ラクラスは、読書好きで魔導研究者になりたい一五歳。力を欲せず、争いを好まない。心優しく可憐な少女。
――少女の世界の始まりは、終わりと同時に訪れた。
氷結世界の極寒すら蒼褪めるような鋭い視線、一点の淀みも無い透き通った翠緑の瞳。その瞳の
奥には、想いを貫く強い意志と、哀愁を帯びた調べ。
奏でる旋律は、滅びへの導き――。
ラクラスは、「死の祝福」と「闇の加護」を宿し、贖罪の十字架を背負う、絶対領域の少女。
「祝福」は力、「加護」は守、「支配」は使者。
「祝福」、「加護」、「支配」を頂点の名前として描いた神の三角形。その三辺の内側領域に属する極一部の者の総称を絶対領域(Absolute Territory)という。
絶対領域……。
それは、禁忌の力。人智の及ばぬ力――。
キメ細やかな柔肌。薄く桜色に染めた頬。絹のような光沢を放つ艶やかで張りのある、腰まで真っすぐに伸びた線の細いサラサラとした金色(こんじき)の髪。小さく華奢で触れると壊れてしまいそうな幼さの残る肢体。
背筋が凍りつくような神気をまとう人形のように美しい幻想的な少女が、力の代償として生まれながらに失ったものは眠りの世界に広がる『夢』。
暗黒が支配する終わった世界の眠りに堕ちた少女は、永久の闇の果てに光差す世界の始まりを求めて、運命に抗うことを決意する――。
ラクラスの『夢』探しの旅と出会いの物語が始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-19 23:00:22
175627文字
会話率:37%
不定期連載で連載速度遅いです。
主人公黒葉(クロハ)が救われない物語。
主人公黒葉(クロハ)は心優しく元気な少女であった。だがクロハに数々の悲劇が襲いかかる。クロハはどうなるのか!?
※カクヨムにも投稿しています
最終更新:2025-01-17 19:10:17
4168文字
会話率:49%
「アルフレッド・ファーン!お前は王となり、英雄になる男だ!」
時に統歴1390年、帝国歴183年、かつて大陸の覇者であったソレイア帝国は、北方イェンリヒ王国との15年もの間続いた戦争を辛くも生き延びた。
しかし、長きにわたる戦乱は、国を、
そして人心を確実に蝕んだ。
かつて帝国の守護者たらんと北方との戦いで力を尽くした三将軍たちは己が同士で権勢を競う事のみに腐心し始め、民衆の生活が顧みられる事はなく世の荒廃は深まる一方であった。
そんな中、帝国のとある小さな農村にアルフレッド・ファーンという少年が居た。
元気で、心優しく、愚直で、それでいて物語で描かれる英雄の活躍に憧れを持つどこにでも居る少年の一人である。
しかし、彼が運命を見つけ、天命が彼を指し示した時、新たなる戦旗が立ちあがり、戦鼓のうねりが轟き渡る!
特定の時代の、特定の地域の、特定の人達をモチーフに、そこに様々な要素を加えたり弄ったりしてから、筆者の思うがままに個人の趣味嗜好に則って書いてみた代物です。
言うなれば三国志の世界に、演義のパワーで暴れ回る人が何人か居るような感じのお話です。たまに無双になります。
筆者にとってこれが初めての小説ですので色々拙いところはあると思いますが、第一の読者である筆者は出力の段階で結構満足しています。でも反応は頂きたいです。
また、これを執筆するにあたって文章の俯瞰や添削、筆者の精神安定を目的とした批評の出力、一部作中テキストの作成等のためにチャットGPTやジェミニ等のAIを利用しています。
追記:初投稿は間口を広く取るべきだと聞くので、これはカクヨムにも並行して投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-12 19:22:59
52073文字
会話率:31%
私の双子の妹の《エミル》は、聖女として産まれた。
特別な力を持ち、心優しく、いつも愛を囁く妹は、何の力も持たない、出来損ないの双子の姉である私にも優しかった。
「《ユウナ》お姉様、大好きです。ずっと、仲良しの姉妹でいましょうね」
傍から見れば、エミルは姉想いの可愛い妹で、『あんな素敵な妹がいて良かったわね』なんて、皆から声を掛けられた。
でも違う、私と同じ顔をした双子の妹は、私を好きと言いながら、執着に近い感情を向けて、私を独り占めしようと、全てを私に似せ、奪い、閉じ込めた。
冷たく突き放せば、妹はシクシクと泣き、聖女である妹を溺愛する両親、婚約者、町の人達に、酷い姉だと責められる。
私は妹が大嫌いだった。
でも、それでも家族だから、たった一人の、双子の片割れだからと、ずっと我慢してきた。
「ユウナお姉様、私、ユウナお姉様の婚約者を好きになってしまいました。《ルキ》様は、私の想いに応えて、ユウナお姉様よりも私を好きだと言ってくれました。だから、ユウナお姉様の婚約者を、私に下さいね。ユウナお姉様、大好きです」
――――ずっと我慢してたけど、もう限界。
好きって言えば何でも許される免罪符じゃないのよ?
