【毎日21:10頃投稿予定】
表向きは明るく社交的、でもどこか冷めた視線で周囲を観察している高校生・芝浦山手(しばうら やまて)。
彼の退屈しかけていた日常は、クラスでも異彩を放つ、クールでミステリアスな同級生・城之崎光哉(きのさき こ
うや)に興味を持ったことから、静かに色を変え始める。
誰とも深く関わろうとせず、休み時間はいつも一人で本を読んでいる城之崎。
何を考えているのか掴めない彼から、芝浦はなぜか目が離せない。
観察を続けるうちに気づいてしまったのは、城之崎が校内の人気者である後輩・鷲那豊樹(わしな とよき)だけに向ける、特別な――そして、どこか切なさを秘めた眼差しだった。
この感情は何なのか?
近づきたい、知りたい。
でも踏み出すことを躊躇してしまう。
不器用な視線が交錯する彼らの少し歪で切ない青春が、静かに動き出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 21:10:00
153535文字
会話率:22%
春の人事異動で出会ったふたり――日々の仕事に丁寧に向き合う優衣と、環境の変化に静かに身をゆだねる昌宏。仕事と家庭の両立に追われるなかで、優衣はいつしか自分自身の時間を見失いかけていた。一方、年齢を重ねた昌宏にもまた、口には出さない孤独や疲れ
があった。何気ない会話、交差する眼差し、小さな共感の積み重ねが、ふたりの距離を少しずつ近づけていく。華やかではなくても、確かに胸に灯るものを見つけながら、それぞれがもう一度、自分の人生と向き合っていく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 20:00:00
36378文字
会話率:22%
その女の名はレイナ・ヴァルティス。
剣の道を極めし者。かつて百人の騎士を一人で退け、「蒼の死神」と呼ばれ恐れられた。
だが、村の子どもが彼女を見上げる時、憧れではなく怯えの眼差しを向ける。
商人たちは目を逸らし、旅人は彼女を男と間違
える。化粧もせず、髪は短く、所作は荒く。
誰もレイナを「女」とは見ない。
そんな彼女の元に、一人の男が訪れた。
「……剣を、教えてほしいんです」
男の名はユリウス。細身で、力もなさそうで、どこか頼りない。
だが目だけは真っ直ぐで、嘘のない光を宿していた。
「お前が? 剣を?」
「はい。僕にも……守りたいものが、あるんです」
仕方なく、レイナは教えることにした。半日で逃げ出すと踏んでいたからだ。
だが──
「ユリウス、飯はまだか」
「もう少しです。今日は山菜のスープと、干し肉の赤ワイン煮ですよ」
彼は料理が……いや、家事すべてが異常に上手かった。
特に料理は絶品。口に入れた瞬間、レイナの眉間がゆるみ、思わずため息が漏れるほど。
いつしか彼女は、剣を教える代わりに料理を教わるようになった。
剣術指南の合間に、台所で包丁を握る二人。
刀の柄よりも軽やかに、レイナは鍋をかき混ぜる。
「……なんで、私がこんなこと……」
「へへ、でも似合ってますよ。エプロン姿、かっこいいです」
その言葉に、レイナは頬を赤らめた。
誰も自分を「女」として見てこなかった。
だがこの男は──恐れず、侮らず、ただまっすぐに自分を見ていた。
──こうして、「最強の女剣士」と「最弱の料理人」は、ゆっくりと心を寄せ合っていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 18:25:53
8044文字
会話率:40%
古都アルテリオ。
再開発の波が押し寄せるこの街の片隅で、カフェを営む女性ミラ・アマリは、誰にも明かしていない“特別な嗅覚”を持っていた。
香りの違いから人の心情や秘密さえも察するその力を、静かに日常に役立てて生きている。
そんな彼女の前に
現れたのは、無口で鋭い眼差しの男――元刑事のソーレン・ウルフ。
裏社会で噂される犯罪組織〈レイブンバンク〉を追う彼との出会いが、ミラの日常を大きく揺さぶっていく。
殺人事件、消えた美術品、過去の記憶――
そして、互いを支え合うように歩み寄るふたりの心。
特殊能力の存在する1980年代風の世界を舞台に、
“香り”が導くミステリーと、“信頼”が結ぶラブロマンスが交差する。
