西国から江戸まで、中仙道を旅している男女がいる。
男の名はイシ、連れの女はつる。
江戸へつながる脇街道で立ち寄っ水茶屋で、イシとつるは川のほとりの集落に住む母子と知り合いとなり、しばらくその地に留まることになった。
そこで会ったもうひ
とりの男、町の権力者の多の屋助五郎に興味をもたれ、助五郎屋敷に呼ばれることになったいし。
適当に助五郎の興味を反らして、うまくかわしたように思ったが、ある男が逃げたことで、川のほとりの集落と多の屋助五郎との争いが勃発する、
イシは、どちらにも与するつもりはなかったが、知り合った母子とつるを守るために、ずっと隠していた刀を振るうことになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-16 06:46:20
22747文字
会話率:21%
依頼人は呉服問屋・山城屋のおかみのおふじ。彼女はある人物に強請られていた。強請の種はおふじの火遊び(不倫)である。
強請っているのは坊主で、しかも高僧と名高い静謫(じょうたく)上人という人物に強請られているという。
こんな奴が名高い高
僧の訳がない、絶対に贋物だから強請り坊主を懲らしめるためにこっちも贋物の静謫上人を、と依頼してきた。
雪之丞たち贋物屋はこの依頼を受けることにするが、さてそこで問題が起こる。誰が贋坊主に化けるのかという問題が。
舞台上の坊主役となればカツラで済まされもしようが、実際に成りすますとなれば別である。つまり、誰かが実際に頭を丸めなければならないということなのだ。醜い押し付け合いが始まるところであったが、ひょんなことからその贋坊主役として近所に住む放蕩坊主が名乗りを上げた。
この放蕩坊主、名を静寛と言い、喧嘩はする酒は飲むというとんでもない坊主だったが、試しに贋坊主の衣装を着せてみれば中々に堂に入っている。それもそのはずで彼こそが本物の静謫上人その人であった。
自分のニセモノが現れてハバを利かせていると知っても特に何をするわけでもなく冷笑を持って傍観していたのだが、それが脅迫まがいのことまでしているとあっては放置しておけないというわけだ。
とにもかくにも、その贋物ぶりに気を強くした山城屋のおふじはさっそくこちらこそが本物と連れ歩いた。
強請り坊主の方は大慌てとなったが、相手もまた自分と同じく贋物であると気づく。強請り坊主は寺社方の役人に手を回し、静謫上人の本物比べを画策。
さて、本物比べの当日。後見役の雪之丞と助三(変装済み)が付き添った。だが、その日は埒が明かず結論は次回に持ち越された。
帰り道、静寛が曲者に襲われるもこれを撃退する。静寛は、用心棒についていた助三と雪之丞の出番がないほどの腕の冴えで、助三と雪之丞が訝しむ。ここで初めて静寛が本物の静謫上人であることを二人が知る。それならばそれでやりようがある、と雪之丞たちは悪だくみを始める。
そして、再び開かれた本物比べの席上に座頭の惣右衛門が立派な武士の姿にて乱入。静謫上人は元々が武家の出で、その生家である旗本の用人が首実検しに来たという仕掛けである。正体がバレて観念した強請り坊主は這う這うの体で江戸を逃げていったのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-11 10:14:15
21783文字
会話率:35%
リュウの右眼には、漫才師の歪な[間]が、ハッキリと見えている。
ボケの[間]も、ツッコミの[間]も、イマイチ歪つ。
経験を積んだ、面白い漫才師は、[間]が適度な大きさ広さで、円みを帯びている。
リュウの右眼は、完全白眼。
瞳が無い、黒い部
分が無い。
血走っているような血管も、無い。
完全、真っ白。
が、良く見ると、境は、ある。
瞳に相当する白眼部分は、心なしか、赤っぽい。
それ以外の部分は、心なしか、黒っぽい。
動き方も、異なっている。
赤っぽい白眼部分と、黒っぽい白眼部分は、別々に、独自に、動いている。
連動していない。
それが、境を、更に、際立たせている。
リュウの右眼は、見えない。
通常の風景は、見えない。
が、あるものは、見える。
それが、[間]。
[間]とか[空間の空き]とか例えられる、スペースの空き部分が、視覚的に、見える。
観念的な[間]も、物理的な[間]も、見える。
観念的な[間]で云えば、今のように、漫才師のボケとツッコミの[間]が、見える。
