それは、破滅の世界に奏でられる人類の曲終(コーダ)――
三つの災厄が襲い、文明が崩壊した世界。デモンという怪物化した者は力を以て命を奪い、力無き者も生きる希望を失わず、戦いに明け暮れた荒野。そんな中である一人のデモン、キョウジは記憶消
失の少女ミユを連れながら旅をしていた。彼女の記憶を取り戻す為に。当てのない旅だが、気ままでもあった。
しかし旅路の行く手を様々なものが阻んでくる。巷に蔓延る血に飢えた野盗。デモン跳梁跋扈の撲滅を掲げる組織、〈ザ・ラウンドテーブル〉。そしてその意志を明らかにしないまま暗躍する〈フォー・ライダース〉と名乗る面々――
乾いた荒野でキョウジとミユは戦い続ける。その先にあるがなにかも分からず、しかしどこかに希望はあると信じながら。
世紀末(21世紀だけど)ポストアポカリプスバトルアクション。枯れた世界に生きる意味は果たしてあるのか? これはその意味を見出す物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 21:05:55
431475文字
会話率:49%
転生先は、電子レンジのターンテーブルの皿だった。
ただ回り続ける、新しい人生の話。
キーワード:
最終更新:2025-06-22 10:08:50
2280文字
会話率:11%
『しいな ここみ』様(https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/2175055/blogkey/3449778/)の『梅雨のじめじめ企画』参加作品になります!
──美しく咲いた花は、
土に還らず。
無念と情熱が、キノコとなりて蘇る──
これは、ひとりの舞妓の魂が、白塗りの怪異へと姿を変えた、哀しき伝承 (たぶん)
※「マイコニド(Myconid)」は、ファンタジーに登場するキノコのような姿をした人型生物。特に有名なのは『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』というテーブルトークRPGに登場するクリーチャーです※
幻邏様(https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1850894/blogkey/3451353/index.php?p=2)のおかげで、この様なキャラになりました!、ありがとうございます(笑)(。-人-。) 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 08:55:31
11262文字
会話率:25%
中野のアパートに独り暮らす五十九歳の私、和土急太郎は、パソコンもスマホも持たず、テレビもラジオも聴かない。けれど、私は知っている。世界が「リチウム電池」の値上がりにざわついていることを。近所の八百屋の兄ちゃんがレジ袋詰めながら、タメ口で「マ
グネシウム合金のほうが今アツいっすよ」などと話していた。高円寺の喫茶店では女子高生が「ねえ、LINEスタンプの“脳内マッチョ猫”買った?」などと笑っていた。彼女たちが座っていたテーブルの上には、まるでアートのような「レモン白湯」。
昨日の夕方、商店街の掲示板に「新作アニメ“爆裂ビート学園!”放映中」のポスターが貼られていた。世界は、動いている。私はそれを肌で知る。午後、銭湯の脱衣所で誰かが叫んだ。「“株式分割”って言葉、久々に聞いたぜ」。そのあと「マインクラフトで中野駅再現してる奴いるらしい」とも。私は、五感で急上昇ワードを探し出すのだ。
この作品は、そんな和土急太郎の、ごくささやかだが、どこか狂気じみた日々の記録である。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-21 22:38:22
19621文字
会話率:31%
■朝から始まるファミレス・ラブコメ♡ 熾烈な7番席争奪戦!
※物語投稿サイト「TALES」にて、「ラブコメ」ジャンル
日間・週間・月間・累計ランキングにて第1位獲得し、4冠達成!
