「勇者君。君にだって親はいるだろう?」
それはおかしなことだった。
暗い渦に飲み込まれたかのようなその声は
眩暈がするかのように視界をぐらつかせ、
彼の内臓を嗚咽が出るほど横隔膜から押し上げ、
体の芯を硬直させ、末端を震わせた。
「私も
同じだ」
涙がポツリと流れ落ち、捻じ切れた。
魔王の息子(バタライ)と妹(フレス)が「遺されたもの」を収集するため各地を放浪する悪漢物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-01 00:00:00
795文字
会話率:57%
大いなる闇 世界を覆う
惨憺たる世に 人咽び泣く
失意に堕つる 啼泣の音に
一筋の光 地を照らす
光差したる 大闇の一端
微塵たりとも 痕を残さず
穿ち滅すは 漆黒の枢機
大いなる光 世界を照らす
この世に残された『預言』。その中には、
世界が闇に包まれた時、≪光≫が現れ闇を取り払うだろうと詠われていた。
そんな折に突如現れた、謎の白髪の剣士カイン。
彼は果たして、《光》なのか・・・。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-12 22:47:46
356056文字
会話率:41%
自分のことが嫌いなやつは自分を持っている
なら持っていない私はどうすればいいんだろうか
最終更新:2021-08-31 22:35:43
463文字
会話率:0%
蝉は、はたして、どこで、鳴いているのか?
最終更新:2021-08-12 20:00:00
2489文字
会話率:1%
めまいがおきましたら、まず耳鼻咽喉科に相談するのがよろしいでしょう。
最終更新:2020-05-30 16:29:54
1147文字
会話率:56%
「……ッ、グ、ゴフッ……!」
仰向けに倒れる男は薄れゆく意識の中、自分にしがみつきながら泣きじゃくる子供の頭をつむじから優しくなでる。
「泣くなよなぁ……ハル。ほんと、お前は泣き虫だから困るぜ、まったくよぉ……」
倒れる男の横腹は大き
く抉れ、そこから内臓が飛び出てしとどに赤黒い血が流れ続ける。
傍から見れば、そんな状態で言葉を発していること自体が不思議なくらいだった。
だが、男は不死身などではない。
男の顔は見る見るうちに青白く変色し、生気を失ってゆく。
しかし、それに反して男の顔は酷く穏やかな表情をしている。
「なぁ……ハル、聞け……」
男は泣きじゃくる子供に向けてわずかに口角を上げて見せる。
本人は満面の笑みをしたつもりだったが、これが男にできる最大限の笑みだった。
子供は男の言葉を聞いて、何とか泣きじゃくるのを止める。
子供はまだ幼い齢ではあるが、もう男の命がもたないことを察し、何とか男の最後の言葉を聞き入れようと、奥歯を強く食いしばりながら、嗚咽を必死に噛み殺す。
「お前は……これから一人になるかもしれない……。でもそれは、お前を縛るものがもう何もないってことだ……。自由に生きろ。友達作って……彼女作って……、社長でも……プロ野球選手でもなんでも目指せ……。案外、人生って面白いからよ……」
子供は両目から大粒の涙をこぼしながら、悔しそうに男の衣服を掴む。
何かを言いたげだったが、今は何かを言葉にできる程感情の整理がままならなかった。
男はそんな子供の頭を愛おしそうに撫で、そして最後の力を振り絞って、一言、こう発する。
「……ハル、愛される……人生を送れ……よ……」
男はそう言うと、子供の頭に置かれた彼の手はだらりと地面に打ち付けられる。
子供は下唇を噛み締め、噛み切ったところからジワリと血の味が子供の口の中に広がっていく。
そして、雲一つない数々の星明りが照らす夜空を仰いで、少年は声が枯れるまで泣き続けるのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-02 22:32:09
60693文字
会話率:32%
私達は今、手をつなげるという事実だけで咽び泣くほど嬉しいのです。
最終更新:2021-05-03 11:47:44
1958文字
会話率:10%
タイトルの自作俳句を基に超短編小説を書いてみました。
最終更新:2021-04-02 02:04:49
839文字
会話率:20%
○○ファーストには、もう疲れました。
何かと古臭く、どちらかと言えば嘲笑の気味も含んで語られることの多い昭和ですが、少なくとも人に向けられる眼差しには、今日ほど尖がったものはなかったように思います。
賛同いただける人も、そうでない人に
も、この一文をお読みいただき、不必要に人を傷つける必要性のないことに同意いただけたら幸いです。
これは今の世の中の風潮にちょっと疲れた、古臭い男の三文判です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-26 15:50:08
1115文字
会話率:0%
ついのべ三題ったーというところから、三つの言葉をランダムで選んで貰い、その単語に添って短編を作っています。長さは1000~2000文字くらいです。ジャンルは基本的に日常物だとは思いますが、お題によっては、いろんな世界に飛び出していきたいと思
っています。
もしよければ簡単にでも感想を書いて頂ければ作者は感動で咽び泣きますので、よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-26 00:50:58
20392文字
会話率:44%
2014年の水無月に書いた詩。とても辛い時期、強い孤独感に押しつぶされそうになりながら、自分を励まそうとする感情のなかで歌った唄。――孤独に咽いでいる人の励ましになればいいなァ。
最終更新:2020-11-25 23:04:15
315文字
会話率:0%
私は数年に一度、芥川龍之介「蜜柑」を読みます。そして、その後は私は必ず泣きます。中年のオッサンですが、ボロボロ咽び泣きます。