※編集・校正の一部にChatGPTを使用しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 21:20:00
18656文字
会話率:24%
切なくて、どこか色っぽくて。笑って泣ける、愛情と友情の感動ストーリー。
―― あなたは一人ではない ――
すらりとした見た目で、元運動部の筋肉質。長い人差し指で眼鏡を持ち上げ、理路整然としたショウジ。
その風貌からも、「淡々としていてク
ールだ」と周りからは評されるが、実際は大きな難問を抱え、強引に夢の世界へ落ちる日々を過ごしていた。
大学で出会った友人、純粋無垢で天然ボケな遊の発言に、「何を言ってるのかわからない」とたびたび固まりつつも、居心地の良さを覚えていたある日、遊の紹介で、ひとつ年上の先輩、力也と会うことになる。
指定場所は、【ウィンク・ハート】なる喫茶店だった。
まるで洋館のようなアンティーク調の店内。窓から差し込む太陽の光。サイフォンから漂う、コーヒーのいい匂い。
人知れずロマンチストでもあるショウジは、ウィンク・ハートに胸が高鳴り、おおらかなマスターともすぐに打ち解ける。
そして、力也と対面を果たすことになるのだが……。
【※以下、ネタバレを含みます】
力也を目の前にしたショウジは、息をのんでしまう。
華奢な身体、さらさらの黒髪、長いまつげと、黒い瞳。白い肌に、柔らかそうな唇。
甘くて、濃厚で、上品な、いい匂い。
穏やかな声と、優しい微笑みで挨拶をされ、全てが自分と異なる力也を前にし、ショウジは今までに感じたことのない衝撃が体に走ってしまう。
しかし、力也は微笑みの裏でトラウマを抱え、うまく眠れない日々を過ごしていた。
光を失う黒い瞳、寂しそうな眼差し……。心配するショウジだったが、ウィンク・ハートで開催される小さなコンサートで、力也の歌声を聴くことになる。
僕を月に連れて行って――――?
力也の清らかな歌声と、身をよじって歌う艶っぽさに、鼓動が高鳴るショウジ。
俺が守りたい。そう思いながらも、会うたび、声を聞くたび、あと少し、もう少しと、力也に近づきたくなる自分に戸惑ってしまう。
「この感情を解いてしまって、力也さんに会えなくなったら嫌だ」
月に近い力也の家で、その愛しい寝顔を見守りながら、気持ちを偽ろうとするショウジ。
だが、友情に熱く、正義感の強い遊に諭され、励まされ。
ショウジは自分が抱える偏見と難問に向き合い、力也に思いを伝える決意をする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-25 21:09:15
172010文字
会話率:39%
大陸法が制定されてから各国は平和を満喫していた。そんなある国の王立学園で開かれたお茶会に、招かれざる客が現れた。招かれざる客というのは、この国の第一王子とその側近候補たち、それから彼らに囲われている男爵令嬢のことである。難癖付けて喚き散らす
彼らのことを、お茶会の主催者の公爵令嬢を筆頭に客の令嬢方、だけでなくお茶会の準備から給仕までを行っている学園生たちは、とても冷ややかな、いや、侮蔑を隠しもしない眼差しで見詰めるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 20:52:42
8289文字
会話率:37%
望めば手に入り、命じれば従う――
美しい妹たち、従順なメイド、完璧な屋敷と環境。
少年はすべてを持ち、すべてを操る力を手に入れた。
その力をもって、彼は好き勝手に振る舞い始める。
欲望に任せて、世界の裏側を歩き、他者の尊厳すらも弄ぶように
なっていく。
それでも、彼の中には消えないものがあった。
無垢な妹たちの笑顔。
そして、黙って見届ける執事長の眼差し。
――唯一、彼を“人間”として繋ぎ止める存在。
だが欲望は、やがて境界を超える。
取り返しのつかない一線を越えたとき、
少年は初めて「自分の世界ではない現実」と向き合うことになる。
これは、欲望のままに生きた少年が、
その代償を知るまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 22:00:00
28011文字
会話率:44%
勇者パーティに新たに加わった新人回復役、リーナ。
任務だって命がけ、毎日修羅場――だけどそんなことどうでもいい。
だって彼女は、騎士団長のカイルに一目惚れしていたのだから!
