ある日、観測史上最大級の時空間異常が発生した。
◯◯山地にて、突如として山腹が崩れ落ち、巨大な穴が出現したのだ。
その穴の深さは約300メートルにも及び
1時間後、内部からの地面の急激な盛り上がりにより、
新たな地形、広く平坦な土地を形成し
た。
その中心部には、焦げ跡の残るノート類、地形構造の断片的なスケッチ、
そして、とある少女に関する日記が残されていた。
それは、「図書館」と呼ばれる
我々の現実とは異なる層の空間に関する記録だった。
我々は現在、それに関する異常発生の原因と
そこに関わっていた存在についての真相に迫ろうとしている。
本報告では、関係者の記録や再構成された出来事を時系列順に掲載する。
【紹介】
正式名称:Spatial Anomaly Investigation Mechanism
我々「SAIM」は、地球上において発生する時空間異常現象の
「調査」「記録」「原因解明」及び「封じ込め・防止」を
任務とする独立組織である。
約30,000名の職員によって構成されており
そのうち29,000名以上は民間出身者である。
これらの職員は調査員と呼称され
任務の性質・危険度に応じて以下の階級に分けられる。
[階級制度]
・Aクラス調査員:
主に事務処理、文書整理、安全が確認された異常現象の
定期観察業務を担当。
基本的に異常領域に立ち入ることはない。
・Bクラス調査員:
比較的安全な異常物・異常空間の調査・測定・実験を担当。
現地踏査は行うが、重装備の許可がされる。
・Cクラス調査員:
異常発生初期の直接調査、未確認領域の単独踏査など
最も危険度の高い任務を遂行。
[コードネーム制度]
すべての調査員には個人識別用のコードネームが与えられる。
本名は極秘とされる。
◆ 基本情報
名称:Static Library(静電図書館)
入退場方法:不明
構造:古びた大学図書館を模した空間。
中心にあるテーブルから放射状に広がる
本棚の通路が無限に続いている。
照明:やや黄色味がかった蛍光灯。常時点滅している。
音環境:非常に静かだが、定期的にページをめくる音が聞こえてくる。
出処は不明。
本類:本棚の高さは約2mほどである。
中心部に向かうに連れ、本棚の本の量が多くなる。
本に触れると静電気が走る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 23:27:19
6428文字
会話率:8%
「魔王ゼラビロスよ、あのキモいオッサンのチ〇コ、もぎとってこい! 魔王パリピーニャ、お前は最強だからダンジョン探索に協力してくれ、あと、いったん、オッパイさわらせ――いや、なんでもない!」
「「仰せのままに、マイマスター」」
「あと、ヤクザ
の事務所に殴り込みして金とマジックアイテム盗ってきて! あと、あの偉そうな貴族をぶんなぐれ! それと、闘技場で、バレないように、コソっと協力してくれ! ギャンブルでも手を貸してくれ! それと、あれと、これと、あれも、これも!! ――ああ、くそっ、時間が足りないよ! 5分、短いって! 足りないって! バレないように注意深く、欲望を満たしていくの難しいって! でも、エグいぐらい楽しいぃいい!」
――『女神の結界によって守られた巨大都市』の外は、『魔王の称号を持つ怪物』がうじゃうじゃはびこっている。唯一『人間の生存』が許された巨大都市内部は『激しい階級制度』がはびこる超格差社会。
そんな世界に、何の力もなく転生した元日本人高校生『月光寺(げっこうじ) 時一(ときいち)』は『奴隷(どれい)』として虐げられる日々を送っていた。
ある日、そんな時一の身体に、『記憶をなくした幽霊』が取り憑(つ)く。
『力も記憶も体もなくしているが……どうやら、一日に5分だけ、お前の体を使えるっぽい』
時一の身体を使っている時だけ、その幽霊は、『召喚能力』が使える。
5分間限定だが、『街の外を跋扈(ばっこ)しているあの恐ろしい魔王たち』を、『どこでも召喚することができ、完全にコントロールできる』というチート。
巨大都市は、女神の結界によって守られているため、外敵は絶対に入れないが、幽霊の召喚能力を使えば、この巨大都市内部で暴れさせることも可能。
『時一。お前の役にたってやるから、お前も俺の役にたて。――俺はお前を利用して、なくした全てを取り戻す。お前は俺を利用して成り上がるなりなんなり好きにしろ』
こうして始まる、『地獄に転生した奴隷』と『記憶を亡くした幽霊』の、
痛快クライム成り上がりサスペンス!!
