嫌な上司から転属命令を下された平民騎士ニールは素直にそれを受け入れた。
何故か? 疲れ果ててしまったからだ。
彼は日夜凶悪な魔獣と戦い、勝利することで功績を積み立ててきた。
今日まで体を張って頑張ってきたのは、貴族になって不自由のない生活を
送るという夢のためだったが、彼は出世の競争に疲れ果てて夢を諦めてしまった。
とは言え、上司の悪口を心の中で叫ぶのは忘れない。
十年務めた騎士団からおさらばし、次の職場は第三王子直属の特別開発室。
別名、魔女の塔と呼ばれる職場だった。
第三王子は魔女を飼っており、王城敷地内にある塔を与えて好き勝手させている。魔女は塔の中で怪しい研究を続けている――という噂。
そんな噂が聞こえてくる部署が次の転属先。
第三王子の面談をクリアしたニールが魔女の塔に向かうと、扉を開けたのはだらしない恰好をした美人のエルフ。
彼女はその美貌とスタイルに似合わないニチャッとした笑みを浮かべ、ニールに特別開発室での仕事内容を明かす。
新しい職場での仕事内容は魔女が作り出す試作魔導具・魔導兵器の評価試験においてのテスター担当。
それとだらしない魔女の世話係兼護衛。
ウサちゃんエプロンが新しい制服である。
凶悪な魔獣と戦う毎日から一変、今度はウサちゃんエプロンを装備した騎士にジョブチェンジ。
買い物バッグを片手に市場で食材を買い、試作品の評価試験では魔女の作った魔導具を駆り、魔女が本屋に行きたいと言えば護衛する。
こうして、夢を諦めた男の新しい生活が始まった。
※ カクヨムでも連載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 00:50:50
203703文字
会話率:36%
帝国騎士団に所属していたアッシュは順風満帆な人生を送っていたが、婚約者から婚約解消を言い渡される。
しかし、それだけでは済まなかった。
彼は元婚約者である貴族のお嬢様に赤ちゃんプレイを強要したと偽りの噂を流され、それを理由に騎士団をクビにな
ってしまう。
順風満帆だった人生は一気に灰色へ。
全てが嫌になった彼は外国へ旅立とうと決意した。
向かった先はダンジョンを利用して急成長を続けるローズベル王国西部にある第二ダンジョン都市。
そこで彼はダンジョン内の魔物を狩る者――ダンジョン狩人として人生を再出発させる。
様々な問題や事件に直面するも、帝国騎士団時代に鍛え上げた実力で解決していき、アッシュは徐々にローズベル王国で名声を獲得していく。
これは婚約解消と追放の両方を受けた憐れな男が、ダンジョン狩人として活躍しながら名声を築き上げていくストーリーである。
※ カクヨムでも投稿中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-27 21:26:01
1180003文字
会話率:38%
物語の主人公であるリリベルは森の中で暮らす見習い魔女だ。
彼女の家族は魔女の師であるヴァレンシアと彼女の兄を自称する犬の精霊。
リリベルは一人前の魔女となるべく、家族三人で仲良く暮らしていたが……。
彼女が十六歳になった年、師匠であるヴァレ
ンシアが老衰で亡くなってしまった。
一時は悲しみに潰されそうになってしまうリリベルだったが、前を向いて生きていくことを決意する。
立ち直ったリリベルはヴァレンシアの残した約束を思いだす。
一つは自立した生活を送ること。
もう一つは南の魔女へ会いに行くこと。
リリベルは師匠の残した約束に従い、自立した生活を目指しながら南の魔女へ会いに行くことにした。
小さな旅をスタートさせた一人と一匹は道中で大好きなお菓子とジャーキーを堪能しつつ、森の外にある世界を巡ってゆく。
旅の途中、彼女達は様々な出会いを経験する。
乗り合い馬車で一緒になったおじさんおばさん。街の平和を守る騎士。国内を旅して回る傭兵。国の貴族。
それに、人の敵である獰猛な魔獣との戦い。世に蔓延る危険な悪人共との遭遇。
外の世界で起きる様々な出会いと出来事を経験し、リリベルはたくさんのお菓子を食べられ――じゃなく、立派に自立した一人前の魔女になれるのだろうか?
