《梗概あらすじ》
鹿児島県の女子高生・山科愛は、曾祖父・重太郎の遺品の中から一枚の風景画を見つけた。
残雪を抱く高嶺を見晴るかす北国らしき山里の風景。その絵に魅かれた愛は、絵が描かれた場所を知りたいと思い、調べはじめる。
そして、かつて曾祖
父が終戦直後に代用教員を務めていた街で、その絵は岩手県出身の特攻隊員・中屋敷哲が、出撃の前に曽祖父に渡したものであることを知った。
翌年、東京の大学に進学した愛は、入会した天文同好会で岩手県出身の男子学生・北条哲と出会い、絵に描かれた山が、遠野市から見上げた早池峰山であるらしいことを知る。
二人は種山ヶ原での夏合宿あと遠野を訪問。しかし、確たる場所は見つけられなかった。
やがて新学期。学園祭後に起きたある事件のあと、北条は同好会を退会。一時疎遠になる二人だったが、愛は、自身の中に北条に対する特別な感情があることに気付く。
また、女性カメラマン・川村小夜が撮った遠野の写真集を書店で偶然手にした愛は、遠野郷に対して「これから出合う過去のような、出合ったことがある未来のような」不思議な感覚を抱きはじめた。
「私は、この絵に、遠野に、どうしてこんなに魅かれるの?」
翌春、遠野へ向かおうとした愛は、東京駅で、岩手に帰省する北条と偶然再会する。
愛の遠野行きに同行を申し出る北条。愛と北条は、遠野駅で待ち合わせた小夜とともに「絵の場所探し」を再開する。
中屋敷哲と重太郎。七十年前に交錯した二人の思い。
そして、たどり着いた〝絵が描かれた場所〟で、愛は、曾祖父らの思いの先に、自分自身が立っていたことを知る――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 16:22:45
138550文字
会話率:35%
1ヶ月後には結婚式を挙げる王太子のラインハルトと、王太子妃になるアイリスの二人の思いとは。
出会った頃から自由奔放なアイリスを、見守りながらも好きにさせていたラインハルト。
一方、アイリスは自分の「夜遊び」は誰にも知られていないと思って
いた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-29 18:54:58
3827文字
会話率:22%
ひとつの小惑星があった。
そこは、超能力を持つ人々の住む星だった。母星の長い歴史の中で超能力者が迫害を受けた時代に、彼らはその小惑星に「流された」のだった。
長い間に小惑星の軌道が歪み始め、やがて母星に衝突することが明らかになったとき
、彼らはふるさと小惑星を破壊してほかの星に移り住むことを決めた。そのとき、一の長と呼ばれる指導者の意識が宇宙に取り残されてしまった。
里砂は、幼いころ北の村の海辺で拾われた子どだった。彼女は村の細工師の娘として育てられた。細工師の家には、父と母、そして浜で里砂を見つけた兄の草矢がいる。
この世界の人々はほとんどが砂色の髪をしている。里砂は黒髪だった。黒髪の人々も少数ではあるがおり、そういう人の中には不思議な力を持つ者があると言われていた。
里砂は、ある晩秋の夕方、浜に倒れていたひとりの少年を見つける。彼は行きがかり上細工師の家に運び込まれ、手当てを受けることになった。少年は黒い髪をしていた。
少年、カイは元気になり、彼の素性も語られる。カイは、自分で「この世界の人間ではない」と言う。彼の住んでいた星で災厄が起こり、その際の事故で彼は宇宙へ投げ出された。そのとき、彼の意識に寄り添ってきた何かがあったけれど、カイはそれがなんだかわからない。
村の行事、冬ごもりの祭りを経て、里砂とカイは惹かれあっていく。
村の「則の司(のりのつかさ)」は、黒髪の男で、時々そこにないものを見通すことができた。彼は、自分の頭に映った風景から、カイがもとの世界に帰るための方法は東の都にある、と考え、それをカイに伝えた。
