ヨハン、六十四歳。王都の東門を守る、ただの門番。
与えられたスキルは【見送る者】。人々が「世界一のゴミスキルだ」と笑う、ただ旅人を見送るだけの力 。
五十年、雨の日も風の日も、俺はこの門に立ち続けた 。
そして定年を明日に控えた日、俺の
スキルは初めてレベルが上がった 。
得られた能力は『旅人の靴紐が、少しだけ解けにくくなる』という、あまりに些細な奇跡 。
だが、俺は知ってしまったのかもしれない。
心からの祈りを込めて「いってらっしゃい」と声をかけること。その積み重ねが持つ、本当の意味を。
これは、真面目に定年まで勤め上げただけの老門番が、その生涯を賭した祈りによって、彼自身も知らぬ間に、この国を救うことになる物語。
世界を救った力は、今日もまた、誰かの旅路が少しだけ幸運であるようにと、静かに、ささやかな奇跡を起こし続ける 。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 20:00:00
48609文字
会話率:29%
人が怖くて、社会が遠かった――。
高校を休学し、5年の引きこもり生活を送った僕が、再び外の世界へと一歩を踏み出したきっかけは、新聞配達と、父の深い愛情だった。バイトでの葛藤、営業職での挫折、孤独な日々、そして、父が僕のためにと共に働いた、新
聞配達を通して見つけた「生きる希望」。
これは、自分自身と闘いながら前へと走った、ひとりの再生の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 19:31:01
5329文字
会話率:8%
雨の日も風の日も嵐の日も、速記者は速記をするのです。
最終更新:2023-07-29 18:42:42
337文字
会話率:0%
2メートル20センチ、150キロの恵まれた体格を見込まれ、農村育ちのロイルは15歳のとき騎士団にスカウトされる。
しかし、武器も盾も呪われてるレベルで才能がないことが発覚。
見掛け倒しでも突っ立てるくらいはできるだろうと、門番に命じ
られる。
そして、15年目、務めた門番を突然クビになった。
それを期に、ロイルは憧れていた冒険者になると決意して旅に出る。
この15年間、朝から晩まで門の横に突っ立っているだけ。
ほぼ誰とも会話せずに過ごし、唯一の趣味は仕事を終えた後に冒険譚を読むこと。
そのおかげで、得たものと得られなかったものがある。
得たのは魔力と妄想力。
仕事中はしゃべっちゃダメ、動いちゃダメ。
できることと言えば、冒険譚の主人公に自分を重ねた妄想をすること。
妄想の中でならなら、何百回も世界を救ったし、モテモテハーレムも味わい尽くした。
そして、身体の中にある魔力をこねくり回すこと。
雨の日も風の日も妄想と魔力操作を続けた。
暇だったからだ。
そのおかげで魔力9,999に。
得られなかったのは常識とコミュ力。
農村から出てきたばかりで門番に回され、誰もなにも教えてくれない。
ロイルが得た情報は物語から覚えた偏った知識ばかり。
そして、誰とも話さなかったので、当然コミュ力ゼロ。
鍛え上げた妄想力のおかげで、頭の中なら高速思考できるが、いざそれを話そうとしても、口が回らない。
出てくる言葉は「あっ」とか「うっ」ばかり。
門番生活で得た膨大な魔力と妄想力、そして、非常識とコミュ障を両手に冒険者生活へ。
道中出会った少女ディズは神聖魔法を使えずクビになった殴打系元聖女で常識人のコミュ力お化け。
そんなこんなで、ロイルとディズのおかしな冒険者生活が始まる。
膨大な魔力と非常識でロイルが「なんかやっちゃいました?」すると、容赦なくツッコミを入れるディズ。
だんだんと自分が規格外であることを受け入れていくロイル。
この話は、コミュ障非常識なロイルが、ディズに導かれて、常識を身につけ、コミュ力を磨いていき、真人間になるお話です。
※好評だった【パイロット版】の連載化です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-02 20:00:00
262953文字
会話率:28%
おれはオダ流空手道場のカンバンだ。雨の日も風の日も門下生たちを迎えている。だけどある日…。
キーワード:
最終更新:2022-11-21 06:00:00
838文字
会話率:54%
貧乏男爵家の末っ子である私の人生には、どこぞのスケベオヤジの後妻になるか、自立するかの二択しかなかった。
何としても前者は回避したかった私は、子どもの頃から趣味だった小説の執筆を職にすることに決め、出版社に何度も何度も、雨の日も風の日も原稿