※ カクヨムでも連載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-20 22:30:15
122139文字
会話率:42%
入室暦875年、春、少女は入学式に参列していた。
柔らかな金髪が風に踊り、無垢な水色の瞳が講堂の天井を見上げる。
名を、《フィリア》。
彼女は、魔法も特技も何も持たない“何者でもない”新入生。
その日──彼女は、歌った。
それは学校指定の
校歌ではなかった。
聞いたことのない、けれど確かに“懐かしい”旋律。
その瞬間。
書庫に眠る一冊の本が、色づいた。
生徒たちは気づかない。教員すらも、ただの気まぐれか、春の幻と笑った。
だが、たった一人──その場にいた灰色の瞳の少年は、確かに見ていた。
「……色が……戻った……?」
少年の名は、《リオ》。
彼は“ただの学生”としてこの学園に入学したばかりだったが、心の奥底には燃えるような違和感を抱えていた。
そしてその日、リオの世界は、その旋律によって色づき始める。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 00:32:57
31986文字
会話率:37%
加模橋高校プラロボ部、アオい梯子をのぼった先には巨大なプラロボを動かせるナゾセカイがある。
どことなく気だるい青春の日々を消化していた周りよりちょっぴり可愛い女子高生佐伯海魅は、思い立ったが吉日の精神でプラロボ部の部室のナカへと乗り込んだ。
プラロボ部のたったひとりの部員で部長である浦島銀河と出会い、ナゾのヒロインを得た浦島銀河は愛機リバーシと共に佐伯海魅と共にプラロボ部としての活動の幅を広げていく……。
リバーシ:
ゲームグランドナイツRPG外伝8にメイン登場する灰色の表裏術騎士と呼ばれるグランドナイツの末席。
追加装甲を自在に換装し戦闘フォルムを替えて戦う彼女は他のプラロボにない変わった性能をしているプラロボ化されたのも最近になってからのある意味マニアックな機体である。
浦島銀河の愛機である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 00:09:15
157861文字
会話率:51%
これは王立魔術学校へ入学したとある少女の日記帳です。
偉大な魔術師になることを夢見て、学校の門をくぐった彼女……。
しかし、そんな儚い幻想は入学早々に打ち砕かれます。
なんと魔術適性が平和な現代においてはハズレ枠、戦闘特化の炎属性だったので
す……。
けれど、少女は諦めません……。炎属性魔術に頼らない新たな道を探し続けます。
その名はティコ。歴代最強の炎属性魔術師になると囁かれながら、炎を捨てた異端の魔女。
※カクヨムで随分先まで先行投稿しています(・ω・)b折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 00:02:19
250260文字
会話率:1%
――禁足地、黎明の残影――
空は灰と煤けた墨色に染まり、朝焼けという名の光すら届かない。黒く枯れ果てた木々が風に軋み、硫黄と鉄錆のような臭気が鼻を突く。大地はひび割れ、紫色に変色した水脈が不気味な音を立てて滲み出ている。どこからか魔物の
遠吠えがこだまし、空気すら生き物のようにざわめく。
ここは“禁足地”――魔力濃度が異常に高まり、魔物の巣窟と化した地獄のような場所。人類が最も恐れ、最も避けるべき場所。
そんな死地に、二つの影があった。
一人は少年。灰の中でも目立たぬよう黒ずんだ外套を纏い、背丈ほどの瓦礫の陰に身を隠していた。目元は鋭く、何かを常に測っているような観察者のそれ。しかし彼の足元にいるもう一人――小柄な少女は、その袖をしっかりと掴んでいた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 00:02:10
22087文字
会話率:44%
死者が語るはずのない言葉を、彼女は“灰の中の文書”から読み取った。
王国を揺るがす連続毒殺事件。
その鍵を握るのは、火刑に処された異端の聖女が遺した手記。
アマーリエは王命で調査に乗り出すが、相棒として派遣されたのは、かつて命を救われた
記憶を持つ傭兵、レオンだった――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 00:00:00
20790文字
会話率:30%
四百有余年の時を経て転生した戦国の三英傑はただの高校生だった!?