リサはファミレス大好き女子大生。今日も早朝からガラガ
ラのファミレスへ。
でも最近はイライラ。
お気に入りの角席の7番テーブルが、いつも先に若い爽やかスーツの男性に占拠されているから。しかも涼しげにパフェなんか食べてて。
だからリサは当てつけに、お隣りの8番席に陣取って露骨なプレッシャー。でも全然気にされてなくて、余計にイライラ。
しかし、リサには超強力な武器があった。
ノートPCで何でも検索し特定しちゃう。「リサーチリサっち」と呼ばれた洞察力で何でも突き止め、お隣り7番席の男性の本名も、SNSアカウントも特定済み。憧れの先輩美人がいるってことも、ハンドルネームが「めぐ」のネカマだということも、全部お見通し。
敵の情報は全部筒抜けで得意げなリサ。
ムカつく彼のSNSを見て、分からない単語に妄想が膨らんで、彼の本性が分かってきたり、先輩女性を心配したり、どエロな方向に行ったりして、翻弄されまくり。
早朝から熾烈な情報戦(ただし妄想)を繰り広げる、ファミレスでのリサっちを描いているだけのお話です。
でも最終回まで読んだ後は、リサっちも、お隣りの男性も、みんなきっと好きになるはず。
健気で一途で、やたら口が悪くなるけれど一生懸命に生きているリサっちを、どうか応援してあげてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 07:10:00
8444文字
会話率:8%
「一つの意志に従え。いかなる手段をもってしても、遂行せよ。」
全ては一つの旗のもとに、
一つの評議会のもとに、
一人の最高指導者のもとに再建された世界。
服従は美徳などではない――
それこそが、目的だ。
そこで動くのが──エージェント
88。
階級も、過去も、持たない。
あるのは、ただ命令だけ。
元名誉ある軍人キャプテン、ジャン・ヴェルヴォーは、
今やO.S.Iの第88作戦要員──
調査し、介入し、修正することで統一を守る精鋭執行者。
最高指導者の指令は絶対。
その“遂行方法”こそが、この物語のすべて。
ブリーフィングルームには菓子をつまみに登場。
将軍用テーブルにはだらりと寄りかかり、
裏切り者が震える中、チョコレートをひとくち。
声は低く静かに、感情は凍りつき──
しかもチームは全員女性。
「もう、軍隊のオッサンたちの宴会にはうんざりだ」
機械か亡霊か──
空のチョコ包装だけを残して去る男、ジャン・ヴェルヴォー。
だが、ひとつだけ確かなことがある。
エージェント88が姿を見せるとき、
“何か”は必ず――正される。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-21 07:07:26
75415文字
会話率:26%
目覚めると、無機質な謎の空間にいた。金属製の扉。ポツンとテーブルの上に置かれた一冊の本。そこに書かれている、謎の文章。謎ばかりだ。
扉を開け外に出るとそこには、
七人の探偵と先生の死体。
何故、先生は死んでいるのか。何故、私たちが集められた
のか。
謎が謎をうぞめく、謎のミステリーをご覧あれ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 18:20:00
1206文字
会話率:43%
====================
●TRPGとは
TRPG――テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム――とは、会話形式で行うRPGのことだ。ここで言うRPGとは、コンピュータ・ゲームのジャンルとして知られているRPGと同じも
ので、概ね、主人公が戦いや人との出会いを通じて成長し、大きな、あるいはささやかな使命を果たす物語を、追体験するゲームと言っても良いだろう。TRPGはこのRPGを、ゲーム機の力を借りずに複数人数で遊ぶゲームだ。
TRPGの参加者は、ゲームマスターとプレイヤーの二手に分かれる。参加者のうちの一名が、ゲームマスター(以降、GMと略記)としてゲーム機が果たす役割を担当し、残る参加者全員がプレイヤーとして、物語の主人公となるキャラクターを、それぞれに受け持つ。
(『戦国双刀伝 巻之一 基本ルール+リプレイ前編』より抜粋)
====================
とある出来事をきっかけに、異世界の女神を相手に、TRPGのレクチャーをした社会人の男性が、神々が集う場所で女神とその友人たちを相手に、GMをすることになるお話。
