カグワトは、シュクラに特有の習慣だ。
家に仕える専任の神子のようなもので、家名を継ぐべき嫡男の『護り』というべき存在だ。大抵その家の次男か庶子が、十三かそこらのときにカグワトの儀式を行って長男に仕えるものだ。護りといっても武術に長けた弟
が、兄の護衛をするということでは無い。もっと呪術的なもので、カグワトは大抵屋敷の奥深くの一室に、ひっそりと暮らして主の訪れを待つ、厳しい戒律に縛られた霊的な存在だ。神殿の僧侶なみの潔斎を強いられ、当主以外の他人には顔を見せることも憚り、また結婚などももちろん禁じられている。それを侵せば本人にも、またその主にも災いが及ぶと信じられている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-10 19:20:00
80724文字
会話率:49%
始まりは名前も知らない異世界の地だ。そこの薄汚れた下水道で、俺はルンペンのガキ共に抱き着かれた格好で目を覚ました。
チート? んなもんねえよ。あるのは、朧気な『ディートハルト・ベッカー』とかいうガキの記憶と、そいつにあったアスクラピアの
『神官』としての力。俺は生き残る為に、こいつを少しばかり使える力にしなきゃいけない。
アスクラピアの二本の手。
一つは癒し、一つは奪う。
彼の者は永遠に一である。
多に分かれても一である。永遠に唯一のもの。
一の中にこそ、多を見出だせ。
多を一のように感じるがいい。
そこに始まりと終わりがあるだろう。
そして――
風に揺らぐロウソクよ。一思いに死ね!
母によって作られたものは、皆、死を目指すのだ!
熱き血よ。お前はもう消え去れ、そしてそれを喜べ。
死は歓喜であり、全ての困難からの解放である。
心臓よ。お前の熱き血を天に飛散させよ。
潔く散れ!
青ざめた唇の女。本性は蛇。復讐と癒しを司り、自己犠牲を好むしみったれた女神、『アスクラピア』に永遠の祝福(災い)あれ!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-06 18:00:00
831545文字
会話率:37%
目を覚ます。
そこは8年前、クリアーしたゲームの世界。悪い騎士も、ラスボスのドラゴンもいない世界。
Sadisticで
Dramaticな
Gameの世界。
今再び、ゲームの幕が上がる。
最終更新:2017-04-05 19:12:28
366441文字
会話率:33%
神秘の衰退した現代において、魔法に代わる超常の理を求めた人間たちは、戒律によって自然を支配する《魔戒》を扱うようになった。新世代の魔戒師を輩出する魔戒学校では、今年も各地の学園の代表者が魔戒の腕を競い合う《烏輪祭》と呼ばれる大会が開催され
る。
今年度、紫藤学園の代表として選ばれたのは昨年度優勝者の妹――沢渡栄華と《ベータ(二番手)》と呼ばれる少年――雨月桂だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-31 12:51:48
9905文字
会話率:49%
人間に仇なす魔物と魔王がいる世界。
魔王に立ち向かった勇者は、姿を消した。
勇者なき後、今度は一人の治癒師が魔王の城に挑む。
その治癒師は戒律に縛られてはいるものの、
屈強さと治癒術の双方を持ち合わせた強者。
そんな治癒師を惑わせたのは、
どんな魔物でもない、
祝福されし聖者の魔除けだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-17 22:04:28
5938文字
会話率:8%
「宗教」
剣と魔法のファンタジー世界といえども、
人間がいて街があって国があって、金があって商売があって、
社会があって生活があって、などなどは現実世界と同じです。
であれば、いろいろな宗教団体もあるでしょう。
教義があり戒律があり、宗教
家たちによる勧誘行為もありましょう。
そう。現実にも、RPGなどにもいる「僧侶」とは何かというと、
坊さんであり神父さん。例外なく宗教家です。プロの信者です。
ただの、「回復方面が得意な魔法使い」ではありません。
教会で死者蘇生だの呪いの解除だのをする僧侶ってのは、
その教会の=その宗教団体の上級会員です。お忘れなきよう。
ただ、ファンタジー世界の宗教家・プロ信者たちは、
