「クリフ、ただ今をもって、お前との婚約を破棄する!」
「――!」
華やかな夜会の最中。
僕の婚約者であり、我が国の第二王子殿下でもあらせられるトリスタン様が、にわかにそう言い放った。
炎を彷彿とさせる深紅の瞳が、妖しく揺れる。
そ
、そんな!?
「どういうことですかトリスタン様! 理由をご説明ください!」
僕は今まであなた様の夫となるべく、厳しい花婿修業にも耐え続けてきました。
それもこれも、あなた様を生涯お側で支えられる男になるため――。
だというのに、何故……!
「フン、みなまで言わせるな煩わしい。――オレはもう、自分の心に正直に生きると決めたのだ」
「……え」
それは、どういう……。
「――テリー、オレの夫となってくれるか?」
「はいトリスタン様! 喜んで! ボク今、最高に幸せです!」
「――!!」
男爵令息のテリーが、トリスタン様に甘えるように抱きつく。
少女のように可愛らしい容姿のテリーがそうすると、まるで男女のカップルのようだ……。
「……トリスタン様」
「見ての通りだクリフ。オレは今後は、テリーと共に真実の愛に生きる」
「えへへー、そういうことですクリフ様!」
「……」
仲睦まじくじゃれ合う二人の間には、僕の入る隙間は一分も見当たらない。
そうか。
そういうことだったのか……。
トリスタン様の心は、初めから僕には微塵も向けられていなかったのだ。
でもそれも、無理もないことなのかもしれない……。
所詮僕とトリスタン様は、政略結婚で結ばれた間柄。
心と心で結ばれている二人には、敵うはずがないじゃないか――。
「――だからクリフ、今後はお前も、自分の心に正直に生きろ」
「そうですよクリフ様」
「――!?」
な、何を……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-06 21:02:23
2929文字
会話率:41%
人間であるジーナとヴァンパイアのアストリーは恋人同士。
不老の種族であるアストリーと生きたいジーナは、自分もヴァンパイアになることを望んでいた。
しかしアストリーはそれを良しとせず、人としての生きろという。
ヴァンパイアとなって悠久の時を
アストリーと生きたジーナの前に、別のヴァンパイアが現れた。
「僕がジーナをヴァンパイアにしてあげようか?」
そんな甘い言葉に、ジーナはとうとう頷いてしまう。
二人のヴァンパイアを魅了した、ジーナの選んだ道とは。
他サイトにも投稿しています。
『一人ネタから小説企画』
ネタ提供:名木雪乃さん折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-17 13:31:14
11346文字
会話率:48%
それは"主人公"に憧れた一人の男と、10年も前に再会を約束した女の子。そして、主人公に助けられたもう一人の女の子との、在り来りだけど中々見つからない…一度は妄想するけど、形になるとは限らない物語。
『まっすぐな俺の
こと待ってる、って言われたから。そのために今日まで自分を捨てずにやって来れた』
『" 約束守ってくれたご褒美 " ………教えてあげるね』
『後悔のないように生きろって言ったのはあんたでしょ!?責任とってもらうわよ!!』
過去のフラグを心に刻んだ少年少女が行き着く先、それは誰にもわからない。攻略ウィキにも載ってない。原作者だって当然知らない。
でも、それでも彼らは明日へ旅立つ。
"主人公"を模倣しようと己を懸けた、愚かな男は言うだろう───
「『恋愛フラグの有効期限』って、お前らどう思う?」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-23 21:09:02
13912文字
会話率:62%
今年で88歳になる俺は自分の家の縁側でふとボーっとする。その時、妻であるエルフのリリアがお茶を持って、隣に座ってきてくれて……
最終更新:2022-03-15 18:37:19
1677文字
会話率:68%
人生の最後に人命を救った男は事情を汲んだ神様のはからいで人生をやり直せることになった。神様は言った。「好きなように生きろ、ただし違う世界で使命を果たした後でな」
送り込まれた世界は現代社会とは全く異なる環境、そこで出会った人々の優しさに触れ
、神様からもらった訳のわからない能力を使い使命を果たさんとす。自らが望む人生を送るために折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-09 20:27:04
143223文字
会話率:66%
そこに見えるのは現実か___否
偽物か?
「大丈夫?」
「お兄ちゃん大好き」
「お!おかえり」
「学校よ起きなさい!」「‥」
「歯磨けよ」「わかってるよ」
「グチュグチュっぺ!」
「グチュグチュグヘェ」「え?」
「また、寝
てるお、、、、おき、、、おきろ!」
「死ぬな!生きろ!」
誰かに胸ぐらを掴まれる。
背中と地面の間隔が空いたそこに隙間風が通る
最初の現実の痛みが走った
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-22 17:44:48
7098文字
会話率:37%
『隠し事』『勇者に知られたら死ぬ悪役が勇者のそばでどうやって生きるのか』『もがいて生きろ悪役!』「今度こそ、生きたいな」輪廻転生の中で死を繰り返した悪役が死から逃れようと努力し、勇者と救い合う物語です。
最終更新:2022-01-23 17:24:39
4804文字
会話率:3%
前世を思い出したのは3歳の頃
ヴェールは自分が日本で死んで転生したことに気づく
生まれた家の当主から女性として生きるように言われました!
