初老に差し掛かったオッサンの高梨栄一は、見た事も無い草木が生える森の中をさ迷っていた。到底日本とは思えない場所に困惑しながら、なぜこんな事になったのかと考える。
オッサンは日本の山の中で熊に襲われて死んだはずだが、目が覚めると見知らぬ少年の
身体になっていた。この少年の身体は躍動感に満ちていて、オリンピック級のアスリートさえ遥かに凌ぐ身体能力を有していた。
もう一度人生をやり直せるのかと思ったが、オッサンが居るのは無人の広大な森の中だった。しかも、そこに生息する動物は悪意に満ちていて次々に襲い掛かってくる。しかも、物理法則を無視したような空中移動や遠隔操作で物を操る超能力を繰り出してくる。
なぜそんな事が動物に出来るのか不思議だったが、死にたくない一心でオッサンは戦う。そして、戦っている内に自身も超能力が使える事を発見する。どうやら、ここに生息する動物たちは超能力が当たり前に使えるようで、日常的にそれを使った戦いが繰り広げられる弱肉強食の世界だった。
とんでもない世界に来てしまったと驚くが、それと同時に、自分以外の人間は誰もおらず、人工物さえ見当たらない自然が広がるだけの事実に愕然とする。
異世界に来てしまったのは確かなようだが、この世界に人間が自分だけだとは信じたくないオッサンは、他の人間を求めて森の中をさ迷うのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-06 00:00:00
140029文字
会話率:4%
死は万人に平等だが、生は万物に不公平だ。そして夢は、富める者の特権だ。
存在証明非実在性障害(ホムンクルス・シンドローム)。二十五年前に、規制されるまでの間作り出されたホムンクルスが発症しやすい精神疾患。
彼らは己という存在を確かめ
るために己を、あるいは他者を殺し、狂う。
激しい偏見に晒されながら生きる二十二歳のホムンクルス・ロイは、ドロームランドと呼ばれる異空間を探索し、調査・資源を持ち帰る〈ドリーマー〉という仕事をしていた。
ドロームスチーム文明華やかなりし二一世紀のクレイドル星では、ドロームランド探索事業が盛んであり、唯一、偏見と迫害の激しいホムンクルスでも人並みに稼げる職業である。
彼自身には夢を見る、という権利さえ与えられていなかったが、黒く輝く虚無の中で生きる彼は、死体写真を撮りながらある日ドロームランドで破棄されていた女性型オートマタを持ち帰る。
修理して再起動した彼女は「メア」と名乗り、メモリを破壊されたのか人格データと戦闘技能、一般技能以外の一切のデータを抹消され、所属先も所有者も不明という状態だった。
ロイは彼女の所有者権限を取得し、二人三脚の生活が始まるが、それはロイの人生を変える大きな出会いだった——。
それは吉兆か、はたまた凶兆か。悪魔の名を冠するオートマタの正体とは、如何に。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-05 05:47:20
6080文字
会話率:9%
私の幼馴染はすこし変わっている人だった。
身内以外には興味はない。代わに身内に対しては過保護な親の様に重たい愛を捧げる。
大丈夫だよ。私も変わっているから。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
愛が重い彼と、それを受け流す彼女との、やや変わった恋愛。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-04 19:17:48
1170文字
会話率:37%
付き合っていた女性は、外見も中身も大人の女性だった。
その人から女性の扱いを全て教わった。
そうして別れ際にこう言った。
『新しい彼女が出来たら幸せにしてあげてね』と。
今でも彼女が僕を形作る。
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐
欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
好色な手 の二人だと思います。