を持ち込んだ。
その甲斐もあり、エリート編集者であるアロイスさんが担当編集者になってくれたのが今から一年ほど前。
そして今日、遂に私は『悪役令嬢が婚約破棄される』という斬新な小説で、アロイスさんから太鼓判を押してもらえたのだった。
これで念願のプロデビューが果たせるかもしれないと舞い上がったのも束の間。
出版社からの帰り道、親友であり由緒正しい伯爵家の令嬢であるカサンドラ様が、号泣しながら私に抱きついてきた。
カサンドラ様を宥めながら話を聞くと、何でもカサンドラ様は私の小説と同じく、婚約破棄されてしまったそうで……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-11 21:08:37
10781文字
会話率:46%
60歳間近の薬剤師の田中春子は愛媛県今治市で「こまち薬局」という相談中心の薬局を一人で経営していた。夫は13年前に急死し、15年間自宅で介護した母は3年前に旅立った。今は薬局兼住宅で次男良夫と二人で暮らしている、母から引き継いだ薬局は今年で
創業20年を迎える。変わりゆく薬業界の中で、調剤薬局でもドラッグストアーでもない健康相談を主とした薬局を目指す春子だった。良夫は、中学3年生から不登校になり、それから11年間引きこもっていた。5年前愛してやまなかったパソコンが壊れた事により良夫は社会復帰を決意する。春子は社会に出たいと言う息子の願いを叶える為に寄り添い奔走する。社会復帰するために、のサポートセンターに通いながら、良夫は、自分にどんな仕事ができるのか模索し、人と会わずにできる仕事をハローワークで探すが、今治のような田舎には、良夫の希望とする職場はなく、コンビニで早朝の掃除の仕事を始める。自転車しか乗れない良夫は、雨の日も風の日も夏の暑い日も一日も休まず自転車で職場に通った。遅刻欠勤もせず、盆も正月も働いた。1年が過ぎた頃、まじめに働く良夫は掃除から接客を任されるようになった。もともと対人恐怖症の良夫は職場の人間関係に悩み、転職を考え始める。ハローワークに通ううち、運転免許を必要とする仕事が多い事に気付き、自分で稼いだ金で運転免許を取得し、電気工事会社に就職するのだった。想定外の息子の成長に驚き、共感し、感動する春子は母親として社会人の先輩として良夫に助言し、寄り添うのだった。令和2年の1月に中国武漢で新型コロナウィルスが感染拡大し、コロナ禍は、春子の経営する「こまち薬局」にも大きく変化を及ぼした。報道に翻弄され押し寄せるマスク難民。デマに踊らされトイレットペーパ―や消毒液、ガーゼに体温計まで売り切れた。コロナ感染拡大は1年7か月が過ぎても収まる気配を見せなかった。4回も発せられた緊急事態宣言の中、異例のオリンピックが始まった。感染拡大は止まらないが、ようやく今治のような田舎にでも高齢者のワクチン接種が進んできた。それに伴う副反応への不安など絶滅危惧種化した町の相談薬局を訪れるお客さんと向き合いながら、現代の医療のへの不満と疑念を抱きつつ、町の薬屋として人々の健康を願い日々模索しながら店頭に立つ春子だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-10 18:00:00
21842文字
会話率:56%
少年レイトは一攫千金を夢見て、冒険者を目指していた。
だが、彼が神様から授かったスキルは【第六感】。
効果は、『勘が鋭くなる』というもので、わりと使えない外れスキルだった。
周りからは「無能」と馬鹿にされ、幼馴染からは同情される。
しかし
、それでもレイトは諦めずにスキル特訓を開始する。
ノルマは1日1000回。
雨の日も風の日も休むことなくスキルを使い続けた。
それから、3年の月日が流れ――。
レイトは覚醒した。
研ぎ澄まされた感覚は全てを見透かし、どんな敵も寄せ付けなくなっていた。
さらに宝クジで一等を当ててしまったので、億万長者の夢もあっさり叶ってしまう。
目標を失ったレイト。今度は資金を注ぎ込み、勇者も解けなかったダンジョンの謎を解き明かすことに。
これは(シックス)センスだけで最強に昇りつめてしまった、一人の少年の物語。
結局、人生に必要なのは、『努力』でも『仲間の絆』でもなく100%の『センス』でした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-13 20:00:00
58326文字
会話率:32%
バイトは一日14時間!追加残業大歓迎!