フフン そんくらいやってやりますよ。
ええ そう思っていた時期がありました。
成人の日、母
に呼び出されて家を勘当されてしまいました!!
何でも容姿が我が家の品位を疑われるとかなんとか…
それ心底どうでもええわ。
でもありがとう!
正直あの家には居たくなかったし…
誰が私が無知とか言った?
いいでしょう。
勘当した家を見返しますか!
ついでに女性として生きろと言ってきたご当主様にもそうおっしゃったこと後悔させてやりましょう!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-22 01:00:00
47688文字
会話率:16%
生まれとは異なる、この世界に転移してから今日まで。幾度となく死地を潜り抜けてきた。与えられたスキルは一本。
丈夫な身体と、打たれ強い精神。何よりも、何をしてでも"生きろ"が家訓に基づき。必死で、がむしゃらに生きてきた。「
ああ……目が霞む。足がふらつく。腹に、力が入らない……最後に。腹一杯食いたかっーー」
〈チャージ完了〉ん? なんの?
〈スキル発動〉なんか、来るーー?!
『掃除くらいしなさいって言ってるでしょう!』
「母……さん!?」
そう、俺の持つ唯一のスキル。それはーー
アルファポリスさんにて掲載している「泣いてません、雨ですから。」を改題したものです。あらすじ載せられて満足。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-31 14:43:14
268文字
会話率:58%
クリスマスイヴに独り身でいることなんて恥ずかしいことじゃない。みんなは家族や恋人といる暖かい夢を見るけれど、現実のクリスマスってのは独り身同士が肩寄せ合って寒さを凌ぐようなもんじゃないか。
これはそんな大学生男女のちょっとしたおとぎ話み
たいな夜のお話。大丈夫、あんたはひとりじゃない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-24 20:15:56
7982文字
会話率:11%
「ねえ、わたしと付き合ってほしいんだけど」
そう言ってくれた女性は、二年前の夏にぼくを振ったひとだった──
誰もが試験に追われる大学の夏。二年生だった白猪孝彦は、かつて同級生で、いまは一年後輩の藤枝紗季に告白される。しかし彼女にはかつ
て交際を申し出て、断られたはずだった。おまけに彼女は大変不本意そうで……
事情を問いただす間もなく一方的に「そういうことになった」白猪は、やがてとんでもない修羅場に巻き込まれることになる。
こじらせ男女の青春グラフィティ。ここに開幕。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-28 23:18:48
24504文字
会話率:30%
世界樹は、芽吹き、育ち、花をつけ、実がなり、種が落ちていく
今、風が吹き出し、世界樹は揺れる。葉をなびかせ、枝を振り、幹が波打ち、実が振り落とされる
世界を支える樹は、その重みに耐えられず、枝を折り、他の世界に降り落ち、命に還る。
世界の樹達は、ついに争い始める
樹々は奪い、守り、壊し、苦しみ、苦しむ
静かな世界の森は、ついに動き出す
何万の命を乗せて、樹々は生存競争を始める――――――
人々よ、人ならざる者たちよ、獣たちよ、生命の息吹を持たぬ者たちよ、祈れ!
彼の神は、世界の樹の種を植えた
その理由など、自身の死を前にしては考える価値もない!
形ある者たちよ!
奪い、守り、祈り、唄い、嘆き、苦しみ、苦しめ、望み、与え、壊し、殺し、喰らい、生きろ!
彼の神が、お救いになられるまで!
「狂い人の歌」(作詞・作曲:不明)より
↓pixivでも一部公開中
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16526569折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-17 19:01:28
564文字
会話率:45%
【クリスマスプレゼント企画】【短編】
犬(フェンリル)冒険者……シロの物語♪
ボクはシロ。世間ではボクの事を御使い様とか、聖獣だとか言ってはいるけど、ボクはしがない冒険者なのだ。ご主人様と共に長年やってきたのだ。だから見かけは犬だけど、
いっぱしの冒険者だと思っている。 この世界に転生して、今回はしっかり役目も果たしおえた。ご主人様はボクにいろいろ便宜を図ってくれた。最後は ”時空間魔法” までボクに与えてくれて、「ありがとう。あとは自由に生きろ」と言って旅立っていかれた。 自由に生きろと言われたボクだけど、人間の側にいるのがやっぱり落ち着く。だからボクは人間のため。そしてボク自身のためにも、冒険者を続けていきたいと思っているのだ。
……冒険者である犬(フェンリル)のシロと、クリスマスの物語……
この作品はアルファポリスで重複投稿しております。φ(ΦωΦ )
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-10 00:00:00
3270文字
会話率:16%
なんとなく日々を生きていた夢
どこからともなく現れた優雨
あの日あの時出会うはずのなかった2人が出会った瞬間から、なにかは始まっていた
2人は何を抱え、何のために生きているのか
出会いと毎日、別れ、勇気、命、全て全く違うようで全て繋がった
世界で生きる2人をとりまく宝石のような世界の物語
人生はクソだ。その中で、もがいて、もがいて、もがいて、もがいて生きていく全ての人に捧げる歌折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-03 20:58:35
5248文字
会話率:42%
「死女神さん!今から死ぬから僕と結婚してください!」
死にたがり青年エルディは、ある日自殺を試みる。しかし、死の間際に現れた女神は「お前を死なせるわけにはいかない。生きろ」と言い放ち、自殺は未遂に終わってしまう。
その時女神に一目惚れしたエ
ルディは、「また自殺したらあの女神に会えるかな?是非あの女神と結婚したい!!」と自殺未遂を繰り返すが…!?