付き合ってる彼女の前で、元カノ思い出すシーンがあります。地雷な方はご注意下さい。
元カノ、別れても良い師匠な気がします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-14 18:08:47
1074文字
会話率:39%
私には昔から異常性癖がある。
綺麗な人形の身ぐるみを剥いで、逐一観察すること。
平たい胸、肉のない腿、あるはずない球体関節。
そうして一頻り観察した後、両手両足を縛って、夜もすがら放置する。
今はそれが人になっただけ。
注意事項1
起承転
結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
耽美奇譚です。勿論際どく奇妙な話。
幼い頃に遊んでいた異常な人形遊びの助長。
それ故のガールズラブです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-25 20:49:39
848文字
会話率:47%
補足:
①サブタイトルについて。
サイト-866内の職員から、「SCP-001の報告書と誤認してしまう為変更するべきだ」という主張が多数寄せられています。
しかし、本報告書のタイトルを見てわかる通り、SCP-001と誤認する可能性は低いと言
わざるを得ません。
その為、本報告書そのものが認識災害を引き起こしている可能性があります。
②オブジェクトクラスについて。
20■■年■■月■■日
O-5評議会は本オブジェクトのクラス変更の要請に対して“Archon”が妥当と判断しました。
これは、本報告書によって非常に深刻な認識災害が引き起こされている証左であり、同時に本報告書の影響を受けない“我々”がアノマラスな存在として認識される可能性を示しています。
“我々”は、このオブジェクトをKeter相当のアノマリーとして認識し、慎重に行動することが求められます。
このオブジェクトの確保、収容、保護の為、“我々”は仲間を必要としています。
③本補足について。
本補足の存在は、このオブジェクトに対して直接的な関与が可能であることを示しています。
この事実がオブジェクトの異常性にどのような影響を与えるかは不明です。
また、本報告書の影響下にある職員が本補足を参照した場合、彼らの認識にどのような影響を及ぼすのかは調査中です。
④“我々”について。
20■■年■■月■■日
現在サイト-866内において、 “我々”をアノマリーとしてみなす動きが散見されます。
我々は、財団職員としての“誇り”と自身の“平穏”を天秤にかける必要に迫られています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-03 07:48:22
6776文字
会話率:26%
先天的に加虐嗜好いわゆるサディズムを持つ高校生、百鬼零(ナキリレイ)は妹の百鬼結(ナキリユイ)の催眠技術によってその異常性欲を封印し、平温な日常を送っていた。だが幼少期に動物を殺す少女、××と出会い、また時を経て再会してしまったことで、彼の
日常は狂い始める。
ほのぼのとした優しい幼なじみの恋人、白雪セリカ(シラユキセリカ)と幸せな日常を送りたいと願う理性の自分。
全てを破壊し尽くし精神も肉体も何もかも全てを根こそぎ破滅させたいと願う本能の自分。
そして、突如として学園を襲撃し、殺人鬼を育成する為の『殺人カリキュラム』を実施すると宣言する快楽殺人鬼集団《赤い羊》。
《赤い羊》を束ね、7人の殺人鬼の頂点に立つ男、透(トオル)は、
「殺人鬼の、殺人鬼による、殺人鬼のための世界。僕はそれを、創造したい」と宣言し、殺人鬼として狂えば狂う程チカラを増していく《ジェネシス》というランク制の異能力を授け、生徒同士による殺し合いを強制する。
SSSランクから始まり、Fランクに終わる階級制の異能力。Fランクは殺されることしか出来ない最たる弱者で、SSSランクは全てを奪い尽くす最たる狂者。狂えば狂う程ランクが上がり、強者となることが出来る。だが……。
狂わなければ死。狂えば破滅。
究極の二者択一の中で、百鬼零が選択する”答え”とは?
