本作は、谷川健一の著書に書かれていた、とあるエピソードに着想を得ている。
「殯(もがり)のときに、死者の復活を願う光景は早くから見られた。伊波普猷(いはふゆう・那覇市出身の民俗学者・言語学者)によると、沖縄本島の津堅島では、人が死ぬと後生
山と称する藪の中に放ったが、屍が腐爛して臭気が出るまでは、その家族や親戚朋友たちが、毎日訪れて、死人の顔をのぞいて帰った。死人が若者であった場合は、生前の遊び仲間の青年男女が毎晩のように酒肴や楽器をたずさえて訪れ、思う存分踊り狂ったという。」
※後半にショッキングなシーンがあります。メンタルの弱い方は注意。グロ度★★★★★
※本作はコロンさま主催『酒祭り』企画の参加作品です。締切最終日の投稿にして、とんでもなく空気の読めない一作となっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 18:00:00
14655文字
会話率:19%
ブラック企業の営業部の中堅社員である隠田 智也は、アフリカへの出向辞令を言い渡された。
いざ日本を発つ日が来た。
ところがフライトの途中、機体は予想外の乱気流に巻き込まれ、制御不能となり海に墜落。
隠田は破壊された機内から命からがら脱出する
……。
どうにか絶海の孤島に流れ着いた彼は、助けが来るまでその無人島でサバイバル生活を強いられる。
さすがブラック企業の社畜サラリーマンである。いかな酷い環境であろうとも不平不満も訴えず、自らの力で生活基盤を整えていく。
追い込み漁による魚介の獲得をはじめ、ツリーハウス上の小屋の建築、焼き畑農業、灌漑工事、刳り舟の製作、島のあらゆる場所に通じる道の整備と、大事業が続く。
極めつけはせっかく刳り舟が完成したというのに、島からの脱出を先延ばしにし、トンネル掘りをすることだった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-22 04:00:00
21466文字
会話率:5%
17年前、和歌山県の紀伊大島で、ある老人から罪の告白を聞かさた。
太平洋戦争のとき、人を殺した重い十字架を背負っているのだというが……。
僕は戦争の悲惨さの一端を垣間見た。
最終更新:2023-08-13 08:34:01
3745文字
会話率:12%