今から1万3千年ほど昔の日本。南の海から船でやって来た民たちが種子島に住み着いた。やがて民の数が増えすぎ、食べるものに困るようになり、若いリーダーが次の土地を目指し、北上することになる。リーダーの妻の樹の巫女は一緒についていくことになり、
娘と老いた両親は島に残る。
樹と心が通じる娘ナミは、毎日母オカの乗った船を作った樹の切り株を周り「母さん元気?」と心を送る。「元気よ」と母も船に横たわり心を送る。
やがてベーリング海峡をわたり、北米大陸に達した姉達は、見たことのない巨大などんぐりの森と出会い、そこに住み着く。(アメリカ北米インデアンの50%以上がどんぐりが主食だったという)互いに子を産み、二つの民は子孫を増やし、時が流れた。いつか生まれ変わってまた会える日を約束して……。
北米インデアンの海洋民族、チマシー族の母を持つ棟方七樹は亡き縄文考古学者の父の信じる「ケルプ・ハイウェイ説」を証明するため、手作りの丸木船の帆舟で、鹿児島からたった1人ベーリング海峡沿いに進み、カリフォルニアに到達し、一躍英雄となる。
これからは、小さい頃育ててもらったおばあちゃんに恩返しをしたいと、チマシーに留まるという七樹に、祖母は死んだ母の可愛がっていたククルというカラスと共に川上の隠された洞窟に案内する。
そこには水に浸かって朽ち果てた丸木船と、洞窟壁画の世界樹、日本語で岩壁に掘られた文字には、7,300年前の七樹が、現代の七樹に宛てたメッセージが彫られていた。
「7300年前の鬼界アカホヤ噴火から、種子島・上野原遺跡住民と船団を組んで脱出し、ここについた。どうかククルと共にこれを成し遂げてくれ」と。
驚いて洞窟の外に駆け出す七海。洞窟の外で祖母がククルに語りかけていた。
「この命くれてやる。七樹を我が同胞の元に連れて行け」
途端にカラスは体が解け、長い蛇の尾と飾り羽、鋭いかぎ爪を持つ龍のような姿になり、七樹を7300年前の種子島に連れ去る。
待っていたのはナミと言う樹の巫女の少女。御神木の言葉を伝える。「5年後、鬼界アカホヤ噴火により、この世界が全て滅びる。そうなる前に我らの体を使い船を作れ、我が民をお前の故郷の地に連れて行くのだ」
海辺を伝い、一万キロ彼方の“約束の地”へ。縄文のモーゼの物語が始まる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-26 05:53:50
34628文字
会話率:33%
主人公はある時、不思議な声が聞こえた。それは夢から目覚めた後なのだが、その声は何故だか夢なのかわからない。起きている時でも、たまに聞こえる。耳から聞こえるというより、脳に直接語りかけてくるような、そんな感じだ。
物語を経ていく中で、そ
れが明らかになる日は来るのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-25 16:17:21
583文字
会話率:10%
【超能力OL、翔太と出会う 】
28歳のキャリアウーマン・高橋涼子は、美貌とカリスマ性を持つエリートだが、実はテレキネシスと脳内ホルモン操作という特殊能力を持っていた。これまで、その力を秘密にしながら孤独に生きてきた。
ある日、同じ会社の
後輩である26歳の翔太と出会う。彼は涼子のカリスマ性に惹かれながらも、どこか天然で無防備な性格の持ち主。涼子は翔太を手に入れるために、さりげなく(時に大胆に)超能力を駆使し、彼を誘惑、そして甘やかし尽くしていく。
最初は涼子の支配的な愛情に戸惑っていた翔太だが、次第に涼子の愛に包まれる心地よさを知り、彼女なしでは生きられない体になっていく。やがて、二人は正式に交際を始め、涼子の愛情(+支配)のもとで、甘々な日常が繰り広げられるようになった。
【波乱の社内生活と涼子の過保護モード 】
付き合い始めた二人だが、社内には数々の試練(主に翔太のうっかり行動によるもの)が待っていた。
翔太が後輩の女の子に誘惑される → 涼子の超能力による「お仕置き」発動!
翔太が風邪をひく → 涼子の看病(という名の過保護)が暴走し、ナースコスプレまで登場!
翔太が仕事に追われて疲弊 → 仕事より翔太優先!強制連れ帰りモード発動!
