年の暮れの黄昏時。人の居ぬ間にとある茶室で繰り広げられる、茶道具の付喪神たちによる一夜の茶の湯。
それは夕暮れから始まり、手燭の灯りを頼りに進む「夜咄(よばなし)」という茶事。毎年年末に、主人の留守に行われるその会の呈主は、喚鐘の付喪神。
そして今年の客としてくじで選ばれたのは、抹茶茶碗の付喪神の「天蜘蛛」、茶釜の付喪神の「千猫」、そして茶杓の付喪神の「処心」だ。
それぞれ人のかたちをとった彼らは、呈主の心づくしの夜咄の茶会が和やかに進むなかで、それぞれの思い出話を大いに語り尽くしていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-03 19:20:00
71152文字
会話率:46%
私は、孤独だ。
寂しいと感じない。
イラッとすることも、心を棘(とげ)に刺されることも、幸福感に身を包まれることも、笑みを浮かべたこともなかった。
飢えも渇きも覚えない。
痛みや快感、刺激、妬(ねた)み嫉(そね)み、怠けることも出来ない。
他者を蹴落としたり、唯我独尊を貫くことや傲岸不遜になることも、愛や恋、身を焦がす恋慕とも縁遠い私だ。
そして、ここには誰もいない。
私以外に。
やるべきことは何もない。
他の者は何をしているのだろうか?
己以外と対話や遊戯を囲うのだろうか?
時の流れは停止しているかのようにゆっくりだ。
鳥が羽を1回羽撃(はばた)かせるために掛かる刻が3年くらいゆっくりだ。
雨粒の1滴1滴が弾ける静止画や、黒レンガの角が丸くなる様や、自動車のタイヤが磨耗(まもう)していく過程など、積年を懸ける事象を眺め続けることが唯一の娯楽だ。
娯楽と言える程楽しいものではない。
今は、星屑の輝きを観測している。
まぁ、退屈だがな。
『退屈』と衝動を覚えるしか、残っていない。
星屑は粉砕され、砂塵のように舞う。
これの繰り返し。
謂わば、再生だな。
散り散りに在(あ)ろうとするも、例に倣(なら)うだけ。
群集たる星屑ならば、逆もまた、然り。
数千年、数万年と星、星団の生死を幾度も観測してきた。
私は星屑を人に見立てている。
パターンで星屑は規則正しく輪廻するが、つまらない。
退屈だ。退屈だ。退屈だ。退屈だ。
だが、異変が生じた。
新鮮だ。しかし、不規則は、乱れは、修正されるだろう。
観測を続けよう。
星屑は一つの星となり、銀河を爆発的に拡大させた。
これは、成功なのか?
それとも、失敗なのか?
ん?あれは、視たことがない。
未知だ。昏(くら)く赫々(かっかく)と光る渦巻く現象だ。
一体どんな世界だろうか?
もしかしたら、国家?企業?集団?
まさか、1個人なのか?
判らない。もう少し観測・観察を継続しよう。
………………
他の者は干渉しているのだろうか?
ならば、私も干渉してみようか。
これは、人類が愚かな歴史を歩みながらも、彗星(すいせい)の如く顕現した『超能力』という『薬』となるか『毒』となるかが問われる物語。
伝説となるか、夜咄(よばなし)となるか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-04 23:00:00
2354文字
会話率:4%
小稔夕賀。26歳の会社員。彼は家に帰る途中に、空から下半身が潰れて無くなっている女性が落ちてくる。
「おい、貴様。私を助けてくれるのか?」
冷たい声で助けを求める彼女はこの世界の魔王!?
妖怪、魔獣、幽霊の世界に干渉した小稔は一体どうなるの
か…!?
破壊と創造のダークファンタジーここに開幕!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-05 22:40:02
3296文字
会話率:47%
夜咄をしましょう、私の夜の話です。
夜も深いですが、聞いてくださいますか?
夜の橋で、靴を履かない女性が夜を話す。
最終更新:2020-10-09 00:14:26
820文字
会話率:0%
大学時代の友人・坂之井に誘われ、山奥の別荘を訪れた「私」。
真夜中の怪談会の果てに、二人が遭遇する怪異とは————?
