わたし、スカーレットは燃費が悪い神殿暮らしの聖女である。
ご飯は人の何倍も食べるし、なんなら食後二時間もすれば空腹で我慢できなくなって、おやつももりもり食べる。というか、食べないと倒れるので食べざるを得ない。
この調子で人の何倍ももり
もり食べ続けたわたしはついに、神殿から「お前がいたら神殿の食糧庫が空になるから出て行け」と追い出されてしまった。
もともと孤児であるわたしは、神殿を追い出されると行くところがない。
聖女仲間が選別に暮れたお菓子を食べながら、何とか近くの町を目指して歩いていたわたしはついに行き倒れてしまったのだが、捨てる神あれば拾う神あり。わたしを拾ってご飯を与えてくださった神様のような公爵様がいた!
神殿暮らしで常識知らずの、しかも超燃費の悪いわたしを見捨てられなかった、二十一歳の若き公爵様リヒャルト・ヴァイアーライヒ様(しかも王弟殿下)は、当面の間わたしの面倒を見てくださるという。
三食もりもりのご飯におやつに…とすっかり胃袋を掴まれてしまったわたしは、なんとかしてリヒャルト様のお家の子にしてもらおうと画策する。
しかもリヒャルト様の考察では、わたしのこの燃費の悪さには理由がありそうだとのこと。
ふむふむふむ、もぐもぐもぐ……まあ理由はどうでもいいや。
とにかくわたしは、この素敵な(ごはん的に!)環境を手放したくないから、なにが何でもリヒャルト様に使える子認定してもらって、養女にしてもらいたい。願いはただそれだけなのだから!
そんなある日、リヒャルト様の元に王太子殿下の婚約者だという女性がやってくる。
え? わたしが王太子殿下の新しい婚約候補⁉
ないないない!あり得ませんから――!
どうやらわたしの、「リヒャルト様のおうちの子にしてほしい」と言う願望が、おかしな方向へ転がっていますよ⁉
わたしはただ、リヒャルト様の側で、美味しいご飯をお腹いっぱい食べたいだけなんですからねー!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 21:00:00
89413文字
会話率:31%
グリドール国第二王女ローズは、生まれながらに両親から疎まれていた。美しい父と母に似ても似つかない平凡な容姿で生まれたからだ。そんなある日、十七歳の誕生日をむかえたローズは不思議な夢を見る。それは十年後の未来の夢で、その夢を見た直後、今後十年
分の未来の記憶がローズの脳裏を駆け巡った。自分は過去に戻ってしまったのか、それともただの夢だったのか。不思議に思うローズのもとに、国王からの遣いが王の命令を持って来た。曰く、姉のレア王女とともに、プリンセス・レア号に乗船しとのこと。
待って、その未来知ってる。ローズは青くなった。
何故ならそのプリンセス・レア号で、姉のレアは失踪し、姉の代わりにローズはマルタン大国のラファエル王太子に嫁ぐことになるのだ。そして、その先ローズを待っているのは、夫から一顧だにされない冷遇妃の未来……。
そんな未来、冗談じゃない。ローズは夢に見た未来を回避するため、決意を固めて豪華客船に乗船する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-01 21:22:19
83413文字
会話率:35%
「アンリエッタ、ものは相談だが、どうだろう。正妃ではなくて、僕の愛妾にならないか?」。ある日、婚約者である王太子ジョルジュがとんでもないことを言い出した。訳がわからなくて理由を求めたアンリエッタに、ジョルジュはさらに耳を疑うようなことを宣う
。曰く、ジョルジュにはたくさんの恋人がいて、最近隣国のセフィア王女とも恋仲になった。そしてジョルジュは将来後宮を作って恋人たち全員をそこに住まわせ、公平に愛したいと言う。王妃にはセフィア王女を据えるから、アンリエッタは愛妾の一人として後宮に住み、後宮の管理をしてほしいと言うのだ。
「ああ。だってアンリエッタ、君は僕が大好きだろう? もちろん僕も君のことが大好きだよ。婚約破棄をして別れるなんて悲しいじゃないか。だけど君が愛妾として後宮に入ってくれたら、君はぼくとずっと一緒にいられるし、僕も助かる。さすがにセフィアに後宮の管理をしろとは言えないからね」
こんなセリフを平然と吐くジョルジュにアンリエッタは唖然となる。これ以上この能天気馬鹿王子につき合わされてはたまらない。アンリエッタは婚約破棄を決意し、ジョルジュとすっぱり別れる道を選ぶ。
