「やっぱり、もう無理かもな……」
望月レンは、シャッター通りと化した商店街の路地裏で、古びた看板を見上げていた。
“月光堂古書店”。祖父母が営んできた小さな本屋だ。今では来客もまばらで、書棚の埃の方が目立つ。
高校から帰宅したレ
ンが扉を開けると、鈴の音が静かに鳴った。
「おかえり、レン」
奥のカウンターに座る祖父が、新聞から目を上げずに微笑む。だが、その手元の帳簿には赤字の文字が並んでいた。
――何をどうやっても、商売はもうダメかもしれない。
けれど。
(いや、まだ道はある。場所が変わるだけだ)
レンは制服のまま、自室のPC前に腰を下ろした。ディスプレイには、ログイン画面が浮かんでいる。
《オルタナ・クロニクル》――全世界ユーザー数1億人突破の、超人気VRMMORPG。
派手なスキル、壮大な戦争、伝説の武器……普通なら、プレイヤーは「勇者」や「剣士」などの戦闘職を選ぶだろう。
でもレンは、違った。
【職業選択】
──戦士/魔法使い/盗賊/僧侶/行商人(?)←
「これでいい。いや、“これじゃないと”勝てない」
クリックとともに、世界が切り替わる。
仮想の大地。喧騒と熱気に包まれた市場の街。
その片隅、ひとりの少年が布を広げて、木箱を並べた。
「いらっしゃい、安くするよ! ダンジョン帰りの皆さん、ポーション補充どうですか!」
誰も見向きもしないその声が、やがて世界の富を動かすものとなるとは、まだ誰も知らない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 18:00:00
42719文字
会話率:33%
高校1年生になったばかりの、永戸結衣15歳。
新しい学校で、友達もできて順調に高校生活を送れると思ってたある日、突如魔法陣が現れる。
走って逃げるも、知らない女に捕まり歯がいじめにされてしまう。抵抗するもその女と共に異世界に飛ばされてしまう
。
落ちた先は、知らない草原。近くで川も流れてる音がする。その時、その女が笑いながら言った。「これで、わたしは聖女様よ!もう、あんたは必要ないわ!!」わたしは、崖の上から川に落とされたのだ。
もうダメかもしれないと思った時、結衣を温かい光が包み込んだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-14 23:20:36
8650文字
会話率:10%
「まおうさまばんざい…」
夜の静寂を破ったのは、勇者・ベインの衝撃的な寝言だった。
その一言に耳を疑った魔法使い・マホーシャ。
「ま、待って、今の……聞き間違いだよね?」
だが、隣で同じく目を覚ました剣士のアルフは真っ青な顔で首を振
る。
「俺も聞いた……アイツ、寝言で魔王を称えてた……」
最強の仲間であるはずの勇者に芽生える、まさかの裏切りの予感。
一夜の寝言で崩れゆく信頼と絆。果たして、このパーティーに未来はあるのか——!?
※なろうラジオ大賞6参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-11 07:17:29
1000文字
会話率:54%
「……私は、もうダメかもしれない」
姉は知っている。自分が乙女ゲームの世界に転生したことを。
いや、正確に言うと彼女が転生したところは本編開始前の、スピンオフの世界。スピンオフでは人気キャラのヒロインの姉が主人公として次々と降りかかる
災難に立ち向かう姿が描かれる。前世でこのゲームをやり込んだから、この世界に転生してから姉は数々の難題をスムーズに対処してきたが、ゲームの中では詳しく描写されていないシビアな現実に彼女の精神が蝕まれる。
「このままではお姉様が壊れちゃう……!」
妹としてそれは見過ごせない。守られてばかりの自分は、今度は身を挺してお姉様を助けなきゃ。しかし妹は知らない。この世界は乙女ゲームの舞台。そして自分は舞台の中心であるヒロインとなる運命だった。姉を助けるために立ち上がる、この決断は舞台の根幹を揺るがすが、影響がどこまで及ぶかはまだ誰にもわからない。
これは、大好きなお姉様のことが心配でたまらないから、ヒロインの妹がついに乙女ゲームのシナリオをぶち壊してしまう物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-29 05:00:00
26609文字
会話率:44%
ブラックな会社でもう身も心もボロボロ…そんな俺の唯一の楽しみは、異世界転生の小説を読み漁ること。
いいよね、魔法のある世界も貴族に転生して優雅な暮らしも…
そんなある日、とうとう限界に達して倒れてしまった…
ああ、これはダメかもしれない…死
ぬなら転生させてくれお願いだから…
そして神に出会うが・・・え!?初手から転生不可ですか?!