ボクが家康、そしてこいつが秀吉の生まれ変わりだってことは、絶対にノブナガに知られるわけにはいかない。あの時みたいにマウント取られるのだけはごめんだから……まあ、幼馴染の腐れ縁
で今も振り回されてはいるけどさ。ところが、ノブナガの覚醒にはとんでもない秘密があったんだ。ボクらは普通の高校生として生きていきたいだけなのに……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 23:00:00
44064文字
会話率:72%
2025年。吸血鬼はもはや幻の存在となり、生き残りは2人だけとなった。
そして1人は死を望んでいた。
しかし、あまりに強いその生物は死にすら耐性があった。
真祖は言った。「吸血鬼を殺すのは人のみだ。」と。
人を愛する事が出来れば死ぬこ
とが出来る。そう思った吸血鬼は、1人の少女とで会う。病院で1人過ごす、枯れそうな花を思わせるような少女と。
死が2人分かつ、恋愛物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 22:14:52
24200文字
会話率:25%
舞台となるのは、光の創造神レストンネアによってつくられたとされる魔法の世界。その世界では、〈ソウル・ゲート〉と呼ばれる魔法の力を使う十一の種族が存在した。
主人公スィンザ・ススは、〈鳥人〉と呼ばれている有翼人の少女である。彼女は、世界
に恐怖と富をもたらす魔物〈バーモ〉を倒す者に憧れを抱いていた。
しかし、その憧れや夢はそう簡単には叶わなかった。
スィンザの翼には、風切り羽根がなく、他の鳥人たちのように空を飛ぶことができなかった。さらに、特殊な体質により、憧れの人物と同じ武器を使うこともできなかった。
それでも彼女は、人類とバーモの戦いの最前線〈境界の街〉へやって来た。
境界の街で、さまざまな葛藤や苦悩もあった。それでもスィンザは、友や師、大切な人たちと出会い、自らの使命を知った。
英雄に憧れた少女は、「英雄」になるために力を求めた。その力で人々の平和を取り戻すために。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 22:02:11
55682文字
会話率:50%
「嘘だ…こんな…」
灰色の石壁に覆われた薄暗く肌寒い部屋の中、僕の目の前に置かれた巨大な水晶珠に映し出されるのは、人の住む街が破壊しつくされた「地球」
炎から逃げ惑う群集。襲い掛かる異形の怪物。応戦する各国の軍隊。
怪物に降り注ぐ弾幕
はにわか雨のごとくぱらぱらと弾き返され、怪物たちの怒りを増すばかり。
そして、既存の兵器では傷ひとつ付けられぬ怪物に向けられたのは諸刃の剣。
怪物が占拠した街に落とされた光の玉がすべてを焼き尽くすところで映像が途切れる。
「預言書」が見せた数年後の未来。僕は自分の産まれた世界を犠牲にして異世界(ここ)を救ったという。
僕は叫んだ。
「こんな結末は望んでいない!」
光を発しなくなった水晶球のそばに佇んでいた小さな人影が動く。
「落ち着け小僧!あれはわしが最初からヒントをすべて教え、必要な物を渡したら何故かああなってしまったという「もしもの世界」の話じゃ」
真っ黒なゴスロリ服に身を包んだ少女がそう答えた…。右目を光らせて。
「だから、ヒントは与えないことにしたのじゃ。小僧、すまぬ…」
ドスンと鈍い音と同時に頭に強い衝撃を感じ、僕の意識は遠のいていく。
「記憶を消させてもらうぞ」
---
週末の昼下がり、ファストフード店からの帰りに運転していた車ごと異世界へと呼び出された僕。
目の前に広がるのは灰色の石畳、そして見たことも無い巨大な西洋風の城。人影の無い王宮の中庭でハンバーガーを食べようと包みを開いていたとき、突然目の前に現れた女の子。
彼女は自分を「糧」として食べてほしいと言い出した。
そして自分の命と引き換えにこの世界を救ってと懇願する。
謎の「預言書」が絶対的な力を持つ王国で、魔導具もろくに使えないおよそ勇者らしからぬ主人公がいろんな女の子に振り回されながら、最悪の結果にならない道をノーヒントで探しつつ、異世界を満喫します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 22:00:30
4924360文字
会話率:34%
狂気の創造者。あるいは
キーワード:
最終更新:2025-05-20 20:58:06
254文字
会話率:0%
両親を亡くし祖母と暮らしている青年、黒木早兎。その早兎のもとに親戚の少年が来ることになった。
その少年は早兎と同じ[獣人化]で体が獣人に変わってしまっていた。
突然、体の構造や感覚が全て変わり日常の変化に苦しんだ早兎は、同じ変化と苦痛の
なかで生きることをになってしまった少年を気にかけてできるかぎり手伝おうと決める。
この物語は、小さな命が世界にあらがい生きることを考える物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-17 14:21:18
10248文字
会話率:38%
どこまで行ってもよく分からない
最終更新:2023-11-24 12:00:20
593文字
会話率:0%
死に戻りを繰り返す英雄が生きる事をやめた時。次に目覚めた場所は、地平線まで広がる灰の荒野だった。
それからはアンデッドの群れと死闘を続け、再び復活する日々を過ごしていたが、ある日。荒野へ飛ばされてから初めて話し相手ができた。
その者もまた
、女神に選ばれた唯一無二の英雄だと聞かされるとも知らずに…。
果たして彼らは、堕ちた英雄たちの坩堝から脱出する事ができるのか。
そして灰の荒野から抜け出した先で、彼らを待っているものは何なのか。
現実世界へ戻った元英雄たちが数々の冒険を織りなす、アンデッド・ヒーロー・ファンタジー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 20:52:20
54420文字
会話率:22%
西暦2101年。
新たな世紀を迎えた年に大熱狂の地球、だがそこに宇宙から青黒い隕石とともに侵略者がやってきて、地上は灰色の死の世界へとなってしまった。
人類は侵略者の力に逆らえず、地下へ、または宇宙へと避難することしかできなかった。
――だが地球の生命は諦めてはいなかった。
【グラトニー】の侵略と共に生まれた未知の鉱石、その鉱石に眠っていた奇跡の力によって生まれた女性だけがなれる特殊強化人間、『ウカミタマ』、そしてグラトニー討伐を目的とした『地球奪還軍』が地上を取り戻すために、グラトニーに反逆を仕掛けに行った。
そして地下で平穏な生活を送っていた一般人である『松下トラノスケ』はあることがきっかけに地球奪還軍に入隊することになる。
彼が指揮する小隊のメンバーたちは実力こそあるものの、何か問題を抱えているみたいで……。
トラノスケは彼女たちを勝利に導いていけるのか?
これは俺たち、地球人の希望を取り戻す物語だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 20:11:14
213090文字
会話率:43%
誰にも知られず、誰にも記されない存在――
名を持たぬ青年・リィムは、失われた地図を頼りに、伝説と化した“記録の宮”へと足を踏み入れる。
そこはかつて、魔術と記録が交差する大陸最古の図書館だった。今や誰の記憶にも残らぬその場所には、書かれざる
歴史と、言葉を持たぬ魔法たちが眠っていた。
迷いと忘却に包まれた書架の奥で、リィムは“記録されていない存在”としての自分と向き合い始める。
待ち受けるのは、命を持つ書物、記憶を喰らう幻影、そして“図書館そのものの意志”――
彼はなぜこの地に呼ばれたのか?なぜ自身の名すら記録されていなかったのか?
記録とは何か。忘却とは何か。
そして、“物語”とは誰が綴るものなのか。
灰の記録者が、その答えを探して最奥へと歩み出す。
書かれることのなかった物語を、今――記すために。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 20:00:00
18336文字
会話率:20%
【あらすじ】
人里離れた山奥で弓の師であるエオインと、コケコケと鳴く白鷹のナナと共に平和に暮らす狩人の少年シータは、ある日帝国の騎士団に襲撃を受ける。
襲撃で敬愛する師を失い、自らも絶体絶命の危機に陥るシータ。
しかしそんな彼の窮
地を救ったのは、突如として現れた灰色の巨人。
それはかつて大陸最強の弓使いと呼ばれた師の愛機にして、〝星砕きの伝説〟を持つイルレアルタという名の人型兵器だった。
大陸最強弓使いの一番弟子が、師から受け継いだ弓ロボと共に戦乱の大陸を駆け抜ける。
純ファンタジー弓ロボット戦記――ここに開幕!