給料の為ならブラックバイトさえもこなす超人高校生 加藤タイチ
全てはどんな仕事をも請け負う伝説の職業『何でも屋』を開くため。
タイチは2年に及ぶ過酷バイト生活の末、ついに安定した衣食住を確保する。
あ
とは独り暮らしが可能になる18歳の誕生日を待つのみ・・・
だが彼は深夜バイトの帰り道、不幸にも交通事故で命を落としてしまう。
『はは、雨の日も風の日も働いてやっと夢つかんだっていうのに・・・あっけねえなあ・・・』
青春の全てをアルバイトに捧げた男の最後の言葉。
タイチは目を覚ます、そこは神秘的などこかで・・・眼前には綺麗な天使が・・・
天使はタイチに問いかける。
『異世界で何でも屋を開けばいいじゃない』
「そうだよ、その手があるじゃないか!」
タイチは何でも屋として異世界転生を果たす。
冒険!魔法!ドラゴン!そして恋愛!果ては魔王討伐まで!?
全く異なる労働環境がタイチを待っている!
死んでも貫く滅私奉公、労働欲が止まりません!
『超人アルバイター参ります!』
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-28 18:06:02
2611文字
会話率:12%
80歳を過ぎたばかりのおじいちゃん。
若い頃は遊びに仕事に全力の人。
孫が原因不明の病気で倒れてしまい、地元の神社に何度も参拝。
雨の日も風の日もめげずに続けた明くる日に
神様ようやく願いを叶えて、なんとなんと異世界へ
薬を持って帰るに
は、世の中を良くするべしと聞かされて……
ガッツだじいちゃん!負けるなじいちゃん!
持って変えるぜ異世界技術、目指せ孫の全回復。
元遊び人おじいちゃんの全力世直しの旅!
週1話ペースを目指します。
初めての作品ですが、皆様よろしくお願い致します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-22 03:39:53
1111文字
会話率:2%
高校2年生の主人公、萌には子供の頃からの大の仲良しがいる。いつもずっと一緒にいた。
そう、雨の日も風の日も晴れた日も曇りの日も。春も夏も秋も当然冬も。
そしてそれが当り前のことだと思っていた。
高校2年生になって1ヶ月。幼馴染みの俊介と友
人との関係に戸惑う。
この作品は以前短編で昨年の11月に投稿した、
212文字の詩『恋人になろうよ』をモチーフに小説として認めたものです。
ネタバレになるので、今は検索除外にしています。
最終話の最後に掲載いたします。
1話1000文字程度で、全11話です。
最終話までお付き合いいただけると嬉しいです。
※第1話・第8話に挿し絵あります。
『アンリ』さま主催
「告白フェスタ」企画参加作品です!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-28 20:31:55
10950文字
会話率:35%
超能力を持つ一条家のご令嬢たちは、毎日ゲーム三昧だった。雨の日も風の日も。どんな日であろうとあらゆるゲームに明け暮れていた。
これはそんな彼女らの日常生活を描いた異能コメディです!
最終更新:2018-05-29 08:01:11
14151文字
会話率:39%
燃えるような赤髪が特徴的な少年、アグニス・クリケット。
その少年には夢があった。
幼き日に初めて訪れた王都で見た騎士達の姿が脳裏から離れなかったのだ。
彼は夢見る騎士に成る為、修行を始める。
雨の日も風の日も、嵐の日も、雪の日だっ
て夢見る少年はへっちゃらだった。
商人であり、元冒険者の父に護身術を学びながら少年は成長していく。
そんなある日、偶々村に訪れた冒険者達に剣の才を見出された少年は、冒険者に師事を頼み込む。
冒険者の短い滞在期間の間に剣術の基礎を学んだ後は、ひたすらに自己流で修行した。
そして時は流れ、少年は青年となり、青年は騎士になった。
――騎士は騎士を辞め、冒険者となる。
少年が大人になるまでの物語。
完結後、三人称から一人称になる為、作風が変わる恐れがあり、別作品として改めて続編を投稿します。
続編投稿しました!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-06 14:39:37
56121文字
会話率:25%