婚姻のその日まで、俺、オズワルド王子は妻となる魔族の姫エルセリアと対面する事はなかった。
銀のベールを頭から覆い、顔も見えぬままの姫と婚姻の儀を交わした晩、月明かりの落ちる寝室にて初めて互いの顔を見合わせたのだった。
これは、犯罪
ではないか?
それが、エルセリアを見た時に初めて抱いた感想だった。
艶やかな肌、輝く髪、整った顔立ち、子やぎのような白い耳を恥ずかしそうに寝かせている。
そして何より
若い。
人間で言ったらまだ少女と言っても良いような見た目だ。
いやいや、さすがにこれはまずいだろう。
いくら相手は魔族で国の定めた婚姻とは言え、こんな美しく可憐な少女を娶るのは犯罪級に後ろめたい。
俺は恐る恐る尋ねた。
「失礼ですが、エルセリア姫はおいくつになられるのですか?」
「魔歴で10万17歳になります。」
10万、ですか。
「あー、じゃあ、まあ、大丈夫っすね。」
✴︎
妾腹として産まれたばかりに王子のくせに長く修道院暮らしをしていたオズワルドと、世間知らずの深窓の令嬢エルセリア。
二人は人間と魔族の末長き和平の証として夫婦となり、末長く幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
カルチャーショックに戸惑う事も多々あるけれど、嫁がかわいいので問題無し!
どのくらいかわいいかって?
仕方がない、そんなに聞きたいならお話ししましょう。
自慢っぽくなっちゃいますけど大丈夫ですか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-20 02:00:06
35116文字
会話率:38%
〝閉ざされた霧が晴れるとき、世界は生まれ変わる〟
水平線が霧で覆われたツクヨミ大陸。
心の欠けたボクこと梵遊兎都(そよぎ ゆうと)は幼馴染で恋人(仮)白樺凛彗(しらかば りんぜ)さんとしゃべる黒猫ネウと共に『便利屋ラビットホール』を営んで
いる。
『情報屋』ハニーBの協力もあって、たまに波乱もありつつ、それなりに楽しく生活していた。
ある日、知り合いの『掃除屋』羽詰峰理(はづめ みねり)さんから『行方知れずの依頼人を捜してほしい』と依頼を受け、ボクらはそのひとの家に向かった。
そこで出会ったのは王子を名乗る不思議な少年と彼に従う騎士のようなふたり。いつも通り終わるかと思った依頼だったが、事態はボクらの思いもよらぬところへと発展する。
『霧に覆われた水平線』『異能』『神』『楽園』『魔性』『絡新婦(じょろうぐも)の血族』――そして。
これは不幸と幸福が混ざりあった、狂気と正気のせめぎ合う不条理の世界で、非力な兎が女王になるまでの物語である。
※主人公総愛され気味ですが、カップリングは固定です。リバはありません。主人公に対する攻めが最終的に三人になりますが、攻め同士のカップリングはありません。
※性別問わず恋愛関係または近しい関係になる描写が多分にあります。
※BL主軸としたヒューマンドラマなファンタジーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 17:49:17
342974文字
会話率:45%
小柄でおとなしい男子中学生の風見弘樹は、義理の母、矢谷令子が顧問兼コーチを務める「鈴之森総合格闘技クラブ」の合宿に参加していた。弘樹は格闘技が好きではない。夜中にこっそり宿を抜け出して一人で公園のベンチで泣いていると、合宿の参加者の一人、安
達英子が通りかかった。満月の月明かりのもと、英子は弘樹の涙に引き込まれて……。
<主な登場人物>
風見弘樹・・・・主人公
風見和也・・・・弘樹の父親
安達英子・・・・弘樹の先輩
矢谷令子・・・・弘樹の義理の母親
矢谷麻里・・・・弘樹の義理の姉
宮崎朱良・・・・弘樹の姉
宮崎蓮・・・・・弘樹の妹、蘭の双子の姉
宮崎蘭・・・・・弘樹の妹、蓮の双子の妹
風見正一・・・・弘樹の祖父
風見妙・・・・・弘樹の祖母
宮崎ナナ・・・・弘樹の母親
田中敏夫・・・・ナナの内縁の夫
田中敬一・・・・敏夫の息子
風見仁美・・・・弘樹の従姉
風見順子・・・・弘樹の従姉
風見絵里・・・・弘樹の腹違いの妹
川島弘美・・・・絵里のバンド友達
上野早苗・・・・絵里のバンド友達