春になり、車に商品を積んで売り歩く「渡り人」とともにカイは東の都に旅立つことになった。カイとの思いを父に知られた里砂は、彼に会わないよう家に閉じ込められている。一方、二人の思いを大事にしたいと思っている兄草矢は、次第に妹として接していた里砂に対する自分の気持に気づいていく。
里砂は家出してカイのあとを追い、彼らのあとを草矢が追う。
やがて辿り着いた東の都で、皆は里砂の出自を知ることになり、カイは自分の世界に戻る手段を見つける。そして、里砂もまた自分の本当の気持を知ることになる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-26 18:22:18
119874文字
会話率:40%
手を伸ばす男と手を伸ばす女。つながる二人の思いが交錯したりすり抜けたりぶつかったり。
カクヨムにも投稿しています。
最終更新:2025-02-23 23:18:13
1333文字
会話率:62%
キョウカは今まさに柵を握る手に力を入れる。彼女がやって来たのは、昨日遺体が見つかったばかりの雑木林だった。決意が揺らぐのを振り払い、身を乗り出そうとしたその時だった。彼女を陰湿ないじめから救った転校生、ミツキが現れる。ミツキの明るさに何度も
救われてきたキョウカは、彼女に誘われるかのように二人が出会ってからの日々を思い出す。やがて少女は二人の思い出である大切なお守りを託し、最後の願いを告げた。
「これね、一緒に燃やしてほしいの」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-02 09:52:44
8316文字
会話率:50%
それは一昔前にあった御伽噺。夕暮れ時に想いを確かめ合った二人の思い出。
ある誕生日にふと思い立って帰省した私は夕焼け色に染まる縁側で、幼い頃に父親が語り聞かせてくれた話を思い出す。それは両親が出会った頃の物語で、幼い私の胸に美しい御伽噺
として記憶されている。今度はそれを母親から聞き直そう。
――――夕日は沈む。辺りは静まる。もの寂しくて彼女は咲う。僕たちはどれだけ歩み寄ろうとも、手を取り合えずに落ちていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-17 13:41:22
12718文字
会話率:17%
少年リトの愛した人は、もう目覚めることはない。そう思い二人で心中を図ろうとする。しかし、二人の思い出が蘇ったその時、事態は一変することになる。
最終更新:2024-11-20 09:30:18
9693文字
会話率:49%
男の子のようにズボンを穿いて野山を走り回っていたディーは、兄と幼馴染のユーリの卒業式にドレスを着て出席したら、〈弟〉じゃなかったのかと愕然とされてしまった。ユーリが好きだったディーは、ショックを受ける。
一方、ディーが男の子だと思っていたユ
ーリは、好意を抱いた自分に困惑して悩んでいたのだ。
勘違いがすれ違いを呼んで、もつれる二人の思いの行方は。
◆不定期連載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-06 18:30:00
27965文字
会話率:50%
恋人を探し求めて異世界転移―脱獄犯・轟綾人(とどろきあやと)はその日、牢獄から抜け出し恋人・凛々亜の待つ自宅へ向かう。しかし、そこに彼女の姿はなかった。どれだけ探しても見つからず、二人の思い出の湖で悲しみに暮れる中、綾人は突然転移してしま
う。そこは、エルフや妖精が住む国、エルフィリア帝国だった。戸惑う綾人は、この世界から抜け出しもう一度凛々亜を探すと奮起するが、そこで出会ったのは凛々亜と瓜二つの少女・リーリア・エルフィリアだった。
この出会いによって、綾人は帝国を巻き込んだ大戦争に巻き込まれていくことになる。果たして綾人は、この世界で生き残り、凛々亜を見つけることが出来るのか!?そして、凛々亜と瓜二つの少女、リーリアの正体とは―!?