ふう、やっとこれで落ち着く……そう思っていたアンリエッタのもとに、元王女である祖母からの命令文が。なんでも、現王の弟であるリシャールのもとを訪れて、彼を口説き落としてこいとのこと。口説き落とせという命令はともかくとして、リシャールの邸へ向かうアンリエッタ。ところがそこへ、後宮計画を諦めきれないジョルジュまでもがやってきて――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-13 14:13:44
78481文字
会話率:33%
駆け出し冒険者のクリスは、夢の中で謎の声から告げられた。
自分が、伝説の英雄ジークロットの転生した者、すなわち生まれ変わりであると。
半信半疑ながらその声に導かれるまま行くクリスは、怪力の幼女ラディアナと出会う。
その正体はドラゴンであり
、今は呪いによって人間の姿にされているとのこと。
更にラディアナの先祖はジークロットの従者であり、ラディアナ自身がその
従者の転生、生まれ変わりであるという。
共に旅することとなった二人は、クリスを導いていた謎の声の主と出会う。
その正体は……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 21:00:00
12087文字
会話率:34%
地球人としての一生を終えた亜神たる女神ソフィエンタは、上司である豊穣神タジーリャから休暇の終了を告げられ仕事を割り当てられる。
曰く、普段は大人しく微睡んでいる始原の分解神が、めずらしく寝返りをうった関係で、上司が管轄する宇宙に影響が
出るという。
具体的にはヒト種を育んできた惑星を含む宇宙が崩壊するので、これを同僚と協力して復元せよとのことだった。
良く知った手順でつつがなくアカシックレコードから世界を巻き戻し、神々の街で一息ついたところ、友人から職場である宇宙内であるなら分身を転生させられると知る。
神としての自己啓発で転生が推奨されていると知ったソフィエンタは、自身の分身を惑星ライラに転生させる。
ソフィエンタの分身は生みの親からウィンと名付けられ、魔法であるとか魔獣の危機が存在する世界でその生涯をスタートさせた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 20:32:42
1059750文字
会話率:45%
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。
「カイ=マールス」と。
よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始
めるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 20:00:00
31001文字
会話率:44%
ある世界に最強の魔王がいた。名は、レイア。正直その魔王は強すぎて、神でさえも怒らせて敵に回さない方がいいと思うくらいだった。
そんなある日、女神から亡くなった姉と同じ魔力を持った子が人間界にいると聞かされる。
半信半疑だったが、気になって人
間界に行ってみるとその子が何者かに狙われていたので咄嗟にレイアは、その襲撃者を倒すが、その襲撃者は、自分と同じ魔族だった。
その魔族に、襲った理由を聞くと、その子は先代魔王の娘で名前は真理亜というらしい。
理由はわからないが、真理亜の命を奪えば褒美を与えると言われてやったとのこと。
そして、自分以外にも、そういう連中がいることを知る。
レイアは、魔族が人間界にいるということは、姉が亡くなったのは他の魔族に殺されたのではないかと考える。
そして、このままにしておくと真理亜も危険だと判断し、姉が残した大切な娘、真理亜を守るため人間界に行くことを決意する。
これは、最強の魔王レイアが、亡き姉の娘、真理亜を守るため人間界で色々頑張る物語。
こんなあらすじですが、基本魔王様は、人間界で真理亜達と一緒に楽しんだりする日常系な話が多いと思います。
襲ってくる魔族との戦いもシリアスな展開もありますが、大体は日常系な話が多くなると思いますのでよろしくお願いします。
息抜き程度に楽しんでいただけると嬉しいです。
19話までは、人間界に行く準備の話になります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 19:53:16
856363文字
会話率:65%
『はいどーもー、天使でーす……』
モブ顔の高校生こと川内幸太朗。日曜日のある日、国会に天使を名乗る謎の存在が現れた。
自称天使曰く、『魔物が人界へと攻勢を仕掛けるから、自衛しろ』とのこと。
彼の友人を始め一部の人達に大きな変化が出るも、世
界そのものは突然大きく変わらない。────表面上は。
