静寂しおり。彼女の心には、小学三年生の頃に経験した、家庭内の出来事に起因する深いトラウマが刻まれていた。それは、彼女に物事に対するある種の諦念と、自己肯定感の低さを植え付けた、拭い去ることのできない影。
春、新しい制服に身を包み、静寂しお
りは中学校の門をくぐった。期待も不安も抱かず、ただ淡々と定められた手順を踏む彼女にとって、卓球だけが心安らげる唯一の聖域だった。祖父母に用意してもらった家で一人暮らしをする彼女は、誰にも知られることなく、異質な持ち替え技術を磨き続けている。それは、体躯で劣る自分が勝利を掴むための、そして勝利という形でしか自身の価値を証明できないと信じる彼女にとって、唯一の希望だった。
中学校に入学して少し経った頃、静寂しおりは卓球部へと入部する。彼女の手に握られた、裏ソフトとスーパーアンチという常識外れのラバーを貼り分けたラケットは、瞬く間に部内で波紋を呼んだ。顧問や先輩たちは、その異様なスタイルに困惑を隠せない。しかし、静寂しおりが見せた、卓越した基礎技術と、相手の思考を解析するような知性は、彼らに驚きを与える。彼女の異質さが、周囲に少しずつ認識され始める。
卓球部での新しい日々が始まる。静寂しおりは、内面に過去の影と孤独を抱えながらも、卓球という世界で自身の道を切り開こうとする。それは、輝かしい未来へと続く道の始まりであると同時に、彼女を待ち受ける更なる運命を示唆するものだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 22:00:00
124892文字
会話率:21%
「ボク、君がいないと、生きていけない……」
自分に全然自信の持てないボクっ子ちゃんを肯定してたら、いつの間にか激重感情を持たれていた。これは、独りぼっちだった女の子が、ようやく救われる話。
【ネオページさんにて先行連載中!】 ネオペ
ージさんでは5話以上先まで読めます! リンク先↓ https://m.neopage.com/book/31459328829328500
15話までは毎日投稿、それ以降は週二投稿です。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-17 21:00:00
58992文字
会話率:43%
俺の名前は中原康太
何処にでもいる普通の高2男子だ。
俺には幼馴染と呼んでも差し支えのない彼女がいた。
いた…そう、過去形だ。
今はアレを幼馴染とか友達とか彼女とか思いたくもない。
吐き気すら感じる汚物だ…。
そんな幼馴染だった女の名前
は音無音夢。
音夢には俺から告白して彼女になってもらった。
向こうも喜んでくれていたし、まさかこんな事になるなんて思っても見なかった。
彼女は元々自分をブス、デブと思い込む極度の被害妄想持ちで自己肯定感が極端に低い人間だった。
だが実際の彼女はそれとは真逆、少しの手入れだけで見違えるレベルの隠れ美少女なのだ。
しかし自己肯定感の低い彼女は自分を卑下し続ける。
俺はそんな彼女を幼い頃からずっと支えて来た。
だからそんな彼女にとって俺は唯一の理解者だと、そう思いこんでいた。
しかしそんなのは俺が勝手に思っていただけの幻想に過ぎないのだと痛感する出来事に直面する事となる。
ある日の夜、コンビニで痴女の様な姿の彼女を目撃してしまい、しかもその後ろでニヤニヤと薄ら笑いを浮かべるチャラい男の命令?でとある用途に使う''何か"の入った”箱"を購入していたのだ。
それが何を意味するか、わからない程俺は無知でも純粋でも無い。
現実を受け止められず半ば放心状態のまま家に帰り着くとそこには先ほどまでチャラ男とコンビニにいたはずの幼馴染彼女がいた。
彼女は言う。
「あ…こうちゃんだ……あれ…?こうちゃんもしかして私の事……見えてる?」
と。
当人いわく気付いたら自分が2人に増えていたらしい。
幼馴染は分裂していた。
陽キャな性格のアイツと、陰キャな性格の音夢に。
行く宛のない音夢は俺の部屋に入り浸って(取り憑いて?)しまうのだった。
そうして始まったのだ、俺と音夢の奇妙な同棲生活が。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 18:40:02
75853文字
会話率:26%
団地に住む小学5年生、吉本レン。
なんでもそこそこ器用にこなせるけど、特に夢もない。
「別にオレ、困ってないし」
「やってもムダっしょ」
そんなちょっと冷めたレンの毎日は、団地の友だち・いっちー(市川一馬)にかき回されている。
ある日
、いっちーがまたバカみたいなことを言い出す。
「オレ、将来YouTuberになるわ!」
「いや、それ才能ある人がやるやつでしょ」
そう言いながらも、なんとなく気になるレン。
そんな時、団地の裏にあるボロい小屋——未来屋商店の存在を思い出す。
未来屋商店。
そこは、謎のおっさん・未来田銀次(通称ミラジイ)が営む、不思議な店。
なんと「なりたい未来を1日だけ体験できる」店らしい。
「やってみろよ。未来ってのは、見てから文句言え」
ミラジイに乗せられ、レンは渋々「YouTuber体験」に挑戦する。