▼この作品は、脚本形式です▼折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-15 17:00:00
99195文字
会話率:60%
可愛らしい魔法薬のお店にはキラキラ輝く小瓶。そこに現れるのは泥と血に塗れた甲冑姿の騎士団長様。
彼が求めるのは仲間を助けるための回復薬。
けれど、初恋の思い出を閉じ込めた小瓶が割れて、二人の思いが明らかになり……。
これはワケあり店員と騎士
団長様の初恋物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-23 20:39:31
3365文字
会話率:38%
1,000字完結の「千夜千字物語」をスタートさせました。さまざまなジャンルで紡ぐ物語。楽しんでいただけたら幸いです。
最終更新:2024-05-14 09:37:44
996文字
会話率:30%
夢を追う彼女と、それを応援する彼氏。
小説家志望の彼女は小説を書くことを続けて夢を追い掛けて行く。そんな彼女を彼氏は応援しながらも、自分の心の中のある思いに気が付く。すれ違う二人だが、彼女もまた自分の行動を振り返り、あることに気が付く。そ
して、二人の思いが重なる日が、訪れる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-19 22:37:15
3091文字
会話率:8%
田舎村に住んでいる主人公のセリナ。継子だということで、姉や妹達から意地悪されて暮らしている。その田舎村に、王子が療養に来ることになった。住むところは領主の別荘。村では美貌だが気が狂っているという噂の王子に、大騒ぎ。しかも、お屋敷で働く人を
募集するという。セリナの家でも誰がお屋敷に行くかでもめたが、厳しい母の命令でセリナが行くことに決まる。
ところが、姉妹たちの意地悪で面接に行けなくなってしまう。これが自分の運命なんだとあきらめて、粉挽きに向かっていると偶然、王子と出会ってしまう。
気が狂っているという噂なのに気が狂っておらず、素直で可愛い性格で、美少女と見まごう美少年王子にセリナは一目惚れ。
セリナは王子にも気に入られ、お屋敷で働けることになったが、そのお屋敷では怪しい事件が起き始める。一体、誰が犯人なのか。そして、王子には隠された秘密があって…。
田舎村のセリナの運命の歯車が、静かに回り始める。
禁断の恋なのに、二人の思いは止められなくなっていく。
成長していく、二人の愛はどうなるのか…。
思いがけない結末を迎える、シンデレラストーリー。
この作品はエブリスタにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-11 19:59:46
547870文字
会話率:50%
七つ坂高校演劇部の酒挽当利は、真夜中に幼馴染の平理香からかかってきた奇妙な電話で呼び出される。
そこに待ち構えていたのは、童話世界からやってきたという、キイナ。
彼女は、童話裁判弁護保佐人を名乗り、主人公が有罪判決を受けたせいで人間界
から抹消されてしまった童話、白雪姫を助けて欲しいと依頼する。
童話白雪姫が消されてしまったことで、当利と理香が中学の時に初めて演じた舞台の記憶が理香からだけ失われていた。二人の思い出を取り戻すため、当利は弁護人を引き受ける。
ところが、いざ裁判が始まると、自分が知っているストーリーとは全然違う。
「王妃は白雪姫の実母? 継母じゃないの?」
「白雪姫は4度も殺されかけた?」
「王子とのキスシーンがない!? じゃあどうやって息を吹き返したのさ!!」
「なんで王妃が結婚式の会場で処刑されてるんだよ……」
「つーか、そもそも、なんで白雪姫が裁判にかけられているわけ……?」
王妃は死に、登場人物たちの証言では真相のほとんどは闇の中。
果たして当利は、白雪姫の逆転無罪を勝ち取ることができるのか?