突如現れる怪物。見た目も性別の変わってしまった友人。襲い掛かる脅威に、少年の前に白銀の騎士が立つ。
虚構と思っていた出来事が、現実に起こりだす。変わっていく世界の中で、はたして彼は何を成すのか。あるいは、何もできずに潰えるのか。
モブ顔の高校生は兎にも角にも自衛の為にダンジョンへ潜る!共に歩むはTS魔女と白の鎧!その道中やいかに!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 18:05:35
260134文字
会話率:42%
侯爵令嬢カトリーヌ・カドレッドの人生は、十の時にやや脱線した。
原因は、幼馴染の伯爵令嬢リリア。曰く「前世を覚えている」「この世界はオトメゲーの世界」「自分はヒロイン、カトちゃんは悪役令嬢」。
そして、カトリーヌが破滅するのがわかっていなが
ら「ギャクハーエンドを目指す」とのこと。
この話をきっかけに、複雑な家庭環境に疲弊していたカトリーヌはなにもかもがどうでもよくなり、どことなく気力に欠ける地味で物憂げな無愛想令嬢へと育っていった。学園に入学したのちも、おばかなリリアを叱り飛ばしながら、父のばら撒く実のない見合い話の尻拭いをしながら、いつでも物憂げ無愛想。
鬱々とした日々の中で、唯一の癒やしは友人ソキウスとの交流だけ。
今日もカトリーヌは池畔で憂鬱げに踊る。たったひとりの観客のために。
悪役令嬢から無愛想地味令嬢に自ら転落した少女が、たった一枚の布をきっかけに、少しずつ前を向いていく物語。
※主人公は転生者ではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 18:00:00
368532文字
会話率:35%
ある日、配信でゲームの配信をしていると、いきなり変なコメントが流れてきた。
曰く、自称女神様。一目惚れしたのであなたの願い事を叶えます、だって。
冗談だと思ってダンジョンで配信をしてみたい、なんて言ったら……。
本当に、日本にダンジョンが出
現してしまった。
その上、ボクの要望を叶えたとかで銀髪少女に姿も変えられて、当然のようにそれも配信にのってしまって……。
痛いのも怖いのも嫌だから引きこもろうと思ったけど、諸悪の根源な女神様が守ってくれるとのことで、ダンジョンを攻略していこうと思う。
これは、銀髪幼女にTSさせられたボクが、女神と一緒に異世界の人と交流しながらダンジョンを探索、それを配信するお話だ。
※投稿開始から1週間は1日3回、その後は1日1回更新、書きだめがつきれば3日に1回更新です。
※プロローグをのぞき、1話2000文字前後で投稿しています。
※戦闘要素はほぼなし。あったとしても軽く。
※カクヨムとハーメルンにも投稿しています。
※カクヨムの方が1日分早く投稿しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 17:20:00
56041文字
会話率:66%
今は昔。美濃国、国司の娘に、菫野といふ幼き姫ありけり。
野に在りて、罠にかかりし狐を助けたまふ。狐、姫の優しき心に感じ入り、その恩義に報いんと、妖しの技を持って、姫に強力を授けん。
――それから数年後。
かつて菫野の母がお仕えして
いた桐壺更衣。その更衣の遺児である女二の宮、桜花内親王にお仕えしてみないかという誘いが菫野にかかる。
女二の宮は、十四歳。同母の兄、安積親王と仲良く暮らしておられるが、やはり母を恋しがっておられるとのこと。
年の近い菫野なら、姉のように接することでお慰めできるのではないか――という期待。
「絶対、ぜったいに、何があっても強力のこと、知られてはなりませんよ」
そう、母に強く念を圧されたのに。
「あなたも、十六。素敵な公達に見初められて、幸せな人生を掴み取るのです!」
なんて言われてきたのに。そのために、豪華な衣装を用意してもらったのに。
初出仕の日。「心配だから」とついてきた、狐の狐太を追いかけて木に登ってしまった宮の愛猫。それを助けるためにウッカリ強力を披露してしまい?
その上、イケメン安積親王にバッチリ見られて、笑われて?
内裏で働く女房として、美しい絵巻物のような世界で、ときめく物語のような恋をくり広げるはずだったのに! もしかしたら、素敵な公達が付け文なんか贈ってよこしてくれるかもって期待してたのに!
初っ端から、期待も希望もベッキリ圧し折られた菫野。
こんな強力女房、誰が好きになってくれるっていうのよ。
「まあまあ、ドンマイ、ドンマイ」
次があるさと、孤太が心のこもらない慰めをくれるけど。
わたしは、ここで幸せな恋をしたいの! こんな強力なんていらないのよ!
