王都で“噂の姫君”と囁かれる王女リュシア。
過去の事件により「傷物」と蔑まれ、誰からも望まれぬ存在として扱われていた。
だが彼女は、自らの手で運命を変えるため、静かに動き出す。
一方、貴族としての身分を失い“影”に堕ちた男――ノクス。
彼
は今、王都最大の情報ギルド〈アルセイン〉の長として、国中の闇を見つめていた。
本名も素性も隠したその男が、リュシアの依頼を受けた瞬間から、
歴史の裏側に封じられた“もう一つの真実”が動き出す。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 20:30:00
24625文字
会話率:48%
大陸の東に位置する国の港町カリリオ。そこに暮らす少女シルアは、一族で営む薬屋の見習いとして、日々調薬の修業に励んでいた。
だが、ある日、町に深刻な知らせが届く。交易航路が閉ざされ、希少な薬草《海鳴草》が入荷不能に――その薬草は、熱病に苦し
む少女エリュシアを救う唯一の材料だった。
熱病に苦しむ友人をシルアは救うことができるのか?
町の薬師見習いシルアの冒険と成長をたどるショートストーリー。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 20:20:00
2979文字
会話率:33%
主人公の宮桃香は、とにかく恋愛体質な乙女チックの高校二年生。
ある日、何となく、大人気恋愛シミュレーションゲーム『kiss♡me in the castle』をプレイしてたら、ゲーム画面から、突然不思議な光が現われて...!?
「うるさい
。じゃがいも女。」
そこに現われたのは、本作一番のメインヒーロー、リュシアン・アーチャーが私の元へ!
これは、溺愛されちゃうかもって思ったのに、『二次元の桃香が好きだ』って言わちゃって..!?あれ、私また失恋しちゃった?
交際0日同棲生活、スタートです♡折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 19:15:57
94127文字
会話率:28%
空から落ちてきた流れ星――それは、私だった。
異世界に召喚された少女・ティアナは、なぜか王国の城に拾われ、姫君付きの侍女(見習い)として働くことに。
けれど、担当になった姫――リュシア王女は無表情で口数も少なく、周囲からは“氷の姫”と恐れ
られていた。
元気で天然気味のティアナと、冷たいようで繊細なリュシア。
正反対のふたりが出会い、やがて小さな奇跡が生まれていく。
身分の違い、世界の違い、それでも「好き」が芽生えるまでの、少し不思議でやさしい恋の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 15:00:00
12181文字
会話率:43%
古くから女性が想い人のために刺繍布や装飾品を贈る風習がある国で、染織材料店を営む元男爵令嬢のリュシア。
両親が遺してくれた店を切り盛りしながら、怪我をして騎士としての夢を諦めた恋人ダリオの身の回りの世話や金銭的援助をするなか、リハビリのか
いもあって彼は騎士に復帰することに。
彼との結婚を目前に控えていたリュシアだったが、親友との浮気が発覚。亡き両親の遺産で買った家も受け継いだ店も言葉巧みに名義を変えられていたことで、リュシアは何もかも失ってしまう。
そんな打ちひしがれたリュシアの前に現れたのは、商会を運営するという一人の美しい青年ネル。お人好しな彼に住み込みで雇われ、小さな居場所を得たリュシアだったが、伝統と独自の技術を掛け合わせた祈りを込める刺繍には不思議な力があり……。
※他サイトでも連載しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 05:10:00
47866文字
会話率:44%
政略結婚してひと月後、夫は戦争へと向かった。
一人残された私は義母と執事と伯爵家を支えた。
夫は妊娠していたことを知らない。知らせる手紙は書いたけど、返事はなかった。
そして可愛い息子リュシアンを育てながら夫の帰りを待った。
「
この子を我が子として育てることにした」
そう言って夫が連れ帰ったのは、三歳にも満たない女の子だった。
「この子は?」
「俺の大切な人の子供だ」
「私にあなたの婚外子を育てろというのですか?」
私には前世の記憶がある。子育てをした記憶が。
わかったわ。育ててやろうじゃない。
自分の子供も夫の愛人の子供も、可愛いければ育てられるはずだわ。
不器用で愛想がない夫を無視しまくって子育て、やってやるわよ!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 02:17:58
51507文字
会話率:36%
魔力が香る世界で、彼女は「香りがしない」唯一の存在だった。
魔力の強さが“香り”として現れる世界――。
森の奥でひっそり暮らしていたリュシアは、熊に襲われていた青年術士・フィリクスを助ける。
彼は、魔法秩序を司る組織、|魔法管理局《アルセ
イア》の人間だった。
彼の《魔力の香り》は「女の子を虜にする」らしい。
女の子に好かれすぎて疲れていた彼は、リュシアに問う。
「君は俺を好きにならないね。
……どうして?」
――君からは、何の香りもしない