【登場人物紹介】
●シータ・フェアガッハ
大陸最強の弓使い、エオインの唯一の弟子。
まだあどけなさが残る見た目で大人しい性格だが、いざ弓を持たせればその腕前は師匠にも勝るとも劣らない。
相棒である白鷹のナナと師と共に森の奥で暮らしていたが、ある日大陸中に名を馳せる帝国黒曜騎士団の襲撃で師を失う。
シータ自身も窮地に陥るが、師が最後の力で起動した天契機イルレアルタの操縦者となったことで、大陸全土を巻き込む戦乱に身を投じていくことになる。
●リアン・アーグリッジ
険しい山間にある小国、エリンディア王国を守護する筆頭騎士。
凄まじい〝居眠り魔〟であることから怠惰の騎士と渾名される銀髪の少女。
剣才と戦闘センスは確かだが、とにかく隙あらば寝ようとするため普段はあまり頼りにならない。
しかしいざという時は眠気をこらえて働く責任感と使命感もあり、そして起きてさえいれば〝悪夢のように強い〟。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 19:23:07
268679文字
会話率:47%
理不尽に奪われる少女の命から物語は始まった。
古の時代に世界を焼き払おうとした魔王、ソル・ア・ゼウル。少女が息絶えた場所は、偶然にも彼の魂が封じられた石碑だった。
斯くして朽ち果てた石碑より、少女の身体を譲渡された魔王は『今』に蘇る
。
少女の身体に宿った魔王の魂は、やがてこの世界での成り上がりを決意する。
かつて『灰色』と呼ばれた少女はやがて、『灰の魔女』として世界を塗り替えていく……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 19:22:45
32196文字
会話率:37%
焦土と化した大地を越え、死者が眠る静寂の丘を越えて、視線は一つの存在へと引き寄せられていく。
大地に伏した黒き獣の骸――その傍らで、細く揺れる焚き火の灯がひとつ。
そこに、誰かが座っていた。
白銀の髪が、風にほどける。
焔に照らされ顔に
浮かぶ聖痕が見えた。
その姿は、まさに神の寵愛を受けた者の証。
だが、その美しさはどこまでも冷たく、どこまでも孤独だった。
――世界がこの男を「勇者」と呼ぶのなら、それは皮肉でしかない。
「……定められた使命? そんなもの、くそくらえだ」
彼の呟きには、怒りも激情もない。ただ、揺るぎない拒絶の響きだけが残る。
人々の期待も、祈りも、希望も――彼には届かない。
いや、届くよりも前に、自らの手で捨て去ったのだ。
火の粉が静かに舞うなか、焚き火の光に照らされたその横顔には、まだ少年の面影がわずかに残る。
けれど、血と灰にまみれた旅の跡が、深く刻まれていた。
風が世界を貫き、空は音もなく闇に沈んでいく。
それでも彼は立ち上がらない。
世界が彼に祈りを向けようとも、神がどんな加護を与えようとも――
彼はただ、自らの意志で歩むことを選んだ。
――これは、神に選ばれし「勇者」が、神に背を向けた物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 19:11:12
45702文字
会話率:28%
恋に全力すぎて毎回フラれる少女・エリセが出会ったのは、
「愛なんて魔術の燃料だ」と冷たく言い放つ謎の魔法使い。
呪いもち、魂宿し、常識ゼロの異世界で――なぜか一緒に旅することに!?
恋と魔法とちょっぴり痛い運命が交差する、ズレまくりバディの
不器用冒険譚! 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 19:00:00
15812文字
会話率:13%
オルステリア王国の片隅で、獣人の少女「リュカ」は亡き養父の遺した小さな食堂「銀の厨房」を守っていた。獣人への静かな差別が残る都市で、彼女の店は次第に客足が途絶え、経済的に追い詰められていく。
最後の望みとして、リュカは王宮へ一ヶ月の奉公に
出る。そこで彼女は最も過酷な雑用を与えられるが、ある日偶然まかない料理を作る機会を得る。
一方、異世界から召喚されながら特別な能力も持たず、王宮で持て余された存在となっていた青年・春原は、リュカの作った一皿に心を揺さぶられる。その味は彼の中にかつて知らなかった温かさを呼び覚まし、彼は料理の作り手を探し始める。
やがてリュカの料理の評判は王宮を超え、彼女の知らないところで政治的思惑や商業的野心、そして彼女自身の出自に関わる秘密を帯びていく。獣人王国の血統を引く存在が明らかになるとき、リュカと春原の運命は王国を巻き込む大きなうねりとなっていく。
これは――
料理を通じて静かに心を通わせる二人が、自らの居場所と未来を見つける“ただ、美味しいって言ってもらいたかった”少女の、火を絶やさぬ物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 18:30:00
254548文字
会話率:42%
『滅びたこの星に、救いはあるのか――』
かつて数々の厄災が地球を襲い、灰色の死の星と化した。大半の人類はスペースコロニーへと逃れたが、すべての人間がそこへ行けたわけではなかった。
地上に取り残された者たちは、生存のために"変異
体"と呼ばれる存在のもとに集まり、コロニーを形成していた。異能、魔法、科学、呪術——それぞれの力を駆使しながら、独自の目的を掲げ、終末世界でもがいている。
集団の一つ、あぶれ者たちが集まった《淵》に主人公・ルイは所属し、"希望"を求めて終末世界を彷徨っていた。
――だが、彼らの"希望"を探す旅は、ここで、終わりを迎えようとしている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 18:00:00
91286文字
会話率:18%