「えへへー♪ アキトくん、どうどう? 新しい制服似合ってる?」
届いたばかりのまっさらな高校の制服を着たひまりちゃんが、ファッションショーでもしているみたいに、僕――神崎暁斗(かんざき・あきと)の目の前でくるりと回った。
短いスカー
トがひらりと舞い、僕は慌てて視線を上げる。
「すごく似合ってるよ。まるでひまりちゃんのために作られた制服みたいだ」
「やった♪」
僕とひまりちゃんは血のつながっていない義理の兄妹だ。
僕が小学校のころ、クラスに母子家庭の女の子がいた。
それがひまりちゃんで、ガリガリに痩せていて、何度も繕ったであろうボロボロの古着を着ていたこともあって、
「貧乏神が来たぞ~!」
「貧乏が移っちまう! 逃げろ~!」
心ない男子たちからは名前をもじって貧乏神なんて呼ばれていた。
「うっ、ぐすっ……」
ひまりちゃんは言い返すでもなく、いつも鼻をすすりながら俯いてしまう。
そして当時の僕はというと、自分こそが神に選ばれし特別な人間だと思い込んでいたのもあって、ひまりちゃんがバカにされているのを見かけるたびに、助けに入っていた。
そして父さんが食堂を経営していたこともあり、僕はひまりちゃんを家に連れ帰っては一緒にご飯を食べた。
それはいつしか、ひまりちゃんのお母さんも含めた家族ぐるみの付き合いになっていき。
ある時、僕の父さんとひまりちゃんのお母さんが再婚して、ひまりちゃんは僕の義妹になったのだ。
「これからは毎日一緒にいられるね!」
そんなひまりちゃんは年々綺麗になっていき、いつしか「女神」と呼ばれるようになっていた。
対してその頃には、ただの冴えない凡人であることを理解してしまった僕。
だけどひまりちゃんは昔助けられた恩義で、平凡な僕を今でも好きだ好きだと言ってくる。
そんなひまりちゃんに少しでも相応しい男になるために。
女神のようなひまりちゃんの想いに応えるために。
もしくはいつか、ひまりちゃんが本当にいい人を見つけた時に、胸を張って兄だと言えるように。
高校進学を機に僕はもう一度、僕をがんばってみようと思う――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-22 07:20:00
112396文字
会話率:44%
人の記憶を食べてでしか生きられない怪物、記憶食い。
食べられた記憶を求める追憶者。
記憶食いが生まれ、今でも彷徨っているという噂で有名なポピータウン。
少年は追憶者になるため、ここにいる人たちの依頼を受けなければならなかった。
そんな依頼の
一つに、記憶食いをみたという少女の記憶を探す仕事があった。
期待をよせて街の刑事らとともに少女の記憶を探す少年だったが、いずれ少女の記憶は街の崩壊へと導くのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-21 02:00:35
46550文字
会話率:38%
海の街で俺たちは出会った。黒艶の長い髪を風に躍らせる君。恋人になって初めて気付ける相性の悪さ。色々な愛の形がある中で、俺たちの形は−。同じ季節を歩く君と向き合うことを拒んだ俺の罪は−。気ままな子猫のようだった君を今でも、思い出す。
最終更新:2024-11-19 17:18:45
10842文字
会話率:67%
あなたの部屋にある大きな等身大タペストリー。それに描かれたお気に入りのお姉さんキャラが喋って、びっくりした。
そんなあなたは、おじさんです。
※変態的な描写があります。気持ち悪いと思うかもしれません。
最終更新:2024-11-16 03:10:00
1586文字
会話率:32%
君のいないこの町でも、今でもずっと思い出すんだ。あの華やかな花のような笑顔と、その笑顔をなくしてしまった君の事を。(※重複投稿しています)仲仁へび
最終更新:2024-11-14 02:00:00
398文字
会話率:20%
今でも苦手かも知れない。(※重複投稿作品)2023.5.21 簡易チェック
最終更新:2022-08-02 13:00:00
693文字
会話率:6%
幼馴染のウル、アイナ、チー吉、ベル、トワの5人。彼らは小学校のころから仲がよくその関係は成人した今でも続いている。しかし、ある日を境にトワと連絡がつかなくなる。4人は心配になり彼女の実家に向かうのだが不思議な現象ばかり起こりそれに巻き込まれ
ていく...折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-11 22:12:25
2774文字
会話率:23%
わたし、「武久 紗奈」には一人の姉がいた。
姉の名前は「武久 佳奈」。彼女は二年前のある日突然姿を消してしまった……。
わたしは行方不明となってしまった姉を探すべくあちこちを探し回っていた。
しかし、姉が姿を消してから二年たった今でも
見つけることが出来ずにいた。
そんなある日、いつものように姉の捜索から帰ったわたしは家の玄関へと入ろうとした時謎の声とともに光りに包まれ、気が付くと異世界へと飛ばされてしまっていた!
そこで偶然「ユーリ」とその姉「エミリー」という犬の半獣人の姉弟と出会う。
わたしは姉のことを二人に聞いてみるとユーリが姉に助けられたことがあると言うっ!