香りのない魔女と、孤高の最強術師の異世界ファンタジー×香り×ロマンス。
出会いはやがて、隠された真実と禁忌を暴き出す。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 00:44:05
12194文字
会話率:25%
人類は、本来「魔法」と戦う運命ではなかった。
だが――戦争に公平など存在しない。
22世紀、太陽系統一連邦は異世界の超大国、エリュシア神聖帝国との戦争に巻き込まれた。
敵は、神の加護を受けた剣を振るう騎士、戦場を支配する魔導士、そして神々
の名を持つ異形の存在。
科学と理性を超越するこの強大な敵に、連邦は抗うしかなかった。
最前線へと送り込まれた兵士たちの中に、交差する運命を背負った三人がいた。
栄光ではなく、“生存”のために戦う者。
この戦いの「正義」を信じる者。
魔法を恐れ、拒絶されながらも、その狭間に立つ者。
彼らは、宿命に導かれ戦場を駆ける。
しかし、戦場が墓場と化し、生存の代償があまりにも重くなったとき――彼らは問わざるを得なかった。
「"任務"と"人間性"の境界線は、どこまで押し広げられるのか。
どこまで行けば、その両方を失ってしまうのか――?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-18 21:00:00
191650文字
会話率:31%
突然前世の記憶が蘇った私、リュシア3歳。
この世界は私が転生前に嗜んでいた乙女ゲームの世界でした。
わー、よくある展開ー。
ただ残念なことに(よくあることに)私はヒロインを鬼畜に虐めぬく悪役令嬢で、その最期は勧善懲悪に相応しいバッドエン
ドしか待っていないのです。
断罪エンドは断固阻止すべし!!!
それはともかく、私の可愛い双子の妹ちゃんが幸せになってくれれば、お姉ちゃんはそれだけで幸せなのです♪
妹ちゃんは天使なの!かわいいの、かわいすぎて、私の語彙力がなくなっていくの。
あれ?
ところでこの乙女ゲームの悪役令嬢に双子の妹なんていたかしらね?
まあ、いいわ。可愛い妹ちゃんがここに存在してるんだから!いないわけがないでしょう?そうでしょう?
文句があるヤツは私が埋めてあ・げ・る。
双子の妹を溺愛する悪役令嬢が自身の平穏と妹を幸せにするために奮闘する物語???
※百合、姉妹愛のような表現が含まれますので苦手な方は回れ右をお願いします。何でも許せる方向けかもしれません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 19:11:24
160719文字
会話率:34%
貴族令嬢リュシア・フォン・エーレンベルクは、社交界で「悪役令嬢」と蔑まれ、婚約者に浮気された挙句、公衆の面前で婚約破棄される。心を踏みにじられた彼女は涙を捨て、冷酷な復讐者として立ち上がった。協力者として手を差し伸べたのは、隣国ヴァルデマー
ルの第一王子クラウス。冷静沈着ながらも激しい独占欲と溺愛で彼女を守り抜き、二人は政敵を葬っていく。やがて共闘は愛へと変わり、嫉妬深くも一途なクラウスとの白い結婚が成就。盛大な結婚式を経て、二人の間には待望の息子ユリウスが誕生する。悪役令嬢と蔑まれた女は、復讐の果てに真実の愛と家族を得て、かつての絶望を完全勝利へと変えた――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 20:41:35
6953文字
会話率:44%
「その“誇り”、お洗濯した方がよろしいのでは? 泥まみれのまま振りかざすのは滑稽ですわ」
その言葉に反応したのは、空気でも魔力でもなく──相手の装飾魔術だった。
髪が焦げ、悲鳴をあげる令嬢。リュシアはただ静かに首を傾げるだけ。
侯爵令嬢
リュシアは、魔法の才を持たぬ“落ちこぼれ”として婚約破棄された。
だが彼女には、誰にも知られていない能力があった。
「……私、波風を立てたくはないのです」
そう願う彼女の“言葉”は、なぜか現実を変える力を持っていた──
言霊が暴く、虚栄と傲慢。
ことなかれ主義の無自覚令嬢が、皮肉ひとつで貴族社会をざまぁしていく。
静かで痛快な言葉の魔術譚、開幕。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-08 21:55:07
22237文字
会話率:29%
リュシアーナは、公爵家の生まれで、容姿は清楚で美しく、所作も惚れ惚れするほどだと評判の妃だ。ただ、彼女が第一皇子に嫁いでから三年が経とうとしていたが、子どもはまだできなかった。
そんな時、夫は陰でこう言った。
「完璧な妻だと思ったのに、肝心
なところが欠陥とは」
立ち聞きしてしまい、失望するリュシアーナの前に教え子だった魔法使いが現れ、転機が訪れる。
リュシアーナは、自身を子を産む道具のように扱う夫とその周囲を利用して、のしあがることを決意した。
皇子の夫にその騎士、魔法使いと、次々と籠絡していくリュシアーナが手に入れたものとは……?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-08 19:44:30
293172文字
会話率:34%
「リュシア。今日から君、俺の婚約者ね!」
──は???