社内では涼子の翔太溺愛っぷりが密かに噂されるも、涼子の有能さも相まって誰も逆らえない状況に。翔太もそんな涼子を「理不尽だけど可愛い」と受け入れ、二人の関係はさらに深まっていく。
【涼子の過去へのプロローグ】
お花見の席で、涼子は翔太に「過去の話を聞いてほしい」と語りかける。彼女はこれまで能力のせいで孤独に生きてきたこと、翔太と出会い、初めて「受け入れられる」喜びを知ったことを打ち明ける。
✨ 次回、新章へ!涼子の過去編スタート!
果たして翔太が見ることになる「涼子の孤独な過去」とは──!?折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-25 11:43:32
3152文字
会話率:22%
「勇者は本当に必要か?」
時代を超え、思想を超え、伝説すらも越えて――
“勇者”という言葉に秘められた真実を問う、奇跡の対談が今ここに開かれる。
登場するのは、歴史にその名を刻んだ4人の魂たち。
平家を滅ぼしながらも兄に裏切られた悲劇の
軍略家・源義経、
理想と現実の間に揺れる鋭利な論客・ニッコロ・マキャヴェリ、
争わずして治める“無為”の知を説く哲人・老子、
そして、神の声を信じて祖国のために立った奇跡の少女・ジャンヌ・ダルク。
「秩序を守る者か、壊す者か」
「人が求めるのは真実か幻想か」
「もし今、勇者が現れたなら?」
交わるは剣と祈り、哲学と現実、そして何より人間の“覚悟”――。
さらには対談の終盤、驚きのゲストが降臨。
時空を超えた“勇の化身”たちが語りかける、言葉の重み。
これは英雄たちの競演ではなく、人間たちが“勇”と向き合うための物語。
対談のあとは料理と笑顔に包まれた心温まる晩餐会。
それぞれのおすすめの一皿とともに交わされるのは、対話という名の“優しき戦”。
――そして最後に語られる、“勇者とは何か”という答え。
それは、私たち一人ひとりの中にもある“静かな勇気”に光を灯すものであった。
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名言が交錯し、信念が火花を散らす、歴史対談ドラマの決定版。
あなたにとって“勇者”とは――果たして、何者だろうか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-21 23:01:56
15213文字
会話率:2%
『猫のキミと暮らせば』は、宮中で「わがまま皇子」と呼ばれた主人公が、愛猫クロや周囲の人々との絆を通して運命に向き合う物語です。波乱の生涯を終えた主人公は、転生して一匹の猫として新たな生を受けます。
ある日、さおりは瀕死の状態で道端に倒れて
いた仔猫を助けます。命を救われたその猫は「キミ」と名付けられ、さおりの家で一緒に暮らし始めます。キミはただの猫ではないようで、どこか人間味のある仕草と不思議な魅力を持っており、さおりや周りの人たちにとってかけがえのない存在となっていきます。
さおりは孤独を抱えながらも健気に働く女性で、仕事に追われる日々の中、猫のキミの存在が彼女の癒しとなります。キミもまた、さおりの穏やかな笑顔を見るために、猫としての自分の役割を果たそうと奮闘します。
さおりはキミに自分の悩みや日々の出来事を語りかけます。職場のストレスや将来への不安を抱えながらも、キミと過ごす時間が彼女の支えとなり、次第に前向きな変化が現れます。キミ自身も新たな生活に馴染み、過去の皇子としての記憶を振り返りつつ、女房との平和な日常に喜びを見出していきます。
さおりと猫のキミの絆を描いた心温まる物語は、キミの不思議な存在とさおりを取り巻く人々の成長を通じて、人間と動物の共生、家族の絆、そして命の巡りを丁寧に紡いでいきます。
物語は、転生後の新たな絆を通じて、過去の重みを癒しながら未来へ向かう希望を描いたストーリーです。さおりと猫のキミの交流を軸に、サブスタンスで進められていく、ちょっと変わった読み物です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-12 07:44:03
51545文字
会話率:32%
近未来。あるサービスが高齢富裕層に人気になっていた。
パラダイス。
それは、望む世界へ「帰れる」サービス。
過去の写真や動画を素材に、既存のコンテンツを窃取し、
AIを活用して3Dのバーチャル上に理想の世界を構築する。
そのVR世界は鮮や
かで生々しい。
高齢者たちはベッドギアを被り、郷愁や願望へ没入し続ける。
パラダイスチームは法も権利もルールも無視して、世界をカスタマイズして提供する。
富の集中が加速した高齢者を夢中にさせる。
溢れ出るドーパミン。それを止めない徹底的に媚びたアーキテクチャ。
非常に高いサービス継続率。払われ続ける高額サブスクリプション。
高齢者が語りかける、ビデオ通話上でアバターの「再現士」たち。
