怒りっぽくて、短慮だけど、素直な人なのだな。性格的に私とは合わなさそうだけど、仕事上のパートナーとしては、やれないこともないかもしれない。
「まだお仕事が無いようでしたら、続きを読みたいのですが、よろしいでしょうか」
「はあ……別
に許可なんていい。これから長い付き合いになるんだ、読みたい時は勝手に読め」
曇天の隙間から覗いた光明を頼りに、私は読書の続きに取り掛かった。気持ちが少し晴れたからか、先ほどよりもページを捲る手が軽い。気が付けば、手の震えは完全に止まっていた。
「……なあ、そんなに読書が好きなのか」
「他の趣味を知らないだけです。家では他にやることも無かったので、空いてる時間に本を読むのが当たり前になってまして」
「哀れだな。読書なんて、机に向かって椅子に座ったら、後はずっと暗記しながらページを捲る作業じゃないか」
「それは読書じゃなくて、暗記のお勉強でしょう」
「読書とはそういうものだろ?」
「全然違います」
これだけの本に囲まれながら、読書の楽しみ方も知らないとは。仕方ない、私が教えて差し上げよう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-22 10:51:08
27962文字
会話率:61%
綺羅びやかな披露宴会場。
嘲笑。
私の席にだけ無い椅子。
殿下と公爵令嬢様の強張った顔を見て、私は微笑みを浮かべた。
これから始まる、惨劇を予感しながら。
これは王族と親交を持ってしまった平民の娘が、身分違いの友情
を育みながら成長する、愛と勇気と希望の物語である〈嘘〉。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-06-10 19:42:19
258656文字
会話率:62%
「……?」
……何かが聞こえた気がした。いや、確かに聞こえる。猫が喧嘩でもしているのだろうか?
なんとなく気になった私は、雨に濡れたまま鳴き声の元へ向かった。するとーー
「フォレストウルフの群れか。でもあれは狼の鳴き声じゃなかった
。猫でも仕留めたのか……いや、あれはッ!?」
抜剣。直ちに突撃。敵の数は4。豪雨で鼻と耳が利かなくなっているのか、それとも飢えすぎて弱っていたのか。何かを咥える狼の背を両断するまで、他の三匹は反応できていなかった。
「ウゥゥゥゥ!!」
野生動物らしくすぐに威嚇を始めたが、今から威嚇するようでは負けを認めたようなものだ。私は狼が咥えていたものを胸に抱きながら、残る雑魚に鉄剣を叩き込んだ。
群れにあって、最初に獲物を食らう権利を持つのはリーダーだ。そのリーダーの背骨が両断された時点で、統率を失ったこいつらの死は確定していた。
捨て犬のように情けない悲鳴を上げた3匹に介錯をした私は、すぐに獲物の正体を確認した。
……間違いない。人間の赤ん坊だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 07:01:41
21827文字
会話率:56%
高校時代、言葉と思いを交わし合った「先輩」と「後輩」。
やがて後輩は軍へ進み、戦場で理想と現実の狭間にもがきながら、先輩への想いを胸に生き抜いていく。
退役後、南国の島で傷を癒すように暮らす彼女は、ある日、潮風の中で懐かしい声に立ち止まる。
言葉が人を繋ぎ、待つことが救いになる。
雨の記憶とともに、ひとつの再会が静かに舟を岸へと導く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 08:01:37
4444文字
会話率:33%
ある朝起きると目の前には天使を名乗るおじさん。異世界転移を断ったがおじさんのミスで異世界に転移!
けどチート能力もなんもなし。
前世で無能だったのに急に有能になんてなるわけなかった男が、異世界をなんとか生き抜いていく。
最終更新:2025-04-13 02:49:41
2197文字
会話率:31%
妖怪を見たことがあるか、ですか。
妖怪というと、河童とか天狗みたいな?
うーん……。
多分、一般的な妖怪じゃないんですけど、それでもいいなら。
ぼわぼわさんって、知っていますか。
最終更新:2025-02-24 20:30:46
3391文字
会話率:1%
べとべとさんって妖怪を知っているか、ですか?
何ですか、それ?