回復魔法とかを使えてしまう。そこが現実との大きな違いです。
しかし当然、「インチキな」宗教団体もあるでしょう。
であれば現実世界同様に、悪質な霊感商法なんかもするでしょう。
しかし当然、「インチキではない」宗教団体もあるでしょう。
であれば現実世界同様に……
その辺りを描いてみました。
ご意見ご感想、お待ちしております。
(この作品は「アルファポリス」にも掲載しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-06 21:00:00
126576文字
会話率:47%
「牛乳もろくに買えない私が、私を救える?」
【冒頭抜粋】
〝神は存在するのか〟
情けない問いだ。
存在すると思っている人の中には確かに存在し、存在しないと思っている人の中には、少しも存在しない。
それが神だ。
それは畏怖であり、戒律であり
、愛だと、私は考えている。
しかし、残念ながら私は神に出会ってしまった。
日が暮れ始めた町に、家々の明かりがまばらに煌めいていた。
私はいつものように降車ブザーを鳴らし、トラムから五丁目の交差点へ降りる。
そしてその交差点で、その人は私のものになった。
そして私もまた、その人のものになった。
※特定の宗教の話ではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-04 19:10:53
2430文字
会話率:28%
太古の時代、先史人類カインは、時空の創造者から不毛の呪いを受け、原時空から追放された。多次元時空へと彷徨い出た先史人類カインだったが、彼らは異次元時空「魔國」で繁栄していた。その末裔カインエルベン(エルフ)族は、今に至って子孫が絶える事態
となった。
彼らは、その美貌を何とか活用することで、原時空人類の若者たちを大量に彼らの異次元時空へと誘(いざな)い、若者たちとエルフたちは、魔國の自由恋愛花園にて自由恋愛や自由な愛の交換を謳歌するようになった。また、この愛の謳歌によって、魔國はふたたび多くの子孫を得ることに成功していた。
しかし、原時空では、彼らの自由恋愛や自由な愛の交換という戒律を破壊しようとする様々な動きが顕在化した。中でも破戒僧ジミーは、時空の支配者 マスティーマの預言の通りに原時空人類に現われ、敵対行動をするようになった。
カインエルベン族の皇帝ラーメックは、破戒僧ジミーの誕生を危惧し、監視と対抗のために監視部隊を原時空へ送り込んだ。その中には、監視部隊分析指揮官のヤバル第二皇子と、彼の妹で「吟遊詩人」と呼ばれる独立監視員となっていたユバル第一皇女とがいた。
指揮官ヤバルの下で、ユバルは破戒僧ジミーを発見した。だが、破戒僧ジミーは何らかのきっかけで圧倒的な能力を発揮する強敵だった。ここに、大魔法を駆使するユバルと、謎の力を発揮する破戒僧ジミーとの戦いが始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-31 12:00:00
75423文字
会話率:51%
聖女の座を奪ってしまって、ごめんなさいね? エマさま」
「ルナの祈り」という特別な力に恵まれ、聖女の最有力候補として聖女教育に励んできた公爵令嬢のエマは、一年前に突如として現れた聖女候補のイザベラに聖女の座も王太子の婚約者の座も奪われてしま
う。憐れみや好奇の目に晒されながら神殿を後にするも、厳しい聖女の戒律から解き放たれたことにこっそりと歓喜する。
「やった……! これで私は自由よ! お兄さまのそばにいられるわ!」
王太子との婚約も白紙に戻り、正々堂々と「お兄さま」に恋ができることを喜ぶエマ。
だが、エマの義兄であるアシェルは、エマを溺愛し求婚まがいの言葉も並べ立てるにもかかわらず、エマを完全に妹扱いしていた。
「こうなったら、お兄さまに女性として意識してもらうように頑張るわ!」
晴れて自由の身となったエマは、義兄とともに旅に出て、長年の片思いを実らせる努力を始める。その傍ら「ルナの祈り」を使い、旅先で人助けをし、その噂は遠く王都まで知れ渡っていった。
一方で、聖女の業務をおろそかにするイザベラには批判が集まり「聖女にはふさわしくない」と悪評ばかりが高まっていく。ついには聖女選定の儀に不正の疑惑がかけられ、神官たちは神殿を去ったエマを探し始めて――?