上野亜紀・・・・絵里のバンド友達、早苗の妹折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-19 17:40:00
76143文字
会話率:13%
【月虹】……見た者の願いを叶える、夜の月明かりにより生まれる虹。
【月虹】を見た、七天使の願いにより幸せの絶頂にいたユーサ・フォレストは死ぬことになった。
しかし……。
ー あなたには 生き返ってもらいます ー
○ ● ○
◎ ○ ● ○
ー ……えっ!? ー
○ ● ○ ◎ ○ ● ○
森永 典安(もりなが のりやす)は、妻と娘に嫌われ、家庭に居場所が無い父親だった。
そんなある日、典安は知らない【別の世界】にいて、美少女の様な見た目の青年ユーサ・フォレストに【転生】して第二の人生が始まった。
そして【別の世界】でも前世の妻、高井 愛(たかい あい)に似ている女性ディア・リーと出会い、結婚して、一人娘を授かった。
前世で家族に嫌われていた父親だったが、前世の反省点を生かし「家族を大切にしよう」とやり直しの決意をした結果、ユーサは妻と娘に愛し愛される家庭を築き、幸せに暮らしていた。
しかし__そんな幸せな日々も、束の間。
娘が四歳になる誕生日会を終えた深夜。
仕事の依頼主であるラーク・E・シエルの依頼が『破壊神復活の生贄になる』とは知らず
ユーサは【転生】先でも死んでしまった。
そして死後の世界(エデン)で自分を神と名乗るジャンヌ・D・アークと出会い、条件付きで生き返らせてもらう事になる。
その条件……七つの【召命(コーリング)】とは……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 22:06:13
261257文字
会話率:32%
ここ数日、とある夢に悩まされている芽衣。
月明かりの下、声も出せないまま誰かに咬まれ、吸血される夢。
起きたあとも息遣いと痛み、恐怖が鮮明に思い出される、そんな夢。
あれは本当に夢なのか。
でも、吸血鬼なんて、フィクションの存在が実在する
わけない。
そう考えようとしたのに──
「お前、それただの夢じゃないだろ」
「吸血鬼は存在する」と断言する転校生の翔、親友の紗季と共に吸血鬼の正体を探り始めることに。
果たして、吸血鬼の正体とその目的に迫ることは出来るのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 19:31:39
202907文字
会話率:31%
ガーネットのような美しい宝石みたいだと感じるのだ。
最終更新:2025-05-10 23:25:08
268文字
会話率:0%
午前2時に目が覚めてしまった私。このまま寝ようにも目が冴えてしまって寝付けず、夜の散歩に出る話。
キーワード:
最終更新:2025-05-09 21:30:05
1399文字
会話率:16%
月明かりの散歩も悪くはないが
キーワード:
最終更新:2025-05-06 19:38:19
432文字
会話率:0%
月明かりから周りの風景を考える
キーワード:
最終更新:2025-01-28 06:35:26
450文字
会話率:0%
月明かりからの感じることを
最終更新:2023-02-03 09:45:02
348文字
会話率:0%
「俺は君を護る。それが、俺の望みなのだから」
人間と、様々な獣人が共存する世界。〈UDB〉と呼ばれる、人類の脅威たる魔獣が存在し、それに対抗するように誰もが超能力〈PS〉を宿した時代。
平和なエルリア国に暮らす少女、綾瀬 瑠奈は、友人達や
兄と共に、ありふれた高校生活を送っていた。
そんなある日、彼女はふとした事から、美しい銀狼の青年と出逢う。素性も知れぬ、記憶を無くした一人の男。成り行きから、彼は瑠奈の家で共同生活をすることになる。
いま、青年と少女、そして彼らを取り巻く者達の運命は大きく動き始めようとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 14:44:56
1744732文字
会話率:60%
ある夏休みの夜、僕は月明かりに照らされる君に出会う。しかしそれは、ほんの一瞬の出来事で、いつのまにか記憶の端に埋もれてしまう。少し月日が経ち再び2人は出会う。互いに秘密を抱えて。
最終更新:2025-05-03 19:46:40