今まで家族だからって、双子の片割れだからって我慢してたけど、もう無理。
丁度良いことに、両親から家を出て行けと追い出されたので、このまま家を出ることにします。
さようなら、もう二度と貴女達を家族だなんて思わない。
泣いて助けを求めて来ても、絶対に助けてあげない。
本物の聖女は私の方なのに、馬鹿な人達。
不定期更新。
誤字脱字報告いつも感謝しています。ありがとうございます。
この作品は私の考えた世界の話です。魔法あり。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
アルファポリス様でも掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-12 08:08:14
125701文字
会話率:52%
癒しの力を持つ聖女、エヴリーヌ。彼女は聖女の嫁ぎ制度により、公爵子息であるカリス・ヴォルテールに嫁ぐことになった。しかしカリスは、ブラシェーロ公爵子息に嫁ぐ聖女、アティを愛していたのだ。
カリスはエヴリーヌに二年後の離婚を願う。王の命令で結
婚することになったが、愛する人がいるためエヴリーヌを幸せにできないからだ。
勝手に決められた結婚なのに、二年で離婚!?
アティを愛していても、他の公爵子息の妻となったアティと結婚するわけにもいかない。離婚した後は独身のまま、後継者も親戚の子に渡すことを辞さない。そんなカリスの切実な純情の前に、エヴリーヌは二年後の離婚を承諾した。
なんてやつ。そうは思ったけれど、カリスは心優しく、二年後の離婚が決まってもエヴリーヌを蔑ろにしない、誠実な男だった。
やめて、優しくしないで。私が好きになっちゃうから!!
他社サイト様投稿中。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-07 21:10:00
192295文字
会話率:45%
戦いのない平和な世界で暮らす金髪の美少女・ルルー。彼女は家事手伝いをしながら、草木を愛で、動物と会話する心優しくも美しい少女。大きな変化も刺激もない日常を送っていたが、黒髪の青年の登場により生活は一変する。彼女の生活に、日常は戻るのか?そし
て、この青年はどこから来て、どこに行くのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-09 10:41:04
30563文字
会話率:30%
志の国の雨森ソラトは、心優しくも、勉強も運動もてんでダメなどんくさい少年。
ソラトは、動物や昆虫、魚、そして「珍獣」が大好きで、将来は生き物に囲まれて平和に暮らしたいというささやかな夢を見ていた。
文武の才に乏しく、大志も抱くことの
ない彼に周囲の風当たりは厳しい。
憂鬱な毎日を送るソラトだが、ある日、彼の運命を変える大事件が彼の住む町で起こってしまう。
「人の夢を守りたい」
その事件を機に、志、理、丈、縁、勇、愛、争の七か国併合軍隊「八併軍」への入隊を決意するソラトだが、果たして彼の運命や如何に……。
これはただ小さな夢を叶え、平穏に暮らすはずだった少年の物語。
それだけに留まるはずだった少年の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-31 19:01:56
467764文字
会話率:38%
魔王として生まれながらも、心優しく慈愛に満ちた「慈愛の魔王」は、自分の力を人々のために使うことを夢見ていた。しかし、魔王の務めは人間たちを恐怖に陥れることであり、彼はその葛藤に悩みながら日々を過ごしていた。
そんなある日、魔王は異世界の光
に包まれ、突如として勇者として召喚されることになる。召喚先の世界では、魔王の強大な力は救世の希望とされ、彼は「勇者」として人々から崇められるのだった。初めて感じる信頼と期待に戸惑いながらも、魔王は異世界の平和を守るため、自らの力を存分に振るうことを決意する。
しかし、異世界の平和には様々な試練が待ち受けていた。仲間との絆や人間たちの思いに触れる中で、「慈愛の魔王」は真の勇者として成長していく。彼が異世界に降り立った理由とは?そして、魔王としての宿命と勇者としての使命の狭間で、彼が選び取る未来とは――。