そして新たなるSSS、西園寺要はデストルドーという闇を身に纏い、白雪セリカの前に立ちはだかる。
思い出せない記憶の僅かな残滓を頼りに、セリカはFランクの限界を超えることを決意する。
生きることは殺すこと。
血まみれの正義の果てに訪れるのは、幸福な死か希望という欲望か。
それは誰にも分からない。
不定期更新
第25回電撃一次落ち
第16回ガガガ一時落ち
読みはプラマイゼロです。
目次(暫定
第3章 黒へと至る少女【前】盛者必衰編
第12話 ゼロの帰還
第13話 バイオハザード計画
第14話 UN.オーエンの再来
第15話 破壊の創造者
第16話 正義という名の悪
幕間 『私』は赤ずきん
第4章 絶対零度編
第17話 天使たちの晩餐
第18話 チマミレノセイギ
第19話 どこにもない場所
第20話 骸骨といばら姫
第21話 セリカとゼロの世界
第22話 絶対零度
第23話 最後の選択肢
最終話 God of Genesis折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-31 03:34:32
777314文字
会話率:43%
とある村に生まれた“魔力持ち(マギア)”の少年アルト。田舎の村には他にマギアはおらず、魔法に関する知識も使い方のノウハウもない。独学でこっそりと魔法の鍛錬をしたアルトは、様々な魔法を扱えるようになった。そして旅に出たアルトはある男性を助ける
。冒険者である男性はアルトの魔法の異常性に気づき…!?「そんな魔法聞いたことがない」なんて言われても、やってみたらできちゃったんだけど?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-17 12:10:00
260291文字
会話率:50%
とある村に生まれた“魔力持ち(マギア)”の少年アルト。村には他にマギアはおらず、魔法に関する知識も使い方のノウハウもない。独学でこっそりと魔法の鍛錬をしたアルトは、様々な魔法を扱えるようになった。そして旅に出たアルトはある男性を助ける。冒険
者である男性はアルトの魔法の異常性に気づき…!?「【治癒(ヒール)】や【障壁(バリア)】なんて聞いたことがない」なんて言われても、やってみたらできちゃったんだけど?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-02 12:03:29
7842文字
会話率:42%
異常性を保有し、何処かが壊れたモノ達。或いは世界の仕組みの一つである存在──竜。
そんな竜達が暮らす世界で、《破滅の邪竜》の眷属である淫魔のエイスは、気まぐれに訪れた人の世で薄汚れた子供を拾う。
──それが運命の出会いだと気づかずに。
明か
されていく正体と、本性。双子の姉と自分の、出生の秘密。そして……露わになる、異常性。
猛毒に侵されたのは……一体、どちらなのか?
これは復讐劇の合間のお話。淫魔と堕天使の出会いの物語。
【注意】R-15、残酷表現あります。苦手な人はお逃げください。自衛大事!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-16 19:00:00
25724文字
会話率:30%
異常性を保有し、何処かが壊れたモノ達。或いは世界の仕組みの一つである存在──竜。
そんな竜の父と壊れた元人間の母を持つ邪竜ゼイスは、自身だけの特別──花嫁を見つけ出すため、暮らしていた箱庭から飛び出した。
人の尺度では長過ぎる旅の果てに。け
れど竜にとってはほんの少しの旅路の先に、彼は出会う。どれだけその身が壊れようとも愛されることを求めるカワイソウな化物に。
これは邪竜の息子が花嫁と出会う話。或いは邪竜の系譜が起こす、復讐劇の第二幕。
【注意】R-15です。残酷表現あります。各自、作風が合わなかったら自衛してください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-07 18:00:00
32886文字
会話率:36%
「──僕はゼロだった。プラスでも、マイナスでもなく。何にでもなく、何でもない」
なんの才覚も持たない『凡人』である《僕》こと時雨 零は、世界で最も完璧と称させる学園、《知恵ノ輪学園》に、若き天才、那由多 フカシギの付き添い人として入学
する。
知恵ノ輪学園の生徒会長を目指す那由多 フカシギを裏から支えるため奮闘する《僕》と、様々な『才能』を持った個性的な天才たちとが織りなす、学園異能バトルミステリー。
──この学園じゃ、異常なことが通常さ。──
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-15 02:16:54
22002文字
会話率:52%
二〇〇一年の秋。故郷を捨てて海のある北海町にやって来た阿部明は、月竹の宿で琥珀色の瞳を持つ青年に出会い、孤独だった人生に色が付き始める。