※完結まで毎日お昼の12時に1話ずつ投稿します。
※「カクヨム」にも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-05 12:00:00
168891文字
会話率:39%
鎖に縛られし黒づくめの乙女は言った
『貴方にはこれより貴方が元いた世界とは異なる世界『神層域』にて、私を主神とする教団の成立、及び教団を率いる教祖となり、信徒の増加を目的に活動をしてもらいます』
男は大きな力と引き換えに、その役目を引き受
けた。
実際に神が数多く降臨し人々に好き勝手する数多の種族が活動する不思議な魔法の異世界『神層域』。
人々は神を信仰し、多くの教団を作り、コミュニティとして機能させていた。しかし神々の降臨から幾星霜。そのコミュニティは既に固定化が進み、新たな教団の台頭などほぼ不可能な状態になっていた。
そんなハードモードから始める、異世界教祖生活、開幕。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-23 12:23:46
161851文字
会話率:27%
高校二年生の秋月史郎が暮らすアパートに尼子冴絵という少女が引っ越してきた。短い会話をしただけで史郎は尼子の楽器を奏でるような美しい声に恋してしまった。
だが尼子冴絵は史郎が転校先の同じクラスの高校生だと知ると途端に口をきかなくなる。
そして転校初日、尼子は教室で自ら律した戒律で沈黙を続けると宣言し、一切声を出さなかったのである。そしてついたあだ名が『沈黙のシスター』であった。
そして史郎の元には妙な手紙が届くようになっていた。
――尼子冴絵から目を離すな――
……差出人不明の謎の手紙である。そのことから史郎は尼子に注目を始めた。
そして史郎は近頃連続して起きている放火事件の現場に必ず尼子冴絵の姿があるのを知った。
そんな尼子を実は放火犯ではないかと史郎は疑惑を持ち始めてしまった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-24 12:00:00
29768文字
会話率:13%
あらすじ:
人類が生誕してまだ間もない頃の話。欲望・憎悪・殺人・破壊・略奪・高慢・冒涜。知能を持った人類は傍若無人の限りを尽くしていた。それを神が見過ごすわけもない。神は人類に寿命を与え、男に労働の苦しさを女に子を産む苦しさを課せた。それ
でもなお、人類は我が身勝手に振る舞う。挙げ句の果てには神を軽視し、その驕りから神を排除した人類だけの世界を作り上げようとする始末。神は激怒し、人類を滅ぼすべく複数の天使を下界へと遣わした。天使たちは神のお告げ通り大洪水を起こし、街を焼き払い、神に叛逆する人類を排除した。その後は戒律を定め、それはやがて法や秩序、宗教を生み出し、新たなる人類の幕開けとなった。しかし、先の天使たちの中で人類に情をもち、神の命に背いて人類を助けてしまうという禁忌を犯した天使がいた。ティリスという名の天使である。天使は自身の罪をその背中の翼に背負うが、ティリスの犯した罪はあまりにも重すぎた。自身の翼に背負っていた罪の重さに耐えきれず、ティリスは下界へと落下していった。堕天使となったのである。下界でその罪を償い翼が軽くなれば、また天界へと帰れる。果たしてティリスの選んだ選択は…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-06 12:00:00
12112文字
会話率:42%
ふたりは追いかけっこをする。逃げるMと追うZ。二人はうすぼんやりした春の中、駆けていく。
そこには恋があって、戒律があった。足下から音符がこぼれる――
遁走曲の調べを二人は奏でる。チェンバロ演奏会に海岸。ふたりは春を感じる余裕などなく、追い
かけっこに興じるのであった――折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2022-06-12 09:42:23
16059文字
会話率:4%
巫女様は、神様の元に行きたかった。
村の戒律に従い、生まれた時から、
神様の捧げ物になることを夢見ていた。
巫女様はこの世界のことを何も知らない。
太陽も、思い出も、そして自分が溺れる海さえも。
巫女様はずっと神様のことだけを考えて生き
てきた。
私はそれが嫌だった。
だから私は巫女様と出会い、巫女様を外へ連れ出した。
やがて私は巫女様と口づけをする。
私たちは夕日の海の中で、思い出を作る。
そして儀式の日が訪れた。
巫女様は私とともに神様がいる海へと向かった。
そして巫女様は海に消える。
ただ独り、巫女様は私を守るために沈んでいく。