これは、慈愛の心を持つ魔王が、異世界で「勇者」として新たな生き方を見出していく、運命と葛藤の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-30 23:58:58
4350文字
会話率:37%
現代日本における怪死、変死の多くを担う化け物、【妖魔】。ただ人には見えず、異界の向こうからただ人を襲うべく魔の手を伸ばすその化け物と人知れず命を懸けて戦い続ける【倶利伽羅】と言う特別な存在がこの世には居る。
強き想いに応える力でもって妖
魔を滅する倶利伽羅の血。妖魔との血に塗れた歴史の上で成り立つ一時の安泰。その歴史と、積み重ねられた血を何よりも重んじる倶利伽羅。そんな倶利伽羅の中でも名家と呼ばれる子供達。彼らは一人前の倶利伽羅になるべく、今日も学園で学びを深める。
だが、その特別な環境にそぐわない人物が、一人。
その名は燼月永新。彼は名家のみが通う事を許された空間に押し込められた落ちこぼれ。永新は誰よりも心優しく、誰よりも純粋でありながら、その心は次第に砕けていく。不幸が不幸を呼ぶ中で、彼に手を差し伸べたのは――。
神童と呼ばれた落ちこぼれは、才児にもなれず、ただの人にもなれない。そんな彼を認めてくれたのは、たった一人だけだった。
これは、落胤を押された永新が――を殺すまでの話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-13 18:00:00
876929文字
会話率:41%
春から高校生になった涼風伊織(すずかぜいおり)は中学生時代に【男らしくない見た目】と言う理由で嫌がらせを受けていた。
伊織は地元を離れ遠い学校に入学し、それを機に一人暮らしを始めた。
そしてある日、学校の高嶺の花である水無瀬玲奈(み
なせれな)が学校を休み、家が隣という理由でプリントを持っていくことで初めて二人は接点を持つ。
伊織は玲奈が自分を警戒していたしそこで関係は終わりだと思っていた。
しかし伊織が学校で玲奈を助けたり、家のトラブルを一緒に解決したりして行くことで、何かと二人は関わって行くことになる。
そして時が経つにつれお互いはどんどんと惹かれあっていくのだった。
これは気弱だけど心優しく時にかっこいい伊織と、誰にも心を許さなかった学校の高嶺の花玲奈のじれじれで甘々な二人の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-07 06:00:00
4980文字
会話率:40%
あらすじ
38歳の男性、田中健一は現代日本でバーテンダーとして働いていた。彼は中二病の一面を持ち、独自のファンタジー世界に没入することが趣味だった。しかし、ある日突然、異世界に転生してしまう。
目を覚ました健一は、美しい異世界の街並みの中
で、自分が「ケン」と呼ばれる若々しい姿に変わっていることに気づく。新しい世界では、彼の中二病的な妄想が現実となり、彼は魔法の力を持つバーテンダーとして再び酒場を営むことになる。
酒場では、彼の青春時代を取り戻すかのように、若い冒険者たちと交流し、彼らの悩みを聞き、時には彼自身が彼らと冒険に出ることも。彼の魔法はただの演出にとどまらず、本物の力として役立つ。
主要なキャラクター
ケン(田中健一): 38歳のバーテンダー。異世界では若々しい姿を取り戻し、魔法の力を持つ。中二病的な性格で、ダジャレが大好き。実は心優しく、人々の悩みを聞いて助けることが得意。
リリア: 若い女性冒険者。酒場の常連で、ケンにとって妹のような存在。明るく元気だが、心に深い傷を抱えている。
エリオット: 若い男性冒険者。真面目で正義感が強いが、少し頑固。ケンにとって弟のような存在。
マスター: ケンが元いた世界での師匠的存在。彼のアドバイスが、ケンの行動に影響を与える。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-02 18:01:12
8850文字