5298文字
会話率:44%
アルビノとして生まれたことにより、暗い過去を持ちながら生きてきた少女、廻神 咲姫。彼女が17歳になる年の春、月明かりの中で神楽を舞う咲姫の前に、有力財閥の家系に生まれ、同じく暗い過去を持った少年、高原 祈が現れる。
自分が周りと違う容姿であ
ることで、周りから蔑まれてきた咲姫。自分を愛されることのなかった女神、石長毘売に見立てる咲姫に、祈はこう言って歩み寄る。
「僕には、君は石長毘売じゃなくて、木花之佐久夜毘売として映った…って言えるんじゃないかな。」
その言葉を受けて、咲姫は祈の過去を知ること、そしてそれに共に向き合いたいと願う。
『綺麗だった』…ふと聞くと告白のような言葉にも取れる、そんな、祈の思いやり溢れる言葉に報いるために。
有力者の息子である男の子、祈。
彼に美しい女神と称された女の子、咲姫。
これは、そんな純粋な二人の、甘く一途な恋物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-01 23:00:50
12751文字
会話率:37%
納税の代わりに天皇の都、御苑に売られてしまった少女、日和。
平穏に納期を待つ予定だったが、白い子狐の妖に出会うことで運命が変わりだす。妖に襲われ、妖の祓屋である貴族に目をつけられ…。
自身が人間でありながら妖の姫であるとも言われ、どう生
きていくかに頭を悩ませる日々。
しかしゆっくり考える暇もなく、様々な人間や妖と出会い、そして振り回されてしまうのであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-01 22:04:47
233437文字
会話率:57%
男子高校生、浅桜幸臣はとある休日に友人と東京へ旅行に行く。上野、浅草、スカイツリーなど様々な場所を巡って、一行は一日を満喫した。
夕方になり、帰ろうという話になった彼らは、駅へ向かう道すがら蚤の市が開かれているところに通りがかった。どう
せならと見て回る中で、幸臣は奇抜な見た目に惹かれ一体のアンティークベアを購入する。
家への帰路につき、部屋で荷物を広げる幸臣。お菓子やキーホルダーなどの土産物を傍にどけ、蚤の市で買った人形を飾り、人形の入っていた袋を捨てようとしたときに、幸臣は袋の中に、奇妙な石がひとつ転がっていることに気がついた。
石は、その内側にかすかな光を孕んでいる。
幸臣がそれに気づいた瞬間、狙い澄ましたかのように部屋の明かりが消えた。
月明かりだけが照らす部屋。暗がりの中に幸臣は奇妙なものを見る。
暗がりより、なお黒い影──ソレは、幸臣の買ったアンティークベアから伸びていた。四肢を歪に動かし、這うように動く身体を突き破るようにして。
「……ッ!!?」
部屋を飛び出た幸臣は衝動に任せて走り、そのまま外の夜闇へ逃げこんだ。
手の中で明滅を繰り返し、輝きを増してゆく石に気付かぬままに──。
※ホラー小説ではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-28 17:30:00
107356文字
会話率:20%
千年の眠りから目覚めた二重人格の少女は、戦争や別れ、苦しみを経て、自分の存在の真実を探し求める旅に出る決心をする。旅の中でさまざまな仲間と出会い、さまざまな物語が展開され、出会いと別れを繰り返しながら、悲しみや喜びを感じ、愛と勇気の詩を目撃
する。魔法と少女の詩を紡ぎながら、微笑みと涙を交えた旅を歩む。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-28 16:14:07
6139文字
会話率:60%
月明かりと街灯の関係にあるものって
最終更新:2025-04-27 19:39:35
383文字
会話率:0%
月明かりが照らす中、彼らは動く。タン、タタン、タン、タタン。ダンスでも踊るように動く彼らは舞姫としか言いようがない。それは誰もが見とれてしまう美しさで、空中に飛び散る血しぶきも彼らのための演出のよう。
イタリアには四大マフィアと呼ばれる巨大
ファミリーがあったことはご存知だろうか。では、その四大ファミリーのちたった2ヶ月で既に二つのファミリーが新しい勢力によって崩壊寸前に追い込まれていることは?