※『戦国双刀伝』は、架空のTRPGです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-18 23:00:00
95369文字
会話率:51%
「これは、成るべくしてなった事だと思う」
そう言った彼が口にしたのは豆乳だった。
「俺がのんびり筋トレに励む事が出来る環境を手に入れる事は!」
「何言っているんですか、貴方は」
引っ越しの途中に立ち寄った食堂にて。思わずツッコミを入れてきた
幼馴染みに笑う。
「だって、ずっと気にしてんじゃん。都から俺を引き離す事になったって」
「それはそうですが……。貴方はムキムキだろうが脳筋だろうが王族です。辺境の領地に移るとは」
「はいはい、止め!何か貶された気もするが、感謝してるんだ、ホント。俺だけだったら城から出られてないかもしれない」
それを聞いて彼女は溜め息をついた。本当、いつもほしい言葉をくれる。この男は。
「それにしても、よく彼女たちが着いてくる気になりましたね。自称執事はともかく」
彼女の視線の先には母親と2人の子供が和やかに料理を食べている。その横のテーブルに着いているのが、自称執事の美丈夫と彼らのもう1人の幼馴染みだ。
「そろそろ拠点変えようと思っていたから、丁度よかったんだって。俺の影響なくなるし。だから、成るべくしてなったって思ってる。王位継承権云々関係なくな。ともかく王都脱出お疲れ様」
「貴方こそ」
「俺は馬車の中で腕立てと腹筋していただけだからなぁ」
「そういえばそうでしたね。流石に引きました」
「仕様がないだろ、暇だったんだし。……ん、何かアイツ酔ってる?」
そう言って視線を向けた先は幼馴染みの男。何故か手から水を噴出させている。
「ちょっと!何でお酒飲んでいるのですか!?」
子供たちは喜んでいる。が、彼は普段ならこんな事しない。
「水芸しない!床が濡れる!自称執事、なぜ止めない!「無理」って、最初から諦めるなぁぁっ!」
布巾をひっ掴み、そちらに駆け寄る彼女。
それを見ながら平和だなー、と彼は思った。
--と、いうメンバーでお送り致します。やんごとなき筋肉アニキとその護衛で幼馴染みの筋肉ダルマと幼馴染みのインテリ令嬢、王子様な外見の美中年、母親な料理人とその子供のウサミミフードと義理の息子の辺境のんびり生活(ただし筋トレ重視)。恋愛なんてない!チートもない!あるのは楽しい筋肉生活だけだ!!
筋肉の筋肉による筋肉のための隠遁生活 (スローライフ)、開幕します。
「明日は俺、馬車に乗らずに走るから」
「止めて下さい!」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-17 01:00:00
683302文字
会話率:36%
――今年も宇宙船「地球号」で9億キロの宇宙旅行に出かけましょう。
星新一先生の年賀状に、そう書かれていたというエピソードを読んだ。地球の公転距離は9億キロ、宇宙船「地球号」は一年をかけて太陽の周りを回る。
素晴らしい。たった一文で、しっか
りSFしているし、オチも秀逸だ。こういうのを自分でも書いてみたい。そう思った。
もう一度、星先生のショートショートを読んでみたい。そういう方の為に、一編入魂、精一杯、頑張って書いたショートショート集。
どん底だったあの日、親父と花火を見に行った。あれから三十年、親父が危篤だという知らせが届く(花火)
そのカリスマ美容師の手にかかれば、黒々とした髪の毛を取り戻すことが出来ると言う(カリスマ美容師)
磯浜村の太郎は山賊の手先として捕まった亀を助け、城塞に連れて行かれ、音宮の姫と恋に落ちた(磯浜村の周郎)
僕は一日に一回、一秒だけ、時間を止めることができる(一秒でできること)
僕は鏡の中の自分と会話する方法を思いついた(鏡)
幼い頃、私には私だけにしか見えないお姉ちゃんがいた(お姉ちゃん)
終電間際の地下鉄の車内、目が覚めると時間が止まっていた(地下鉄)
亡き妻が神社で見守ってくれている(神社)
僕には”なかよしノート”がある(なかよしノート)
目が覚めると部屋には男が三人、テーブルに四つのボタンがあった(ボタン)
山歩きの途中、けもの道を歩んでしまったら・・・一人だけ違う時空に暮らす男の話(けもの道)
お祭りの日、屋台で射的をやって不細工な人形を手に入れた(射的)
アロイカの大宇宙船団が地球を侵略するためにやって来る(アロイカ・インベージョン)
「月光石を持って来た人と結婚する」と美姫は言う(狼の血族)
人の言葉を話す鳩ジョンのお話(伝書鳩ジョン)