会話率:39%
私は無名で孤独な素人作家、一番合戦仁です。
私の名前を知らない人は多いけど、実際に私に会ってみると多くの人が私の豊かな心の中の世界に感心し魅了されます。雄大で豊かな自然が広がる双子の浮遊大陸が、広い広い心の大空に、悲しい歴史を背景に浮かん
でいるからです。
その世界は私の心が投げかけた影であり、とある、ひとりの、とても心優しく美しい少女の住む世界でもあります。
その少女は生まれた時の血に恵まれず、数々の 困難を経験していきました。その中で彼女は内的な強さを手に入れたのです。
彼女はとても優しい だからきっとあなたに出会うことができたら、あなたが誰であろうと、そっと寄り添ってくれることでしょう。
コメント欄で彼女たちといくらか話をすることもできますので、ここの規約に抵触しない範囲内でどうぞご利用ください。
ここは世界の はずれ。
社会と繋がらない心の孤独な大空です。
たまには忙しい生活から離れて、この世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
皆様のお越しを、心よりお待ちしております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 20:11:20
3758文字
会話率:42%
伯爵令嬢のジゼルの幼馴染の婚約者は見目麗しく、努力家で心優しく、けれど大層不器用な人間だった。そんな婚約者アランに対して恋愛感情はないものの、ジゼルは彼を大切に思っていた。
結婚を1年後に控えたある日、ジゼルはアランと1人の少女が運命の出会
いをする場面に出くわしてしまう……
不器用な二人の不器用なハッピーエンドを迎える割れ鍋に綴じ蓋な話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-15 19:07:48
32334文字
会話率:38%
――海を翔る、〝魔女〟がいた。
◆
異世界軍と地球連合軍は約100年にも及ぶ戦争を繰り広げていた。
ドラゴンなどをサイボーグ化した兵器、機械魔獣に対して通常兵器しか持たない地球連合軍は苦戦を強いられるが、科学の力を集結させて
巨大人型機動兵器【パトリオット】を製造した。
量産に成功したそれは驚異的な戦果を発揮して形成を押し返す。
しかしパトリオットの操縦には特殊な才能が必要だった。
女性しか持たない未知の物質。
魔法のように不可思議なその力を“魔力”といい、魔力を持ち、パトリオットを操縦する者を“魔女”と呼んだ。
日本国自衛隊所属のパイロット、上原飛鳥もその魔女の一人。
幼い頃、命を魔女によって救われ、その姿に憧れて自らも魔女として生きていく事を選んだ。
正義感が強く、心優しく、天才的な才能を持ちながらもお転婆な熱血な飛鳥が愛機“雷桜参式”を駆る。
◆
巨大ロボットの発進シーンから戦闘シーンまでを描きました。
カッコいいロボットとチャーミングな飛鳥少尉の活躍をどうぞご覧下さい!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-12 12:10:00
9994文字
会話率:22%
「君は……リリスたん?」
地方貴族の長男ブラッディ=ナイトメアはある日、義理の妹となる少女リリスを紹介されたときに前世の記憶を取り戻す。
この世界は彼が前世はまっていたゲームの世界であり、目の前の少女リリスは、自分が最も推したキャラク
ターであり、様々な人々に迫害された結果、誰も信じられなくなり、その身に宿した邪神の力を使い、この世界を滅ぼそうとする冷酷無比な最強最悪なラスボスであることを……
「だったら、俺がリリスたんを救って見せる!! 彼女が夢見ていた英雄(ヒーロー)として!!」
そして、ブラッディは誰にも心を開かない彼女が、心のよりどころにしていた絵本の英雄の真似をして彼女を破滅フラグから守り抜いて幸せにすることを誓う。
その結果、リリスは原作とは違い、リリスは心優しく美しい少女に育っていくのだった。
「ああ、大人になったリリスたんはやっぱりかわいいなぁ……」
「ブラッディ様が正体を明かせば恋人になれるかもしれませんよ?」
