智子と瞳、仲の良い女子中学生の二人。
ある日、些細なことがきっかけで喧嘩をしてしまった。
それ以来、顔も合わせず口も利かない日々。
仲直りはしたいけど、自分から謝るのは悔しい。
智子は瞳に謝らせるために、瞳の悪いうわさを流すことにした。
しかし計画は上手くいかない。すると、その悪巧みに協力者が現れた。
学校でうわさの、いたずら好きの花子さんだった。
うわさを使ったいたずらの果てにあるものは。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-04 21:30:24
4361文字
会話率:22%
死は常にその背に寄り添い、生に対して甘美な夢を囁く。
生まれた時から私の存在は生きていても死んでいてもそう大して代わり映えがなく、今となっては死んだ方がましという有り様だ。
私はもうずっと、どちらつかずのままその中間に佇んでいる。
その間にも生と死との境は曖昧に滲み続け、手を伸ばしたそこで私はいつでも死を掴むことができた。しかしながらこの死は触れた途端に嬌声を上げて身を捩り、まるで陽炎のごとくするりと私の手から逃れ去ってしまうのだ。そしてこの手の中には虚ろな生だけが残され、まるで陽光に晒され乾いた砂のようにさらさらと儚く零れ落ちていく。
私という存在は色もなければ味もない。音もなければ香りもない。
ただそこにあり、ただここで澱のように沈んでいる。
そのように鬱屈した日々を過ごしていたある日のことだ。私は古びて朽ちかけた教会でひとり夜を明かすはめになった。今では村人でさえ顧みることのない、森の奥の名もなき教会の、その中で。
あの日の私は、今となっては理由さえ思い出せない些細なことでウドと諍いし、煮えたぎる怒りを冷ますためがむしゃらに馬を走らせていた。そしていつしか森の魔性に捕まり、気付けば帰り道を見失い、情けなくも途方に暮れていたまさにその時、その教会は何の脈絡もなく、まるで影の隅からぬるりと抜け出すような不快さと唐突さで私の前に立ちはだかったのだった。
何とも妖しい教会だった。
その悍ましい外観を見つめるだけで私は身震いし、人の業では成しえない何かを感じて思わず息を飲み、そして胃の底から湧き上がる悪寒の前に戦慄した。しかし何の矛盾か、その姿は私の中に筆舌しがたい敬虔な気持ちも同時に掻き立てたのだ。私はただ、その異様の姿を前に立ち尽くすことしかできなかった。
何とも不思議な教会だった。
入り口の扉はすでに時の彼方へと消え去り、置き去りにされたように開いた暗い穴が静かな闇の息遣いを反射する。
しばらくして我に返った私は馬を降り、余計な音を立てぬようそっと中に足を踏み入れた。恐怖や畏敬の気持ちよりも、その瞬間だけは好奇の気持ちが勝っていたのだろう。
数歩を歩けばすぐに、聖堂の僅かな広がりが私を迎え入れた。
満月の夜だった。
月明かりが失われた天井から煌々と降り注ぎ、歳月に沈む過去を柔らかく照らし出していた。
私はそこで、見つけたのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-15 19:27:44
14793文字
会話率:12%
不用意なことは言わない方がいい
どんな些細なことであつても
最終更新:2024-07-10 20:28:45
1084文字
会話率:0%
魔力を持ち操る者を魔女・魔術師と魔力を持たぬ人間は畏怖を込めてそう呼んだ。
魔術協会とユリウス国。彼らが住まうところは違えど、同じ言語を扱い順調に交流が行われてきた。
だが、どうしても深く関わり合う上で些細なことで諍いは発生してしまう。どち
らに非があろうとも1vs1なら勝つのは決まって魔女、魔術師側。謝罪し和解までいくものの人々も腹の中ではよくは思っていなかった。
長と国王は永久問題として頭を悩ました。このままではいずれ対立を招いてしまうと策を模索している時、事件はついに起きてしまった。
報復の意を込めて、あるいは無関係に、ある時人の操る荷馬車は長の一人娘。魔女の娘を轢き殺してしまった。
後に対面することになった我が子の変わり果てた姿、亡骸を前に長ら両親は崩れ落ち、あまりの悲惨さから参列者らは復讐を誓った。
彼らに同調する者も多くおりあわや戦争にまで発展しかけた時、当時のユリウス国の王が謝罪し当事者を秘密裏に魔術協会に差し出した。
長らは、彼を前にして瞳を揺らし、然れど生きよと述べた。
この者を殺せば心は幾分晴れるだろう。だが、我々二間の関係に埋めようのない亀裂が生じることになる。..娘は..あの娘は...ユリウスのこと...大好きと言っていたんだ...。だから...せめて...。帰ってくれ。二度と俺らの前に姿を現すな...。
国王...協会の内部が落ち着くまでしばらく関係を絶つことを許して貰いたい。
絶縁状態の関係のまま王ら長らの寿命が尽き、代代わりしても関係性は変わることはなかった。