最初は楽しい。でも、次第に現実の厳しさにぶち当たる。
うまくいかない。めんどくさい。誰も見てくれない。
ボロボロになって帰ってきたレンに、ミラジイはぼそっと言う。
「未来はな、最初は遊びからでいいんだよ」
——そうかもしれない。
上手くいかなくても、ダサくても、ちょっと楽しいなら、それでいいかも。
そんなレンが、今日も未来屋の井戸をのぞき込む。
団地で、自分だけの未来を探すために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 12:00:00
38234文字
会話率:27%
別に親から愛されなかったとか、家に居場所が無かったとか、そんな事は無かった。
けども、父親のデリカシーのない発言が、今でもどっかしか壊れた感性を形作っている。
お前が痴漢された証拠あったら、金で揺すったのに。
デリカシーないんだよね。私
の父。
嫌いじゃないよ。ただデリカシーないの。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
隠し撮りされてるかもって聞くと何時も思うんです。
私にそんな価値あるの? って。
実の親にさえ、金で全て解決されそうになった無価値な私に、そんなのあるのって。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 11:54:32
1252文字
会話率:8%
大人しくて、冴えなくて、でも優しくて気遣ってくれる。そんな子の魅力は自分だけが知っている。なんて思う人がいるらしい。
じゃあなんであの時私はいじめられたの?
体の良い玩具にされたの?
今さら良いって言われても、なんも信用出来ないんだけど
。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
私は冴えない子でした。大人しい子でした。
だから良いところを作るために頑張りました。
でもその結果、何も良くなりませんでした。
今更なんなんだよ!! 何が『自分だけは良さを知っている』だよ!! 散々玩具にした癖に!!
という気持ちを持ってます。
だから信用出来ない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-23 14:55:32
1081文字
会話率:27%
指導する側に必要なのは、何も分かりやすい教え方だけじゃない。
その前段階として、必要な事がある。
お前、自分を最低基準に置くなよ。頭が回るのだから。
私は君が思っている程、賢くないよ。
此奴はやっぱり分かってない。
注意事項1
起承転
結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
意外と指導者に向いてるの、瑠衣なのかも知れない。
という意見。
何処までも事実と結果に基づいた自信って、独りよがりじゃないんですよ。
だからそういう人が好きです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-06 18:03:55
976文字
会話率:34%
通貨が消えた日、世界は“価値”を支払いに使う社会へと変わった。
特技、感情、筋肉、知識、愛……あなたは何でコロッケパンを買いますか?
ごく平凡な高校生ユウトは、「何の価値もない人間」と判定され、ゼロからの生活を強いられる。
滑り倒したギャ
グ、腕立てローン、友情ローン、そして記憶を失う知識経済——。
彼が辿り着いたのは、無価値を超えた“無償”の世界だった。
ありがとうだけで、生きていける未来はあるのか?
笑って、泣いて、奮闘する青春×風刺×ちょっとSF。
これは、価値ゼロから始まる、新しい時代の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 08:00:00
8273文字
会話率:41%
沖縄県の公立校、斎叡高校に通う二年生の男子生徒、三崎奏良は端麗な容姿を備えながらも自己肯定感が頗る低く、常日頃から鬱々とした雰囲気を纏っていたせいか友人もいない。
だけど、そんなある日のこと。ありったけの勇気を振り絞り、クラスメイトの女
子生徒へ友達から初めてほしいという旨の言葉を告げる奏良。すると、その生徒――クラスの中心的存在たる美少女、桜野灯里は一人でも友達を作ってきたら話に応じるという旨の返事をする。
そして、それまで友人の一人もいなかった奏良は意気消沈。半ば諦めていた彼の前に現れたのは、艷やかな黒髪を纏う後輩の美少女で――
*当作品は、小説投稿サイト『エブリスタ』『カクヨム』でも掲載しております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 07:28:00
34762文字
会話率:58%
評価ゼロ、スキルなし、褒められもしない異世界転生・佐々木ネオ。
承認欲求バリバリの世界で「いいね」が全ての能力を決める中、彼だけが評価外の異端者に。
銀髪メガネのヤンデレ監査官メルティアや清楚な聖女に囲まれつつ、
「俺、何もしてないのに、な
ぜか世界を揺るがす存在になってる!?」