華やかな宮中でくり広げられる、平安「剛力」恋愛物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 17:00:00
75498文字
会話率:34%
語彙力を鍛えようと考え調べたところ、日記を書くことでアウトプットもできて効果があるとのことなので、書きます。
後から書き加えることもあります。
書き方もいろいろあるらしいので、試行錯誤します。
完全自分用で、誰かに見てもらうことはほと
んど考慮してないです。
3行ぐらいで済ますときもあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 15:49:29
133484文字
会話率:3%
世界一の演奏家がコンサート中に亡くなってしまった。
だが、音楽の女神がここで人生の幕を閉じるのはもったいないとのことで転生させることにした。
不安と恐怖はあったが、演奏家として音楽を続けたい気持ちと、異世界に今の世界とは違った文化、
音楽を期待して転生するのだった…
異世界にしかない種族にしかできない奏法、異世界にしかない素材で作る楽器、異世界にしかない音楽文化で異世界を感動の渦に包む…!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 13:12:01
33117文字
会話率:42%
日本人、黒江透はいわゆる社畜であった。過労が高じて命を落とし、その生涯を終えた……かと思いきや、目が覚めたら幼女になっていた!? 聞けば魔神という超強い種族として転生したとのことだった。
だが、喜びもつかの間、幼女で無能力だった元社畜は
、無慈悲にも召喚主から追放を命じられてしまう。そう、ここは人間様至上主義社会の世界。魔神と言えど、使えなければ捨てられる世の中だったのだ。
これは、黒の魔神(幼女)となった主人公が、仲間達にちやほやされながら世界の常識を覆していく物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 12:21:31
430613文字
会話率:44%
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転
生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 11:30:06
609040文字
会話率:44%
学問の神、天神こと菅原道真公。
元は人間で、様々な逸話を持ち……京都や九州に祀られている社がある存在だが。
ひょんなことから、神であるのに異世界へ転生してしまった!?
しかも、人間ではなく……世界樹の精霊に!?
さらに、転生は自分だ
けでなく社の一角にあった梅の木も!
転生を仕掛けたのは、やはり異世界の神。世界樹の存続に必要な『石』の回収をして欲しいとの願いだった。それ以外は好きに過ごしていいとのこと。
であれば……と、道真と梅は名を変えて、異世界でのスローライフを目指すことにした!!
使命は忘れずに。けど、ドッキドキわくわくの異世界スローライフを目指す天神様だった道真公の生活がスタートとなる!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-06 18:00:15
90394文字
会話率:34%
10歳のある日、俺は公園で一人の少女と出会った。雨の中、一人で啜り泣く声。
彼女は顔面全てを包帯でぐるぐる巻きにしており、人に見せられないほどの顔の病気とのことだった。
俺は包帯をとった彼女の顔を見た。「ーー綺麗だ。」彼女は顔がぶつぶつだ
らけで私が綺麗なわけがないといった。しかし俺は別のところに注目してしまった。
綺麗な金髪の髪、青い瞳、長いまつげ、整った小さな顔、潤った唇、少し彫りが深い骨格。俺は彼女が綺麗だと思った。
これは俺と少女が出会い、助け…奇跡が繋がっていく物語だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 11:00:00
579519文字
会話率:43%
これは『こねこのチビのおくりもの~ストレイキャット・ツリータワーをつくろう!@Cluster World~』の続編です。
ひとのことばのわかるねこたちと、ねこたちを支える人間で、チームをくんで……
前作でつくりあげたワールド『チビのストレイ
キャット・ツリータワー』に、四季のいろいろや、新エリア・ギミックを実装する様子を描いていきます。
ほんわか、童話調の『ものがたりパート』と、粗忽作者の初心者まるだしな奮闘を描く『エッセイパート』を交互に投稿。
ゆるゆるのんびり、やっていきます!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 09:42:36
133046文字
会話率:10%
僕はリズ・ヴァートリー。
生まれてから、ずっとじいちゃんのゴードン・ヴァートリーとスレイプニル(馬)と旅をしている。
将来の夢は”勇者の行方”で描かれているような冒険者になり、世界中を旅することだ。
勇者の行方というのは、とある田舎町
出身の若者が色んな国や町に行き、強くなっていく物語で。
この世界にいる人の誰もが知っている実話に基づいた有名な勇者と魔王との戦いが描かれたお話だ。