だが、白の魔女、ホワイトリリー。絶大な魔力を持ちし者の出現により事態は好転。彼女は人々のために力を振るい魔女の価値を示し続けた。
その甲斐あって徐々に二間の蟠りがほどけていく。
しかし、同時に、国王は危惧した。
白の魔女が味方のうちは頼もしい。
だが、もし、もしも、その力を我々人間に向けることがあったなら...。
そんな折、魔術教会の長と名乗る者から信じられない提案を受けた。
白の魔女を消すため我自ら力を貸そうではないか。
成功した暁には、我々魔女、魔術師と、人間、昔にあったような関係性を取り戻したいと思っておる。我らの代で、また歩みを共にしようではないか。
差し伸べられた小さな手を目にし、迷うことはなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-08 16:00:00
45570文字
会話率:28%
友達関係のあり方、裏を知ること。
それを簡単に受け入れられるのなら、苦労はしない。
私の経験は、きっとあなたも経験するでしょう。
キーワード:
最終更新:2024-07-05 11:37:47
5373文字
会話率:0%
人間関係の難しさ、自分の人間性についての葛藤。
いつだって、悩むのはこんなところ。
「私」の過去を遡って、私の経験があなたの一部になる。
キーワード:
最終更新:2024-06-23 21:22:15
5659文字
会話率:6%
これは、お互いが知らず知らずの内に推しとなり、些細なことでその正体を知って驚いている双子の配信者の物語である。
最終更新:2024-06-26 22:26:04
97221文字
会話率:69%
――あ、死んだ……。
――え、死んだのか……?
――ああ、おれは死んだ……。
地面にへたり込む彼は、朝起きたばかりのような脳でそう思った。ぼーっとしてはいるが、自分が死んだ瞬間の記憶、こちらに迫りくる車が網膜に張り付き、頭から
離れない。この体が、つい先ほどまでいた現世と未だ粘液性を帯びた糸で繋がっているような感覚がしていた。
だが、もうその糸は断たれている。そう、自分は死んだのだ……。
彼は辺りを見回し、そして少しばかり安堵した。この景色。どうやらここは天国のようだ。彼の周りには同じように辺りを見回す人々がいた。そのうちの何人かと目が合い、軽く会釈する。それもまた、彼の心を落ち着かせた。
しかし、自分が天国に来られるとは思っていなかった……とまでは言わないが、確信はなかった。警察の世話になったことはないが、自分は善良な人間だったと胸を張って言えるかと問われれば、顔を背けただろう。もっとも、多くの人間がそうだろう。多かれ少なかれ誰しも悪いことはしたはずだ。虫などを殺したことがあるだろうし、嘘もつく。
しかし、こうしてここにいるということは、そういった些細なことは判断基準にはならないらしい。地獄行きは免れたのだ。
彼はふぅと息をつき、立ち上がろうとした。その時、頭上に影が差した。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-06-22 11:00:00
2090文字
会話率:27%
この世界にはカースト制度があり、人間は何があっても生きてゆかなければなりません。親が高貴であろうと関係ありません。些細なことでトラブルに巻き込まれることもあります。私たちのキャラクターは、ワイシャという女性です。平均以上の強さで、下から上ま
で這い上がることができますが、将来には多くの課題があり、ワイシャの人生の政治は不思議なほど刺激的で理解するのが難しい物語になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-12 22:23:49
1989文字
会話率:44%
アンチ活動に日々精を出す木下は、これまでの人生で何不自由なく暮らしていたが、些細なことがきっかけでアンチ活動にハマってしまう。
最終更新:2024-06-11 00:43:19
4659文字
会話率:19%
【勝利は、わが迅速果敢な行動にあり】
主人公の<ルイ>は、『ヤンデレチートゴスロリ王女様』<フラン>に気に入られる。彼女に、時には振り回され、時には監視され、時には些細なことで嫉妬され、時には拉致監(以下略) やがて宇宙艦隊の司令官に
任命されてしまう。そして主人公補正で才能を開花させて、仲間達と力を合わせて祖国の平和を守ろうとするが……。チート的才能を持つ主人公であるが如何せん周りもチートな人達がいるのでなかなか目立てないので、まあ、いいかと思うが時代の激流と主人公補正がそれを許さないスペースオペラとなる予定ですが、コメディ寄り作品になる予定でしたが、作者なりに過去の戦術戦略を元に戦いを構成したシリアス寄りの物語になっていると思います。
戦闘が好きな方は、第一章から読んでみてください。