同じ日、女将から罪を持つ者が見ると呪われる「ハナエの人形」の噂を耳にすると、人形と青年に何やら関り
があることを知り、自身で調べることに。
しかし明の行動も虚しく、ある日突然…青年が崖から身を投げ自殺。
生きる気力を亡くした明の元に青年の友達だと名乗る男、林則竹が現れると、自殺ではなく殺された可能性があると聞かされ、明は林と共に真相を解明させることを決意……するが……。
仄暗い真実に、明は初めて、生きることが何かを実感する羽目に。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-09 13:17:22
11272文字
会話率:31%
夢も希望もなく、自堕落な生活を送る青年『佐藤 匠(さとう たくみ)』は、自分を変える刺激的なきっかけを求めて、衝動的に自分探しの旅に出た。
行き先を運転手に委ね、乗り込んだタクシーに連れて行かれた場所は、ひと気のない森の中。そこで匠は、『
前田(まえだ)』という老人と出会い、〈脳美祖(のびそ)村〉という村の存在を知る。
前田に誘われて、匠は〈脳美祖村〉で生活することを決めるのだが、この村は、何かがおかしい。
村人たちの異常性に気づいた匠は、村からの脱出を試みるが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-01 21:00:00
60032文字
会話率:35%
人間不信に陥った主人公は、全てを忘れるために田舎町へと引っ越した。ここでなら新しい自分に生まれ変われるはず!と意気込むがその思いは早々に打ち砕かれることになる。合わない視線。妙な噂話。町の人々から逃れようと、あてもなく歩くと小さな神社に行き
ついた。そこで出会った美しい男性と交流を深め心に安堵が訪れるが、彼の異常性にどんどんと気が付くことになっていく。
他サイトでも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-12 03:56:02
2721文字
会話率:27%
本作の主人公、樋上柚月――――自称ユズは、クラスメイト全員と共に異世界転移に巻き込まれる。女神を名乗るパツキン少女、リルティアの意思により、魔王を討つべく勇者の一人として召集されたらしいのだが、ユズはステータスも低い、魔力もダメ、固有スキル
に至っては無いも同然と判断された上に、更には勇者の紋章を持っていなかった。他のクラスメイトからも足手まとい扱いされ、地下にある魔物の巣くうダンジョン、『牢獄迷宮』に追放されてしまう。異世界カルチャーショックに打ちのめされながらも脱出を試みるが、案の定魔物に襲われてしまい、絶体絶命。だがその時目覚めたのは、使えないと思っていた固有スキルの真の力と、ユズの『異常性』だった――――だけども結局微妙な強さのユズと、謎多きクールビューティーの少女は、こうして出会う。
これは、後に世界最強の柑橘系親衛隊長となるユズが、暴れたり叫んだり暴れたり這い回ったり暴れたりして、なんだかんだ神殺しへと繋がる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 21:24:38
340223文字
会話率:33%
分身なのに本体にも痛覚が伝わってしまうという大きすぎる欠陥を抱えたポンコツスキル、《分身》を活用してダンジョンを探索してた主人公、生神鳴忠。
彼は毎日の様に、通常であれば攻略が不可能な難易度のダンジョンに挑み続けていた。
幾度死のうとも、
幾度の苦痛を経験しようとも、その度に敵の動きを覚え、己の動きを最適化し。
己を磨き上げ、ダンジョンの遥か深み、深層の先にある深淵に挑むために己を磨きあげていた。
その様はまさしく死にゲー、すなわち、死んで覚えて攻略する類のゲームをするかのごとく。
そんなある日、鳴忠は思わぬ事態に見舞われる。
「急いで逃げないと!」
「良い、俺は大丈夫だ」
それは、イレギュラーモンスター。
ダンジョンで時折起こる、モンスターが階層を無視して移動し発生する災害。
その最中に、止める少女達の手を振り払って、ただ己の鍛錬のためにイレギュラーモンスターの群れに挑み、そしてまた数体を道連れに分身を散らせた鳴忠。
本人としては、いつもの鍛錬の延長線上の出来事に過ぎなかった。
しかしそれが、少女の配信に映り込んだことによって事態は一変する。
「誰だあの特攻ニキは」
「イレギュラーモンスターに突っ込むのはワロタww」
少女達は、登録者80万人、配信同時接続者数数万人を誇る有名なダンジョン配信者、ダンチューバーだったのである。
「なんか晒されてるんですけど」
「お兄、この機会に配信始めよう!」
結果的にネットの海に晒されることになった鳴忠は、妹のすすめもあって配信業を始める。
その配信で世界は、鳴忠の真の強さと異常性。
そして深層と自分たちが呼ぶ場所がチュートリアルに過ぎないということを知っていくことになるのだった。