最終更新:2025-02-22 23:30:50
2153文字
会話率:0%
私は、獏を見たことがあります。
キーワード:
最終更新:2025-02-22 17:36:16
1788文字
会話率:4%
【第一部完結しました】
"ギルド"と呼ばれる超国家組織がある。
そのギルドに所属する1人、エリー・バウチャーは幼い頃に両親を殺害した、魔族と呼ばれる化け物を探していた。
そんな両親の仇の魔族を探す旅の最中たちの悪い男
に絡まれていたところを、シルヴィアと名乗る美少女とその仲間に助けられる。
礼をしたいエリーとエリーを仲間に引き入れたいシルヴィアの思惑が一致し、しばらくの間エリーはシルヴィアたちとともに行動することとなる。
自分自身に正直に生きるシルヴィアに振り回されながらも、彼女の仲間の大剣使いのギュンター、魔術師のウェンとも仲を深めていく。
そんなある日、突如として遭遇した魔族。
その魔族が仇の魔族だと確信したエリーは…。
理不尽な世界に翻弄されながらもそれでも前に進み続けた『人間』たちの冒険譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-14 00:28:28
777510文字
会話率:43%
【誘拐BL】一途な執着系眼鏡イケメン×元気な有名財閥御曹司
目が覚めると、そこは見知らぬ部屋だった───
糀谷財閥の御曹司「糀谷 雪(こうじや ゆき)」とミステリアスな眼鏡イケメン「秋雨 優(あきさめ ゆう)」の初対面は、「誘拐」だった
。
「一途な執着系イケメン×有名財閥の御曹司であり、元気な高校生」
これはそんな二人の、少しやりすぎ?な恋物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-12 22:18:33
4984文字
会話率:27%
旧杁山千里は絶望していた。
まさか自分がこんなベタな異世界転生をすることになろうとは・・・・
お約束の転生先は勿論主人公な訳もなく、所謂悪役令嬢という奴だ。
しかも状況はすでに詰んでいる。
追放された公爵家の三女に転生し、追放先は未開の地。
そして北国
それってなんて島流し?後悔してももう遅い。
わが身の災難を呪いながら、未開の地で今日も元気にサバイバル?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-10 07:10:00
129231文字
会話率:24%
800年前に魔王を討伐して以降、この地に住まう者は平和な世界を
享受していた。
だが十年前よりなぜか徐々に凶暴化する魔物達によって人々は
思い出すことになる。人類の天敵の存在を。
そんな混乱の中、圧倒的な武力によって軍事侵攻を繰り返すレンド
ール帝国と各地で秘密裏に怪しげな暗躍を繰り返すセレスタス教団。
動乱の時代を迎えた世界の情勢に抗う、犬神依子と紅夜叉は運命の大きな
うねりに巻き込まれていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-16 07:06:41
13067文字
会話率:25%
復活しました。
それを記念に、ちと新しく立ち上げました。
更新不定期ですが、また読んでくれると嬉しいです
最終更新:2025-01-07 18:42:54
52864文字
会話率:55%
こちらは、祭事の学園都市の短編集です。
番外編、他の作者様とのコラボなど、色々な物を載せていきます。
最終更新:2021-07-26 16:07:42
597781文字
会話率:65%
競争と祭典を経て少年少女を育てる
そんな毎日がお祭りな場所、学園都市
その学園都市の存在意義を否定する技術が牙をむいたとき、1人の少女が力を授かった。
最終更新:2016-09-22 18:18:40
12456文字
会話率:66%
どれだけ繰り返せばいいのだろうか、終わりなどないのかもしれない。
恋をして、ある時唐突にその恋は報われないのだと痛いほど“思い出す”。
始まりも終わりもわからない繰り返しに苦しみ囚われる一人の少女の今の幸せへと繋がる物語。
どうか、どうか
ーー
願ったのはーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-19 14:44:19
21685文字
会話率:34%
体の不自由な美津子。
彼女の強請る品は桃色の傘だった。
最終更新:2024-10-14 18:21:00
422文字
会話率:10%
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で
読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
2019年8月5日 ブックマーク登録数1000件突破
2020年11月4日 1000000PV達成!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-30 12:00:00
586823文字
会話率:40%
秋雨ですね。温かくしてお過ごしください。
キーワード:
最終更新:2024-09-29 19:30:00
200文字
会話率:0%
「秋雨と」を初句にしている俳句です。
文字数を埋めるためにお見苦しい点はあると思いますが、ご容赦ください。
最終更新:2024-09-06 10:00:00
248文字
会話率:0%
特技も長所も何もない、ただただ平凡な秋雨殊波。しかし何の因果か彼は日常の隙間から異世界に飛ばされてしまう。最強スキルを与えられるわけでも乙女ゲームでも悪役令嬢でもなく、その身に備わったのは痛みも伴う”不死身”という体質のみ。それだけの彼が
理由もわからず飛ばされた異世界で死ぬような思いと重い死を繰り返しながら平和な生活を作り上げる。
※残酷な描写、グロ要素あり折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-12 21:00:00
8051文字
会話率:46%
----------
最終更新:2023-12-26 07:18:41
231文字
会話率:0%
始めたばかりの初心者ですが、思いつくまま、秋をテーマに詠んでみました。公式企画「俳人・歌人になろう!2023」参加作品です。
カクヨムにも掲載あり。
最終更新:2023-11-27 10:00:00
4580文字
会話率:0%
----------雨は私を淋しくする
最終更新:2023-10-03 02:43:06
283文字
会話率:0%
実際にあったビジネスの話です。
ペンキ屋(塗装業)である小規模企業が頑張ってたらDXに成功していた話。
ある日、ペンキ屋のおっさん社長フクは、倉庫を綺麗にしようと思い立つ。
何せペンキ屋の倉庫は凄くきた・・・、雑然としている。
どこに何が
あるかも分からず、使い切れない塗料の毎年の廃棄額はなんと200万円超。
この倉庫を綺麗にすることから端を発し、色々な人に相談し、話を聞きながら、改善している内に、小規模企業なのにDXの最先端を走っていたという実話を元にしました。
全10話で完結です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-19 22:00:00
14438文字
会話率:28%
俺、白柳瑠偉には異性の幼馴染が一人いる。
そいつは勉強ができて美少女で運動も人並みにはできる、そんな奴だ。だが…彼女には欠点があった一つは料理やら掃除やらが出来ないことと、俺にだけ致命的なまでに噓や隠し事が出来ないことだ。
故に俺は知ってい
る彼女が企業勢のvtuber、秋雨落葉だということに。
まぁ、かく言う俺も個人勢のvtuberなんだけどね、大丈夫クラスメイトの一部の男子以外には気が付かれていない、俺が個人勢の登録者数50万人突破している如月紅羽雅ということに。
※この物語はフィクョンです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
※作者のネーミングセンスは壊滅的です。
さぁ、幼v俺v開幕です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-23 06:00:00
12811文字
会話率:55%
警部・加賀谷宗一の妹が失踪した。
失踪して一ヶ月経つが捜査は何も行われず、加賀谷と後輩の織屋は妹を探すべく立ち上がる。
数々の昔話に隠された謎。
怪しい存在。逃げる影……辿り着いた先で待っていたのは、まさかの、、、
逆転劇ではない、この世
のモンスターと対峙する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-10 19:02:51
6842文字
会話率:61%