり、首尾よく打ち合わせを進めていたところ、先生からある相談を受ける。夜二十時、藤井は、バインダー、ビー玉、セロハンテープを手に、「地図の広場」へ
向かい、ひとりの男の子と時を共に過ごすのであった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-05-12 10:14:44
3880文字
会話率:50%
大学の夏休みに図書館で勉強をしていた会計学科一年の銀杏は、同じ大学の三年、宇佐美から相談を受ける。サークルの部室で同級生の黒木と銀杏が宇佐美から見せられたのは、カンマのようなものが打たれた一万円札であった。
最終更新:2023-12-31 16:08:34
4209文字
会話率:48%
道端で転がっていて、とにかく臭くて。
あれだけ苦手だった銀杏が、いまでは楽しみになっています。
最終更新:2024-12-17 23:44:14
200文字
会話率:0%
臭いけど美味しい。
それは銀杏であったりします。
最終更新:2023-10-10 00:07:48
200文字
会話率:0%
銀杏を拾っているひとを見ました。
節操なく車が走っていて、危なくみえた。
最終更新:2022-10-09 00:24:44
200文字
会話率:0%
黄金色に染まる銀杏並木を独りで散歩していると、狐の面を被った不思議な女性に出会い────
最終更新:2024-12-13 16:47:28
998文字
会話率:55%
秋から冬になりますね。
最終更新:2024-11-23 08:20:00
216文字
会話率:0%
銀杏が舞う道を
あなたは歩いていく
最終更新:2024-11-16 18:17:28
243文字
会話率:0%
いつかちょっぴり思い出してや
最終更新:2015-10-31 15:39:51
221文字
会話率:0%
NICUで働いている秋元早和は、小学生の頃に風邪をこじらせ、左耳の聴力と、左の腎臓の機能を失った。
ある日、高校時代の同級生だった涼子の赤ちゃんが、NICUにやってきた。
涼子は子宮頸がんの手術を受けるために、妊娠8ヵ月になるのを待っ
て、子供を出産し、出産後数日で、母子共に亡くなった。
結婚や出産に、希望が見えなくなってきた早和は、NICUにいる事が、だんだんと辛くなってくる。
亡くなった涼子は、早和の前に時々現れ、何もかも失ったのは、早和のせいだと責め続ける。
早和の体をくれないのなら、大切な人を奪っていくと、涼子は言った。
6年目の医師の澤口奏は、人と距離を置こうとする早和に、少しずつ近づいて、心を開こうとしていた。奏自身も、家族との距離に悩んでいた。
少しずつ打ち解けていった2人の前に、涼子が現れる。
NICUを辞め、養護学校へ就職した早和は、そこで出会う子供達と、想像もつかない毎日を送っていた。世間の常識にとらわれず、自分らしく生きる事を教えてる教師達に囲まれながら、だんだんと、自分の気持ちに、向き合える様になってきた。
奏と離れてから3ヵ月。生徒の付き添いで病院を訪れた時、小児科医として、外来に勤務してた奏と再会する。
奏に対して素直になれない早和は、奏が会いに来ると言った日の夕方、同僚の凌に一緒にいてほしいと頼む。
玄関で凌を待っていた早和を見た奏は、体調が悪そうな早和を病院へ行くように説得する。
秋から冬にかけての景色は、どこにでもある日常を色付ける。
大学の前にある銀杏並木に吹く風が、またひとつの出会いを運んでくる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-12 00:28:51
57302文字
会話率:65%
銀杏を潰したい季節になりました
キーワード:
最終更新:2024-10-15 21:28:00
418文字
会話率:0%
大学生の恋愛物語です。
キーワード:
最終更新:2024-10-01 12:01:52
5150文字
会話率:22%
月が綺麗だという日、俺は母を散歩に連れ出した。日が落ちる頃の公園は、まだ暑くて、たまに犬が鳴いて、銀杏が臭い。月が綺麗で、繋いだ母の手は温かかった……。
老齢になった母とその息子が、月の下で散歩するお話。
最終更新:2024-09-18 23:13:22
2141文字
会話率:34%
登場人物
含湊守《ふくみすめらじゅ》/|愛目丸《あいめざめまる》