「何を言っているんだ。俺は推しであるリリスたんに幸せになってほしいんだよ。俺のようなモブキャラじゃなくて、愛する人と結ばれてくれるのが一番だからな」
「はぁ……めんどくさいこじらせ感情ですね……」
そんな会話をしながらもブラッディはその正体を隠して、リリスを助け続けるのだった……だが、
「うふふ、またお義兄様に助けていただきました……いつもかっこいいです♡」
「ブラッディ様はリリス様のことをとても大事にされてますからね。でも、なんであんな変な格好をしているのでしょうか?」
「私にはわかりませんがきっとお義兄様には考えがあると思うんです♡」
とリリスはもちろんのこと、街の人々も彼がリリスを守る正義の味方であることを知っていたのだった。その結果、何度も助けられているリリスはどんどん重度のブラコンになっていくのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-05 17:24:37
93650文字
会話率:56%
「出来損ないのあの子をあなたの代わりとして嫁がせましょ。あんなところに嫁いだら何をされるか分からないもの」
小国アーレンス王国は突如隣国シュナイダー帝国の侵略を受け、城を呆気なく制圧された。
アーレンス城を制圧したのは冷酷無慈悲な帝国
の魔道将軍オスカー・シュナイダー公爵。
アーレンス王国は無条件降伏を受け入れ、帝国の支配下へと下る。
皇帝が戦利品として要求してきたのは、アーレンス王国第一王女エリーゼの身柄。皇帝の甥っ子であるオスカーのもとへ嫁がせるためであった。
だが、可愛い我が子をそんな非情な男のもとへなど嫁がせたくない第一王妃アーレンスは、第二王妃の子であるフローラをエリーゼの身代わりとして帝国に差し出すのであった。
⸺⸺
毎日虐められているにも関わらず、心優しく育ったフローラには、不思議な力があった。だがそれは誰にも気付かれることなく、彼女自身も無自覚であった。
そんなフローラがオスカーのもとへ嫁いだことで、アーレンス城には悲劇が起こることとなる。
一方で拷問覚悟で嫁いだフローラに待っていたのは……?
※アルファポリスにも掲載しています(完結済)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-24 18:00:00
44508文字
会話率:51%
魔女は忌み嫌われ迫害される存在。魔女は異端審問により暴かれ、時に村ごと焼かれる。信仰のため、全てが正当化されていた。魔女のメービスの故郷もそうして焼かれ、一人生き残る。だが、メービスは他の魔女と違った。単純に強かった。そして、誰よりも心優し
く純真だった。
これは、人間に絶望した魔女の復讐譚ではなく、最後まで人間を信じ、人間は善性だと信じて疑わない最強少女が、悪性の人間を悪魔と信じて疑わずに滅する物語。
魔女というだけで無実の少女を悪と断じ攻撃する、そんな本物の人間なら絶対にしない行為をする人の皮を被った悪魔を、拷問の限りを尽くして悪魔と自白させ処断する、大虐殺よりも恐ろしき物語。
もしくは、聖女が悪を断罪する神話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-15 01:06:29
22399文字
会話率:28%
宝石商アルベリク・ブランシャールには、夢があった。自らの店を皇室御用達に育て上げるという夢である。
その夢のためなら、たとえ他者を蹴落とし、地獄の底に追いやっても構いはしない。それこそが、皇都に生きる者の作法なのだと、彼は信じていた。
お
抱えの老宝飾技師が死亡し、その納品物の回収のため故郷に戻ることとなった彼は、そこでナタリー・ルルーという名の宝飾技師と出会う。
その技倆に並ならぬものを感じたアルベリクは、彼女との専属契約を結ぼうとする。
しかし、彼女の師である老宝飾技師が残した遺言には、不穏な言葉が書き連ねてあった。
『彼女の作品を世に出してはならない』『彼女は恐ろしい女だ』『しかし、彼女を大切にしてやれ』『彼女は心優しく純粋な女だ』『だが、彼女は厳密に秘匿せねばならない』
