『皇女』アレクシアは幼い頃から前世の体験を夢に見続けていた。その記憶を活かして腐敗した帝国を導こうと努力を重ねていたが後継者争いに敗れ、首都から遥か離れた大貴族に嫁がされてしまい世界への復讐を誓う。
一方、百年に渡り弾圧されてきた旧王国に誕
生した『勇者』アルバートは革命を企てる同志達と共に圧政を敷く帝国を打ち砕くべく立ち上がる。
これは、同じ時代を戦い抜いた二人を追う物語。
※初回は五話まで、以降毎週水曜18時目安で更新します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-02 22:02:17
483468文字
会話率:42%
「リーンを傷つける連中は、俺が叩き潰してやる」
嫌われ種族、ゴブリンの少女リーンは、ひょんなことから『勇者』を保護することになる。
異世界から召喚された勇者、ユータは、まだ小さな子供だった。
リーンはユータの世話をしつつ、彼のた
めに、国王との謁見を試みる。
だが、リーンがゴブリンだったことが一因となり、試みは破綻してしまう。
けがれたゴブリンと共に居たという理由で、ユータには偽勇者の烙印が押されてしまうのだった。
この世界の人間に不信感を抱いたユータは、優しいリーンと共に居ることを望む。
一方でリーンは、勇者であるユータが自分と居ることは、良くない事ではないかと考えるのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-23 13:00:00
16138文字
会話率:40%
「お前の『マナー講師』って、浮いてないか?」
「なんで『勇者』・『弓使い』・『魔導士』ときてマナー講師がいるんだよ」
「お前と冒険するの息苦しいよ」
どこにでもいる冴えない高校生の真鍋という男(16)が神の手違いで死亡。
お詫
びにキャラクタークリエイトをやり直して異世界で第二の人生を送らないかという誘いを快諾したのはいいものの、エディット出来るのは見た目だけでジョブ(職業)はランダムだった。
……キャラクリは気合を入れて美少女にしたのに戦闘で役立たずだと思われて追放されることに。
「でも一方的な解雇は、普通1ヵ月までにその予告をするか、最低30日分の平均賃金を解雇予告手当として支払うのがマナーだよな……」
そうぼやいた途端、勇者は物凄い嫌そうな顔をしながら手当を渡してくる。
さらに1ヵ月は置いて貰えるって……?
いやもう空気が終わってるのでいいです。別の生き方を考えます……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-04 15:42:16
1544文字
会話率:3%
人々の生活を脅かすモンスター。そのモンスターを倒す『勇者』に憧れている青年・サトルはレベルアップのため近所の森で雑魚モンスター退治を行っていた。
ある日、彼はレベル999のモンスターを見付ける。不思議とステータスの低いこのモンスターを倒し、
得られた経験値で一気にレベルを上げようとするサトルだったが、それは終わりのない呪いの始まりだった……
※『カクヨム』『ハーメルン』にも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-25 22:00:00
10363文字
会話率:13%
ある小さな村に、『勇者』達一行が立ち寄った。
なんでもこの村では試練と呼ばれる村の行事があり、その試練で生き残れば勇敢な者として讃えられるらしい。
『勇者』の仲間達は、試練を受けてみようと『勇者』に提案した。どんな魔物も敵わないほど強い、無
敵の『勇者』なら必ず試練を乗り越えられると思ったからだ。『勇者』も仲間達からの話に、消極的ながらも同意して試練に挑む事にした。誰もが軽い気持ちであり、それが許されるぐらい彼等は強かった。
彼女はその勇者達が試練を受けられる者か、見定めるのが役割。
これは彼女の目から見た、『どうしようもない弱者』が辿った末路の話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-06 21:00:00