評価社会のバグ少年が巻き起こす、笑えない笑いの異世界バズコメディ!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 06:57:58
33002文字
会話率:39%
主人公の流川聡は二十二歳の新米サラリーマン。
入社してからずっと残業続きで、疲れ切った足取りで駅への道を歩いていた。けれど横断歩道を渡っていた途端、眩暈を起こしたような感覚がして、気付けば見知らぬ部屋に。
どうやら『聖女召喚』に巻き込まれて
しまったらしい。
王城の中の不穏な気配を感じつつ、どうやら元の世界には戻れない事を知らされた聡は、この国の宰相と婚姻を結ぶ事になると聞かされる。
どうしたらいいのか困惑する聡の前に現れたのは綺麗な銀髪と藍色の瞳を持つ、本来は三十二歳だという幼児(三歳児)だった。
「わたしがあなたのおっととなる、ふぃりうしゅ・えばん・こんこりゅでぃあだ」
呪いをかけられて三歳児の姿になっている宰相閣下(攻)と自己肯定感の低い青年(受)のファンタジーラブストーリー。
さて、二人の恋の行方は………………折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 00:00:00
41068文字
会話率:43%
社会に出てつまずき、実家で自堕落な日々を送る23歳の美沙。過去の後悔や将来への不安に押しつぶされそうになる中、思いがけず再会した年下の幼なじみが、彼女の心に小さな変化をもたらしていく。恋愛経験もなく、自信もない。けれど、自分を必要としてく
れる誰かの存在が、彼女を少しずつ前へと動かし始める――。
これは「再出発」と「自己肯定感の回復」を描いた、静かで優しい青春ラブストーリー。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 14:06:13
25233文字
会話率:46%
世界各地にダンジョンが発生した世界。
底辺探索者の咲乃木葉は不良探索者にダンジョンの隠し部屋で囮にされ、瀕死になってしまう。
しかし、隠し部屋にあった古代のゴーレムのマスターとなり、九死に一生を得る。
自己肯定感激高のチートゴーレムにより育
てられて、やがて最強探索者の道を歩む……かもしれない。
これは、薄幸の底辺探索者木葉の物語……ではなく、好き勝手しながらマスターを調きょ……育成していくゴーレムの話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 07:00:00
44590文字
会話率:44%
青山拓人、32歳。WEBデザイナー兼動画クリエイターとして活動するも、鳴かず飛ばずで燃え尽き寸前。「自分は平凡」という低い自己肯定感を抱える彼が、ある日突然、剣と魔法の異世界「エテルニア」へ転移してしまう。
特別な力(チート)もなく、与え
られたのは手持ちのスマホと、転移直前にインストールされた謎のアプリ群「エテルネット」のみ。体力も自信もない“ただのオッサン”は、未知の魔物が跋扈する過酷な世界で絶望的なサバイバルを強いられる。
だが、数日後、拓人は驚愕の事実を知る。スマホのアプリが地球の動画サイト「I TUBE」に繋がり、異世界での記録動画が自動でアップロードされていたのだ! これを機に、拓人はチャンネル名を「エテル探索者の実験室」とし、異世界からの動画配信者「エテル探索者」として再起を図る。
彼のリアルすぎる異世界映像は次第に注目を集め、視聴者からのコメントはサバイバルの知恵となり、投げ銭(Iコイン)は異世界で「星の欠片」という魔力結晶となってスマホの充電や生活の糧となる。さらに、チャンネル登録者数が増えるほどアプリの機能(翻訳、地図、魔力計測など)も強化され、配信活動が文字通り彼の生命線となっていく。
異世界で出会う仲間たちとの絆、視聴者との協力、そして徐々に明らかになる古代文明や魔力の謎。地球では失いかけていた情熱を取り戻し、拓人は異世界配信を通じて仲間との信頼関係を築き、自己肯定感を回復させていく。
これは、現代の配信文化とファンタジーが融合した、しがないオッサンの異世界サバイバルであり、再生と成長の物語。二つの世界を繋ぐ配信者として、拓人はどんな「第二の人生」を歩むのか――?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 06:30:00
69976文字
会話率:28%
地味で冴えない高校生・藤堂ソウタは、ある朝、空から落ちてきた超絶美少女・ルミナと出会う。
彼女の使命はただ一つ——「ソウタを全肯定し続けること」!
寝癖も、忘れ物も、テストの赤点すら、何から何まで超ポジティブに褒めちぎられる日々が始ま
る。
自己肯定感MAXになったソウタは調子に乗りまくり、次第にクラスで浮きまくる。
そんな中、ソウタを全否定するために現れたクールな毒舌美少女・鬼咲リリカ。
「世界を救うためには、ソウタの自己肯定感を破壊しなければならない」という謎ミッションを背負い、
教室は全肯定 vs 全否定のカオスな戦場と化していく!
巻き込まれる先生、生徒たち、そしてなぜか地球規模で揺れ動きはじめる世界——!