家族間、夫婦間、恋人間、友人間等の、心の隙[間]も、見える。
物理的には、建物の[間]とか、家具の[間]とか、物品の[間]とか、そう云ったものの隙[間]が、クローズアップされたように、見える。
その様は、SF映画やロボットアニメの、コックピット画面やゴーグル画面を、思い浮かべてもらえばいい。
よって、リュウの右眼と左眼は、全く違うものを、映し出している。
その整合性を取るのは、難しい。
脳が、混乱を来たす。
リュウは、もう、慣れてしまったが。
所謂、産まれた時から、半失明。
所謂、産まれた時から、かたわ者。
所謂、産まれた時から、中途半端。
神社を訪れる度、リュウは、左右半身を、引き裂かれる。
リュウの身体そのもの土台を、青色とするならば、
右眼を中心とした右半身は、ディープ・ブルーに、
左眼を中心とした左半身は、ライト・ブルーに、
色濃く、分けられる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-15 09:51:15
28651文字
会話率:20%
視覚でなくとも。
なにかを失ってから、分かるようになります。
最終更新:2024-02-02 00:13:56
200文字
会話率:0%
時代劇書くの初めてだから何すりゃええかわからんっちゃけんね
最終更新:2022-05-22 01:32:58
15855文字
会話率:59%
岡山県玉野市に恐ろしくも悲しい伝説がある。
今を遡ること動乱のさなかの室町時代、安芸出身の盲目の座頭たち五人がいた。
一念発起して信濃の善光寺へ参るべく、瀬戸内の海を船旅の途中であった。
ところがその全財産に眼がくらんだ船頭。座頭たちは金
品をまるごと奪われたうえ、ちっぽけな岩礁に置き去りにされ、潮が満ちてきて海の藻屑と消えたという。
それ以来、周辺では怨みを飲んで死んだ五人の無念か、すすり泣く声が聞こえたり、火の玉が飛ぶなどとよからぬ噂が飛び交った。地元漁師は気味悪がって近寄りたがらない、いわくつきの岩礁だった。
……この悲劇伝説には諸説がある。
五人とも溺れ死んだのではなく、うち一人が近くの海岸に打ち上げられ生き残ったともされているのだ。
本作は、この生き残った座頭の逸話を題材に、恣にアレンジした物語である。
岩礁から近くの無人島に命からがら逃げた座頭の一人、杜の市。琵琶法師だった。
口封じするために追ってくる船頭、鬼市郎。
因果な運命の綾糸が織り成すさなか、得体の知れない不気味な島で命がけの遊戯がくり広げられることになる……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-14 10:07:34
61867文字
会話率:13%
1853年。
地球外からやってきた『奴』により、世界は滅んだ。
残っていた最後の国日本だったが、侍達が『奴』に挑むも強靭な肉体や強力な異能の前に敗れ去ってしまった。
そして生き残った侍は三人。
新選組一番隊隊長沖田総子。的矢の用心
棒で隻眼隻腕の丹下右膳。ヤクザで盲目逆手居合の達人座頭道。この三人は命を懸けて『奴』と闘おうとした。
捨て身の覚悟で『奴』に挑もうとしたその時……異世界から三人の人物が彼女たちの前に現れたのだ。
金属を操る能力者に笑いを竜巻に変える能力者、音の衝撃波を生み出す彼らは、沖田達に協力し、何とか『奴』に傷を負わせることに成功し、異世界へと逃げおおせた。
気を失っていた一行は目を覚まし、日本が滅んだことを知った。様々な想いを抱く彼女たちは、異能を発現させた。体を硬質化したり、自身の周囲を闇に包みこんだり、強力な毒を生み出す異能だった。
彼女達はその異能を使って『奴』に復讐を誓うが、再び挑んでもまた負けるのではないかという結論に至った。
そんな彼女たちは異世界の技術を使って過去に戻り、日本昔話の主人公たちを仲間にしようという計画を立てたのだ。
そして彼女たちは桃太郎やかぐや姫、一寸法師と言った、昔話の物語の主人公達に協力し、物語を完結させ、仲間にするという旅に出る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-16 12:11:19
51673文字
会話率:67%
猫の仙人が良い人間には良い報いを悪い人間には悪い報いを与える物語。