突然の王子様プロポーズに、広間はざわつき、私の思考は停止寸前。
しかも王命つきとか言ってるし! こっちは寝耳に水なんですけど!
いや待って。私、護衛騎士のノクスが好きなんだけど!
?
でも彼に想いを伝えるなんて、身分的に不可能すぎて……
このまま王子と結婚するしかないの!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-08 18:01:31
2670文字
会話率:23%
2025年、東欧バルカン半島で、セルビア、ルーマニアと国境を接する小さな領土の主権国家が存在する。
[南イリュシア共和国]である。
その国はオーストリア帝国の諸邦からユーゴスラビアの自治領、そして旧ソ連圏の独立衛星国家としての歴史を辿り、一
人の独裁者による統治によって、民主革命が起こり、1991年にはユーゴスラビア紛争でセルビア軍と交戦するなど、波乱な近現代史を辿った国の内の一つである南イリュシアは、今ではバルカンの至宝と言われる程まで発展した先進国家である。
しかし、人民共和国時代の遺物が各地に点在し、町並みも、昔とまるで変わっていない。
その中に、首都のイリュクスの中央に国民広場(旧チャパエフ広場)と名付けられた大きな広場がある。
この広場で響いた一発の銃声により、南イリュシア革命が勃発し、二人の独裁者夫妻とその娘が断頭台に上がることになった事件が起きたのである。
2025年12月25日、この日、この国の大統領が辞任を発表してから1ヶ月を切った日の事、一通の古い手紙を大統領が見つけた。
その宛名にはあの36年前に倒れた独裁者から娘に宛てた手紙だった。
大統領は昔の若かりしき頃の記憶を甦らせ、回想していくのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-06 17:57:03
1948文字
会話率:29%
セレス・ノード──それは地球に設けられた、人類最高水準の研究設備と知性が集う先端研究施設であり、重力構造の制御や多次元空間理論、意識と場の共鳴といった、境界領域の知を実践的に扱う中枢でもある。その活動の一部として、異星知性体エリディアンに関
する研究や接触も進められている。
15歳の少年、リュシアン・モレルはその学苑で学ぶ学生のひとり。物理学への探究心を抱きながら、最近ではアーク・コンダクターへの志望に心を引かれている。
重力場と意識を共鳴させ、空間そのものに働きかけるこの役目は、単なる操縦士ではない。
限られた訓練生だけが選抜される、いわば「重力と宇宙を読み、導く者」。その訓練は、人間の認識や反応の限界にまで踏み込み、従来の科学と常識の枠を超えた負荷を強いられる。操縦というより、空間と同調し、力場そのものを“感じて制御する”感性が求められる役割だ。
自分がそこにふさわしいかどうか、リュシアンはまだ答えを持っていない。
ある日、論理学の新任講師として赴任してきたソリテーション──ティス・エラとの出会いが、リュシアンの思考と感受性にゆるやかな変化をもたらしていく。
彼女の講義は、論理と思考の構造そのものに踏み込むもので、生徒たちの関心を強く引いた。
彼女は、タイタンの湖底で進化したエリディアンという知性体の投影体であり、人間のように話すが、その内面は異なる法則で動いている。
彼らは音や振動を使って、言葉よりも深い部分で意図や感覚を伝え合う。リュシアンにとって、彼女の語る論理はどこか遠く、だが不思議と引き込まれるものだった。
生徒たちのあいだには見えない隔たりが生まれ、言葉にしにくい緊張も生じる。
リュシアンもまた、ティスとの対話を通して、自分自身の過去、迷い、そして何のために進むのかという問いと向き合うようになっていく。
学苑に残るか、宇宙へ出るか──その選択は、自分という存在をどう捉えるかに関わっていた。
この物語が描くのは、遠い未来や異星との邂逅ではない。
まだ答えの出ない問いを手に、誰かと共に考えながら前に進もうとする、ひとりの少年の姿である。
答えは示されないまま、物語はそっと閉じられる。
けれど、その問いは、どこかでまだ続いている。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-06 12:00:00
52938文字
会話率:20%
孤児から悪名高い領主になったグリフォンは、冷たい世界で心も凍っていました。
ところが、孤児院の修道女リュシアと出会った瞬間、胸の奥に小さな灯がともります。
彼女のために屋根を直し、税を下げ、人々が笑える夜祭を開くうち、凍った心は少しずつ春め
いて──ついにはリュシアと想いを交わすまでに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-04 13:00:59
10990文字
会話率:14%
60歳、妻に先立たれ、子どもも独立。
唯一の生きがいだった会社にも切り捨てられ、全てを失った清水直人。
定年前に希望退職を受け入れ、静かに余生を送ろうとしたその日、彼は突如異世界へと転移してしまう――。
目覚めると、そこは没落寸前の古い町
・フローヴェルド。
しかも彼の肉体は、まるで時を巻き戻したかのような「20代の青年」の姿になっていた!
