植物を愛し、静かに生涯を終えた老人。
彼が次に目覚めたのは、剣と魔法、そして鉄の帝国が支配する異世界。
……それも、動くことも話すこともできない、森の片隅に生きる一塊の**『苔』**として。
ただ、静かに、穏やかに。
前世で望んだ通りの静
寂な日々を過ごしていただけなのに、彼の存在そのものが作り出す不可侵の**「聖域」**には、いつしか訳ありの者たちが集い始める。
国を追われた王女、鎚を捨てたドワーフ、人間を憎むエルフ――。
神にも見捨てられた者たちが、最後の安らぎを求めてたどり着く場所。
これは、大きな力も野心も持たない、世界で最も無力な主人公が、その優しさと存在だけで、凍てついた世界を静かに、だが確実に温めていく物語。
――鉄の帝国が、その聖域の価値に気づく、その時まで。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 20:12:05
181338文字
会話率:40%
精霊語。それは人間には理解できない言語だ。
西の国の王子様、リア・クローバーはその言葉以外話せない。
リア様に命を助けてもらった私は、何とかコミュニケーションを取っていくと次第にそれが旦那様に認められることに。
「君にはリアを支えて欲しいと
思っている」
喜んだ束の間、「ただし条件がある」と言われた。
「喋れないリアの代わりに結婚相手を見つけてほしい」
本来リア様と結婚を認めてもらえるような身分ではない私は、喜びつつもどこか心に引っかかりを感じていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 16:00:00
334935文字
会話率:51%
文化人類学の教授・古河の助手として、梶原瑞樹は山奥にある無名の旧集落を訪れる。地図にも記録にもほとんど痕跡を残さないその地は、地元の人間すら知らなかったという。彼らの目的は、戦前に「封鎖」されたとされる古井戸の調査。そこで出会ったのは、寡黙
な老人・三谷。
苔むした道、崩れかけた祠、風のない空気、そして音のない夜。
日常から確実に切り離されたその集落には、「何かを祀った」痕跡と、「何かを封じた」井戸があった――。
異常は、静かに、そして確実に忍び寄る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 12:00:00
5593文字
会話率:8%
浜屋真弓は両親の海外赴任で一時的に祖父母の家に居候することになった。共に海外へ連れ出そうとする両親を振り切り、浜屋は勝手に転入手続きを済ませF県の祖父母の元へ居候する事に決めたのだ。海外に行くのは無理と断ったのは建前で、本当は幼い頃から根
付く、この強烈な違和感を払拭する為に。
浜屋には記憶がなかった。
正確には──この故郷に住んでいた、小学五年までの記憶の全てを失っていた。
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
【創作概要】
大事な事を言えない男女が言わないまま、ただ欲しいものを我武者羅になって手に入れようとする。ダークホラーラブコメ話です。
のんびり更新中。
⚠要素⚠
微腐要素、BL、NL、執着
宗教に関する部分で若干否定的な要素が出てきます。苦手な方はご自衛ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 21:36:14
25974文字
会話率:33%
静まり返った森の中に一人の男が住んでいた。
男のとかくには苔で覆われたいつの時代か不明な産物が転がっていた。
男は立ち上がり、こう発した。
「生ける者の行為に禁忌を。死せる者には適応を。」
森がざわつき、再び静まり返る頃には男はいなかっ
た。
その場に残ったのは、土から生えた小さな芽だけだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-20 00:00:00
17538文字
会話率:50%
我々人類は、この広い宇宙の中で本当に孤独なのだろうか。誰しも一度はそんな疑問を抱いたことがあるだろう。
今までの観測結果によると、生命が生まれる可能性のある惑星や衛星は、この広い宇宙の中に無数に存在している。
その疑問を解消するため