11884文字
会話率:37%
100年周期で続く勇者と魔王の争い、それは世界に『悲劇』を『惨劇』をもたらし続けてきた。人類は魔王を倒すべく、異世界から勇者を召喚し、魔王を倒すことを長年続けた。
だが、それでも争いが絶えることはなく、むしろ人類の人口が少しずつ減りつつあり
、もはや、この争いが魔王を倒すだけでは解決しないことは明白だった。そんな中、主人公・【千里眼】の柊真也はこの異世界の行く末を知る。勇者と魔王の争い、それが何百年続いていること、ゆえに彼は思った、この世界には『勇者』ではなく、『英雄』が必要だと…この世界を導き、人類に希望を、屈強な心が芽生えさせ、先導する英雄が……。
これは主人公が英雄を育て上げ、魔王を倒し、この世界に『英雄時代』を築き上げる物語。
今日から君が真の『英雄』だ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-24 15:17:41
96295文字
会話率:49%
俺が五歳になったとき、突然訪れた三聖人から『勇者』認定をされて魔王と戦う運命を背負わされた。
それからの俺は勇者として生まれてきたことに誇りに思い、歴代の先輩勇者たちにも負けないほどの活躍をしようと毎日毎日休みなく戦闘訓練に励んでいた
……のだけれど、姉たちが俺に対してめちゃくちゃ過保護なせいで、基礎訓練のカリキュラムを全て修めても、害虫退治に等しいゴブリン退治ですら「イーノックを実戦に出すなんて不安で仕方ない」「ダメだよ、怪我しちゃったらどうするの?」「お兄ぃにはまだ早い」など、色々と難癖をつけられて未だ行かせてもらえない。そんなこんなで気が付けば一度も実戦経験が無いまま俺は成人の年(十五歳)を迎えていた。
や、やばい……。実戦童貞なのにいきなり魔王のダンジョン(EX級)とか無謀もいいところだろ。このままじゃ魔王と戦うどころか入り口付近にいるザコモンスターにすらあっけなくやられてしまう!
神託で決められた魔王討伐予定日が段々と近づいてきて、俺が恐怖と絶望で震えていたら、お姉ちゃんズが勝手に魔王を討伐してきた。
え? ホント? 助かったのはいいんだけど、それだと俺が『勇者』だって託宣を受けた意味なくない? あと、首輪をつけて家畜のように連れて来たその幼女は誰? すっごい怯えて半泣きになってるんだけど。……え? 魔王? ちょ、何で勝手に迷宮から魔王連れ出して来てんだよお姉ちゃんたち!?
2018/09/03 タイトルとあらすじを変えました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-13 15:17:09
279227文字
会話率:39%
世界に数多に存在するダンジョンの中でも最難関と言われている『七つ星ダンジョン』
冒険者は誰もが皆、そのダンジョンを攻略する事を目標としていた。
勿論、私もその内の1人だ。
だけど、七つあるそのダンジョンを攻略した冒険者は未だに
1人もいない。
『勇者』の称号を与えられた人のパーティでさえ、その高い壁を越える事は出来ていなかった。
それでも私は諦める事はなかった。
七つ星ダンジョンの一つ『翡翠の竜王』の攻略は、私の幼い頃からの夢だったから。
仲間と一緒なら必ず攻略する事が出来る、私はそう信じていた。
そう、この瞬間までは……。
※ 10万文字程度の連載小説予定です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-27 23:15:19
113224文字
会話率:49%
かつて、世界を破滅に導こうとした魔王がいた。
当時、世界各国はいがみあいを辞めて共同戦線を張り対抗するも魔王の脅威は拭えなかった。
だが、その脅威を退けた英雄『勇者』がいた。
勇者は魔王を討ち、世界の破滅は
なくなった。
それから長い年月が流れ、かつては共に闘った国々で再び争う時があるも、魔王のいた頃と比べれば平和な現在。
セーレンド帝国にある『セーレンド帝国学園』では次代の英雄となる者達が切磋琢磨しお互いの腕を磨いていたのだった。
