群馬県藤岡市を流れる鮎川のほとりにある割烹旅館に逗留中だった塚原憲司(三十歳)は、通りすがりの中年女性から、鮎川に架かる鷺橋にまつわる奇妙な言い伝えを聞かされる。端の欄干に毎晩石を積み上げてゆく、丑の刻参りのような復讐の願掛けがあり、しか
も現在何者かがその呪いを実行しようとしているというのだ。結願(けちがん)の日は近くの神社の祭日に当たっているという。
憲司は旅館の主の娘、木村美緒と親しくなり、彼女の案内で近所を見物してまわるが、その夜、ふとした偶然から、鷺橋に願掛けに向かう美緒の姿を目にする。彼女は、親友の本間瑞希を中傷して自殺に追い込んだ島崎という男への復讐を祈願していたのだった。
かつて、自分がインフルエンザをうつしたせいで妹を死なせ、トラウマから右手の薬指と小指に麻痺を持つ憲司は、妹のように思える美緒の激しい思い込みを心配し、願掛けを思いとどまらせようとするのだが……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-05 13:37:37
23675文字
会話率:53%
1,000字完結の「千夜千字物語」をスタートさせました。さまざまなジャンルで紡ぐ物語。楽しんでいただけたら幸いです。
最終更新:2024-04-01 14:57:58
991文字
会話率:12%
一目惚れ、夏祭り、赤い欄干、あやかし。夏に出会った大切な人。
新人編集者の壱哉は作家の瑞季に恋をしている。
二人は、瑞季のリフレッシュも兼ねて温泉旅行へ。
夏祭り、赤い橋に現れるあやかし。
壱哉の恋の話です。
最終更新:2024-04-01 14:53:48
10426文字
会話率:45%
全部で4部作の短編集ですが、焼きそばは①② とで、完結になっています。 黒い天使は、欄干から飛び降りたはずの未以華は空中で全身真っ黒の翼のある天使に受け止められるが、次の瞬間飛び降りる前に戻っていて欄干に持たれていた…等、短いのですぐ読め
る作品になっています。インスピレーションが沸いた題名から気楽に楽しんでください。
前にカクヨムに投稿したもののリメイク作品になります。
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最終更新:2024-03-31 16:00:00
681文字
会話率:0%
「江戸時代、紙屋で働いていた一人の若者が、店のお嬢様と恋に落ちた。若者は大旦那様に結婚の許しを得ようとしたのだけれど、はねつけられた。それでもあきらめない、何度も何度もやってきて畳に頭をこすり付けて懇願する若者に、大旦那様は言ったの。空を
飛んでみせろ。そしたら娘はお前にくれてやる」
想いを告げてくれた彼に対して、わたしはこんな話をしている。遠まわしに断られていると思ったかもしれない。
「それって天地がひっくり返っても、お前なんかに娘はやらないっていっているようなものだよね。だって江戸時代だろ?」
「でも、彼は飛んだのよ」
「何と」
「紙屋の技を活かしてね。和紙と布と竹の骨組で、とんでもなく大きい翼を組み立てたの」
「ハング・グライダーだ」
「そう、イギリスの誰だかがハング・グライダーでの滑降に成功した、その何十年も前のこと。ライト兄弟による飛行機発明の百二十年前。数え切れないほどの試作を繰り返して、ある夏の日、彼は橋の欄干から飛んだ。恋人の見守る前で。そりゃ物凄く怖かったろうけど一生に一度の勇気を出して、世界で初めて彼は飛んだ」
「で、ハッピーエンド?」
なんてあこがれる言葉だろう、ハッピーエンド。わたしは首を横に振った。
「残念ながら。夕涼みしていた町人たちが大騒ぎしちゃってね。本気で天狗が飛んできたと思ったみたい。彼、名前は浮田幸吉っていうんだけど、役人に取り押さえられて町から追い出されたそうよ。恋人ともそれっきり」
「罰が厳しいなあ」
「殿様の頭上を飛んだのがまずかったの」
「文字通り頭が高いってやつか。ところで、ということはだ。この場合みどりは紙屋の大旦那様で、俺がその浮田幸吉って人なのかな」
「ひどいでしょ、わたし。あきれてくれていいよ」
「こんなことであきれるくらいなら」
彼は、その先は言わずに微笑んだ。
わたしは彼に告白された。つきあってくれといわれた。その返事としてわたしは要するに、なにか凄いことをしてみせてくれたら、つきあってあげてもいいよと言っているのだ。
愚かしいほどに、頭が高い。
雨が窓ガラスを、わたしのことを咎めるようにたたき続けた。
あなたは何様ですか。そんなことをしてもらえるような、上等な人間なのですか。
本当はわたしにだって分かっている。
空を飛ぶべきはわたしなのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-29 02:11:07
148922文字
会話率:37%
「一目お会いしたいです、婚約者様!」https://ncode.syosetu.com/n6198im/
のヒーロー視点のお話です。