深夜、タクシーがお客を拾った~幽霊話をショートショートに(幽霊はタクシーに乗って)
【注】これらの作品は「カクヨム」でも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-13 06:40:48
257135文字
会話率:23%
男は緊張していた。
雲の上の神殿、美しき女神、そしてルーレットテーブル。
緊張しないわけがなかった。
女神は優しい微笑みを浮かべて言った。
「前世で素晴らしい善行を積んだ貴方に相応しい来世を」
自身の死後、気がついたらこの神殿いたのだ
。
来世、どんな人生を送ることになるのか、今このルーレットに託された。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-12 17:00:00
1907文字
会話率:25%
※加筆修正は頻繁に行っておりますので、ご了承ください。
※作者の名前が急に変更する場合がございます。あらかじめ連絡致します。
【登場人物】アニエス・・・主人公『魔力無し』の公爵令嬢
セオドリック・・・国の王太子
エ
ース・・・アニエスの義弟。ロナ家跡取り
アレクサンダー・・・アニエスの唯一無二の腹心の従者。子爵家養子縁組が決まってる。
ロナ公爵・・・アニエスの父。名家中の名家『ロナ』家公爵
本編抜粋→
「・・・随分、仲が宜しいご様子ですね。」
若干、ひんやりする空気をまとい、アレクサンダーが、口をすっと挟んだ。
二人が振り返ると、公爵とエースもこちらを見ている。それに、アニエスは、慌てて、
「殿下は、私がお世話になるタニア様の兄君であらせますから、多少は世間話を交わします。が、特に仲がいいわけでは決して・・・。」
それに、セオドリックはうんうん頷きながら
「そうですね。おびえた彼女に胸を貸し、落ち着くまで背中を撫でて励ましたりしましたが、決して言うほど親しいわけではありませんね?」
「・・・っっな!!!」
アニエスは引きつった青い顔で、セオドリックの涼し気に微笑む顔を凝視した。
「で、殿下!そ、その言い方は中々に誤解を招きます!!」
「そうですねえ、では、貴女があられもない姿で僕の前に現れたという話もしない方がよいかもしれませんね?」
「っっ事故!あれこそ事故です!!いい加減に、ふざけるのを止めて頂かないとさすがに私も怒りますよ!」
その反応を見て、セオドリックは自分の腹を抑えだした。
「では、この腹を『また』殴りますか?」
「ア、アニエス!殿下をお殴りしたのか!?」
その発言には、さすがのロナ公爵もぎょっとして、身を乗り出した。
「え、それはその、しました・・・け・・・ど、もともとはセオドリック様が・・・!!」
「・・・いったい殿下が、何をしたの?」
エースが静かに聞くと、アニエスは無言でテーブルのグラスをさり気なく倒した。
「・・・まあ!!大変!テーブルが!!!ボーイさん直ぐに来てください!!テーブルにこぼしてしまったわ!」
「・・・・・・・・・今、わざと倒したよね??」
・・・おかしい!!最初は静かに食事していただけのはずなのに、
(『19、食事会と残念な一人娘』より)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-11 20:15:09
846401文字
会話率:45%
玄幻:女尊修仙界の白い月の光の星落ち別れた愛恋!
叶瑶、もしもいつか君が僕を愛さなくなったら、必ず僕と言ってください。僕は君の世界から離れ消えます。
叶瑶と一緒に過ごして三百年、彼は彼女に黙って去る準備をしていた。
「システム、私はこ
の世界から離脱します。」
幽冥殿で、林笙は低い声でシステムを呼び出した。次の瞬間、金色の物体が空気から飛び出してきた。
システムが機械的に言った:【1379番の宿主、世界からの脱離を申請、システム処理中……】
三分後。
金色の光が再び一閃し、システムが言った:【申請成功!宿主は三百年前に任務を完了し、世界からの脱離は遅延しています。残り一ヶ月でこの世界を完全に告別できます。】
林笙は頷いて、了解したことを示した。
その後、金色の光は消え、幽冥殿内は再び暗闇に包まれた。
広大な殿内は静まり返り、冷たくなった彼の生誕を祝う料理が一つのテーブルに残され、微かな香りを漂わせていた。
彼は小さな声で侍女を呼び、この料理の並んだ卓を片付けるよう命じた。
ちょうどその時、外から物音がして、叶瑶が扉を押し開けて入ってきた。