魔法も魔物もなんでもあるこの世界は今転生者でパンクしそう!?
いや!考えたって仕方ない!!これはどうにかしないと!!
憧れの異世界スローライフのために!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-31 19:58:51
1340文字
会話率:34%
12月の12日だけは、どこそこ私の胸をアツくするけれども。
最終更新:2024-01-12 20:00:00
382文字
会話率:0%
タルタルソースはなんにでも合う!
最終更新:2021-11-26 20:00:00
2234文字
会話率:13%
うちの旅館も、もうダメかもしれない。
実家である温泉旅館へと帰省した俺を待っていたのは両親2人取り残された 廃墟同然の宿だった。隣のホテルに従業員が引き抜かれたのだ。そのホテルの幼馴染みの一人娘が仕組んだことらしい。「うちで働けば?」そんな
皮肉をいう彼女。
このままでは…… そんな時に一人の女の子が訪ねてきたのだった……
小説家になろうラジオ大賞5 参加作品。
テーマは「温泉」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-07 12:51:18
1000文字
会話率:58%
人生に疲れた高校生――天羽紫音は人生の終止符を打つために学校の屋上に忍び込み、自殺を図ろうと飛び降りる。
しかし、目を開けるとそこはさっきまでの光景とはガラリと変わって森の中。すぐに状況を把握できず、森の中を彷徨っていると空からドラゴンが
現れ、襲われる事態に出くわしてしまう。
もうダメかもしれないと、改めて人生に終わりを迎えようと覚悟したとき紫音の未知の能力が発揮され、見事ドラゴンを倒すことに成功する。
倒したドラゴンは、人間の姿に変身することができる竜人族と呼ばれる種族だった。
竜人族の少女――フィリアより、この世界は数百年前に人間と亜人種との戦争が行われ、死闘の末、人間側が勝利した世界だと知ることになる。
その大戦以降、人間たちは亜人種を奴隷にするために異種族狩りというものが頻繁に行われ、亜人種たちが迫害を受けていた。
フィリアは、そのような被害にあっている亜人種たちを集め、いつしか多種多様な種族たちが住む国を創ろうとしていた。
彼女の目的と覚醒した自分の能力に興味を持った紫音はこの世界で生きていくことを決める。
この物語は、限定的な能力に目覚め、異世界に迷い込んだ少年と竜の少女による、世界を巻き込みながら亜人種たちの国を建国するまでの物語である折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-05 18:00:00
1093267文字
会話率:51%
愛の意味も知らない僕だけど、どうか殺さないで
「お前など産まれなければよかった」
「どうして生きていられるんだ? 化け物め」
「死ね、死んで詫びろ」
投げかけられるのは、残酷な言葉。突きつけられるのは、暴力と嫌悪。孤独な幼子は密かに願った
。必死に生きたけど……もうダメかもしれない。誰でもいい、僕を必要だと言って。その言葉は世界最強と謳われる竜女王に届いた。番である幼子を拾い育て、愛する。その意味も知らぬ子を溺愛した。
やがて判明したのは残酷な現実――世界を滅ぼす災厄である番は死ななければならない。その残酷な現実へ、女王は反旗を翻した。
「私からこの子を奪えると思うなら、かかってくるがいい」
幼子と女王は世界を滅ぼしてしまうのか!