マリウスには婚約破棄されることが前提の婚約者がいた。幼い頃にその存在聞いただけで、会ったこともなかく、い
ずれ関係が解消されると聞き、マリウスが彼女に興味を持つことはなかった。
学園に入学後も婚約者の存在など忘れてしまうほど、勉強や王子殿下の相手に忙しく過ごしていたのだが、あるとき、自分の婚約者が顔も知らない自分のことを探していると知り?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-20 20:00:00
12095文字
会話率:37%
「く、来るなぁ! 誰も近寄るなぁ!」
とある町の橋。そこで一人の男が欄干の上に立ち、声を張り上げていた。
来るなと言われるとなんだなんだと集まるのは人の性。
男を囲むように遠巻きに三日月状の人だかりができ
ザワザワヒソヒソと男の動向を
見守る。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-14 11:00:00
1655文字
会話率:40%
高校二年の朝倉大雅(あさくらたいが)十七歳は、学校の終わりに祖父の経営する甲賀の郷・忍者屋敷の仕事を伝っていた。
そんな中で起こった新型コロナウィルス感染症は、世界を大きく狂わせる。
その影響は日本経済を直撃し、不況は深刻さを増した。
橋の欄干(らんかん)に立つ若者の姿を見付けた大雅は、飛び込む直前に救い出すが、その代償はあまりにも大きかった。
死んだはずの大雅の目の前には別の、異世界が広がっていた。そこには猿に代わって猫が進化した猫人間が繁栄していた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-24 23:03:57
96566文字
会話率:43%
15歳のイゼリア・キカン・ユウコットは騎士になりたくて採用試験を受けまくる熱血漢だ。
熱意とヤル気だけは人一倍あるが、どうしても試験に受からず、騎士になれない日々にヘイトを溜め込んでいた。
ある日、幼馴染にダメ出しされ、妹にもイタイところを
突かれ、激昂する。
苛立ちのまま橋の欄干を蹴り飛ばしたイゼリアは、橋を破壊し数メートル下に落下。
気がつくとイゼリアの中に知らないおっさんが混ざり合っていて…。
タドコロ ソウジュウロウと名乗る36歳のカイシャインだという彼と紡ぐ物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-07 18:43:39
2818文字
会話率:100%
主人公は人生で二度目の告白を同級生にするも、「今は無理」と体のいい断られ方をしてしまう。そして、翌日には、人生で初めて告白した幼馴染にもなぜか冷たくあしらわれ、意気消沈してしまう主人公。その後、橋の上で誤って落としそうになった携帯を掴もうと
欄干から身を乗り出すと、主人公が自殺しようとしていると勘違いした、友達の女の子が「もう離さない」と後ろから抱き締めてくる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-07 14:17:30
15194文字
会話率:63%
名前も顔も分からぬ女を無意識に探し求める感情に悩まされている吉沢は、他人の波動が読み取れる能力を持つ部下の緑崎から、それは「前世の記憶」だと言われる。
吉沢が監督する工事現場の近くに村を水没させて造成したダムがあり、同じ職場の赤岩が、この
ダムの周辺の補修工事を担当する。
吉沢はその関係で、ダム管理事務所の職員、松岡と出会う。
松岡は頻繁に山中へ入るが、その間の記憶はなく、赤岩やダム管理事務所の所長を困惑させていた。
ある日、吉沢は沢へ転落した松岡を救出する。
だがその時の松岡は、全身から花と蜜の香りをさせて吉沢を雅成と呼び、「探し物が見つからない」と泣き、気を失う。
これがきっかけで、吉沢は松岡が自分と同じマンションに住んでいることを初めて知る。
また、近隣に住む老人達は吉沢と松岡を見て、「過去に存在した人物と生き写しだ」と口々に言う。
そんな当惑の中、緑崎も、「松岡が前世の記憶に憑依されているので関わるな」と吉沢に忠告する。
だが松岡は吉沢に急接近し、同時に周囲の者をも巻き込みながら、吉沢を恐怖のどん底に突き落とす――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-10 06:00:00
82272文字
会話率:43%
ある夜、彼はいた。
欄干に佇んでいた彼が何をしようとしているのかは、その光景を見たものにとっては手に取るよりも明らかな真実であったのだった。
最終更新:2021-12-07 21:30:06
5787文字
会話率:38%
反少年4あらすじ
二学期に入り、秋もたいぶと深まって来たある日。
主人公であるヨシオが学校から帰っていると、
途中の橋の欄干に一人の女子高生が佇んでいて、
そこから飛び降りようとしていた!