鋭い眼差しに、無駄のない剣さばき、そして誰にもなびかないクールさ
。
完璧すぎるその姿に胸キュンしたのも束の間――
「パーティ内恋愛は禁止だ」
はい!? 聞いてないんですけど!?
そんならこの堅物団長を落としてみせようじゃないの!
恋愛脳な新人ヒロイン vs 鉄壁ガードの騎士団長。
じわじわ距離が近づいていくパーティ冒険ラブコメ、今ここに開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 12:40:40
713文字
会話率:35%
現実世界で15歳の気弱なニートとして日々を過ごしていた少年カイトは、ある日突然、自室を包み込む眩い光と共に、見知らぬ異世界へと転移してしまう。そこは二つの月が輝き、紫の木々がそびえる幻想的な森で、カイトは自分がゲームや漫画の世界でしか知らな
かった「異世界」に来てしまったことに恐怖と混乱を覚える。
異世界の魔物に襲われ、絶体絶命の危機に瀕したカイトだが、その時、彼の体の周囲に半透明の「拒絶の障壁(リジェクション・バリア)」と呼ばれる防御膜が発現する。この未知の力によって魔物から身を守ったカイトは、やがてたどり着いた集落で心優しい老人に保護される。
老人の話によれば、カイトの持つバリアは、異世界の魔力や「瘴気」から身を守る、ごく稀に現れる「選ばれし者」の力だという。ニートで何一つ取り柄がないと思っていた自分にそんな力があることに戸惑いつつも、カイトは老人からこの世界の文化や言葉を学び、少しずつ慣れていく。
ある日、集落を襲う魔物と対峙したカイトは、恐怖に震えながらも、老人からかけられた「一歩ずつ、前に進むことを恐れるな」という言葉を胸に、自らのバリアを応用して魔物を退けることに成功する。初めて誰かの役に立てたという達成感と、人々の感謝の眼差しに触れ、カイトの心にはこれまでになかった希望の光が灯る。
長老たちに力を貸してほしいと請われたカイトは、ニートだった自分とは違う「始まり」を選び、この異世界で新たな人生を歩み出す決意をする。彼の「拒絶の障壁」は、かつて現実を拒絶していた彼自身の心の象徴でもあったが、この異世界では、新たな可能性と希望を切り拓く力となるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 09:00:00
5717文字
会話率:33%
結婚を目前に控えた女性、陽菜。彼女の心は、愛する婚約者との未来への期待と、どこか満たされない疼きで揺れていた。完璧な結婚式を夢見て進む準備の日々の中で、彼女は一人の男性と出会う。結婚式のプランナー、涼真。彼の鋭い眼差しと優雅な仕草は、陽菜
の心に静かな波紋を広げた。
ある夜、婚約者の不在と苛立ちが重なり、陽菜は涼真の誘惑に直面する。禁断の情熱が燃え上がる瞬間、彼女は自分の心の奥に隠していた欲望と向き合わざるを得なくなる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 19:19:37
2623文字
会話率:40%
桜坂花蓮が入学した、清流高校は水泳部の強豪校ではなく、どこにである普通の学校だった。そんな彼女は興味本位で、部活動掲示板を見に行く。その時に、1人の少女に声を掛けられる。中学時代、同じ水泳部で汗と涙を流した、南條愛美だった。
そして、真剣な
眼差しを桜坂花蓮に向けて一言呟いた。
『水泳部に入らないの?』
これは、青春の全てを水泳に情熱を注いだ、高校生の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-20 12:00:00
20446文字
会話率:58%
結婚して五年目。
そろそろ子供が欲しいと言っても素気無くされる夫の秘密を偶然知ってしまった。
冒険者ギルドにサポーターとして登録している私――シーラの夫リオンは、結婚したらあまり行かなくていい遠征に月の半分以上行っていた。
その間サポータ
ーとしてクエストに行った私は、偶然夫の姿を見てしまう。
彼は一人ではなかった。
彼のそばには優しい眼差しで見ている母子がいた。
リオンの事を「パパ」と呼ぶ女の子。リオンが腰に手を回す女性。
それは紛れもなく家族と呼べる光景だった。
【ご注意】
※作中に「私生児」「婚外子」と表現があります。
婚姻中の不貞で生まれた子は「私生児」、何らかの要因でシングルで生まれた子は「婚外子」とし、明確に差別化をしています。この異世界この国独自の文化となりますので実際とは異なります。
また、作者の他作品とも関係ありませんのでこの作品のみの解釈と認識していただきますようお願いします。
※作者の脳内異世界のお話です。