ソウタは、自分を信じることで本当に世界を救えるのか!?
それとも、このまま滅びへまっしぐらなのか!?
抱腹絶倒のハイテンション自己肯定系コメディ、ここに開幕!折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-12 23:15:40
21853文字
会話率:38%
「フレヤ、君との婚約を破棄させてもらいたい」
真面目な顔でそう言う王太子殿下の言葉を、彼女は理解できなかった。殿下は恋に浮かれるタイプでもない上に、彼女は天才だったので。
パッと読める短編です。
最終更新:2025-05-12 07:04:57
2805文字
会話率:51%
このマンションの住人たちは、皆なにかを抱えている。
401号室に住む青年・リリーは、金髪の美しい容姿とは裏腹に、自己肯定感が著しく低く、どこか壊れたような日々を送っている。
彼の頭の中には、ヘルターと名乗る不穏で饒舌な青年が住みついてお
り、彼に囁く
誰もがどこかに傷を抱え、忘れたふりをして暮らしている。
だがやがて、閉ざされた七階の扉、消えた住人、上書きされた誰かの記憶――
このマンションの“正体”が、静かに滲み始める。
過去に囚われて行き彷徨う者たちの行く末とは
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-10 15:22:19
7471文字
会話率:42%
【毎日朝6:00更新/10話完結】【ネトコン13参加作】
愛は、燃料だった――。
2030年の日本。
異能力に目覚めた少年少女たちは、その力を恐れられ、ひそやかに生きることを強いられていた。
青い炎を操る少女・日向灯里(ひなたあかり)
も、そのひとり。
かつて、幼なじみを火傷させてしまった過去から、自らの炎を憎み、心を消火して生きてきた。
そんな彼女に届いた一通の手紙。
「あなたの力は、まだ『否定』されるべきものでしょうか。」
映っていたのは、異能力者たちの希望に満ちた姿。隠れることのない晴れやかな瞳。
日本海に浮かぶ人工島〈天照島〉――。
島へと渡る決心をした灯里を待っていたのは、再会、そして、風のように淡く儚いひととき。
しかし、再び灯りはじめた日常の裏で進行していたのは、すべてを呑みこむ巨大な「計画」だった――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-10 10:35:22
65444文字
会話率:39%
全6話・6,500文字の短編です。
大人数の輪に入れない。
誰かと本音でつながるのが、怖い。
それでも、ひとりきりの夜にふと、誰かに「わかるよ」と言ってほしくなる。
これは、そんなぽんずが綴った“声にならなかった日々”の記録です。
孤独
に慣れた人にも、慣れきれない人にも――
静かに灯る祈りのような物語を、あなたへ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-09 15:49:24
6456文字
会話率:1%
男爵令嬢マーガレットは、王太子殿下の婚約者である侯爵令嬢フローリアに呼び止められる。あなたなんかに王太子殿下は渡さない?なに当たり前のこと言ってるんだ?
自己肯定感高めな男爵令嬢が、侯爵令嬢を丸め込んだつもりが最終的に丸め込まれる話。ざまは
ありません。恋愛要素薄め。テンポ重視でさらりと読んでいただけると嬉しいです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-08 21:02:18
8599文字
会話率:47%
自分自身の生に実感がなく、流れに身を任せてヤクザの代打ち(麻雀)の世界に身を投じる青年。
誰しも自分の存在意義を見失い、現実をあえて見ようとせず、自己肯定感が希薄になる経験があると思う。
生きる。そして、死ぬ。
運命とは??
自由と
死は常に表裏。自由に生き死に頓着しない青年が、それでも生きることを選ぶとき。
人生に欠けていたひとひらの記憶。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 22:00:00
3674文字
会話率:17%
――此処はかつての讃岐の国。そこに、古くから信仰の地として人々を見守って来た場所がある。
弘法大師が開いた真言密教の五大色にちなみ、青黄赤白黒の名を冠した五峰の山々。その一つ青峰山の近くでは、牛鬼と呼ばれるあやかしが人や家畜を襲い、村を
荒らしていたという。
やがて困り果てた領主が依頼した山田蔵人という弓の名手によって、牛鬼は退治されたのだった。
青峰山にある麺処あやかし屋は、いつも大勢の客で賑わう人気の讃岐うどん店だ。
ただし、客は各地から集まるあやかし達ばかり。
早くに親を失い、あやかし達に育てられた店主の遠夜は、いつの間にやら随分と卑屈な性格となっていた。
それでも、たった一人で店を切り盛りする遠夜を心配したあやかしの常連客達が思い付いたのは、「看板娘を連れて来る事」。
幽霊と呼ばれ虐げられていた心優しい村娘と、自己肯定感低めの牛鬼の倅。あやかし達によって出会った二人の恋の行く末は……?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 21:30:10
129135文字
会話率:43%