それを見たヨシオは慌てて止めようとするが、
その
拍子に自分が橋から落ちてしまう。
何とか川から這い上がり、彼女の話を聞いてみると、
どうやら彼女は恋の悩みで生きているのが嫌になり、
橋から飛び降りようとしていたのだとか。
しかもその恋の相手は、ヨシオの身近なあの男だった・・・・・・。
反少年主義を掲げるヨシオのドタバタな物語が、再び幕を開ける!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-16 06:00:00
67778文字
会話率:32%
「退いてくださいませんか?」
そう――あからさまに態度で示していたのに、弾き飛ばされた傲慢な出来事。
譲り合いの精神が失われていっているような。
そんな気がします。
最終更新:2020-01-25 02:00:00
217文字
会話率:0%
欄干にもたれていると、現実と虚構にとらわれて。
最終更新:2019-10-12 02:15:25
2268文字
会話率:0%
7歳の時
交通事故に遭って死んだ少年 里井【さとい】速士【はやし】
けれど、彼は死んで『幽霊』になっだ?!
幽霊になっても平凡な生活はできたが
最大の問題点が誰にも自分の姿が見えないということ。
少年は自分の知識が後れないためにでも学校に行
って欄干に座って授業を聞く。
でもある日学校に美少女転校生が来たのに
その美少女は彼の姿が見えた?!
幽霊 里井【さとい】速士【はやし】を囲んだラブコメディー
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-08 17:00:00
1578文字
会話率:69%
女が一人、昼間の楼閣の欄干に、もたれて唄っている。
最終更新:2019-02-27 21:29:42
407文字
会話率:0%
大学三年の夏休み、私は実家で腐ってふて寝をして暇を持て余していた。そこに、高校時代の元カレから連絡があった。慌てて自転車で駅に向かう。
最終更新:2018-08-21 09:20:37
2709文字
会話率:30%
仕事でくたくたになった俺は帰宅途中に、橋の欄干を飛び越えた。
ここから飛び降りれば、楽になる。
魔が差したのだ。
俺は、あまりにも心身とともに疲弊していた。
運よく……いや、悪くかもしれない。それを見ていた、ホームレスのおっさん
に助けられた。
ホームレスのおっさんは、自分のことを神様だといい、哀れな俺に「何でも願いを一つ叶えてやろう」と言ったのだ。
俺は、「母親がほしい」と答えた。
そんな事を言ってしまったのは、おっさんが勧めてきた酒に酔っていたのもある。
小さなころに死んでしまって、ずっと、友達の母親を羨ましく思っていたのだ……
勿論、おっさんが神様であることも、願いを叶えてくれるなんてことも信じちゃいなかった……のだが。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-14 01:30:08
110917文字
会話率:45%
運河を望める小さな橋の上、欄干に提げられた南京錠を、リックは一つひとつ外していく。
迷える鍵番と、無垢な愛を求める領主の娘と、ぽっと出の婚約者の三角関係のお話。
第179回コバルト短編小説「あと一歩」に残していただきました。2015年……。
最終更新:2017-07-31 22:47:06
10279文字
会話率:49%