琉球王国宮古島で波留教の教主、|鳴一本尊《なりはじめのもとみこと》の元、修行している。|銀杏儀《いちょうぎ》の|刺想槍《さしおもいのやり》を持ち、|鳴獣《めいじゅう》の|無
四像《むよんぞう》に乗る。荒れ果てた邪馬台国に叛旗を翻し、西の域に|集友《しゅてい》を立てる。
|由未猫守《ゆいねこじゅ》
波留教の大教主、|含上辺老《ふくみがみべのろう》より、|呼本玉《よびもとのたま》と|白湖猫《びゃっこねこ》を授かった神の一人。三晴天の行う世界観の再構成に異議を唱え、事あるごとに愛目丸の邪魔をする。
|銖鼎天皇《しゅていすめら》/|馳《はせる》
邪馬台国、最後の天皇。皇太子の頃は、|手提馳《しゅていはせる》と言った。傾城の美貌を持つ|芽嬬《めじゅ》を娶って以来、錯乱し、国を荒れ果てさせた。
|荒和《あらなご》
邪馬台国の|含師《ふくみじ》。銖鼎天皇の養育係。
|神世《かみよ》の|破面教《はじきょう》の富山山脈で神術の修行をしていたが神になりきれず|人世《ひとよ》に降り、暮らしている。
芽嬬
銖鼎天皇が伊邪那美宮で破廉恥な歌を歌ったことで伊邪那美が激怒し、九百年の狐の魂を送った。その狐が乗り移った、今の東京辺り出身の女。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-11 20:09:25
13499文字
会話率:46%
県内で初めての女子高校野球部ができた。その野球部に新たに所属した十人のメンバー。
初めはグラウンドも荒れ果てた環境の中、個性溢れるメンバーが団結して、一勝一勝をもぎ取ることができるか。
<登場人物>
内藤監督 男子野球部監督から女子野球部
監督に移った二十代の若い先生。優しそうな先生だが・・・
塩野唯香(しおのゆいか) このチームのエース。打たせて取るピッチングに定評、しかし彼女にも弱点が・・・
相馬陽(そうまよう) 中学では男子に混じって捕手としてスタメン入りするほど実力は確か、しかし男恐怖症であり・・・
宝田鈴奈(ほうだすずな) 一塁手。本人は野球観戦が趣味と自称するが実はさらに凄い趣味を持っている・・・
銀杏田心音(いちょうだここね) 二塁手。長身で中学ではエースだったが投げすぎによる故障で野手生活を送ることに・・・
成井酸桃(なりいすもも) 三塁手。ムードメーカーで面倒見がいいが、中学のときは試合に殆ど出ていなかった・・・
松本桂(まつもとけい) 遊撃手。チームのキャプテンとして皆を引っ張る。ただ、誰にも言えない過去があり・・・
奥炭果歩(おくずみかほ) 外野手。唯一の野球未経験者。人見知りだが努力家で、成井のもと成長途中。
水岡憐(みずおかれん) 外野手。部長として全体のまとめ役を務めている。監督ともつながりが・・・?
比石春飛(ひせきはるひ) 外野手。いつもはクールだが、実はクールを装っていた・・・?
角弗蘭(かどふらん) 外野手。負けず嫌いな性格だがサボり癖があり・・・?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-13 13:29:56
6710文字
会話率:43%
その少女の名は葉月彩夏(はづきさやか)。可憐で清楚、どこか儚げな雰囲気を纏う少女は、人に言えない秘密を抱えていた。人を寄せ付けず孤高に生きる彩夏には、友人と呼べる者は誰一人いなかった。
ある日、彩夏は水星深彗という少年と出会う。深彗は、
夢も希望も抱けず失望の日々を送っていた彩夏を無償の愛で包み込む。
二人の出会いは必然的だった。二人を結ぶ絆とは――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 22:00:00
102007文字
会話率:34%
主人公 寺山 茜はいじめを受けて、親、妹からも奴隷扱いをされていた。だが、茜には人よりも霊が視える特殊な体質を持っていた。
そんな茜を救ってくれた謎の女の子が、助ける代わりに私の店で働かないか。という提案を出した。
仕事場は様々な神の住む街
、「エール街」。
仕事内容は迷惑な霊等を倒して封印し、その霊を駄菓子のようなものから武器のようなものまでを加工し作るという仕事だった
茜はそこからどんな生活を送るのか....折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-29 18:23:01
3456文字
会話率:76%