※とことん出世して大団円を向かえるハッピーエンドとなっております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 18:20:52
69256文字
会話率:30%
世界は、あまりにも残酷だった。
異世界から、無理やりこの世界へと転生させられた男がいた。
だが、彼は何も成し遂げることなく、この地で無念のまま命を落とした。
彼は、この世界を恨んだ。
この歪んだ世界を変えられぬまま、ただ消えていった。
主人公もまた、この世界に疑問を抱いていた。
だが、彼以外の誰もが、この世界を「当たり前」として受け入れていた。
理不尽な階級制度も、虐げられる者の絶望も――すべては「当然」だった。
その異端の思想が許されるはずもなく、彼はついに“排除”される。
突き落とされた崖の下に広がる、果てしない森。
死の予感に包まれる中、彼は“声”に導かれる。
たどり着いたその先には、一人の男の亡骸があった。
そして、彼が残した一冊の本。
それを手にした瞬間――
彼の運命は、大いなる嵐へと巻き込まれていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-17 18:00:00
58672文字
会話率:53%
本設定集は、オリジナル国家の軍事を中心とした詳細な設定を収録しています。国家の軍事力は高度な技術力と精鋭部隊によって支えられており、陸・海・空それぞれに特化した軍事戦略を展開。独自開発の兵器や戦術、階級制度、特殊部隊の任務と訓練内容、周辺国
家との軍事的緊張関係など、国家存続を賭けた防衛体制を網羅します。さらに、軍事技術と国家政策の結びつきや歴史的戦争の記録も含まれ、戦略的思考とリアリティを追求した内容です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-12 07:00:00
110643文字
会話率:1%
エルシャ・ウルストンクラフトには許せないものがある。
ハラスメント。それは望んでいない行為や言動を強要すること。
王族、貴族などの階級制度が中心となるこの世界では、ハラスメントが横行している。
セクハラ、パワハラ、モラハラ……
。
当然のように振るわれるありとあらゆる暴力。そしてそれを当然のように受け取る世間。
婚約者であるランヴァイル・ポートワイズ王子との顔合わせの日。
エルシャは日本の会社で総務として働いていた記憶を思い出した。
ハラスメントは絶対に許されなかった時代のこと。
その日、エルシャは我慢をやめた。
ハラスメントを絶対ゆるさないことにした。
当然、婚約破棄も断固拒否します!
それ、セクハラでパワハラです!