※執筆集中の為感想欄は閉じています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 22:17:45
160470文字
会話率:36%
3部作になります。
──炎と無。
決勝の鐘が、静かに鳴り響いた。
灼熱の火柱が吹き上がる闘技場。
観客席は息を飲み、舞台の中央に立つ二人の存在を見守っている。
「これより──《第一学園精霊トーナメント・決勝戦》を開始します!」
華や
かな司会の声が響く中、ゆっくりと歩み出る少年。
リオ=バーンレッド。
入学初日に《基本属性最強》の火の精霊《イグニア》と契約しながらも、
一切の武器も魔具も用いず、己の拳一つで戦い抜いてきた異端のファイター。
紅蓮の炎を纏いながら、彼の肉体はまるで鋼のように引き締まっている。
対するは、静かなる気品を纏う少女。
シエラ=アルフィネ。
第一学園の絶対的存在にして生徒会長。
契約する精霊は、あらゆる能力を“無”へと還す《ゼロの精霊》──《ノルデン》。
白銀の髪を風に揺らし、冷ややかな眼差しでリオを見据える。
(ようやく……ここまで来た)
入学式の日、ただ落としたハンカチを拾ってくれた──それだけのきっかけだった。
けれど、その一瞬で、彼は生徒会長シエラに一目惚れしてしまった。
ただ話したかった。笑ってみたかった。
だが、彼女は“生徒会長”という高嶺の花で、周囲すら近寄らせない壁の向こう側にいた。
ならば──
拳と炎で、正面から突破するしかない。
「俺はあんたに、伝えたいことがある」
「その言葉、私を倒せたら聞いてあげる」
風が止む。
シエラが静かに手を掲げ、無の力が空間を侵食する。
「──すべてを静止せよ。《虚無領域》〈アブソリュート・エリア〉」
全ての術式、全ての魔力、その発動を拒絶する無の結界が広がっていく。
だが、リオは豪快に笑った。
「だったらちょうどいい。拳には、無効も何も関係ねぇ!」
背後で咆哮する火の精霊《イグニア》。
リオの両拳に、炎の奔流が宿る。
紅蓮の闘志と、静謐なる無がぶつかり合う。
拳 vs 無。激情 vs 理性。
その激突の先にあるのは、想いの告白か、敗北か。
《開戦!》折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 19:50:25
61725文字
会話率:37%
犬好きな唯は日課のウォーキングをしていたが酷暑に体力を奪われへばっていると道すがらしんどそうに散歩している小型犬たちとすれ違い心配になってしまう
そんな折、リードも飼い主もいない美しいハスキー犬が息切れもせず凛とした眼差しで歩いていたのを見
かけるのだが…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-18 22:44:48
1050文字
会話率:64%
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも
、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、ちょっと…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※お話の進度は遅めです。
※この作品は他サイト様にも投稿しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-18 21:00:00
578177文字
会話率:57%
長い入院生活をしていた病弱美少女、五十鈴蘭子。
中学一年で学生デビューを果たす。
右も左も分からない学生生活で待っているのは未知の連続。入院中に書き残した「元気になったらやりたい100のこと」を達成できるのか?
頼りになるのは
主人公、園田庭人だけである。
五十鈴さんと出会う前は平凡な毎日を送っていた園田くん。薄幸の美少女五十鈴さんに頼られ、周囲から集まるのは嫉妬の眼差しだった。
しかも二人が入学した華岡学園は、生徒誰しもが主人公になれるほどの個性派揃い。発展途上な天才たちに囲まれ、果たして二人は普通の学生生活を送れるのか?
緊張で周囲から誤解されがちな、高貴な見た目のノルウェー系ヒロイン五十鈴さん。そんな美少女が学校に通う夢を叶え、様々な騒動を巻き起こす学園ストーリー!
一年編 コメディー
二年編 ミステリー
三年編 ラブコメ
高校編 アオハル
学年ごとにを区切って執筆しますので、プロローグを読んで頂けたらお好みのジャンルだけ読めます。
“㋨”はやりたいことノート達成の印です。
ノート達成残り“76”
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週に一話更新します。
感想の返信は控えています。
感想、いいね、誤字報告、いつもありがとうございます!