裏社会には新たな暗黙の了解ができた。それは、客人になってはならないというものだ。意味がわからくてもしょうがない。私も今まで意味がわからなかった。しかし、客人となってしまった今ならわかる。彼らの舞台に上がるには客人にならなくてはならない。しかしそれは、客人になってしまったらもう舞台上にいるのと同じだ。そしたら後は彼ら、『壇上の舞姫』の作り出す舞台の登場人物として終わるだけだ。なぜ私がそれを知っているかって?私は彼らの演劇にまだ必要な人物らしい。しかし、もうその役目も終わってしまうだろう。悪いことは言わない。彼らには関わるな。今ここで聞いたことも忘れろ。関わったら最後、、、 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-25 20:35:18
4010文字
会話率:67%
私が拐かしてやろう──深雪は、嵐の晩に岩屋で美しい男に出逢ってしまった
幼き日の過ちを悔いながらも孤独に耐えきれず、死に逝こうとしていた少女
出逢った男は炎威の如く不安を焼き尽くし、月明かりのように導いて、攫っていく
いずれ夫婦になる二人の
、年の差和風ロマンスファンタジー
カクヨムにも投稿中です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-23 10:45:05
14044文字
会話率:64%
「その坂だけは、絶対に登っちゃいけないよ」
夏休みの間、田舎にある祖母の家で過ごすことになった女子高生・早瀬まどか。
退屈な毎日と静かな田舎暮らしのなかで、彼女は子どもの頃に聞いた“禁じられた坂”の存在を思い出す。
深夜、誰もいないはず
の裏山。
月明かりに誘われるように、その坂を登ってしまったまどかは──
翌朝、何事もなかったように日常へと戻っていく。
けれど、日常の中に現れ始めた、ほんの小さな違和感。
母の利き手が変わっていたり、友人の名前が微妙に違っていたり。
まどかは次第に、自分が“少しだけズレた世界”にいるのではないかと疑いはじめる。
これは、知らないほうが幸せだった真実に触れてしまった少女の、
静かに崩壊していく“日常”の物語。
最後の一行で、あなたの背筋は確実に凍る──。
※本作『とこしえ坂』は、構成および本文の一部において、OpenAIのAIアシスタント(ChatGPT)を利用し制作されています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 18:57:41
31355文字
会話率:9%
下級貴族の娘、セリーヌ・アルノワは、都の華やかな社交界とは無縁の生活を送っていた。
だがある日、父の古い知人の誘いを受け、初めての舞踏会へと足を踏み入れることになる。
煌びやかな会場。知らない人々。慣れない礼装。
そのすべてに戸惑いながら
も、セリーヌは月夜のバルコニーでひとりの青年と出会う。
「……こんばんは。少し酔ってしまったので、夜風にでもあたりますか?」
感情を表に出さない無愛想な青年――アルヴィン・レイヴァルト。
彼が、実はこの舞踏会の主役である皇子だと知るのは、少し後のこと。
身分の差。許嫁の存在。
決して結ばれてはならない運命。
それでも、ふたりは夜に惹かれ合う。
やがて密会を重ねるようになり、心を通わせていくが――
「誰にも見つかってはいけない」
「この気持ちは、なかったことにしなければならない」
すれ違いと苦悩の果てに、それでも手を離せないふたり。
月明かりの下、愛を囁くその声は、届くことのない未来を恐れて震えていた。
これは、身分に縛られた少年と少女が、
“秘めごとの花”を月の夜に咲かせる――
切なくも美しい恋の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-16 01:01:52
16806文字
会話率:34%
夜と女。唇と牙。月明かり。
キーワード:
最終更新:2025-03-24 19:10:28
735文字
会話率:18%