これは、エルシャ・ウルストンクラフトが婚約破棄するまでの物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 23:58:51
1740文字
会話率:30%
最低ランク《アッシュ》の少女・ミナが招かれたのは、王国最高の冒険者育成機関――王立学園《アスタリウム》。
仮配属、古びた制服、居場所のない教室。
期待されていないことは分かってる。けれど、ここで諦めたら本当に“ただの最底辺”で終わってしまう
。
だからミナは、足を止めない。少しずつでも前に進む。
これは、最弱の立場から始まる、静かな決意と成長の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-11 18:00:00
11795文字
会話率:40%
クソ妖怪 戦い
ようこそいらっしゃいました、お客様。一生に遊びあいましょう。歴本をかけて。
古くからの歴史を誇る中華の国の頂点、
「梛木」。その中でもその上に立つのは、帝。帝の後継者を生むための花園、後宮には階級制度がある。上から后、上級妃、中級妃だ。そのなかでも特に上級妃には様々な天才がいるとされる。その歴史の中で特に6人の妃は特別とされあがめられてきた。そんな後宮にはある噂がある。それは6人の妃を超える人間がいたということだ。その人はこう呼ばれてきた。妖姫
これは、そんな妖姫の使命を受けた、蓮華の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-03 23:01:01
11129文字
会話率:66%
マゼンタ惑星では、技術が進歩する一方で、貴族と平民の古い階級制度がいまだに支配している。そんな世界で、かつての冷笑的で目的を見失った元兵士エリアンは、謎めいた才女「技術の聖女」ジュリエッチから危険な任務を引き受ける。
単純な仕事に思えたが
、エリャンはすぐに命を脅かす陰謀の渦中へと引き込まれていく——秘密結社、未知の力、そして世界の秩序を揺るがす禁じられた真実。混乱の中で、エリャンとジュリエッチは意外なパートナーシップを築くが、激しいやり取りの中で次第に抑えきれない引力が芽生え始め、互いにどう向き合えばいいのか分からなくなっていく——挑発、皮肉、そして思いがけない距離の近さに揺れながら。
権力と真実が高くつくこの世界で、エリャンは新たな目的を見出せるのか——それとも、自らを包む闇に呑み込まれてしまうのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 11:45:30
129673文字
会話率:24%
30代オタク気質のサラリーマン・酒井慎吾は、ある夜、近所のバーでテキーラを飲みすぎた末、自宅アパートの階段で転落死してしまう。
次に目を覚ましたとき、彼は15世紀末期の王国で貴族の少年として転生していた。
生贄文化や厳格な階級制度に困惑しつ
つも、「もう一度、強い酒を飲みたい」という欲望が彼を突き動かす。
酒造から始まる技術革新は、農業・工業・軍事・経済のあらゆる領域を巻き込み、やがて王国を大きく変えていく。
一方、旧大陸からの侵略者が迫るこの地の運命は? 大陸の明日はどっちだ!?
酒造りを起点とした興隆の軌跡を描く歴史改変ファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-15 00:44:15
9687文字
会話率:6%
「お前との婚約は破棄する」
公爵令嬢であり、王国最強の槍を振るう【戦う姫】であった彼女は、王太子に婚約破棄を言い渡された。
王族の血を引く美しくも怠惰な女が、新たな婚約者に選ばれたのだ。
しかし、彼女はただ悲しみに沈むことはなかった。
む
しろ──この瞬間こそが、彼女の覚醒の始まりだった。
貴族社会の欺瞞。
搾取される民衆の嘆き。
理不尽な階級制度がもたらす腐敗と暴政。
「この国は間違っている。ならば、正すまでよ」
彼女は美貌とカリスマを武器に、民衆の支持を集める。
その言葉に人々は熱狂し、彼女の導きにより革命の炎が灯る。
貴族の支配は終わりを告げ、平等な世界が始まる──。
これは、虐げられた者たちが「正義」を掲げ、世界を変えていく物語。
美しく、気高く、強く。
彼女こそが、新たな時代を築く革命姫。
幸福とは──折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-24 19:00:00
53631文字
会話率:36%
ここは実力を持つものと貴族が物を言う過酷な世界、そこに魔法をロクに扱うことができず、剣の才も賢さも何もない冒険者見習いイヴァンが現れる。彼は幼いころ冤罪により両親を処刑され、冒険者を心底憎んでいた。そんな彼は冒険者となり、両親の仇をとろうと
していた。
------------------------------------------------------------------------------------------階級制度
この世界の冒険者の階級は10~1級まであり、階級によって待遇、周囲の人からの扱いがほぼ全て決まると言っても過言ではない。そしてこの階級を上げるにはモンスターを討伐したり、依頼を成功されるなどして実績を積む必要がある。ただし、生まれが良いと3級以上から冒険者になれることも…
--------------------------------------------------------------------------------------------
この小説はカクヨムにて重複投稿しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-19 21:26:31
1323文字
会話率:35%
ここではないどこかへ行けたら、誰かの特別になれたら、一度はそんな事を考えた事がある人は多いと思う。
でも、実際自分の身に起きたら…
16年の人生、ずっと平穏に過ごしてきた私は当たり前にある幸せに気づかず、本やゲームの世界の様に魔法や階級制度
のある生活に憧れを抱いていた。
そんな私の身にも突然起きた異世界転移!