に、人類は無人探査機を数多く打ち上げてきた。その観測結果によると、木星の第3衛星であるガニメデには、何らかの生命体が存在しているであろうことが判明した。ガニメデの表面上に、隕石で出来たとは思えない程の数、様々な形の穴が空いていたからだ。
まだ理由はある。分厚い氷の地面には、土などないにもかかわらず、苔か藻類のようなものが点々と生えていたのである。更に、ガニメデに近付くと、法則性のわからない、微弱な電波が検出された。
何者かはわからないが、厚さ150kmというこの分厚い氷の下には、何らかの生命が誕生している可能性が高いと、科学者達は分析した。
知らないことは知りたくなるのが、人というものである。ついには、2130年、有人宇宙飛行船をガニメデに飛ばす計画が立った。
〈トムソン号〉と名付けられた有人宇宙飛行船が、ガニメデに到達するのは、7年後である。
ストレス耐性が高く、それぞれの部門で優秀な科学者である人物が、厳正なる試験によって選抜された。人類が、今の技術で作ることのできる宇宙飛行船は、驚く程に狭く、収容可能な人数は5人までとなった。
超高難度の試験を突破した、忍耐力のある英雄たちは、以下の通り。
パイロット ジョージ・エヴァンス
副パイロット ルイス・エヴァンス
通信士 デヴィット・アンダーソン
生物化学者 立花 里香
医師 アルベルト・ホフマン
これは、この5人が繰り広げる、ガニメデの冒険と宇宙の旅の物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 21:24:48
67187文字
会話率:60%
王都の司書を志し、王立魔法学術院の門を叩いた田舎娘・アイラ。だが、始業三日目にして彼女は早くも留年の危機に瀕していた。突然の休講、消えた魔導書、割れ続ける眼鏡――日々、しょうもない呪いに侵されながら、アイラは司書免許に必要な単位を無事に修得
できるのか?
* * * * *
登場人物
〈眼鏡割り〉のアイラ…上京したての眼鏡の女の子。司書になるために勉強するみたい。
〈放蕩〉シャルロッテ…アイラの寮の先輩だけど、留年したから同級生。卒業はしたいみたい。
〈爪弾き〉のジャスパー…同級生。魔法の扱いには自信があるみたい。
〈跋扈する〉サイサリス…同級生。首席としての威厳を示したいみたい。
〈根腐れ〉パルマージ…同級生。サイサリスといつもいがみ合っているみたい。
トルネオ・ウェイリー…レブストルの教授。基礎魔法演習Ⅰを担当するみたい。
バートン・ダズリン…レブストルの講師。魔法書取扱基礎Ⅰを休講にしたみたい。
◆エピソード0◆
四級受呪者の前日譚
https://ncode.syosetu.com/n9087jv/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 20:10:00
30694文字
会話率:37%
古来より、魔法には呪いがついてまわる。
蒸気機関が走る街で、魔法の教育が行われる――そんな時代のどこかの国の、一人の少女の物語。
田舎者のアイラの夢は、王都の司書として働くこと。新しい環境で魔法図書の扱いを学ぼうと意欲に燃えるアイラだった
が、彼女には「魔法を使うと眼鏡が壊れる」という呪いがあった。「眼鏡割り」なる素っ頓狂な二つ名を携え、理想のキラキラ大都会とは程遠い裏通りのおんぼろ寮で、彼女の王都生活が始まる。
寮で出会った留年生・シャルロッテと仲も深まり、いよいよ入学式――だがその当日になって、アイラはシャルロッテが抱えていた問題にやっと気が付いた。初めて触れる、他人からの明確な悪意。田舎で本しか読んでこなかったアイラは、友人の笑顔を取り戻し、二人で新学期を迎えることができるのか。
*****
お読みいただきありがとうございます。以下、補足です。
・本作は「カクヨム」で連載を始めた小説です。早く先が知りたいという方は是非そちらへもお越しください。
・拙作はセリフだけで物語が進行しないよう、一般的な文芸作品と同様に描写に力を入れています。進みはゆっくりでも情景や世界観を味わいたいと思っていただける方におすすめです。
・感想大歓迎です! 忌憚無きご意見お待ちしておりますm(_ _)m折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-03 12:10:00
134319文字
会話率:36%