お姉ちゃんはこの世界にいるんだ……っ!?
わたしはユーリとエミリーの協力の元、姉であるカナを探す旅へと向かったのだった……っ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-09 17:00:00
216104文字
会話率:45%
今でも心にある思いとは。
キーワード:
最終更新:2024-11-07 20:54:44
1882文字
会話率:32%
男だからと捨てられた。
男だからと家族を奪われた。
男だからと光を奪われた。
絶望に打ちひしがれる中、力を手にした少年の心に確かに刻まれた女性に対する強い憎しみ。
忘れることなど叶わず、長い年月が過ぎ去った今でも燻り続ける
怒りと憎悪。
しかしそれでも、彼は前を向いた。歩みを止めることはなかった。全ては、自らを救ってくれた恩人に報いる為に。
これは、女性だけが力を持ち、我が物顔で闊歩するこの世界で、史上11人目の男の戦核者として戦い抜いた彼の物語だ。
───────
更新頻度は早くて3日に1話。長くて1週間に1話となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-06 12:00:00
67511文字
会話率:47%
美しい青と白の月が巡るその世界を人々はナサティアと呼んでいた、ナサティアは古代の大地母神の名で大地そのものを意味する、そのナサティア最大の大陸はその地の民にエスタニア大陸とよばれていた。
今から1000年ほど昔の事、エスタニア大陸は無数の
群雄が割拠し混迷を極めていた。
その大陸北東部の小公国エルニア、継承騒動から祖国を追われた公子ルディガー=イスタリア=アウデンリートが放浪の旅で巡りあった運命の英雄達の力で公主の座を手に入れ、やがて史上初めてエスタニア大陸を統一し覇王と呼ばれる事になる。
暁の戦乙女ベルサーレ=デラ=クラスタ、鋼の聖女アンネリーゼ=フォン=ユーリン、青の軍師アゼル=メイシー、黒衣の宰相アンブローズ=カメロ、史上最大の魔術師アイゼンドルフ=ザロモン、そして偉大なる精霊魔女アマリア。
永久の刻が流れ去っても覇王と英雄たちの物語は今でも吟遊詩人達のサーガに歌われ続けている。
◇◇◇
ルディガーとその仲間達は戦乱のテレーゼの混沌の中、偉大なる精霊魔女アマリアと精霊王への道を切り開く為の戦いに臨もうとしていた、彼らを阻む死靈術とテレーゼの呪いを打ち破る事ができるのであろうか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-05 08:10:00
2587326文字
会話率:44%
今。
橋田栄斗は死んだ。 そして異世界に転移していた。
物語は半機械人間である『彼女』との出会いから始まる。
彼女と触れ合う度に、人間らしくなっていく彼女。
そして彼女がいつも『博士』と呼ぶルーダ博士の過去……
今までの世界を知り、これから
を生きていく。
機械と人の物語が紡がれていく世界を舞台にエルトは今日も『彼女』と共に生きる。
「少年よ、立ち向かわなきゃ取れねぇものもあるぜ」
今となっては馬鹿らしく思う言葉に、今でも背中を押される。
あの日の誓いを胸に、今日も俺は歩く。
世界を知って、俺は何ができるのかーーーーーー
過去。
ルーダ博士は、いつもどこか後ろめたさを感じているように見えます。
その想いを汲み取れず、私は博士に何もしてあげられません。
分からないのです。 教えてくれないのです。
何故、私が11546と呼ばれているのかさえも。
いったい何があったのでしょうか?
いくら分析しても、あなたの感情数値で負の感情が下がることがないのです。
あなたからは多くのことを教えて貰いました。 ですが……
まだ、あなたのことは、多くは教えられておりません。
そして、あなたも。
願わくばその傷を、癒すことができたならーーーーーー
今と過去。
全てを知って、今と同じままでいられるか。
なにをできるのか。
これは序章。 世界を知るための。 知るための。
知って、戦って、俺は。
その先で何を成し、なにを見るか……
これは、過去を巡る再スタートまでの物語。
この夢を忘れないでーーーーーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-04 23:33:36
2795339文字
会話率:46%
主人公の日景華菜(ひかげ かな)は二十歳で大学二年生だ。
見た目は地味で眼鏡をかけ、それほど目立たない存在である。
華菜は高校の時から、ずっと好きな人がいた。だが告白をしていない。そのため、その彼のことを今でも忘れられずにいる。
そんなあ
る日。その彼……瀬能勇士(せのう ゆうじ)と帰り道で、バッタリ出逢う。
その後、華菜は勇士と話をしたあと連絡先を交換して別れた。
別れた直後、華菜の目の前で勇士が車に轢かれる。
それをみた華菜は無我夢中で勇士のそばへと向かい走り出した。
だが華菜は勇士のそばに近づけないまま車にはねられる。
そして華菜は自分の家で目覚めた。
目覚めた華菜は、ふとスマホの画面をみて高校三年生の自分だと思い安心する。そう夢だと思ったのだ。
だけど夢が鮮明すぎて不思議に思う。
その後この夢を三回みていることを思い出した。
そのため、なぜその現象が起きているのかと考える。すると突然、目の前に白猫が現れる。
その白猫は、とある神社の使いであり華菜の願いを叶えるために遣わされた者だったらしい。
そう白猫は常に傍にいたのだ。