SF(スペース・ファンタジー)なので、設定は結構ゆるいです。
あと、本作品は戦争物なので人がたくさん死ぬ事になりますが、作者がグロやら人が死ぬのは余り好きではないので、できるだけライトに描写しようかと思っています。
誤字報告、よければ評価やブックマークなどよろしくお願いします。
ナポレオン戦争をベースにしています
【累計 69000PV感謝です】
追記
9/21 思っていた以上にちゃんとした戦記物になっている気がします
9/29 チートと書きましたが、今の所ヒロイン(ヤンデレ)以外、歴史上のチート英雄達よりチートじゃないような気がします・・・
カクヨム様、アルファポリス様でも投稿しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-01 00:05:21
439803文字
会話率:34%
「――つまりこれは、筋書きのある舞台のようなものなのね?」
恋愛シミュレーションゲーム【月光のリーベリウム】における『悪役令嬢』、アーデルハイド・フォン・ヴァンデルヴァーツは、ある日自分を待ち受ける運命を知った。
『主人公』たる異母
妹、レティシア・フォン・ヴァンデルヴァーツをいじめ抜き、そして最後には復讐され、断罪されるのが役所。
「私の『役』は……『いじわるな腹違いの姉にして、人の優しさを解さぬ高慢ちきなお嬢様』?」
未来は、ほんの些細なことで変わってしまう。
きっと、舞台をぶち壊すこともできる。
「よろしい。与えられた役を、演じ抜いてみせましょう」
けれどこれは舞台。
誰かが作った、誰かを幸福にするためのストーリー。
「あー、うちの妹可愛い……めっちゃかわ……はっ、いけない。いじめ抜かなきゃ……」
だからこれは、気の迷い。
台本の行間に記されず、台詞にして語られぬこともあるものだから。
「演じ抜きましょうとも。したくないことをするのには慣れている。そして今度は、自分の心までは裏切らずともよいのだから」
だからこれは、演者に許された裁量の範囲内。
この舞台をぶち壊しかねない素人どもに、未来を変えさせない。
「目標その一、【最後の舞踏会】。目標その二、【断頭台】。ありとあらゆる抵抗を排し、全てをあるべき未来へと」
目標その一、【最後の舞踏会】。
目標その二、【断頭台】。
「そのためにこれまでの全てがあったと言うなら、私の人生も、この血塗られた公爵家の歴史も、少しは報われるというもの」
善良な妹に幸福を。
非道な姉に報復を。
「私の妹に、幸福を贈る。誰にも、邪魔はさせない」
異母妹――自分の地位を脅かすかもしれない、"冷徹非情のヴァンデルヴァーツ"の当主にとっての『敵』を。
血を分けた妹を、本当は大好きな姉がいただけの話。
「お姉ちゃ……お姉様!」
でも、その妹も、姉(私)のことが大好きみたいで……。
目標達成の一番の障害になってるのどうしよう。
・あらすじ圧縮版
悪役令嬢のお姉ちゃんが、妹の幸せのためにゲームシナリオ通り断頭台エンドを目指す。
……でも、妹は姉妹百合エンドを目指しているかもしれない。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-28 10:03:34
512634文字
会話率:21%
【異世界恋愛・婚約破棄】
「あれは何だったのかと今でも思いますわ! あんな些細なことで縁が切れ、今彼は別の人と家庭を作っているなんて……」
今を時めく宰相の息子ジェイク・フォールヒル公爵令息の結婚が国中で祝われる中で、サラ・バーレル伯爵令
嬢の元にもささやかな結婚の申し込みが舞い込んでいた。お相手は堅実そうな男性。しかしサラはあまり乗り気にはなれなかった。サラにはまだ乗り越えられていない恋の傷があったから――。
設定ゆるいです。
お気軽に読みに来ていただけたらありがたいです。
他サイト様でも公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-18 04:00:00
7863文字
会話率:35%
ミレーヌの婚約者であるバスティアンは繊細な美少年だ。
婚約当初は喜んでいたミレーヌだったが、「些細なことでも傷ついて落ち込んだり、傷ついたりする自分は嫌われてしまうのではないか」などと、様々な不安を抱えているナイーブなバスティアンに対して
、次第に三歳児とか五歳児とかの引っ込み思案な男の子の面倒を見ている親戚のお姉さんのような気分になってきた。
「婚約者、もう辞めたい……」そう祈った時に現れた男爵令嬢。男爵令嬢はミレーヌにとって神の御使いのように感じられた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-12 14:55:01
4158文字
会話率:18%
星降り山の奥の奥に、1匹のカエルが住んでいることを知っていますか?