恋愛要素が少しあるファンタジーです(*ノωノ)
2022/5/3、連載開始折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-25 18:00:00
197682文字
会話率:47%
目が覚めると、4人の美女が。しかし、美女の中身は同級生の腐れ縁の友人だった。
疑似ハーレム(中身が男)の異世界冒険が始まる。
最終更新:2022-08-19 09:00:00
1277文字
会話率:34%
百合、それは少女同士が織りなす世界で最も麗しい純愛。
しかし巷に溢れる百合マンガには、知られざる職人の活躍があった。
その名は『百合に挟まるカメラマンおじさん』。
これはとある学園百合漫画のコマの間で、人知れず百合に挟まるカメラマンおじ
さんを追うドキュメンタリーである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-31 16:04:09
12612文字
会話率:35%
転職活動が上手くいかないー!
登録した人材派遣会社から「履歴書出しておきます」って連絡はもらえるけど、どれも書類選考で停滞中。
面接に進めないのは、やっぱり年齢のせい!!
でも、面接がついても、今のままじゃダメかもしれない……。
だって
人間、見た目が重要!?
うっかり「ベスト体重+25kg」になってしまった日置、ダイエット開始します!
40年前に知り合いが通販5万円で買ったというアメリカ発なんちゃらダイエットのレシピにて実施。(販売元は既に倒産したアヤシイやつだけど、めっちゃ痩せるとオススメされた笑)
せっかくなので、毎日投稿で「体重増減」を含めてダイエット体験をエッセイにあげてみまーす。
エタらないがモットーの日置! 無事にダイエット成功で完結できるか!? (または失敗で完結か!?笑)
10日間完結です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-30 07:54:01
12663文字
会話率:1%
「私のものにならないなら、この手で殺すわ!!」
人生でいままでこんな愛の告白は聞いたことないわ。大柄なオレと変わらない体格の女性からの告白。王がメイドに手をつけてできた子供であるオレはいらない王族として辺境の国境警備の責任者にされていた。
しかも、立場の都合で、婚約者どころか、彼女すらいたことない童貞のオレにそんなこと言われても…
なに、この狂ったような目線。オレはもうダメかもしれない。そんな話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-11 01:27:14
2247文字
会話率:45%
「私だけの百合ハーレムを作る!」が口癖の妹に数人の可愛い彼女が出来た。
そんな妹の恋愛模様を暖かく見守ろうとする俺だが、どうにも彼女達の様子はおかしい。
妹の不在中に家を訊ねてくる。妹へのプレゼントを買いに俺と二人きりで出かける。
俺の洗濯
物を漁ってパンツの匂いを嗅ぐ。隙あらば俺を睡眠薬で眠らせようとしてくる。
「あれ……? この子達、俺の事を狙ってない?」
妹が手に入れた念願の百合ハーレムは、俺を好きな女の子達で構成された偽物!?
ああ、愛する妹よ。兄はお前の彼女達に猛アタックを受けて、もうダメかもしれない。
※カクヨム様でも公開しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-26 18:00:00
142685文字
会話率:55%
逆行転生者が存在したとして、逆行転生した者が残した足跡によってどのように日本の歴史が変化するのかシヴィライゼーションするお話です。
主人公は日本の歴史であり、逆行転生者はその中の一コマ扱いです。
歴史読本の類であり、小説とは少し趣きが異なり
ます。
連載は週1予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-24 20:14:26
163033文字
会話率:3%
ラスボス系お姉さんが風邪をこじらせ入院騒ぎ!
普段は強気でイケイケなお姉さんも今度ばかりはもうダメかもしれない──!?