心は老練な技術者、体は若返った“新生”清水直人。
町を歩けば、荒れ果てた街並み、希望を失った住民たち。
だが、現場で鍛えた技術と、人を裏から支える知恵は健在だった。
やがて彼は、探索中の遺跡で伝説の料理人――千年の眠りから目覚めた少女・リュシアンナと出会う。
「こんなところで終わってたまるか――
今度こそ、誰かの役に立ちたい。
この町を、みんなを、もう一度支えたい。」
老練な知識×若い肉体。
便利すぎる魔道具、絶品の料理。
かつて守れなかった“現場”の後悔を抱えた主人公が、仲間と共に「町の再生」「人の幸せ」「自分らしい生き方」を模索していく。
働き詰めで報われなかった“おじさん”が、異世界で人生のやり直し!
人情とグルメ、生活改善と成長の物語が、今、始まる――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-02 00:24:56
9920文字
会話率:28%
侯爵家の次女であるリュシアには推しがいる。それはなんと父の前妻・セラフィーナだった。セラフィーナの娘でよく似た異母姉・リリアンもまた推し……これまで両親が疎むリリアンを「ワガママ」と称して守ってきたが、社交界デビューを迎えたからには姉を幸せ
にしてくれる素敵な方を探したい。
例えばまだ婚約者のいない王太子殿下が最高の獲物…じゃなくて、伴侶なのでは!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 20:03:10
9561文字
会話率:51%
王太子との婚約披露茶会は、公開断罪ショーへと一変した。
“毒殺未遂犯”に仕立てられた王宮薬師リュシアは、無実を証明しながらも追放の身に――しかし彼女が選んだ復讐の武器は、〈ライブ配信〉だった。
近衛騎士レオンと毒検知スライム〈ポプラ〉を相
棒に、荒れ果てた辺境の薬草園を拠点化。真犯人を暴く実況チャンネル「辺境薬師ライブ!」は瞬く間に視聴者十万を超え、王都の闇と利権を次々と露わにしてゆく。
だが背後には、錬金ギルドと邪教〈白蛇教〉が開発する超猛毒〈レッドラグナ〉と、医薬を独占し王位を簒奪しようとする王太子の企みが――。
“毒を以て毒を制す”知識と、群衆の眼という〈最大の武器〉を携え、リュシアは王都決戦へ。恋とざまぁと医療ミステリが交錯する全20話、完結(予定)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 18:50:00
6353文字
会話率:33%
町の境界には、見えない壁がある。
精霊種が越えれば矢が飛び、獣人が近づけば扉が閉ざされる。
それが、この「グリムアーク」――種族の違いが、血の匂いを生む町だった。
主人公・リアンは、町の外れにある小さな書庫の番人だった。彼は一見人間のよう
に見えるが、実はエルフと人間の混血――いわゆる「交種(ハーフ)」だった。過去の戦争で交種は裏切り者とされ、いまや町ではもっとも忌み嫌われる存在になっていた。
数年前、獣人族の襲撃事件が起きたとき、リアンは町に唯一残された「中立者」として、ある特別な権利――古代評議会によって与えられた「和解の印章(メディア・シギル)」を行使する資格があった。それを使えば、争いを止めることも、精霊や獣人に保護を与えることもできた。
けれど彼は、何もせずに黙っていた。
結果、数十名の命が失われ、彼は「沈黙の裏切者」として全てを失った。仕事も、名誉も、恋も。かつて想いを寄せてくれていた、貴族の娘リュシアも彼のもとを去った。
あれから三年。
冬の初め、彼の前に一人の旅の精霊術師が現れる。名をミリエル。異邦から来たという彼女は、かつての獣人襲撃の現場で、ある奇妙な光を見たと語る。それは、「和解の印章」が発動する時にのみ現れる青い花火だったという。
「あなた……本当は、あのとき権利を使っていたのでしょう?」
リアンは黙って本を棚に戻す。
「それが誰かを守ったなら、なぜ黙っていたの?」
「……黙っていたんじゃない。伝えてはいけなかったんだ。あれは、ある一人の命を救うための取引だった」
取引の相手、それは町の長官――そしてかつての恋人、リュシアの父だった。
物語は、彼の沈黙の裏側にあった真実と、ミリエルとの恋、そして再び町を巻き込む種族間の陰謀へと進んでいく。
だがその中で、リアンは再び「権利」を手にする。
今度は、愛のために。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-16 17:25:42
2155文字
会話率:31%