だから私は、海に飛び込んだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-14 19:31:57
6145文字
会話率:15%
政界の要人を数々輩出し、国中にその名をとどろかす名門忠清寺の僧見習い・空隆(くうりゅう)と澄史(とうし)。容姿端麗なだけでなく、何をやっても随一の空隆は早くから神童と謳われていたが、ある夜誰にも何も告げずに寺から忽然と姿を消してしまう。それ
から十年の月日が経ち、忠清寺で空隆に次ぐ「第二の神童」と呼ばれるほど優秀な僧に成長した澄史は、ある事件から様変わりした空隆と再会する。寺の戒律や腐敗しきった人間関係に縛られず自由に生きる空隆に、限りない憧れと嫉妬を抱く澄史は、相反するふたつの想いの間で揺れ動く。政界・宗教界の思惑と2人の青年の想いが絡み合う異世界人間ドラマ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-31 02:12:18
43944文字
会話率:41%
神の恩恵『死の舞踏』を授かった者は異世界メメントへと導かれる。
導かれし者がメメントにもたらすのは祝福と栄光。
しかし、戒律が破られしとき、メメントに破壊と絶望が訪れる。
よって戒律はメメントにおいていかなる理不尽であっても絶対遵守
である。
僕は導かれし者として13歳まで何不自由なく暮らしてきた。
でも13歳になったあの日、僕は初めて戒律の第一条第一項を聞かされた。
「導かれし者は13歳になったとき、その命を捧げる」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-01 00:00:00
208文字
会話率:15%
生きるとは、賑わう確立された戒律の世界だけだろうか?ハイパーなバイターな青年の日常を描く愛な物語。
最終更新:2021-11-18 02:53:39
358文字
会話率:0%
元公爵令嬢のシンシアは、婚約者の王太子マルニウスに捨てられて戒律の厳しい北の修道院に入った。今はシスター・シンシアと呼ばれている。
厳しい修道院で心穏やかに過ごしていたところ、親に勘当されたはずのシンシアに訪問者が現れた。
それは、自
分を捨てたはずの王太子マルニウス。
会って早々に復縁を迫るマルニウスに対し、シンシアは言い放つ。
「王太子殿下、許されたいなら3回まわってワンと言ってくださいな」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-13 12:37:45
5032文字
会話率:31%
作家、真田による楽園イメージをもとに、その実現にすべてをかけるようになったマリヤ。
そして、そのマリヤに巻き込まれて、11人の仲間が加わり、実現に近づいていく。だが、楽園に対する意外な問いが投げかけられる。
最終更新:2021-08-06 09:50:38
423文字
会話率:0%
「婚約破棄で修道院行きですって」
戒律の厳しい修道院、とはいうものの噂ばかりのその実態は…
最終更新:2021-08-04 19:17:58
2510文字
会話率:40%
数多の男を食ってきたサキュバスのおねえさんが、教会に反して魔族と人間の融和を説くぶっ飛んだ司祭のために入信して、彼の精気を吸おうとする話。
※ほぼ健全、エロいのは匂わせ程度、たまに別の意味の年齢制限描写あり。
※ジャンルが恋愛とファンタジー
でブレるけど、ファンタジー世界の恋愛ものです!!!珍しく!恋愛が主題!多分!気分で急にラブコメからシリアスになる。
詳しいあらすじ:
人間と魔族は同じ村に暮らしながら互いに距離を取り、あまり交わることはなかった。まして魔族が、彼らを滅することを聖職者が説く、人間が集う教会に行くことなどありえなかった。若い男の司祭が村に来て、妙なことを言い出すまでは。
「魔族も人間も、等しく神の民です!」
器量に優れ、恋愛負け知らずのサキュバスのベベドナが新しく恋をしたのは、真面目に狂った男だった。ベベドナは司祭の精気と心を手に入れるため、敬虔な信者を騙って教会に住むことにした。
※たまに挿絵あり
※某救世主教用語をてきとーに当てはめてますが、実在の宗教とは一切関係なく、それを示すものではありません。
※サイトで連載してる漫画(テルタルハ史記)と同じ世界で違うとこの話。西洋っぽいけど特に実在の地域に基づいていないので、お盆みたいな習慣も出てくるファンタジーワールドが舞台です。
※ベベドナ(サキュバス)があんまり恋愛上手っぽく見えないのは作者の経験不足なので補完してください。キヴィ(司祭)は戒律のため、童貞です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-10 04:59:43
51454文字
会話率:47%