※前作及び前々作及び前々々作を読んでないと訳が分からないかもしれないので、もしお時間があるならば読んで貰えるとスペシ
ャルハッピーデーで御座います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-22 00:06:58
2109文字
会話率:58%
偏屈で面倒臭い兄のせいでなかなか結婚が決まらないレギーナ。つい先日も同盟国の侯爵との婚約が破談になってとても落ち込んでいた。
そんなある日のこと、兄妹のもとに敵国の王子ロビンが訪れる。彼はなんとレギーナと結婚したいというのだ。きっと何か政治
的な重い事情があるんだわ……と思いつつも、政略結婚でもいいから顔と性格のいいイケメンと結婚したいレギーナは快諾するつもりだったが――
「貴様のような軟弱な男に大事な妹をやれるか!! 俺に勝ってからでないとこの結婚は認めん!!」
ええ~~~~!?!?? 勘弁してよお兄様~~~~!!!!!
婚約者である王子VS兄である騎士(実質結婚したい妹VS結婚を阻止したい兄)が、今、幕を開ける――?
※カクヨムから転載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-01 21:00:00
108844文字
会話率:38%
顔が痛くてたまらないということ
最終更新:2020-04-08 18:07:18
346文字
会話率:0%
あら……あなたは私を感じてるの? キョトンとしてどうしたの? あなたの後ろにいる影に話しかけたわけじゃないのよ? ……え? 私は誰ですって? 私は……
……ごめんなさい……あなたの次元だと私の名前を認識することができないのね……
「
アペルピスィア」
これで良いかしら……これがあなたが認識できる私の名前よ。でも、私を感じれるなんて面白いわ。たまにいるのよね……そういうの……
もののように扱うなって? そんな事をしているつもりはないわ……ただ私には、あなた達が絡まった糸の塊のように感じているだけだから。
興味を持ったの? そうね……あなた達は自我を持った人という存在と認識しているかもしれないけど、その認識も私からすれば単にベクトルの塊なの。色々なベクトルが集まって絡んでいるのが、私にとってのあなたという認識。
あなた達が言うところの時間の流れも、肉体も意識も私にとってはベクトルの糸の塊なの。糸という表現はダメかもしれないわ。ベクトルだから細い水のような流れだと考えてもらえばいいわ。常に流れてるから止めることはできないの。
え? あなたは意識をもった人間という存在ですって? あなたの次元からみれば、そうなのでしょうね……私からすれば、あなたの意識ですらベクトルの塊。
ベクトルの流れが絡み合う様は凄くキレイよ……あなた達は人生というみたいね……時間のベクトル方向から観察すると一つのアートにみえるの。あ……アートというのは、あなたの次元の言葉で表現しているだけだから気にしないでね。
そんなことを何故あなたに話すのかって? そうね、ただの暇つぶし……キレイだけど退屈……たまにベクトルを弄って遊ぶこともあるんだけど、ベクトルの流れはとても繊細で疲れるの……手元が狂って存在を消しちゃったりするのよ。そう、あなたのようなのは貴重なの。弄ってないのに私を感じることが出来るんだから。
私がベクトルを弄ると何が起きるのかって? 細い水の流れのようなものだから、それらしく復元するわ。……そうね……説明するのも面倒だから、物語にしてたまに教えてあげる……面白いかどうかはわからないけど……それでもいいでしょ?
あなたに私を感じてもらえて、とても嬉しかったわ。あなたの次元で言うところの過去形の表現ね。そんなものですら私には本当は意味がないんだけも……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-30 00:00:00
5809文字
会話率:37%
艦これに影響されて海自に入ったけど、もう俺はダメかもしれない…。
大学在学中に艦これにハマり、地本の人に言われるがまま海自の曹候補生を受験、合格ののち舞鶴教育隊へ入隊…。オタクにこんな厳しい生活は無理!!!やめる!!!でも彼女たち(護衛艦
)に囲まれて幸せだから万事オッケー!!(*≧∀≦*)
一日一日乗り越えて俺は彼女たち(護衛艦)に乗るんだ!!うおぉぉぉぉぉ!!!!!
※筆者は海保好きです。お手柔らかにお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-09 23:05:43
3351文字
会話率:53%