そのあと白猫から説明を受け華菜は、この状況を回避するために行動を開始した。
そうこれは恋愛リベンジ、ループ物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-31 23:33:48
1495文字
会話率:33%
僕はジャスパー。
僕の背中には雀と似た羽がはえている。
この羽のせいで僕は差別を受けた。
僕が生まれたときにおかあさんが最初に放った言葉は今でも覚えている。
何故覚えているかはわからないけど。
学校には行きたくなかった。
みんなに差別される
のが、相手にされないのが嫌だったから。
僕はそう思っていた。
あの少年と出会うまでは。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-31 07:00:00
11567文字
会話率:14%
僕と清志は親友だった。だから、僕が彼の進路に嫉妬しただなんて、今でも信じられない。
僕は彼に嘘をついた。彼が進もうとしている道は険しく、きっと途中で挫折するだろう、と。その言葉を信じた彼は、夢をあきらめた。
清志は死んだ。交通事故だった
。僕はあれからずっと彼に嘘をついたままだ。取り消すことも謝ることも、もうできない。
そして、僕の前に清志は現れた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-31 06:00:00
4274文字
会話率:24%
私の名前は佐々木明子。
広島に暮らす女学生だ。
いつも通りの日常を、家族や友達と過ごす。
製糸場で働く時間も、もはや短く感じている。
日本はアメリカに勝てる訳が無い。
それなのに、愚かな戦争を続けている。
植民地になってでも良いから、と
っととこの愚かな戦争を終わらせて欲しい。
崩れる事が無いと思っていた日常という物は、簡単に崩れてしまう。
世界初という言葉の聞こえは良いが、場合によっては最悪である。
それが、広島市に貼られたレッテルだ。
世界初、原子爆弾が投下された場所。
それが、広島県広島市。
それは、戦争が終わった今でも残っている。
それは、一生語り継がれるべき物語だ。
それは、忘れられる事など無い。
これからも、同じ過ちが繰り返される事が無いように、世界中がこの物語を覚えておくべきである。
第二次世界大戦中に広島に起こった惨劇。
そして、その下にある人々の思い。
今、劇的な物語の幕が開かれる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-28 23:34:19
7459文字
会話率:9%
老年になった山北孝は年上のいとこ梅沢芳子との関わりを思い返す。少年期、青年期さらにお互い高齢になった今でも、自分とはいろいろな時点で係わりを持ってきた女性である。
ある年、帰省した孝は芳子との夕飯の席で、昔自分の父親が芳子と二人だけで暮
らしていた時期があったことについて、叔父と姪の間で何か男女のことがあったのではないかと芳子に聞く。芳子の答えは………。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-27 00:00:00
10211文字
会話率:24%
今でも覚えている。あの時私の両手は、文章に浸ったのだと。
最終更新:2024-10-25 18:21:19
660文字
会話率:10%
「お前はクビだ」
そう宣告された男の人生がこれから始まる。
最終更新:2024-10-23 20:06:53
13549文字
会話率:38%
『あたし、アキノリ君のこと、スキ……!』
『わ、わたしも、アキノリさんのこと、スキです……!』
『アキノリ……』
――今でも時々、あの頃のことを思い出してしまう。
今までロクに友達も彼女もできず、思えば、あれが最初で最後のモテ期だっ
たんだなと思う。
古川明則は、引っ越し先へと向かう親の車の中で、甘酸っぱい過去の栄光に浸っていた。
新たな生活が始まる中、明則が願うことはただ一つ。
「今度こそ、何事もなく学生生活を謳歌できますように……!」
前の高校では散々な目に遭ったので、引っ越した先の高校では、今度こそ普通の学生生活を送りたい……!
そして、転校生として、明則が新たな高校へと向かうと――。
「あー、明則君だ!」
「私たちのこと、覚えてます……?」
「久しぶり、明則……」
――へ? まさか、君たちって、あの頃の?
明則の学生生活は、再び大荒れを迎えそうだ。
――続きは本編で。
©2024 謎の赤毛折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-21 22:16:25
12914文字
会話率:41%
恋人のいない陰キャ寄りの寿崎和弦[すざき/かいと]には、唯一幼馴染がいる。
けれども、高校生になってからクラスも違い、高校二年生に進級した今でも別々のクラス。和弦は幼馴染の事を遠くから見る程度で直接関わる事もなかった。進級し、三か月が経
過したある日の事。和弦は幼馴染とバッタリと出会った。
幼馴染――優木紬[ゆうき/つむぎ]は学校内でも人気があり、高校生になってから、和弦とは住む環境が変わっていたのだ。
そんな幼馴染から、“付き合ってくれないかな”と声をかけられ。その時から、和弦の日常は変わり始めたのだった――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-21 21:50:25
87369文字
会話率:42%