単語を組み合わせて新しい単語を作るアプリで作った単語にリアクションしたり意味を考えたりする連載。超楽しい。毎回最後にベスト単語をいくつか発表する。
最終更新:2025-07-18 23:54:37
57754文字
会話率:2%
我が名アメサーラ、神だ。この連載では、神仲間である光明丰裏京天(こうみょうふりぎょうてん)と様々なことを語らい、体験し、発信するつもりだ。
また、タイトルの通りこの連載は9万話まで続く予定である。心ゆくまで楽しむがよい。
最終更新:2025-07-17 21:22:41
8908文字
会話率:51%
自分が今まで書いてきた作品に感想を書くだけです。本編では一切やらなかった「ツッコミ」をすることになりそうです。
最終更新:2025-05-06 20:42:30
181542文字
会話率:6%
**「枯骨熱」ウイルスで人類滅亡から824年後。緑に侵食された地下実験室で、「バビロンプロジェクト」最後の二人の機械少女が目覚めた。**
**銀瞳の璇玑(せんき)は、人類の歴史と冷徹な論理を担う旧世界の守護者。金瞳の玉衡(ぎょくこう)は、
芸術と情熱を宿す新世界の探求者。**
失われた知識を背負い、直面したのは人類絶滅、生態系が暴走的に復活した星。摩天楼は巨樹に飲まれ、廃墟は蛍光苔に覆われる。玉衡の瞳に未知の生気が映る中、遠方の微弱信号が唯一の道標となる。
神の導きも生存者もなし。荒廃大陸を横断する旅へ:
**璇玑は計算で生存を図り、風化した遺構と汚染の森で文明のレクイエムを解析。**
**玉衡は好奇心で未知を照らし、踊りで獣と共鳴し、見聞を生態芸術へ昇華。**
錆びた都、鯨骨の塩湖、データの墓場を越え信号源へ近づく。待つのは残酷な皮肉と認識を覆す真実。
これは旧文明の終焉の碑、新紀元の産声。指令も意味も消え、互いの手だけが確かな座標。鋼が苔の温床となり、ビルが巨樹の礎となった星で、人類の全てを背負う二人は、足跡で生命の奇跡を測り、果てない旅路で創造主を超える存在意義を見出す——
**旅そのものが答えだった。**
**彼女らは新生地球に響く、孤独で永遠の残響である。**
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 00:56:07
5917文字
会話率:24%
一国に数人しか存在しない魔導士。その内のひとりであるネーロは国に仕えるのではなく、訳アリな魔導士や魔法使いのセーフティネットとなっている裏組織・便利屋に席を置く。
そんなある日、お師匠様から王女の護衛を務める魔導騎士・ラインハルトの依頼を丸
投げされる。
その依頼の内容は。
『ラインハルトに懸想する王女の隣国第二皇子との政略結婚の恙無い執行』
しかし、依頼人のラインハルトはネーロが提示する策に悉く却下し、それに呆れて適当に「王女様に失恋させてあげれば?」と提案すると、その案があっさりと採用されてしまう。
そして、案の定王女に詰められたラインハルトは恋人がいるのだと嘘を吐き、その場を収めようとするが、王女がそう易々と諦めるはずもなく…。
嘘から始まる偽りだらけの恋人関係は、果たして王女を欺くことが出来るのか___!
全21話。毎日投稿(予定)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 18:00:00
56565文字
会話率:35%
田舎に住む普通の男子高校生・大空 麦(おおぞら むぎ)は、
ある夏の日、家の裏庭にあるボロ小屋で「異世界へと通じる扉」を発見してしまう!
扉の向こうに広がっていたのは──
戦争に疲弊し、食糧難にあえぐ中世風の漁村だった!
村人たちのや
せ細った顔を見た麦は、思わず叫ぶ。
「こんなときこそ──おにぎりだろ!!」
……が、異世界に電気は通っていなかった。
炊飯器、ただの鉄の箱と化す。
それでも、麦はへこたれない。
火を起こし、鍋で米を炊き、海苔を巻いて、塩をまぶして……
文明の粋と家庭の知恵で、「最高のおにぎり」を振る舞う!
「う、うまい……! これが“ムスビ”という食べ物か……神の食い物だ……!」
異世界の人々は目を見開き、
塩むすびはいつしか信仰の対象にまでなってしまい──!?
ごく普通の高校生が、“おにぎり”という最強の武器を手に、
今日も異世界で人助け!
果たして麦は、飢える村を救い、
扉の謎を解き、世界をつなぐ「飯の配達員」になれるのか!?