しかも聖女として国を救って欲しいって、一体どうしたらいいの?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-23 23:28:41
84244文字
会話率:29%
女性記者はその帰り道、得体の知れない不気味な屋敷を発見する。そのあと同郷のホテルマンから、この地の如何わしさを直接しる。そして序列や階級制度が、差別や虐めをもたらしたと語る若者がいた。
最終更新:2024-12-01 23:09:17
56903文字
会話率:8%
9999時間もの間、戦略シミュレーションゲームに没頭していた天野優斗は、突然の事故で命を落とし、気がつけば見知らぬ宇宙の戦場に転生していた。彼は「ライナー・アステリア」という名で、広大な星間帝国の軍に所属する戦士となるが、そこは無重力の世界
。上下のない宇宙空間での戦争は、地上戦の常識がまったく通用しない未知の戦場だった。
無重力では地形や陣形が存在せず、攻撃はあらゆる方向から飛んでくる。そんな中、階級制度だけが厳然として存在し、ライナーは戦術も新たに学び直さなければならない。しかし、彼の地上戦の経験は本当に無意味なのか?地上で培った戦術と、宇宙での戦い方を融合させ、新たな戦術を生み出すことができるのか?
果たして、ライナーは階級社会の束縛を超え、無重力の宇宙戦争を生き抜くことができるのか――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-09 02:26:16
23558文字
会話率:46%
魔導書。
それは人がこの世に生を受けし時に顕現させる魔導士の証。
魔導書を通して初めて行使できる魔法は、アークランドと呼ばれるこの世界においてごく普通のありふれた力であり不可欠な力。
サラマンド王国を収めるヴェルブレイズ家に生まれた
王子ヴィンセント・ヴェルブレイズは、魔導士なら誰もが持つそんなごく普通の魔導書が現れないまま成人を迎える。
サラマンド王国には魔導士の階級制度が根強く残っており、階級は生まれ持った魔導書の能力の高さにより決定される。
それは生まれた瞬間にその者の魔導士としての運命が決まるという残酷な事実を意味している。
一般的な魔導士と違いヴェルブレイズ家では代々魔導書の顕現と覚醒は同時に起きない血筋であり、覚醒は肉体的・精神的に成熟した頃と遅い傾向にある。
ヴィンセントには、覚醒を促す代々受け継がれる成人の儀式においても覚醒が見られず、ついには魔導書の顕現すら認められなかった。
代わりに頬に刻まれた、嘲笑うような『G』の刻印。
王家の恥晒しという烙印を押されたヴィンセントはサラマンドを追放され、華々しい王家の生活から奴隷以下の最底階級へと一気に転落することになる。
全てを失い絶望する彼はまだ知らない。
魔導書(グリモワール)を持たないことが何を意味するのかーーー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-14 12:05:34
183587文字
会話率:46%
テンプレ的異世界に転生したルイス(旧 碧人)。
魔法や錬金術が生活に使われ、階級制度が根付いて獣人だって多く街を行き交っている。空は高く澄み、暖かく包み込む太陽に歓迎するように背中押す風はさながらゲームのオープニングのことだろう。
だがルイ
スは愕然とした。恐怖に慄いた。
みっともなく足が震え自身を抱いた腕に力を込めることもできず白目をむきそうな眼を瞼を見開くことでどうにか体面を保っている。
目の前の税を尽くしたような城に相反するスラム住のような子。既視感がある。知っている。知っているのだ。前世寝る間も惜しんで読んだフィクション小説の数々にゲーム。テンプレなこの世界。虐げられている子供。
このガキ悪役だろ!!!!!!!!!!!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-22 18:52:39
6996文字
会話率:25%
異世界の名は『グリードベリル』、この世界のとある大陸には、7つ人間の国があり、3つ魔物の国がある。
その一つ、人間が治める国『トゥーレイ』