彼らは、実は高い技術と怒りに満ちた子どもたちだった。
リーダーの少年、カノウ。No.2の少女、ニーナ。天才AIプログラマ、シヴァン。
中学生の年齢の三人を中心とするギャング的チーム。
彼らは高齢者を搾取することを決めていたーー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-12 07:00:00
15968文字
会話率:40%
神の恵みにより、私はゼファー王として先祖たちに語りかけます。この世界は腐っている。私は心から愛し、信じていた人々に裏切られました。これは、五つの王国(エルフ、ドワーフ、亜人・獣人、ドラゴニューク、そして人間)に関する物語の始まりです。彼らは
互いに戦争を始めましたが、一人の子供が現れ、破壊を引き起こすことで状況が変わりました。彼は「ファントムキラー」と呼ばれ、五つの王国は共同で彼を封印することに決めました。この「世界の大犠牲者」と呼ばれる戦士たちが成功したものの、彼らは命を失い、封印された場所には大きな穴が残りました。この穴からは危険が漏れ出していました。私もその穴から生まれた者で、黒い髪と黒い目を持つため、人々に恐れられ、親にも捨てられました。
奴隷商人に捕まった後、私はグランパとグランマに拾われ、ゼファーという名前を与えられました。幼馴染のボレアスとアルレシアと出会い、彼らの助けでいじめられなくなりました。15歳のとき、私たちはハンターライセンスを取得し、ファントムキラーを倒すための冒険に出ることになりましたが、私だけが裏切られました。仲間に裏切られ、私は腕を切り落とされ、最後に暗い穴に落ちました。
この腐った世界に生きる意味は何なのか……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-06 12:05:32
2716文字
会話率:0%
気持ちが沈んだときには、大抵、瑠衣を片手に愚痴を吐き出すか、水族館で購入したクラゲのクッションに無言で語りかける。
それに見返りはなくて良いし、それだけでも良い。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いませ
ん。
注意事項2
ふいに思い出す『星の王子さま』。
なんか『それだけで良なったんだ』って思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-05 18:08:57
1084文字
会話率:35%
男女問わず、下心を持って接されるのは激しい拒絶反応を伴うものである。
それでも、軽蔑という感情を持つことはあれど、身体的に反応が出ることは、ほぼないのではなかろうか?
だが彼女はその限りではない。
注意事項1
起承転結はありません。
短編
詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
この物語の全ての人間に語りかけます。
『許せるなら、許してあげてね。どうしよもない事だから』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-21 20:51:57
1071文字
会話率:39%
隣人の三浦さんから「春がくたびれた」と聞かされる。最初は冗談だと思うが、桜の咲き方がまばらで、春が元気をなくしているように見える。三浦さんの提案で、主人公は窓を開けて「春さん、お疲れさまです」と声をかける。すると、翌日から桜が咲きそろい始め
、春が活気を取り戻した。
しかし、春は元気を出しすぎ、今度は花が咲き乱れすぎる異常事態に。「そろそろ落ち着いてもいいんじゃないか」と再び春に語りかける。すると、風が静まり、季節は穏やかになった。
安心したのも束の間、三浦さんは「次は夏の番だ」と言う。夏が暴走しないよう、「ほどほどに」と声をかける。遠くで鈴虫が鳴き始めたのを聞きながら、今年の夏を案じるのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-05 17:04:11
2015文字
会話率:52%
群衆を割りよった少女は、その先で親友と再会、語りかけよった。
最終更新:2025-03-02 13:00:00
1131文字
会話率:47%
聖女を陥れたとして。今まさに断罪されようとした時、令嬢アリアンヌは思い出す。それは、前世の記憶、そしてこれから起こり得ることだった。
逃走しようとしたアリアンヌは、その場にいた何者かによって殺されてしまう。それは、通常の結末とは異なるも
のだった。
暗闇の中、令嬢に語りかける少女。名は結衣、前世の少女だった。どういった世界なのか。どうしてこのような結末となってしまったのか。
この世界は歪められてしまった。令嬢の意識が閉ざされたままののも、その影響かと思われた。