注意
一年生は完結していますが、構成に問題があったので再投稿しています。二年生編の再開は六月頃を予定しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-18 20:00:22
262717文字
会話率:48%
耳鳴りが始まったのは、いつからだっただろうか。
否、正確には――耳鳴り「という言葉でしか括れぬ何か」が、僕を蝕み始めた時のことを、僕自身がよく覚えていない。朝の街を歩いていたときか、夕暮れの駅で、誰かの罵声を遠巻きに聞いたときか。あるい
は、それよりずっと前、母の胎内でさえ、既にその「ざらついた残響」は響いていたのではあるまいか。
ヴィジュアルスノウ。
視界に走る白い砂嵐。
目を閉じても、まぶたの裏でさえも消えない雑音の粒子。
それは、ただの病だと医者は言う。脳の誤作動、視覚皮質の異常な興奮。
だが、僕には信じられない。
あれほどに確かな“意味”を持ったノイズが、ただの電気信号の誤作動などで済まされてよいものだろうか?
街を歩けば、人の顔が溶けていく。
電車の窓に映る自分の輪郭さえ、まるで濁った水に描いた炭の絵のように、曖昧で、醜くて、崩れている。
それでも、僕には見えてしまうのだ。
――薄汚い「人間」の姿が。
偽善の笑顔に宿る、打算の軌跡。
親切の裏に潜む、支配の欲望。
恋慕の眼差しの奥でうごめく、破壊への衝動。
そのすべてが、白い砂粒となって視界を侵し、金属音めいた耳鳴りとなって僕を貫いてくる。
これは病か。
それとも――啓示か。
神よ、答えてくれ。
なぜ僕だけが、こんな世界を「見せられて」いるのだ?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-17 22:43:32
1104文字
会話率:3%
2040年世界に突如として、スキル、と呼ばれる能力が発現する。
どんどん良くなっていく生活。
いくつもの世界問題の改善。
世界は更により良くなっていく………はずだった。
主人公 田中伸太はスキルを"一応"持っている一般人
……いや、底辺男であった。
運動も勉学も平均以下、スキルすら弱過ぎるものであった。平均以上にできると言ったらゲームぐらいのものである。
だが、周りは違った。
周りから尊敬の眼差しを受け続ける幼馴染、その周りにいる"勝ち組"と言える奴ら。
なんで俺だけ強くなれない…………
なんで俺だけ頭が良くなれない…………
周りからは無能力者なんて言う不名誉なあだ名もつけられ、昔から目立ちたがりだった伸太はどんどん卑屈になっていく。
友達も増えて、さらに強くなっていく幼馴染に強い劣等感も覚え、いじめまで出始めたその時ーー青年が目覚める。
魅せつけよう。この世の人間全てに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 00:15:45
1131034文字
会話率:36%
帝都・青龍京の寂れた路地裏に、心に深い傷を抱え、ひっそりと暮らす老女、お里がいた。五年前に唯一の息子を亡くして以来、彼女の心は光を失い、ただ悲しみに囚われた日々を送っていた。
そんなある夜、お里の前に、一匹の真白い狐が音もなく現れる。言葉
を交わすことはないが、静かに寄り添い、温かい眼差しを向けるその存在に、お里の凍てついた心は微かな潤いを取り戻していく。白い狐は、お里の心の奥底に眠る、純粋な「祈り」の力に気づいているかのように、そっと彼女を導き始める。
なぜ、この白い狐はお里の元に現れたのか? そして、彼女の祈りは、路地の奥にひっそりと佇む朽ちた祠に隠された、人知れぬ「何か」に光をもたらすことができるのか――。
これは、深い悲しみの中にあった老女と、言葉なき白い狐が紡ぐ、心の再生と、儚くも温かい絆の物語。闇の中にこそ見出す、静かな光の気配を、どうぞお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-13 20:10:00
4646文字
会話率:10%
写真部の高校生・藤城岳は、ふと立ち寄った【紫陽花ロード】で、雨の中突然現れた少女・七海と出会う。
彼女と交わした言葉と眼差しが、迷いの中にいた彼の世界を変えた。
しかし、確かにそこにいた少女は、シャッター音とともにまるで夢のように消えてしま
った。
紫陽花とともに記憶に咲く、淡く切ない二日間の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-10 20:50:13
5038文字
会話率:29%