そしてその学園に現れた謎の新任教師。
お世辞にも由緒正しい学園の教師として相応しくない彼と彼の受け持つクラスを中心に、波乱に満ちた物語が始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-15 02:00:00
327799文字
会話率:34%
「無力なわたしが世界を救う…?新人『聖女』の異世界エンジョイ生活。時々魔王退治」
のその後、レイヴァルとの未来を書いた物語です。
今日は『勇者』の凱旋パレードの日。レイヴァル様はわたしを引き寄せ、こっそりとある提案をする……。
※この
小説から読んでもわかりにくいと思います。気になりましたら、前作から、見てください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-29 00:21:00
12617文字
会話率:51%
サーシャ・フロイライン公爵令嬢は、王太子で『勇者』のギフト持ちであるレオン・デュボアから婚約破棄を告げられる。
更には、実家である公爵家からも追放される。
『舞踊家』というギフトを授けられた彼女だが、王国では初めて発見されたギフトで『舞踊
』と名前がつくことからこう呼ばれ蔑まれていた。
――『踊り子令嬢』と。
追放されたサーシャだが、彼女は誰にも話していない秘密あった。
……前世の記憶があるということを。
さらに『舞踊家』は前世で彼女が身に着けていた技能と深くかかわりがあるようで……
追放された先で彼女はそのギフトの能力を発揮していくと……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-27 14:00:00
24989文字
会話率:42%
――それは勇者に憧れる、暗殺者のお話。
* * * * * *
物語の舞台は、魔物が跋扈する異世界。
そこでは神様から、魔物に対抗する力として『異能《アーク》』という才能が授けられる。
秀でた異能を授けられた者は『勇者』となり、世界各地
に存在する魔物の巣窟、通称『ダンジョン』を攻略するのだが……。
主人公のトーヤは勇者に憧れる貧民街の少年。
しかしそんな彼が授かったのは、【盾】という「異能の力を打ち消す」盾の異能だった!
盾を実体化するだけの異能など、前代未聞。
しかし魔物を倒すことが出来ない彼が、勇者になれる筈もなく。
生きるため――トーヤは勇者とは正反対の、『暗殺者』になることを決意したのだった。
そして持ち前の『異能殺し』の力で、トーヤは暗殺集団「アサシンズ・ギルド」で頭角を現していく。
やがてトーヤは、裏社会で最強の暗殺者として名を馳せるのだった――。
* * * * * *
そして、それから五年の月日が経ち……。
「みんなゴメン、やっぱりもう一度、勇者を目指したいと思う――」
トーヤは勇者候補生を育成する名門学校、『カルネアデス王立異能学院』の門を叩くのだった。
最強の暗殺技術を駆使し、トーヤは勇者の世界を駆け上がる!
そして――
いつの間にかトーヤの周りは、『美少女勇者』ばかりになっていたのだった――!
※いわゆるハーレムものです。ハーレム要素は第2章から少しずつ増えていきます。
若干のエッチな要素が含まれます。
※この作品はカクヨム様にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-22 06:51:00
433646文字
会話率:20%
異世界に召喚された主人公。如月陽翔(きさらぎはると)。しかし召喚の間には、彼の他に四人の高校生がいた。
神聖ルーミリン聖教皇国の聖帝ヨセフ・マテオ・クラークはその四人に対し、魔王討伐が成されれば元いた場所の元いた時間に帰すと約束する。し
かもこの世界で得たスキルや魔法などは、日本に戻っても消えることはないと言う。
それにより四人は魔王討伐を決心するが……
一方如月陽翔(この異世界ではハルト・キサラギ)は、聖帝と会うのが初めてではなかった。彼は召喚の儀に巻き込まれただけであり、四人の高校生たちにあった『勇者』や『魔術師』などの称号も持ち合わせていない。