この世界は結衣の親族が作った同人ゲームの世界。内容は聖女に夢中な攻略対象を振り向かせるもの。主役は悪役令嬢のアリアンヌだった。
結衣もそう、何者かに殺されて人生を終えていた。結衣は今度の人生こそはと考える。
鍵は攻略対象とのエンディング。それによって、破滅の未来は避けられるのだと。
生まれ変わったアリアンヌとして。強力なライバルキャラの聖女と対立しつつ。ダンジョン攻略によって有利に進めながらも。
攻略対象との未来を迎える為、奮闘する物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-28 00:00:00
732380文字
会話率:52%
「人工知能に、人の心は理解できるのでしょうか?」
七十五歳の元高校教師・田中正夫が、妻を亡くしてから問いかけ続けた言葉でした。
区立図書館への静かな通い路。息子との形だけの電話。遺影に語りかける日々。そんな穏やかな日常が、一通の記事との
出会いによって、少しずつ色づき始めます。
心優しい司書との出会い。AIとの不思議な対話。そして、かつて密かに愛した詩作との再会。デジタルという新しい世界は、彼の人生に思いがけない光をもたらします。
やがて始まる、高齢者のためのデジタル講座。そこで生まれる新たな絆。オンラインの詩の朗読会。シリコンバレーに住む息子との距離も、少しずつ近づいていきます。
これは、テクノロジーが人の心を温かく包み込む、デジタル時代の愛の物語。
人工知能は、確かに人の心を理解できる──。
そう信じられる日が、静かに、でも確実に近づいていました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-21 12:11:04
15486文字
会話率:50%
「転生」、正式には「輪廻転生」。それは「生まれ変わり」のこと。
前世から現世へ、現世から来世へと、魂は転生していく。
それは万人共通、誰も彼もが前世からの転生者。例外はない。
普通、転生すれば前世の記憶や能力は消えている。
前世での知識や
経験を活かさずに、いわゆる二周目プレイを許さずに、
またレベル1からの苦行をして、死んだら再びリセットして……
それを繰り返すことで魂は鍛えられていく。これが本来の「転生」。
全世界の全人類、いや全生物に共通する魂の理。
さて、それでは。
もしも転生前の自分(=前世の自分)が、転生後の今の自分に、
語りかけてきたら?
あるいは他人が魂に干渉してきて、現世の自分が前世の自分に
乗っ取られてしまったら?
……と。
本作は、そういう物語です。
どうぞ、ご覧あれ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-16 13:00:00
97227文字
会話率:39%
2055年、世界はフェミニスト型巨人によって再編されていた。彼女たちはかつての人間とは異なり、圧倒的な力と知性を持ち、男性優位の歴史を粉砕した。そして新たに築かれた「ネオ・女性の人権国家」は、女性を至上の存在とし、肉体の性別がすべてを決定づ
ける社会を生み出していた。
かつての国家はほぼすべて陥落し、唯一、日本だけがその均衡を保っていた。だが、それも形式的なものでしかなく、日本の社会構造は女性優位へと完全にシフトしていた。男性は人権を得るために毎月2リットルの穢れた血を抜かれる義務を負わされ、女性はあらゆる特権を享受する。飲食店「ネオ牛角」においてさえ、女性は半額で食事を楽しめる一方で、男性は彼女たちのために支払わねばならなかった。
ナオコ・ブラッドリーは、この世界の中で最も宙ぶらりんな存在だった。彼女は肉体的には女性だったが、心は男性として生きていた。しかし、この社会では肉体の性が絶対であり、ジェンダーアイデンティティなど存在しないものとされていた。
ギロッポンのタワーマンション254階の自宅で、ナオコは男の奴隷「ギガデーモン」の背に跨りながら考えていた。男の奴隷は全員、脳が改造され、絶対服従するようプログラムされている。しかし、ナオコの前にひざまずくギガデーモンはかつて「ナカイ」として知られたスターだった。彼はかつての栄光を失い、今や従順な存在となっていた。
「世界を変えよう」
ナオコは静かに語りかけた。ギガデーモンは一瞬動きを止め、やがてその目から一筋の涙がこぼれ落ちた。プログラムされたはずの彼の心が揺らいだ瞬間だった。
ナオコは決起した。男の人権を取り戻すために。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-16 00:41:39
2059文字
会話率:34%
世の中が揺れるたびにその言葉は注目を集めるも、顔も名も知られることを避けてきた「ある経済評論家」。バブル崩壊を予見した彼は、時代を超えた真実を追い求め、分析を通じて多くの人々の意思決定を左右してきた。しかし、余命1年の宣告を受けた彼は、自ら