殿の中では蝋燭の火すら消えておらず、林笙は一人で窓辺に座っていた。揺れる灯りの中では彼の表情がはっきりと見えず、叶瑶は彼が怒っていると思い、慌てた表情で急いで彼に駆け寄り、抱きしめた。
外では人を殺すことすらためらわない上古の女魔王が、今や指先で包み込むような優しさで、林笙を精一杯優しく宥めていた。
「阿笙、ごめんなさい。今回の怪我が重くて、閉関している期間が少し長くなってしまったの。」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-11 18:02:41
67729文字
会話率:25%
テーブルに置かれた小さな瓶、それにソファーでくつろぐ飼い猫のクロ。それらを前にして俺は頭を抱えていた。
ある日どこからかクロが咥えて持ってきた瓶……その正体がポーションだったのだ。
瓶の処理はさておいて、俺は瓶の出所を探るため出掛けた
クロの跡を追うが……ついた先は自宅の庭にある納屋だった。 やったね、自宅の庭にダンジョン出来たよ!? どういうことなの。
始めはクロと一緒にダラダラとダンジョンに潜っていた俺だが、ある事を切っ掛けに本気でダンジョンの攻略を決意することに……。
しばらくは毎日更新予定です。 カクヨム様、アルファポリス様でも同時連載中です。
ありがたい事にローファン日間、週間1位を取れたようです。四半期1位も取れてました。 ありがとうございますーヾ(´・ω・`ノ
タイトルあらすじ色々模索中です。
たまに変わります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 21:39:11
980766文字
会話率:28%
――え……?
アパート暮らしの大石という男がいた。その夜、彼はふと部屋の中をゆっくりと見回し始めた。唐突に、何かの“気配”を感じたのだ。しかし、部屋の様子は朝出かけたときとまったく変わらない。玄関と窓の鍵はきちんと閉まっており、誰かが
侵入した痕跡もない。
だが感じる。言葉では説明しようのない、確かな存在感がそこにある。
大石は戸棚の隙間、押し入れの中、カーテンの裏――思いつく限りの場所を調べ尽くした。
何も見つからない。しかし、諦めて布団に潜り込んだあとも、その気配は消えることはなかった。
やがて、大石は確信した。間違いない、自分は――。
「幽霊に取り憑かれたみたいなんだ……」
一週間後の晩。居酒屋のテーブルを挟んで向かい合う友人に、大石はそう打ち明けた。
友人は「はあ?」と言いかけ、言葉を飲み込んだ。目の下には濃い隈、頬はげっそりとこけ、顔色も悪い。冗談を言っているようには到底見えなかった。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-05 11:00:00
2135文字
会話率:67%
「いやあ、もう無理ですわ。うちの女房、ほんま鬼ですわ」
夜の飲み屋。テーブルには空になったジョッキや、つまみの皿が雑然と並んでいる。男は酒をあおってはため息をつき、向かいに座る友人ふたりに、愚痴をぶちまけていた。
彼の女房はとにかく口
うるさく、毎日怒鳴り散らしてくる。家事一つするにも、いちいち細かく指図し、何にでも文句をつけてくるのだ。掃除が甘いだの、料理がまずいだの、挙句の果てには、息の仕方にまでケチをつける始末。
「それでな、この間とうとう離婚届を突きつけたんですわ」
「おお! 思い切ったなあ」
「ほんで、どうなったんや?」
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最終更新:2025-04-19 11:00:00
1448文字
会話率:78%
「……うん、そうなの……で……そう、あっ!」
おれがスイッチを押してリビングの明かりをつけると、妻はバッと顔を上げておれを見た。目を見開いて、まるで幽霊を見たかのような表情を浮かべていた。どうやら、玄関でのおれの「ただいま」は妻に届いて
いなかったらしい。おそらく、外が暗くなる前からずっとここでそうしていたのだろう。スマートフォンの充電器がコンセントに刺さっており、コードが妻の手元まで伸びている。
「……夕飯、買ってきたから。まあ、好きな時に食べなよ」
おれはそう言って、テーブルの上にスーパーで買ってきた弁当を置いた。妻はボソッと何かを言った。おれにはよく聞き取れなかったが、それが「ありがとう」だったらいい。しかし、おれに対して言ったことですらないかもしれない。最近は、夫婦の間にほとんど会話がない。あの事故から数ヶ月経った今でも、妻は亡くなった娘とばかり会話をしている。