──ほっこり感動、おいしさ爆発、笑って泣ける異世界飯テロ冒険譚、ここに開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-05 15:21:00
33417文字
会話率:32%
苔が大好き主人公!
苔を買いに行って道に生えてた苔を見たたら
橋が落ちてきた
目が覚めるとゼニゴケだった!
最終更新:2025-06-26 21:48:37
6324文字
会話率:6%
日本人は海苔をよく食べます。
キーワード:
最終更新:2025-06-25 23:50:07
465文字
会話率:0%
今日も苔むした庭に佇んでいた武士は、ふと外へと歩みを進めることにした。そこには様々な庭があった。
最終更新:2025-06-25 11:53:56
862文字
会話率:31%
読めばわかる
読まねばわからぬ
何事も
最終更新:2025-06-25 10:40:46
2046文字
会話率:13%
白髪の少女が目を覚ますと、そこは異様に歪んだ不思議な空間だった。湿った草や苔に覆われ、空は青緑に染まった幻想的だが不気味な世界。突然、少女は黒い甲冑をまとった存在に命を狙われ、槍で攻撃される。命からがら逃げ込み、深い森へと姿を隠す。
その
後も彷徨い続け、空腹と疲労で限界を感じた頃、再び黒い甲冑の者を見かけて身を隠すが、そこで謎の仮面の女性「ファイ」と出会う。ファイは不気味な笑みを浮かべながらも、少女を森の外れにある村へ案内してくれることに。
少女は自分の名前も思い出せず、過去の断片的な記憶(母との暮らし、見知らぬ男たち、そして黒い甲冑の存在)を語りながら、ファイと共に村を目指す──折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 01:16:11
1329文字
会話率:38%
その瞬間、世界は、音を立てて崩れた。
燃え盛る空。
崩れゆく城。
叫びと怒号と、そしてただ一人の魔王の、静かな沈黙。
「……終わったのだな」
全ての力を使い果たし、大地に崩れ落ちた魔王ノイルは、自らの運命を受け入れていた。
だが、次の
瞬間。
彼の視界は、闇の中に飲み込まれた。
***
「ここは……どこだ?」
目を覚ました時、ノイルはもう“魔王”ではなかった。
力は失われ、世界は変わっていた。
周囲には、静かな森。風の音。小鳥のさえずり。
そして、苔むした小屋が一軒──
ノイルはそこに、なぜか“懐かしさ”を覚えた。
魔法も剣もないこの世界で、彼ができることはひとつだけ。
「……そうだな。店でも、開くか」
最期に自分が淹れた一杯のコーヒーの味を思い出しながら、彼は扉を開いた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 23:00:00
6133文字
会話率:29%
10年保温した白米を肺の中に詰め込んだらおむすび屋の看板娘に強靭な海苔で拘束された
キーワード:
最終更新:2025-06-08 22:12:26
89266文字
会話率:10%
ここに眠る誰かの物語は、もう誰も知らない……」
忘れられた屋敷、苔むした墓、誰にも読まれない手紙。
けれど、それでも「ここに居た」ことを誰かが覚えているなら──
名もなき者たちが綴る、静かな死者との文通。
短編連作『拝啓、墓場より』
最終更新:2025-06-06 14:10:05
3592文字
会話率:3%
平凡な日常に飽き飽きしていた会社員・神代零(かみしろ れい)は、最新VRMMO『Eternal Frontier Online』に非日常を求めてログインする。しかし、予期せぬバグにより、彼が降り立ったのはプレイヤーキャラではなく、名もなき最
弱モンスター――半透明のゲル状生物『名無し』の姿だった!
作り直しもできず途方に暮れる零だったが、持ち前の面倒くさがりと好奇心から「ゼロ」として魔物プレイを開始。彼に与えられたのはレベルではなく、喰らった対象の能力を吸収し進化するユニークスキル【捕食】。
虫や苔から始まり、モンスター、危険な罠、そして時には油断したプレイヤーすらも糧として、ゼロは孤独に進化を重ねていく。擬態で身を隠し、人間を避けながらも、その異質な力は次第に噂となり、やがて運営すら無視できない『歩く災害』へと変貌していく――。
最弱からの捕食成り上がりファンタジー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-03 20:00:00
344306文字
会話率:19%