の財産を処分し田舎での自給自足生活を選択。そこで執筆活動に没頭し、経済だけでなく生き方そのものを問い直す著作を残した。そして最後のラジオ出演で、「楽しむことこそ人生の本質」と語りかける彼の言葉は多くの人の心に響いた。静かに命を閉じた彼の姿と、満開の桜が人々の胸に深い余韻を残す感動の物語。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-08 19:37:03
3511文字
会話率:21%
菜緒子と隆介は横浜マリンタワーの展望台から、夕暮れに染まる港の街並みを眺めていた。柔らかな光が赤レンガ倉庫や港の船影を包み込み、時が静かに流れる中、二人はそれぞれの過去の思い出を語り始める。菜緒子の中学時代の輝きや、隆介の高校時代の後悔が、
夜景を背景に鮮やかに蘇る。一方で、未来への期待と不安も語られるが、隆介は「これからも新しい思い出を作ろう」と語りかける。変わらぬ横浜の灯りに見守られながら、二人は新たな一歩を踏み出そうとする心温まる物語。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-08 19:31:08
2399文字
会話率:34%
「魔導書を封じる者、グリモアルカー——」
冬のエイジス国・ポールズ港に降り立った謎の男と黒猫。奇妙な雰囲気を漂わせる一人と一匹は、途方に暮れる修道女マリアベルと出会う。彼女の村では正体不明の病が広がり、人々の気力が失われていた。助けを求める
マリアベルの前に現れたのは、死人のように白い顔と赤い瞳を持ち、大きなトランクを抱えた、寡黙で冷徹な印象を与える男。一方、男の肩には気取った都会風の口調で語りかけてくる黒猫。
病の話を聞いた男は短く「行きながら話せ」とだけ呟き、物語の幕が開ける——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-26 20:30:00
131596文字
会話率:39%
星の瞬きが語りかける夜、私たちはいつも何かを願う。願い事が叶うという奇跡を、心のどこかで信じているからだ。
この物語は、星の国から降り立った小さな男の子と、希望を失いかけた女の子の出会いの記録である。彼らの出会いが、互いの運命を大
きく変え、夢と光の新たな扉を開く。
星々が見守る中で、彼らの心はやがてつながり、暗闇に射し込む一筋の光となる。涙がこぼれる夜も、いつか笑顔に変わると信じている者たちへ——これはそんな奇跡の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-24 12:39:32
34426文字
会話率:33%
マンションのベランダで、草花を育てる趣味を持つ僕は、仕事に行く前に必ずする習慣があった。水やりをしながら、話しかけるのだ。花には命があって、人とわかり合えるものだと思っている。そして今日も、静かに語りかけた後、カバンを肩に下げて駅へと向かっ
た。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-20 21:15:05
7392文字
会話率:31%
その日、私は魔女が住まうという森に来ていた。
言い伝えでは、『女神降臨祭』の、午後から日没までの間に、太陽を道しるべに魔女の住まう森を歩けば、湖の畔に魔女の家を見つけることができる、ということだ。
太陽は私の味方をしてくれているのか。
だとしたら、このあと会うはずの魔女様はどうだろうか。
私の味方になってくれるたろうか。
「味方になってもらわなくちゃ」
私は声に出してつぶやいた。無意識に。
『私は対価をもらえればそれでいいさ』
突然、私の耳に、いや、頭の中に直接語りかけるように、知らない声が響いた。
果たして、逃げ延びた先で出会うはずの、対価を求める魔女様は私の味方になってくれるのだろうか。
断罪された聖女は、自らの望みを叶えるべく、魔女の森を進む。
その先に待ち受けるものが、幸せな結末だと信じて。
(恋愛要素はありません)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-08 11:05:40
12005文字
会話率:34%
元日の初日の出。
初日の出に注目する人々の隙をついて盗みを働く男がいた。
男は他人を信用せず、他人から信用されたこともない。
そんな男が盗みの帰りに山から滑落する。
重傷を負い動けなくなったその男のところに、
盗まれたスマートフォンの追跡
機能を使って人々がやってきた。
しかし盗みをしたその男は助けてもらえず、雪山で凍死するのを待つだけ。
だがそこに、ゆきと名乗る少女が現れ、悪人だとも知らずその男に語りかける。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-05 21:05:17
4527文字
会話率:16%