怪を語り怪に至る、怪奇と幻想のモダンホラー。
最終更新:2020-10-06 12:00:00
74686文字
会話率:31%
おつきさまのお社と呼ばれているお社の前で、病弱な娘のためにお守りをもらったが……
猟奇学研究所のTwitter企画「まつり夜咄」の応募作品。今回のお題は『月』です。
https://twitter.com/kwaidanbattle/st
atus/1267731790308900864折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-22 19:01:10
368文字
会話率:50%
『主人が可愛すぎるので仕方がありません』の続編になります。
主人公の子供達の小話ですが、こちらの編だけでも読める内容です。
お楽しみ頂けたら幸いです。
〈本編説明〉
どっかこっかのファンタジーな中世世界。敵国に囚われたお姫様は夜な夜な祖国
を想って涙を流していた、そこに現れた怪しげなオカマ。夜な夜なお姫様の心を癒す夜咄をする…のかな。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-10 23:12:53
27680文字
会話率:39%
コミックマーケット98の夜のエピソード、貴方は知らないだけでこういう世界もあるのです。
徹夜組警備に出た警官二人の見たものは。
最終更新:2020-04-23 03:44:11
1984文字
会話率:72%
とある学園で繰り広げられる青春物語
(BLとまではいかないけど一応BLにしておきます)
最終更新:2019-03-30 03:10:05
4513文字
会話率:50%
都市伝説。
それは、夜咄とするならば障りない事だろう。
だが、意図された不確かさを内包するなら――。
意図を汲んではならない、招きに応えてはならない、場に止まってはならない。
マツリはすでに始まっているのだから。
最終更新:2018-08-08 23:32:34
3348文字
会話率:7%
七夕飾に憧れる狐の子の話です。ちょっとだけ、化けます。
最終更新:2018-01-30 15:17:06
4312文字
会話率:24%
『父の遺した茶道具は、付喪神になっていました』
茶道が原因で家族を亡くした茶道嫌いの大学生、若月千尋。
彼に遺された尾道の茶房・夜咄堂(よばなしどう)には、茶室と古い茶道具が備わっていた。
売却するつもりの夜咄堂で、茶道具の付喪神を名乗る
少女らと出会った千尋は、
予定を変更し、夜咄堂を経営する事を決める……
千尋と付喪神、そして一服を所望する客達のおりなす、風流な茶道具擬人化物語。
※旧題「お抹茶セット五百円(お薄茶・和菓子・付喪神)」です。
※第四回ネット小説大賞受賞。宝島社より発売中。
※書籍版とは内容に違いが生じています。
※ハーメルン様でも投稿させて頂いています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-08 00:00:00
309971文字
会話率:37%
紫御曹司名義での2作目。
最終更新:2016-10-24 19:42:28
537文字
会話率:0%
栄え盛る港湾都市、煌都。その大通り裏にある小さな貸本屋「海潮堂」の主は、ある日客から「たまには店を閉めて見聞を広げては?」と提案され、街を歩いてみたが──
"Ather's Plot Plan 2"参加作。藤原湾さんの
プロットをお借りしました。 拙サイト「夜咄」でも同じ作品を公開中です。
企画の詳細と藤原湾さんのHPへは、バナーからどうぞ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-12-11 20:48:17
4480文字
会話率:31%
手足のない姫と顔を持たぬ従者。
とある山あいの小国を舞台に、ふたりの異形が密かに育んだ小さな物語。
"Ather's Plot Plan 2"参加作であり、拙サイト「夜咄」でも同じ作品を公開中です。
企画についての詳細
はバナーのリンク先をご覧下さい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-12-11 20:22:08
9407文字
会話率:42%
夜咄シアターは真実を上映する。闇に葬られて死した真実を上映する。
この世には不思議な死を遂げる方はたくさんいます。それの数%にある魔死。魔死とは魔なるものが関わった死を総称してそう呼ぶ。その死の真実を知りたいもののみ訪れる夜咄シアター。
想像力豊かな方は苦なく読めるとおもいます。自身がない方は頑張ってください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-05-21 16:03:30
4659文字
会話率:40%