おれはビニール袋をガサガサと鳴らしながら弁当を一つ取り出し、自分の部屋へ向かった。本当は電子レンジで温めたかったが、同じ部屋にいるのが気まずい。妻もそう思っているだろう。
自室のドアノブに手をかけた瞬間、妻の声が聞こえた。耳を澄ませてみたが、妻はおれに対して何か言ったわけではなく、また娘と会話を始めたようだ。
おれはため息をつき、部屋の中に入った。
椅子に座って、弁当を机の上に広げ、箸を伸ばしたが、どうも食欲がわかない。この家にこもった湿った空気と臭いが、まるで雑巾を丸ごと喉の奥まで詰め込まれているような気分にさせるのだ。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-08-02 11:00:00
1614文字
会話率:67%
高校1年生の立花亮は生まれつき目に障がいがある弱視であった
一般の小学校、中学校に通っていたが目が悪くなリ片道2時間の盲学校に入学する
そこで出会った高校生と私はサウンドテーブルテニス つまりSTTをはじめることになったのである
最終更新:2025-06-03 08:40:00
54934文字
会話率:82%
王立リエダン競竜場シリーズ第3編です。ダービー・デイと有馬記念の前日に投稿***地球なら競馬場でサラブレッドが走りますが、この世界では競竜場で草食竜が混合戦をします。カバとキリンと象がレースしていると思ってくださいませ***今日は年の真ん中
の日、13カ月と5日あるこの惑星では、7の月の15日がコルヌコピアの日。午前中は豊穣と繁栄を祈って王族も村人も、こぞって敬虔な祈りを捧げる。そして午後は娯楽の嵐となる。ここリエダン競竜場では、3歳竜のためのコルヌコピア杯が実施される。地球で言う、ダービーに相当する、若い竜の可能性を占うレースである。本日も、クラリッサ、イングリッド、フランシア、メリーアンの集うテーブルにお邪魔しよう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-31 00:53:34
9606文字
会話率:44%
友達を誘って、家で鍋パした時にアカン酒を飲んだ後の記憶がない。
目が覚めたら……
・元々三人で鍋パしていたのに、有名女性含めた六人がコタツに寝ている。
・コタツが進化してた。
・コタツのテーブルにUFO刺さってる。
・部屋には出所のわか
らない大金が!
・シャワーを、知らない誰かが使っている。
・友達の腕がサイボーグに。
一体、昨日の晩何をしでかしたんだろう?……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-26 14:57:42
12692文字
会話率:50%
ルームシェアをするケイとルミ、ふたりは学生時代から物書きを目ざしていた。しかし、ルミの新人賞受賞をきっかけに、少しずつ立場が変わっていった。ある日、ケイは小さな小包がリビングのテーブルにあるのを見つけて……
最終更新:2025-05-23 11:20:23
6666文字
会話率:30%
ある一家のリビングに置かれた、テーブルの記憶。
うちのテーブルが、やたらペトペトしていて印刷とか色々写って取れません。そこからできた即興に近い短編です。
最終更新:2017-01-02 21:42:12
3967文字
会話率:29%
黒猫ルナは飼い主のリナが毎朝行っている【タロットカード】に興味津々。理由は《リナがいつも楽しそうにしてるから》。ある日、ルナが出かけた後テーブルに置かれた【タロットカード】を見て『あたしもやってみたい』と思い、リナがしていた動作を思い出しな
がら
カードにルナの前脚を乗せると………
『ここはどこ?確かお部屋に居たはずなのに…』
ルナが夢の中でタロットカードの世界を冒険するお話です。
✿タロットカードは(計78枚)
【大アルカナ 22枚】【小アルカナ 56枚】で
構成されています。
YouTuber占い師あんずまろん先生監修のタロットカードを使用し私の解釈で書きました。
(実際のタロットカードの絵柄と本作品に登場する
タロットカードの絵柄は違います。)
超初心者なので解釈に間違いがありましたら
申し訳ありません。
【にゃんこのお願い叶えます】に登場した
猫達がいろんな役で出演しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 18:00:00
14220文字
会話率:8%