これは、一人死の苦痛と恐怖を友とした男が、誰よりも深くダンジョンに潜り、世界を驚愕させていく物語。
あるいは、一人の狂人が、世界をダンジョンの遥か深みへと引きずり込む物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-14 19:10:00
312605文字
会話率:21%
佐藤碧(さとうあおい)は、絶世の美貌を備えた、芸術品の彫像のように美しい青年である。もっとも、その計り知れない美貌は同時に冷淡で冷酷で、周囲の人間をまともに寄せ付けないほどであり、彼自身は無口な上に殆ど人間関係にも疎く、またその美貌が重要
な環境では育たなかったために、自分の天稟(てんぴん)の美貌にことごとく気付いていなかった。
そんな碧には、唯一信頼の置ける伴侶、精神と肉体の両方で碧を支え続ける田中日葵(たなかひまり)がいたが、日葵は生真面目で理知的だが鈍感なために、碧と七年余りの生活の中で確かな不和を数々経験してきながらも、それほど碧のことを心配せずにいた。
碧は大学四年生の夏に自宅で倒れ、大学病院に緊急搬送されたのをきっかけに、自身が中度の精神障害に犯されていることを知る。碧はそれまでの人生で、自分の精神障害を散見させてはいたものの、それに気付かないまま生きてきたのだった。
以来一年間自堕落で無活動な生活を送り、最初の冬を迎えた碧は、日葵の提案で就労移行支援施設に入所し、社会復帰の準備をし始める。
だがいよいよ始まった新生活もつかのま、障害者社会の現実を知ってゆくなかで、自身の生き方、生きる方法など様々な不安を覚え、施設での入所生活にも少しずつ影が差し始める。
丁度そんな碧が施設から帰ろうとしていたある日、碧はとある醜い身体障害者の男、松風(まつかぜ)と出会う。松風曰く、碧の絶世の美貌が有れば、碧は常人には得難い『精神的勝利』を得ることができ、今の碧にはそれこそが必要であると言う。松風に唆され、彼の提案に応じるまま、碧は精神障害の美青年として、夜の街で異常性癖の女や痴女たちを相手に自分の体を売り始める。
希代の美青年に翻弄され、踊らされ、碧を弄ぼうとして逆に碧に手玉に取られる女たち。日葵を裏切ることにうしろめたさを感じつつも、自分自身の本当の才能と自信に気付き始める碧と、その裏で密かに動き出す松風の本当の目的。
碧の昼と夜の二重生活が彼に齎(もたら)す、異常者に許された勝利と幸福の結末とは……。
※エブリスタ様でも掲載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-20 19:00:00
106012文字
会話率:24%
令和元年10月。機動捜査隊の井上保と安藤恵は白いワンピースを着たミイラ化遺体を目にする。捜査が始まって数日。遺体の身元もわからない中で現場近くのアパートに別の自殺遺体が見つかる。その足元に置いてあった遺書には先の事件の詳細(非公表のものを含
む)と自分が犯人である旨が綴られてあった。その遺書を元に被疑者死亡のまま書類送検、捜査本部は解散。事件に疑問を持っていた井上と安藤は占い師兼探偵の井上佑に被害者と容疑者の調査を依頼する。
それと時を同じくして、安藤恵宛に疎遠だった親戚から祖母安藤四葉が亡くなった事による遺産分割協議通知が届く。彼女は記憶に無いその親戚に亡き父の代襲相続権を提示されていた。まるで誘われるかのようにその地に足を踏み入れる。
先日の事件の後から恵は奇妙な夢を見ていた。忘れていた祖母と忘れていた場所の夢。安藤恵の”普通”が暖かい笑顔と気味の悪い幻想に侵されていく。知りたくなかった自分とその家族の血濡れた過去を知ってしまい少しずつ綻び始めた日常。大切な人達の許されざる行為。彼らの異常性を知った時、恵はあの日の事件との関連性にも辿り着いてしまった。法の下に正義の行使を求められる警察官としての覚悟は、もう2度と一人になりたくない、そんな子どもじみた感情にいとも簡単に負けた。大事なものを無くしたくない恵はそれでも最後までその良心の呵責に苛まれる。しかし自分の隠された異常嗜好に、その過去の過ちに確信を持ってしまった時、その葛藤は全てをこの手で終わらせる、そう決意させてしまった。最後の時、恵は”普通”だった頃の日々に想いを馳せてしまった。郁とその補助をしていた多野卓を手にかけた後、どうしても最後に”普通”だったあの日々に触れたくなってしまったのだ。その状況はもう確実に思うものとは違う。それはわかっているのに、最後に欲が出てしまった。井上を緊急通報を介して半ば脅迫的に呼び出すと、同僚だった警察官に包囲される中で彼に感謝を伝えた後、安藤恵は自害した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-11 18:20:00
118746文字
会話率:47%
恋愛対象について語る賞金稼ぎの少女とクラスメイト。ショタコンの片鱗を見せる賞金稼ぎに対し、クラスメイトが明かした内面は?