そして、何故か左目に眼帯をしており、家名であるヴァートリーを名乗ることを止められている。
じいちゃんが言うには、眼帯をしている方が修行になるとか……昔出会った強い冒険者がしていたからしているとか……よくわからないことを言っていた。
家名についても、家柄なんて関係なく大成するのが、真の冒険者とか……このことについてもよくわからないことを言っている。
目を背けたりする仕草からして、何か隠し事があるよいな気もするんだけど――。
ただ、どちらも今は他人に明かさない方がいいとのことだ。
その時のじいちゃんの表情はいつになく真剣だったので、これは信じて守り続けている。
そんな僕が六歳になったある日、じいちゃんから生まれた日の話を打ち明けられていた。
☆☆☆
ここは”勇者の行方”でも語られている勇者と魔王との戦いが相打ちという形で幕を引いてから平和となった五十年後の世界。
この世界には、北から、エルフの国であるドレイン王国、ドワーフの国であるアイアン、その二か国の東側に隣接し、五十年前の勇者一行と魔王軍の戦いによって、魔族を擁する初の他民族国家となったライン王国、その隣に位置する獣人の国、アルフレザ。
この様々な文化や種族を擁する四つの国が存在していた。
その国の一つである多民族国家ライン王国のリターニアという、自然豊かな土地で小さな命が誕生しようとしていた。
この作品はこちらにも掲載されております。
『https://kakuyomu.jp/works/16817330660744296525』
©ほしのしずく, Sizuku hosino, 2024. All Rights Reserved. Reproduction and translation are prohibited.折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 09:04:53
48440文字
会話率:29%
目を覚ますと、俺の視界に現れたのは見た記憶の無い女の子。
「おはよう。」
思わず頭をポンポンと触ってしまったが、嫌がる様子もない。
女の子は部屋の隅にある観葉植物を指さしてマナの木だと言い、育てて欲しいから私の世界に来て欲しいとの
こと。
実家から盗ん・・・持ってきた観葉植物が異世界のモノだとは流石に信じられないが、既に目の前の異変すら理解を超えている。
俺の家庭環境はとても悪く、一人暮らしをしてからも長く付き合っていた恋人にはフラれ、38歳になってしまった。
「後顧の憂いもないしな。」
今の生活に魅力は無く、今後の人生も薔薇色になる予定はない。異世界というのは俺がプレイしたビデオゲームのように魔法が存在するようだが、ちゃんと生活できるのか?
通貨は?
言語は?
衣食住は?
神さま・・・?
元の世界に戻れないの!?
それでも俺は行くことにした。何しろゲームのような幻想世界にはそれなりに興味は有ったからだ。行けるのならそれはもう幻想ではない。
詳しく話を聞けば更に興味は湧く。
結婚する為に溜めていた貯金を全て引き出し、色々と準備を終えると、いよいよとなった。
「おおおお・・・。」
辿り着いた異世界は大小幾つもの戦いが続く、予想以上に生きていくのが大変な世界だった―――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 00:00:00
1555232文字
会話率:63%
紅(くれない)椛(もみじ)という人間は、日記を書くことにしました。
ご丁寧に、日記帳にタイトルまでつけています。
これから毎日継続していくとのことですが、果たしていつまで……。
最終更新:2024-05-18 23:00:00
187818文字
会話率:1%
私の人生は、無駄ばかりだった。などと変に格好つけた言葉を宣うのが、私こと紫吹深喜である。一応の物書きを趣味とし、部屋には無駄に原稿用紙が積まれている。望夏日向大先生を師に持ったは良いものの、一向に物書きの腕はたたず、職になることは遠い夢。そ
んな私に、望夏大先生は自叙伝なるものを書けなどとおっしゃる。加えては、私のようなひどく無駄ばかりの人生こそ、自叙伝にはお誂え向きなのだとか。師であり、大恩ある望夏大先生のお言葉であれば、致し方あるまい、とのことで筆を持ってみたは良いものの、何も思いは浮かばず。私の自叙伝なるものが完成するのは、いつ頃出来るやら、皆目検討もつかない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-18 19:30:00
8083文字
会話率:12%
人には、感情が存在する。
その中にある負の感情、恨み、悲しみ、辛み、憎しみ、妬み、そして絶望。
そのすべてが一つになった時、人は人外へと変貌する。
人々は、彼らを異形者と呼ぶ。
日本に休暇で訪れたニャルラとヨグの二人は、ある町の奇妙な噂を
耳にする。
その町は、たった一夜でゴーストタウンとなったとのこと。
二人は、その町に向かう。
そこには、殺人鬼と呼ばれる黒の外套を着た男が住んでいた・・・
異形が蔓延るダークファンタジーが始まる折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-18 19:12:50
446002文字
会話率:46%