だが、他と同様にレベルが1の彼を、聖帝や傍に控えた宰相は怖れているようだった。
彼は聖帝から、召喚に巻き込まれた迷惑料として金貨十枚(日本円換算で約百万円)をせしめる。そして召喚された四人の高校生たちを気にかけることもなく、皇都での生活を始めるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-11 07:16:02
127710文字
会話率:63%
世界支配を企む『魔王』と、それを阻止せんとする『勇者』。
人間に生まれる『勇者』と、モンスターを従える『魔王』。
これは神の恩恵を受けた『勇者』が『魔王』を討つ。ありふれた物語である。
人間世界の辺境、カトラ村は『育成士』の牧畜村。こ
の世界には人間という種族と、モンスターという種族がいる。牛や羊、犬猫に竜。いわゆるモンスターという種族を飼育し、時には家畜として従える事が出来る人間の『育成士』。
日々家畜の世話をする村の青年ガーランド。今朝も変わらずに騎竜の体調を確かめ、羊を追い立てる牧羊犬に餌をやり、猫に今日の予定を聞いていた。そんな彼の元へ一つの知らせが届いた事で、運命が動き始めていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-10 19:05:10
47070文字
会話率:26%
【それは、この世で最も古き御伽噺】
地球より離れた異世界ヴァナーム。ここは神秘と古代の遺物に恵まれた古く聖なる世界である。
この世界には『勇者』と呼ばれる英雄が度々誕生するのだが、それは『魔王』と呼ばれる悪しき存在を滅するためと言われて
いる。
聖歴3216年——勇者に選ばれたはずの男、ノア・ガルシアは今………情眠を貪っていた。かつてのような活躍を見せずにただただ怠惰を尽くすその有様から【寝たきり勇者】と皮肉られる彼は、だが今まさにその体を起こしたのだ。彼は重い体を引きずりながら自らの住処である屋敷を出て裏市場に向かう。——それは、自身の従者を探すためであった。
ノアは裏市場にて偶然にも、混沌種の少女が競りにかけられているのを目撃した。少女の瞳を見た彼は確信する。——この少女こそ相応しい、と。
ノアは5000万ドル(50億円)で少女を落札し、屋敷に連れて帰ろうとするが…?
保険ために一応。この物語に限らず、私が描く物語はかなりグロいです。死の描写もめっちゃ生々しいので、苦手な方は他の作品をみましょう。
テーマ(私が描く物語全体)はかなり重いものですし、全体的に(私が描く物語全体)鬱展開や、血も涙もないエピソードとかあるんで注意ですよ!
毎週土曜の18:00に更新予定!! お楽しみに!
原案:堅洲師匠 https://novelup.plus/story/965776640 畏れ多くて割とビビってます。
※この作品は【ノベルアップ+】様と【ノベリズム】様でも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-08 18:00:00
48612文字
会話率:51%
僕は『勇者』だ。周りの人がそう言ってるから、将来、僕は『勇者』になるのだろう。
そして塔の上にいるのは『聖女』だ。予言者の言葉通り異世界から召喚された。
未来の勇者と塔の上に閉じこめられた聖女の短いお話。
最終更新:2022-05-28 22:56:48
4243文字
会話率:9%
魔王とはシステムである。
増えすぎた人間を剪定する為、神が遣わす使者。
同時期に適当な人間に力を与えて、人間が減りすぎないよう魔王軍に対抗させる。
それが『勇者』と呼ばれる人間。勇者は仲間を集めて魔王を討ち、世界に平和をもたらす。
討
たれる為だけに生まれ、人間を殺し、命を終える操り人形。それが『魔王』。
かくして勇者パーティは英雄として凱旋する。
これより平和な数百年の後、新たな魔王が生まれて勇者が選ばれるのだろう。
何故かって?神々の遊戯さ!それ以外の理由なんてありゃしない!!