この国で、悲惨な運命の元に産まれてきた少女『プリム』と、異世界からやって来た青年『白崎翼』が出会
い、物語が始まっていく――
『トゥーレイ』には、他の国に比べ変わった特徴がある。それは『階級制度』と呼ばれる物。
階級制度とは、国に住む全ての人間に適用される。国民は22種類の階級に分けられ、そして『差別』されるものであった。
一番上から、『王』続いて上流階級1〜上流階級10、一般階級1〜一般階級10、最後に『奴隷』
この国では、階級の差で人々の上下関係が決まってしまう。
階級が下の者は、階級が上の者に逆らう事はできない。それ以上に、『奴隷』まで落ちた者、『奴隷』として産まれてきた者は、生涯人間として扱われる事はなく物として扱われることになるのだ。
『プリム』は、母から産まれた時には悲運が定められていた。何の罪も無い赤子だとしても変わらない、『奴隷』になる為に産まされたのだから。
それでも、同じ境遇の『奴隷』達と共に夢見るのは、『奴隷』なんて肩書を失くし、人として幸せになる未来なのだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-13 05:35:34
146372文字
会話率:40%
平民出身の巫女、シェーラ。本来階級制度が著しい神殿内で、実家が貧しい彼女は加護も少ない下級巫女であることも相まって最下層の存在ではあったが、実は大きな秘密があった。神殿が祀る精霊王に気に入られてしまった彼女は、加護が大きいと思われる上級巫
女よりも多大な加護を与えられており、度重なる嫌がらせも難なく対応、排除できていたのだった。
このまま通常の任期を終えれば嫁ぎ先に苦労せず、安穏な一生を送れるとささやかに願っていた彼女だったが、ふとしたことで王子の一人にその加護が露見してしまい、王位継承に絡んだ権謀術数に巻き込まれることに。自身が望む平凡平穏な人生から徐々に遠ざかって行く事態に、シェーラは一人頭を抱えるのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-21 22:34:46
16399文字
会話率:67%
世界でも類を見ないほど、階級制度が根強く残っているルキメテス王国の平民に生まれた俺は、貴族の命令で大量徴兵の対象となり、捨て駒として戦場で散る羽目になる。
親兄弟もいなくて、十七になっても恋人一人作ることすら出来なかった俺は、何一つ残せ
なかった。
毎日生きることに必死で、同じ境遇でも野心を燃やしていた幼馴染と違って、勉強だってしなかったし、魔法や剣を覚えることもなかった。
結果、幼馴染は戦場でも後衛に配属され、俺は最前線に配属。あっけなく、命を散らす羽目になるわけだ。
一寸先の死の気配を感じ、青い空を見ながら思う。
「くそ……一回くらい……貧乳ロリ美少女とお近づきになりたい人生だった……!」
――五十年後、まさか、底辺童貞だった俺が、伯爵家の令嬢に転生し、念願の『貧乳ロリ美少女』に仕えることになるとは。
※カクヨム様にも転載しています。
※このお話はフィクションです。実在する人物や宗教、団体とは関係ありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-05 08:00:00
8922文字
会話率:29%
──Vの名を持つ者は『ヴィラン』である。
孤児だったアイリスを拾った紳士が最初に教えたのは、風呂の入り方でもテーブルマナーでもなく、与えられたミドルネームが背負う意味についてだった。
任務を完遂して「国外追放」とともに大金と自由を手に入
れるか。それとも正体がバレて処分されるか。
がぜん、国外追放がいいに決まっている!
自由を手に入れるため、そして未来の王族を鍛えるため、日々悪役令嬢になりきるアイリスだが……。
「いざとなれば私が求婚します」
邪魔してくるのは犬猿の仲の末席王子!?
なんでこんなことに……!
*作中の世界観、階級制度、騎士制度、慣習その他諸々はご都合主義のふんわり設定です。雰囲気でお楽しみください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-30 20:09:47
22968文字
会話率:31%