死にたいメンヘラ大集合!不謹慎120%で抱腹絶倒のブラックコメディの開幕!これを読んでもあなたはまだ死にたいですか?
※この作品はカクヨム(https://kakuyomu.jp/works/16816452220937179112)、個人サイト(https://plus.fm-p.jp/u/ankokunogrove/book?id=8)にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-27 10:02:59
54143文字
会話率:48%
「あのね、司。私あなたと別れたいの」
「......は?」
「私ね、好きな人が他に出来ちゃってさ。だから、司とはもう付き合えない」
8月のある日、俺は付き合っていた彼女からそう言って振られた。
彼女には新しい好きな人いて、それは俺じゃ
ない。彼女はそう、はっきりと告げた。
※ざまぁ要素はありませんのでご注意ください
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-20 07:00:00
14343文字
会話率:48%
神様ではなさそうだが、神様っぽい何者かに死んだことを伝えられ、輪廻転生に必要な輪廻の輪が準備できていないので、準備ができるまでその異世界で生きろと命じられた。
言われずとも死にたくはないので生きてやると息まいたのはいいが、サバイバル
知識もないちょっとぽっちゃりな自分を森の中に放置とかそれは流石に無理だと思います。
せめて身体能力が上がっていればよかったのに・・。
まあ、俺はちっとも強くなっていないが、神モドキが規格外のサポーターを用意したので全く問題ないけどね。
主人を主人と思わぬ言動が飛んでくるが気にしない。
たまに砲弾やレーザービームが放たれるが気にしてはいけない。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-09 20:07:53
62888文字
会話率:42%
転生してしまったんだが…朱はそう思う…
転生はまずい。うーんまぁ…異世界で生きろって神のお告げでしょ(超楽観的)生き残るぞー
最終更新:2021-08-11 18:45:20
4756文字
会話率:50%
進めない、進むか、
気合い入れていけ。
お前の人生お前が生きろ。
てめぇ以外にてめぇの人生の主権なんて握らせるんじゃねぇ。
最終更新:2021-08-05 06:00:00
382文字
会話率:0%
推し=生き甲斐or命。
そんな私の世界の中心である推しが死んだ。
ついでに私もポックリ死んだらしい
異世界?ははっ…何して生きろって?
ないわー生き甲斐とかないわー
ないなら作るしかなくない?
最終更新:2021-07-15 21:00:00
6325文字
会話率:6%
「……ッ、グ、ゴフッ……!」
仰向けに倒れる男は薄れゆく意識の中、自分にしがみつきながら泣きじゃくる子供の頭をつむじから優しくなでる。
「泣くなよなぁ……ハル。ほんと、お前は泣き虫だから困るぜ、まったくよぉ……」
倒れる男の横腹は大き
く抉れ、そこから内臓が飛び出てしとどに赤黒い血が流れ続ける。
傍から見れば、そんな状態で言葉を発していること自体が不思議なくらいだった。
だが、男は不死身などではない。
男の顔は見る見るうちに青白く変色し、生気を失ってゆく。
しかし、それに反して男の顔は酷く穏やかな表情をしている。
「なぁ……ハル、聞け……」
男は泣きじゃくる子供に向けてわずかに口角を上げて見せる。
本人は満面の笑みをしたつもりだったが、これが男にできる最大限の笑みだった。
子供は男の言葉を聞いて、何とか泣きじゃくるのを止める。
子供はまだ幼い齢ではあるが、もう男の命がもたないことを察し、何とか男の最後の言葉を聞き入れようと、奥歯を強く食いしばりながら、嗚咽を必死に噛み殺す。
「お前は……これから一人になるかもしれない……。でもそれは、お前を縛るものがもう何もないってことだ……。自由に生きろ。友達作って……彼女作って……、社長でも……プロ野球選手でもなんでも目指せ……。案外、人生って面白いからよ……」
子供は両目から大粒の涙をこぼしながら、悔しそうに男の衣服を掴む。
何かを言いたげだったが、今は何かを言葉にできる程感情の整理がままならなかった。
男はそんな子供の頭を愛おしそうに撫で、そして最後の力を振り絞って、一言、こう発する。
「……ハル、愛される……人生を送れ……よ……」
男はそう言うと、子供の頭に置かれた彼の手はだらりと地面に打ち付けられる。
子供は下唇を噛み締め、噛み切ったところからジワリと血の味が子供の口の中に広がっていく。
そして、雲一つない数々の星明りが照らす夜空を仰いで、少年は声が枯れるまで泣き続けるのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-02 22:32:09
60693文字
会話率:32%