植物を育てるのと同じ。切り落とされた存在なんてどうでもいいんだよ。
さて、今代の魔王陛下も見事に勇者に討たれました。めでたしめでたし。
勇者は聖女と愛を育み、新たな命を授かり。
英雄のサラブレッドである娘は、皆に祝福されて生誕するのでした。
「…いやふざけんな、なんで魔王の私が?またクソ神共の気まぐれかよ…」
そう。生まれたのは…勇者と聖女、魔王のハイブリッドなのでした。
高い能力を見せつければ、流石英雄の子だと当然のように言われ。
無能な姿を見せてみれば、折角英雄の子なのにと嘲笑される。
「私は、私だ。家族は関係無い!!」
自分自身の力で生きる為、彼女は出自も能力も隠す事を決めた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-14 03:00:00
35747文字
会話率:41%
表面上とはいえこの世界は平和になった。至って平穏無事で退屈な日常を人々は送れるようになった。そんな平和が来たゆえに、一つの疑問が持ち上がってしまった。
今の世界に『勇者』は必要か否か
勇者とは
曰く。魔王を打ち倒す者
曰く。人類の希望
曰く
。救世主
曰く。曰く。曰く
しかし、悲しいかな。魔王が死に世界が平和になって数十年。勇者に対する敬意も感謝の気持ちも人々にはなくなり始めていた。平和な世界に勇者はもはや不必要な存在となっていた。この世界に魔王はいない。故にこの世界に絶望はなく。だから希望も必要なく。救世主も必要とされないのだ
そして勇者は一通の書き置きと共に忽然と姿を消した
『旅に出ます。探さないでください by勇者』
これは役目を終えた勇者のお話。
※この作品は筆者が学生の頃に書いた作品です。折角なので投稿しました折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-06 03:14:09
62012文字
会話率:50%
それは、温かな季節にやってくる。
外では見かけない、しかし、家の中に出没するもの。
人々は、それを『悪魔』と恐れる。
倒そうと躍起になっても、いつの間にか増えている。
そんな絶望の底に囚われた人々に、救いの手があった。
――後に人は、彼を『
勇者』と讃えた。
注意:人によって忌避される『悪魔』です。かなり短く、そしてぼかして書きましたが、苦手な方はそっとブラウザバックを推薦します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-02 00:00:00
1666文字
会話率:22%
——ここは廃雄塔。世界が求める英雄像から外れた者達が流される、最後の地。
世界を脅かす災害——『魔王』に敗れ、そこに行き着いた『勇者』と呼ばれる少年は、塔に巣食う元英雄達から様々な事を教わりながら、『魔王』を倒す為に日々成長を続ける。
だが彼には、それとは全く関係ない、一日の一番初めにやる日課があって——
《不定期更新・気ままに書きます・他サイトにも掲載しています》 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-26 21:00:00
32913文字
会話率:55%
15歳になった日の朝、オレは突如として前世の記憶を思い出した。無論、それまで生きてきた14年間の記憶は確かにオレのものであった。しかしそれ以降、オレには15歳に至るまでの記憶が2系列、併存するようになったのだ。農村の倅として逞しく生きる1
6世紀のオレの記憶と、義務教育課程のモラトリアムを貪る21世紀の俺の記憶。記憶の併存は、21世紀の俺の記憶が途絶えるその日まで、これからも続いていくことであろう。
あの日の午後、オレは城に呼び出された。城では丁度、新年を祝う集まりが開かれていた。そう、オレの誕生日は1月1日なのだ……まぁ誕生日はともかく、そうして登城したオレは御隠居様から出生の秘密を明かされると同時に、その脇に侍る宣教師からはこう予言された。
「この者は『勇者』として生き、『魔王』として死すであろう」
尤もこの予言は人口に膾炙する内に少しづつ改竄され、今では
「この者は『勇者』として畏れ敬われ、『魔王』として忌み嫌われることであろう」
としてその名を馳せている。
いずれにしてもオレにとっては不吉かつ不名誉な予言ではあるが、この宣教師には真実に世を見通す能力が備わっていたものらしい。後にオレは『勇者』として立ち、『魔王』を降し……
そしてオレは今、この|魔王城《デーモンフォートレス》で|防衛線《タワーディフェンス》の指揮を執っているという訳だ。オレはまだ『魔王』として死ぬわけにはいかない。少なくとも、これまでのところ22年間は続いている記憶の併存を、16世紀のオレの死により途切れさせないために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-17 15:20:52
57916文字
会話率:48%