最終更新:2019-10-29 13:45:24
16070文字
会話率:63%
『Imaginary Neuronetwork Globes』
通称『The iNG』。誰もが夢見た仮想世界で現実世界と同じ体験をする技術。
西暦2150年に完成したこの技術は、医療機器として発達した後に、アーケードゲーム筐体としてその
後、世界中に広まることになる。
それから百年後の西暦2250年7月1日。
天才科学者『茅歳・黎彦』により、遂に『ING』を搭載した史上初の家庭用VRゲーム機が完成し、VR専用ソフト『セイバー・ファンタジア』とともに発売される。
しかし、黎彦はゲーム機の回線機能を乗っ取り、一万人に及ぶゲームプレイヤーを電脳空間に閉じ込め、宣言する。
「101階層あるこのゲームのダンジョンをクリアしろ。ゲームオーバーは死だ」
こうして、史上最悪のデスゲームは幕を
「何温いゲームしてんだよ。デスゲームだろ?だったらプレイヤー同士で殺し合い位させろよ」
開けなかった。
何故なら、そのゲームには『ING』最悪のゲームと呼ばれ、電脳世界の伏魔殿と呼ばれる『幕末人斬り伝』のプレイヤーランキング百八位『座頭市』が存在していたからである。
「俺より強い奴なら幕末の世界に後百八人いる。そいつら全員連れて来い」
知る人ぞ知る凶悪なサバイバルゲームであるそのゲームは、プレイヤーがあまりにも人間離れした超人や天才が集い、人外魔境の空間と化していた。
これは、そんな人外魔境の電脳空間に巣食う百九人の超人たちが、電脳空間で暴れ、リアル世界を混沌の渦に叩き落す物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-18 05:00:00
43553文字
会話率:31%
先天性緑内障(せんてんせいりょくないしょう)で、産まれた時から目が見えない神白 詩音(かみしろ しのん)という少年(男の娘)が、親友であり幼馴染である柳 竜(やなぎ りゅう)と共に異世界に召喚される。
目が見えないというハンデを負いながら、
現世で幼い頃から鍛えてきた居合術と心眼で異世界を旅する、予定(笑)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-15 05:02:13
12348文字
会話率:36%
「具体的にはどういうことが不幸なんですか?」
歩けばなにもないところで転け、通学路はいつも工事中で通れず、買ったプラモはいつもパーツが欠けてる、そして街に出ればいつも職務質問を受ける。そして今日もお弁当がグシャグシャになっていた。絵に描い
たような不幸少年フジ。
「『犬も歩けば棒に当たる』と言うように、人間生活していればなにか起こるものです!
なにもない人生のほうが不幸ですよ!」
部長で風水の研究をするタカミ
「匂い――嗅覚はぁ、人間の記憶に残りやすい感覚なんですよぉ。だからぁ、皆さんといい香りのするお茶を飲みながら楽しい時間を作るぅ。それが幸せな思い出を作る方法だと思ったんですぅ」
匂いで幸せを求めるナスナ
「――私の神様はひとを救わない」
「私の神様はひとに試練を与えるだけ……。
試練を乗り越え――その先に幸せと呼べるものがある」
自信で宗教を作ってしまったセン
「手相は人生の尺図みたいなものだからねっ。
明るい笑顔のグラビアアイドルも、手相を見たら暗い過去を背負っていることが見えたりすることもあるよっ」
手相から幸せを研究するケント。
「僕の不幸体質はかなり幼い頃からみたいで、生まれる直前に病院の一分施設が停電して、懐中電灯の明かりの中で生まれたらしいんだ。その病院の偉いひとの不祥事が発覚して別の病院に移されたり、家に帰る直後に交通事故で怪我したり、お父さんが金縛りに合うようになったり、いろんな出来事が起こったんだ」
「それを知ったお母さんが『そうする』ようになったんだ」
不幸少年フジにはもうひとつ秘密があるようです。
様々な方法で幸せについて模索する幸福部との交流で、不幸少年が少しずつ変わっていくお話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-04 12:00:00
111429文字
会話率:42%
ー こんなレースは、見たいけどあってはならない⁈ ー
・レーサーひとりひとりコースが明らかに違う。贔屓!