最終更新:2024-04-01 07:00:00
1010文字
会話率:67%
大寒波により、豪雪にみまわれた或る地方都市で、「引きこもり状態の50代男性が痴呆症の母を探して街を彷徨い、見つけた直後に殺害する」という悲惨な事件が起きた。
被疑者・飛江田輝夫の取り調べを担当する刑事・小杉亮一は、母を殺した後、捕まるまで
馴染みのパチンコ屋へ入り浸っていた輝夫に得体の知れぬ異常性を感じるが……
アルファポリス、エブリスタ、ノベルアップ+、にも投稿しております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-16 08:01:47
7387文字
会話率:43%
宮沢優香、高校2年生。彼女の趣味は――少年を観察すること。そして……
※ノベルアップ+様の「年の差恋愛小説短編コンテスト」参加作品です。
最終更新:2024-02-16 07:56:57
9098文字
会話率:47%
なにをしても許されたい攻め×何をされても許す受け
(愛されたいサイコパス)×(傍観者なサイコパス)
男
二〇代。
さくらの家族を物理的にバラバラにした。
無償の愛が欲しい。
さくら
高校生。
流れる日常に流
されていた。
家族が殺されたことにより、自分の異常性に気づいた。
愛とは何か分からない。
pixivにも上げてる作品です。
暗めの考えさせられる話が好き。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-10 22:24:00
2191文字
会話率:40%
(なんで俺が転生してんだ?)
魔王と勇者に騙されて、死んだ『魔女』……の使い魔である黒猫は顔を引き攣らせる。
辺境の癖のある寂れた村。
少し天然の両親の家庭に生まれ落ちたのは、“最果ての魔女”と共に【古代魔術】を研究しつくしていた
黒髪赤眼の赤子。
(ミスしやがったな、バカ主!)
黒猫は魔女が《転生》をミスし、自分が転生してしまったと勘違い。【古代魔術】の研究は禁忌とされる世界において、黒猫は魔女と同じ結末を回避しようと力を隠す事を決める。
とりあえずは人間について学ぼうと父の狩りを手伝っては本をねだり勉強に勤しみながらすくすくと成長。
3歳のクロムはバレないようにと【古代魔術】を使用しながら無数の魔物や魔獣を狩る。
ここで大きな問題が一つ。
「うちの子は天才かもしれない」
両親は赤子の異常性を「天才」の一言で片付け、溺愛した。12歳になると女神より授かるスキルは【猫化】という「元の姿」に戻るものであり、本来の人間でいえば戦闘力など皆無なもの。
だが、クロムは15の成人とともに旅に出る。
のんびりゆっくりと世界を見て回る。
ついでに、
ドジでマヌケで愛らしい主の墓を建てる。
主の無念を晴らすため魔王と勇者を屠り去る力を隠しつつ、気ままな旅の道中でチャンスがあれば復讐を遂げるという軽い復讐の旅に出る。
だが、両親にバレなかった【古代魔術】を使うことでSランクパーティーのリーダーを屈服させてしまい、「パーティーに加入してくれないか?」とSランクパーティーに誘われるなんて……。
「いや、お前たちは弱いから俺の旅にはついて来れない」と断ったら、同じくソロの冒険者だったエルフにストーキングされるなんて……、ましてや、『弓神』と呼ばれるようになるなんて知るよしもない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-18 01:35:46
11950文字
会話率:33%