カエルの名前はツカイマ。流れ星の魔女を飼っていて、それはもうたいそう可愛がっているのです。
カエルと魔女。言葉は通じないけれど、お互いに大事に思っていて、それなりに楽しく暮
らしています。
今日は、そんな星降り山の1匹と1人の暮らしを、少しだけ覗いてみませんか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-06 12:10:24
5262文字
会話率:20%
幼い頃に実母を亡くした男爵家の令嬢ビオラは、家族から虐げられて育てられていた。
まるで自分がこの家の長女だとばかりに横柄に振る舞う、継母の連れ子でビオラの妹フルート。
フルートを甘やかし、ビオラには些細なことでも暴力を振るう実父、デミ
ヌエ男爵。
貴族の令嬢として適齢期になっても社交界に一度も出ることなく、屋敷の中で時間を過ごすビオラには、亡き母の手記で知った薬作りだけが唯一の心の拠り所だった。
そんな中、ビオラは突然【仮面侯爵】と悪名高いグラーベ侯爵の元へ嫁ぐことのなったのだが……
「ビオラ? 仮面侯爵にお会い出来たら、ぜひ仮面の中がどうだったのか教えてちょうだいね。うふふ。とても恐ろしいという噂ですもの。私も一度は見てみたいわぁ。あ、でも、触れてしまったら移るんでしょう? おお、怖い。あははははは」
フルートの嘲りの言葉を受けながら、向かったグラーベ侯爵の領地で、ビオラは幸せを手にしていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-02 08:12:39
62760文字
会話率:44%
地上を追放された人類にとっての楽天地、シェルター14で異邦人に対する猟奇殺人が発生した。扇署の雑用係として名の知れた田中班が捜査を任されるが、その日のうちに政治の息がかかった九里という女性秘書が介入してくる。立場の違いから些細なことで衝突を
起こす毎日。しかし、真相が明らかになるにつれて両者の心には同じ形の正義が芽生えていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-28 15:37:31
65942文字
会話率:75%
何年間も社畜をしていた主人公、ほんの些細なことで運命の歯車から逸脱してしまい、『作られた運命』によって命を落としてしまった。
運命を操作した女神様がその賠償で異世界転生をさせ第二の人生を自由過ごしてほしい。
彼は自分自身の物語を紡いで行く。
最終更新:2024-03-24 20:00:00
70572文字
会話率:70%
「月がきれい。あの日みたいに」
合宿のある朝、隼斗と夏未は仲がいいことで有名な先輩カップルの喧嘩に遭遇してしまう。
些細なことからすれ違う隼斗と夏未は、別々にその喧嘩の真相を探り始める。
しかし2人にはそれどころではない理由もあって……。
満月が照らし出すそれぞれの真実は一体?!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-13 19:00:00
4528文字
会話率:52%
恋愛ソングにスパイ系のPVが使われている。なんてどうでもいいことじゃないですか。そんな些細なこと、気にしなければこんな目に遭わずにすんだでしょうに。
最終更新:2024-03-07 02:31:12
4572文字
会話率:33%
高校生の主人公の大志(たいし)は、同い年で幼馴染みの奈由(なゆ)と2年前のバレンタインデーに両想いだと解り、付き合い始めた。
今年もバレンタインデーに待ち合わせている。
しかし数日後に迫った“その日”を前に、些細なことでケンカをしてし
まう。
そしてそのままバレンタインデー当日を迎える。
仲直りがしたい大志がとった行動は?
本作は2022年2月14日投稿の作者主催『バレンタイン恋彩企画』参加作品『憧れと恋とバレンタイン』(https://ncode.syosetu.com/n1992hm/)のその後のお話ですが、本作のみでも楽しんでいただけます。
この作品は、作者・藤乃 澄乃主催の『バレンタイン恋彩2』企画参加作品です。
著作者:藤乃 澄乃 2024年2月14日投稿
無断転載は固く禁じます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-14 13:35:52
3735文字
会話率:39%