何故泣くのだろうか…、それは自身わかっている筈だけど…やっぱり心底では分からない。分かっていない、その「何か」から
目を背いて逃げ続けながら生きる未だ未熟な「私」への「警鐘の涙」だと、私は考えています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-10 07:59:41
554文字
会話率:0%
目覚めた男は、森の中に居た。
異様に巨大な樹々が生い茂り、咽返るような緑の匂いに包まれた苔むす神秘の森。
空には、巨大な岩や島の様な物が浮いている。
果たして此処は異世界か。
それとも————
これは、愛の物語。
たった一人の想い人の為に、あなたは世界を敵に回せますか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-16 10:07:39
219382文字
会話率:28%
ずっと同じだと思ってた。みんな同じだと思ってた。
キーワード:
最終更新:2020-05-15 22:20:46
376文字
会話率:34%
早乙女 実乃理。25歳。
耳鼻咽喉科で、受付として働き2年になるが、出会いもなく、彼氏もいない。
ただ淡々と業務をこなす日々だが、そんな彼女の元に、大学時代の元先輩、鷹取さんが、患者として突然訪れる。
再び鷹取さんに恋心を抱く実乃理だ
が、彼には何か秘密がありそうだ。
一方、実乃理の同僚、看護師の今井は、そんな彼女が気になって仕方がないが…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-12 06:00:00
34315文字
会話率:27%
いつかの夏、私は長袖の彼と出会った。
これはなんでもない、でも忘れがたい一枚の肖像だ。
最終更新:2019-07-06 06:12:06
4951文字
会話率:27%
“呐!如果你找不到自己所要追寻的方向,那么就让我成为你活下去的意义吧!”紧紧揪着面前少年的衣角,夏执茜抬起布满泪痕的俏脸哽咽着。
面对那无比坚决真挚的眼神,少年原本毫无波澜的眼眸也泛起了一丝涟漪:“你确定吗?”
得到回应的夏执茜什么也没说
,她的身体便毫不犹豫的扑进少年的怀里,因为这就是她心里最简单的答案啊。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-31 17:10:01
6193文字
会話率:0%
小説の中では私達の存在は雲のように高く、人物の全てを見れると言っても過言ではない。第三者目線だからこそ安心して読めるのだ。
けれど本当の私達は雲でも神でも太陽ですらない。事件や怪奇現象が起こった時、瞬時に「犯人はアイツじゃないのか
」とか「動機は」だなんて考えられない。
つまり被害者にとっては一瞬の出来事でしかないのだ。今の私にはそれが痛いほど分かる……本当に痛いのだけれど。
私の腹に刺さっているのは包丁、刺しているのはウザイくらいに可愛がった頭脳明晰で容姿端麗、簡単に言えば完璧な従兄弟。
完璧な従兄弟とは言え、生まれて直ぐに両親がいなくなった為母親の愛情も父親の優しさも受けていない、誰かに頼ることを知らない点では不完全だ。
ほら、動機なんて見当もつかない。けれど私は知らず知らずの内に彼を傷つけてしまったのだろう。
それにしても腹を刺されるのはこんなに意識が残るのか。もう少し上を刺してくれればよかったものを、身長なら相手の方が6cm高いのだ。
もう思考がままならない。なんでこの子は泣いているのだろうか。
「なんで、泣いてるの」
今だって私の指先は彼の大粒の涙で湿っている。嗚咽を堪える素振りも見せずに迷子の子のように泣きじゃくっている。そんな殺人犯があるか。
__ああ、何だかもうどうでもいい、眠い。誰だよ死ぬ時は人生で一番楽だとかほざいたの。
「一緒に死んだら、次に生まれ変わることがあるとき、近くに居られるんだって……前にどこかで見た」
「は、うそ。完璧な人でも、そういうの……」
途端に抗い難い眠気に襲われた。そして私はそれに飲み込まれるように意識を落とした__。
__筈だったのだが、神は人間の使い回しが荒いのかと言う速度で転生した。凄い速さだった、ご飯に卵をかけられないくらいの速さだった。
「色々と物申したい……そういや誰かに殺された系転生と言えばチートが付き物だと思ったんだけど」
世界観的にここは夢に見たゲームの世界だと思う。こういうのってさ、『主人公がモテる』『主人公チート』『スライム可愛い』が鉄則だよね。
なんて思ってたけど、そもそも主人公が誰か分からないし私は神からの愛も詫びも何も無いしスライムいないし。
あ、唯一感謝することは美男美女が多いこと。それだけ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-06 22:34:34
2664文字
会話率:38%
現代社会には俺、火威(ひおどし) 赤夜(あかや)のように、異能の力を持つ奴だっているんだよッ!
「震えよ、畏れよ、因果の灼炎。輪廻に抱く、魔の業火、燎原の火よ、咽返る空を、刹那にて、赤く染上げよ。――《獄炎の射手(アフターバーナー)》
そう唱えて、俺は窓の外を見る。逃げ惑う無辜の民、周章狼狽する世界。憂さ晴らしをした、俺にとっては最高の景色だぜ。
「くくくくく……これも今期のアニメが面白くなかったからいけないんだ!」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-31 18:30:17
26942文字
会話率:51%
私立薊高校。そこは、『声』を完全に遮断する。
咽び泣く生徒や教師の声を。
これは、そこに落とされた2筋の光の物語――
最終更新:2019-03-09 23:20:39
4986文字
会話率:52%
地面に開げたポテトチップスの袋
飲みかけのペットボトル
集めたコインがポケットの中で・・・・・・
最終更新:2018-12-08 16:25:40
638文字
会話率:0%