※「童話裁判(まとめ)」を作りました。
扱っている「白雪姫」のエピソードが裁判の証言でしか出てこないため、童話上のどのエピソードをどのような事件として取り上げているのかをまとめたものです。
併せて「登場人物一覧表」を事件の審理別にまとめました。
作品の更新とともにそちらも更新していきますので、分かりにくい方は、そちらを参考にしていただければ幸いです。
https://ncode.syosetu.com/n4528fm/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-19 02:18:27
996618文字
会話率:44%
拙作「童話裁判」のまとめページです。
童話「白雪姫」をモチーフに、白雪姫を被告人として裁判を行っているため、どのエピソードをどのように扱っているかをまとめたものです。
以下は、小説本編に記載のあらすじです。
七つ坂高校演劇部の酒挽当利
は、真夜中に幼馴染の平理香からかかってきた奇妙な電話で呼び出される。
そこに待ち構えていたのは、童話世界からやってきたという、キイナ。
彼女は、童話裁判弁護保佐人を名乗り、主人公が有罪判決を受けたせいで人間界から抹消されてしまった童話、白雪姫を助けて欲しいと依頼する。
童話白雪姫が消されてしまったことで、当利と理香が中学の時に初めて演じた舞台の記憶が理香からだけ失われていた。二人の思い出を取り戻すため、当利は弁護人を引き受ける。
果たして当利は、白雪姫の逆転無罪を勝ち取ることができるのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-10 12:10:43
97594文字
会話率:0%
アリュシア王国とロードバーグ帝国は長い戦争の渦中にあった。
アリュシア王国の第三王女であるクラリスは、秘密の恋人でありロードバーグ帝国の第一王子であるリベロとともに戦争終結のために革命を起こそうとしていた。
革命前夜、二人は勝利を誓って盃
をかわしたが、戦争経済を続けようともくろんだアリュシア王国の大臣グラントによってリベロが毒殺されてしまう。
戦争終結という目的は達成したものの、恋人を失った悲しみに暮れるクラリス。
落ち込んだ彼女のもとに一人の魔女があらわれ、亡きリベロの復活を囁いた。
死者を使役する魔女にクラリスは嫌悪したが、葛藤の末リベロを蘇らせる。
けれど蘇ったリベロはまるで人形のようになっており、クラリスのことなどまるっきり忘れていた。それどころか熱々の紅茶を一気に飲んだり、生前は鶏肉が好きだったからと言って生きたまま小鳥をむさぼったりとそれはもう常識外れな行動ばかり。
クラリスはもとのリベロを取り戻すべく、蘇ったリベロに二人の思い出を叩きこむのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-16 13:12:49
5831文字
会話率:38%
やり直したい、そう願った男がいた。
やり直したくなどなかった、そう願った女がいた。
次こそはうまくやろう。
次は絶対にあんな思いはしたくない。
二人の思いは交わらないまま、更に生前の記憶を持ったまま過去へと戻ることとなる。
だが、過去へ
と戻せるのは『とある人物』のみ。やらかしに気付かないまま、男は思いをつらつら述べる。
地雷を踏みまくっているとも気付かぬままーーー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-12 22:17:05
5478文字
会話率:45%
私はあの日出会ったあの人に恋をしていたのかもしれない。
平凡な日常を送る高校二年生、犬屋花笑と
記憶喪失の高校二年生、佐島龍海は、ある一つのメモ帳で恋をする。
「私は二年二組犬屋花笑。花に笑うで「かえ」。あなたが何度忘れても、私は何度も
名乗って、何度も友達になる。」
この気持ちは恋なのか。恋であってほしい。
記憶喪失の少年と、普通の高校生がリセットされる記憶の中で何度も恋をする。
「好きよ。きっと。」
二人の思いがたどり着いた先にあるものとはー。
是非ご覧ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-20 00:03:25
2664文字
会話率:48%