・レースなのになぜか障害物競争。目の前には座頭市が抜き身の刀構えてる
・クラッシュ炎上後、レーサーがどーもーと、出囃子で登場。
・
勝利者インタビューで聞かれるのはいつも震災のことばかり。レースのことは聞いてくれない。
・世界的なレーサー、ピットではお母さんに頭が上がらない
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-16 18:56:22
376文字
会話率:8%
身体や臓器に先天的または後天的な障害を持つ者を差別するという重たい社会設定の中、地下に暮らす盲目の座頭市と、片腕の八咫烏と呼ばれる女がテロ組織相手に立ち向かう。アメブロに重複投稿しております。http://ameblo.jp/fellow-
again/entry-12105932475.html折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-02 11:46:43
23188文字
会話率:48%
橋本ちかげさんとの時代劇共作企画!暴政を極めた室町将軍が所持した不吉な秘宝『鬼室(おにむろ)』を追い、一路大友宗麟の待つ九州へ!星震(ほしふり)の巫女剣士・初震姫(はつふりひめ)と出雲御師の青年剣士・小野桐峰がゆく、剣劇時代劇、ここに開幕!
橋本ちかげさん作『伝:初震姫』サイドと隔週更新予定です☆折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-21 09:00:00
76927文字
会話率:27%
九藤朋さんとの時代劇共作企画!暴政を極めた室町将軍が所持した不吉な秘宝『鬼室(おにむろ)』を追い、一路大友宗麟の待つ九州へ!星震(ほしふり)の巫女剣士・初震姫(はつふりひめ)と出雲御師の青年剣士・小野桐峰がゆく、剣劇時代劇、ここに開幕!九藤
朋さん作『伝:小野桐峰』サイドと隔週更新予定です☆折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-14 09:00:00
82328文字
会話率:38%
ライアー・アークライト。元イタリア監査局 ミラノ支部長だった彼はある日、パラレルワールドから来た自分により仲間が傷つけられたことを、一人の女性から告げられる。これは、世界をまわる彼の物語。
原作:夙多史、ストーリー・執筆:宮座頭数騎が送る
もう一つのシャッフルワールド。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-21 12:18:17
99183文字
会話率:38%
人として生きるために山を降りた妖狐の空狐。再び訪れた街で、幼馴染の彼女、舞と再会する。まったり、学園ファンタジーもの。初めての投稿作品です。まだ、文章は拙く、面白くないかもしれませんが、読んでいただければ幸いです。感想、評価お気軽にお願いし
ます。
八十一話より、宮座頭数騎氏の作品『妖狐玉藻伝-幻惑の美狐-』の主人公玉藻 美狐がゲスト出演しております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-04-08 18:00:00
228211文字
会話率:38%
一人の人間が何故歪んでいき、何故強さを求めるのか。
キーワード:
最終更新:2012-01-13 02:08:01
298文字
会話率:0%
近未来、壊滅的な最終戦争の後。生き残ったのはわずかな人類と、核や細菌兵器によって生まれた突然変異の化け物達。化け物達は人間を食糧としてしか考えていない。その化け物を倒す、盲目で凄腕の賞金稼ぎ、威吹鬼。その威吹鬼は、呪われた出生の秘密と、化け
物との深い因縁を持っていた。
胸にどす黒い復讐心を抱きながら、化け物を狩り続ける威吹鬼。ある日威吹鬼は貴族の夫人から、化け物に命を狙われている息子のボディーガードを依頼される。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-10-08 02:39:51
19400文字
会話率:49%
この作品は、小説家になろう秘密基地、小説の書き方講座内の、宮座頭数騎様の執筆道場―人物描写の間―2にて、仕神けいた様の描いたイラストを文章に起こす、という企画に基づいたお話です。
最終更新:2009-08-09 11:38:26
1498文字
会話率:23%