狂気を孕んだその内容をアルベリクは黙殺し、彼女の作品とともに出世街道を邁進しようと決意するが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-08 12:00:00
346756文字
会話率:37%
「エレオノーラ、お前みたいな血も涙もないような冷酷な女を王妃には出来ぬ。王妃とは慈愛を持ち、国母となるのだ。私はお前との婚約を破棄し、新たに心優しく我が伴侶に相応しいヘンリエッテと婚約を結ぶことにする」
第二王子ジークフリートは自身の成
人を祝う宴の場で公爵令嬢エレオノーラにそう宣言した。王子の隣には花のような微笑みを浮かべる伯爵家の養女、ヘンリエッテの姿がある。
エレオノーラは冷や水を浴びせられたかのように固まる。今まで懸命に王妃教育を受け、冷酷と言われようとも静かに耐えてきたが、最愛の人からの言葉に今なら氷のようになってしまえるとすら思っていた──。
衆人の前で晒し者になってしまったエレオノーラは最後な力を振り絞り、毅然と対応する。
「私から婚約者を奪って満足ですの、ヘンリエッテ嬢? 奪って得たものはいずれ奪われるもの。真に価値あるものは自分の中にあるものですわ」
婚約破棄の意趣返しに、ジークフリートなど価値あるものではないと言い切り、ヘンリエッテも人のものを欲しがるだけの空っぽな女だと侮辱して皮肉げに笑って見せたエレオノーラ。
しかしヘンリエッテは笑顔を崩さずこう告げた。
「まあ、私もこんなバカ王子なんて要らないんですけどね」
(※設定はゆるゆるです。倫理的にアウトな表現・不快な表現があるかもしれませんがあくまでフィクションです)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-18 12:00:00
13947文字
会話率:45%
オムニバス形式で綴られる彼、彼女たちの物語。
──その願い、叶えてやる。復讐、憧憬、栄誉……過去も繋いでみせる。
悩み訪れる彼、彼女たちを救いつつその強さで魔を退ける男ダリル。ゴリゴリの肉体から繰り出される一撃に耐えられる奴なんて神くら
いか。
「強い武器でも売ってくれれば済む話だって? それでお前の“願い”は叶えられるのか? かつて願いに対して絶大な力を授けられて最後にはその力に滅ぼされた少年を俺は知っている。お前がその“願い”を叶えたいのなら、お前自身が“強く”“気高く”そして“心優しく”ならなければ。」
街に一軒だけの武器屋にいる無愛想な中年に差し掛かったくらいの歳の男、ダリル。ダリルは自分を訪ねる客をずっと待ち続けている。それは1年か10年かそれとも。
キーワードは「願い」。ダリルの元に訪れる客にはどうしても叶えたい「願い」がある。そうして訪れる客にダリルとその相棒が全力で応えていく。時には死ぬ思いをする事もあるだろう。時には絶望して打ちひしがれる事もあるだろう。それでもどうしても乗り越えられない、そんな時はきっと力になってくれる。道を示してくれる。
そんなダリル自身にも叶えたい「願い」がある。だから彼は今日もそのカウンターで待ち続けているのだ。
これはそんな街の武器屋に訪れる客がそれぞれの想いを持って奮闘し、やがて新たな一歩を踏み出す、そんな物語。
一人称、三人称と視点が混在してたりしますが、登場人物自体がそれほどいないので特にだれだれ視点とかの注記はしてないです。
また、各章の主人公についてその特徴を明記していないのは、これまでの先達の方々によりたくさんの作品、キャラクターが生み出されてきた中で読み手の好みのキャラやイメージがあると思いますので、それを反映させて貰えればと思ってのことです。
剣士の青年とか、エルフとか、そう言う抽象的なもので思い浮かべる姿で構いません。
ただし、全編通しての主人公であるところのダリルについてはこちらのイメージをある程度押しつけることになりますが。
過去投稿完結作の改稿再編集版です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-18 11:29:51
110510文字
会話率:32%