この世界ではない前世の記憶を朧げに持っている伯爵令嬢のレーネが七歳の時、公爵子息の婚約者を決めるお茶会の席で、ふわふわした髪の毛に垂れ目で柔らかな顔立ちをした侯爵令嬢から「悪役令嬢顔!」と言われてしまう。
「悪役令嬢」は恋愛小説の中で、ヒ
ロインに婚約者を取られ婚約破棄をされる女の子って位置を前世の記憶を手繰って思い出した。「じゃあ、私にもそんな未来が待っているのかしら。それなら居場所作りをしておきましょう」と何となく覚えている前世の記憶を使ってこっそりと事業を始めていく。
容姿端麗、頭脳明晰な公爵子息のニキアスはそのお茶会の席でレーネに一目惚れ。念願かなってレーネに婚約を申し込むときに、策を練りすぎて「女避けのための婚約者」として申し込んでしまう。
レーネ本人は「さすが悪役令嬢顔なだけあって妥当な婚約だわ」とあっさりと承諾した結果、二人の思いはずっとすれ違ったまま。
どんなにニキアスが誠心誠意込めて好意を表現しても「婚約者の振りが上手い!」で片付けられてしまう。
学校卒業を間近に控え、いつヒロインが現れるのかそわそわするレーネと、このまま結婚に持ち込みたいニキアスだったが、レーネのもつ前世の記憶で王妃の妊活に協力することになると状況が一変していく……。
何番煎じ?な王道の「悪役令嬢」「前世」「婚約破棄」の言葉を使って、私なりに物語を作ってみました。
楽しんでいただければ幸いです。
※直接的ではありませんが、不妊、妊娠、妊活について触れています。
※R15は念の為です。
最終話(18話)まで予約投稿。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-25 07:00:00
55387文字
会話率:43%
中学二年の女の子、渡来(わたらい)あかりは大富豪の家に生まれ、父親とは少し折り合いが悪いが何不自由なく暮らしていた。
二〇二二年五月、学校からの帰り道であかりは交通事故に遭い、どうにか一命は取り留めたものの意識不明の重体に陥ってしまう。
三十年後の二〇五二年四月、あかりは奇跡的に目を覚ます。
なぜか――中学二年の容姿のままで。
病院で出会ったティアという若い女性。彼女はあかりの父親の知り合いだという。退院後、あかりはティアと共に暮らすことを選択する。
二人は一緒に生活するうちに距離を少しずつ縮めていくのだが――
これは、思いがけず再起動(リブート)された少女あかりと、謎多き女性ティア――二人の思いが交差し、世界を変えていく未来系ファンタジーストーリー。
全76回(予定)。
基本的に毎日更新。
アルファポリスでも掲載中(進行度は同じ)。
どうぞ宜しくお願いします。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-18 19:58:09
137462文字
会話率:39%
聖女様の加護のもと、勇者が魔王討伐を成し遂げたその姿は、『勇者の勲』として今も人々に語り継がれている。
マルカム・クライバン男爵も、勇者一行に名を連ねた英雄のひとりだが、それもひと昔も前のこと。
現在は田舎の森の中で穏やかな「そ
の後の人生」を送っている。
そんなある日、クライバンの元へ何の前触れもなく聖都から花嫁がやってきた。
その名もオリビア・アリントン公爵令嬢。
「うーむ。俺は単に使用人を取り仕切る女中頭を一人紹介してくれるよう頼んだだけだったのだが、花嫁を都合してくれるとは。さすが聖都の公爵家ともなると心にくいことをしてくれる。」
「いやいや、そんなわけないでしょ! 何かの行き違いです。」
城代アンドルーのツッコミにも耳を貸さず、オリビアに一目惚れしてしまうクライバンだが、元々の内気な性格に加えて、年の離れた美しいオリビアに気後れして目通りする事すらできずにいる。
一方、人手不足のクライバン邸でせっせと家事労働に励みながら、憧れの英雄と結ばれる日を心待ちにしているオリビアだが、己が女中として派遣されたとは夢にも思わず……。
二人の思い込み、勘違いや行き違いにヤキモキする外野を巻き込んで、めでたく結ばれるまでの物語です。
⁑⁑⁑⁑⁑
古典的な継子イジメをベースにしていますが、そういう場面はほとんど出てきません。ざまあ要素もありません。
不器用なおっさんと女の子のあまあまの恋愛物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-21 23:13:59
103106文字
会話率:39%