人よりも周囲から気づきを得るのが得意な女学生、鹿倉由美絵《しかくらゆみえ》は、ある日インターンシップの帰りに駅前の雑踏の端に座り込んだ男、新部高典《にべたかのり》に気を留めた。
上質なメンズスーツを身に着けた中で、シャツだけをしわだら
けにした高典に興味を覚えた由美絵は、高典の油断を誘って行きつけのバーラウンジへと連れ込む。レディススーツから色気のあるワンピースドレスへ着替えた由美絵に翻弄されつつ、高典はひとまず一杯を共にすることにした。
カウンターに並びでカクテルを飲んでいると、由美絵は高典のシャツのしわについて尋ねる。高典はその所以を喋ってみせるが、そこに嘘があることを由美絵は看破した。
シャツにしわをつけたのが他ならぬ高典自身であることを由美絵に指摘された高典は、逡巡を経て質問に答える条件を由美絵に持ちかける。ショットグラスに注がれた酒を一方が飲んだら質問ができて、もう一方は答えなければならない一問一答だ。由美絵がシャツのしわの”なぜ”を問うなら、由美絵も高典の質問に答えなければならない。由美絵は酒の余興を受け入れた。
お互いに飲んでは問い、問われては答えを交互に繰り返すうち、由美絵は自身の中で納得のいく答えに辿り着いた。その答えを示された高典は、回答を継いで自ら語る。シャツのしわは高典の新人時代の失敗と分不相応だった傲慢さの象徴だった。
秘密を語り合った2人はしばらくただの友人の様に酒を交わす。楽しい一時を過ごし終えると、由美絵は青シャツの襟を正してラウンジから去る高典を見送った。
---
本作はgithubで管理し、note及びカクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-01 22:36:45
10938文字
会話率:53%
とあるホテルのラウンジ。コーヒーを啜りながらチラリと腕時計を眺める男。ソワソワと、どこか落ち着かない様子。自分の顔を撫で、歯に物が挟まったように口を動かす。
そして、ソーサーの上にカップを戻したその時であった。
「あ、こんにちはぁー」
「あ、おお、こんにちはっ」
男は椅子から立ち上がり、声をかけてきた女に微笑む。まるで時が止まったかのように黙り、見つめ合う二人。
「あ、ああ……」と咳払いをしつつ「どうぞ」と男が促し、二人とも席に座った。
「ええと、じゃあさっそく自己紹介を。僕のほうからがいいですよね」
「あ、その前にお飲み物を……」
「ああっと、そうだった。すみませんすみません。ははは、ええと何にしますか?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-30 11:00:00
2551文字
会話率:72%
とある国のホテルのラウンジ。そこに二人の男女がいた。
「この旅行も、もう終わりだな……」
「ふふふ、なに言ってるのよ。飛行機までまだ時間はあるじゃない」
「あー、うん……」
最終更新:2023-07-23 15:00:00
1439文字
会話率:52%
会社帰りのティーラウンジで資格試験の勉強に励む僕は、いつもの“指定席”に精霊が座っているのを目にする。
最終更新:2023-11-15 13:00:00
6130文字
会話率:49%
一夜を共にした男と女。
男はかつて一世を風靡したミュージシャン、女は別の誰かの人妻。
新曲のレコーディングの為に海外へ旅立とうとする男と日常へ戻ろうとする女は、最後にラウンジに寄った。
最終更新:2023-04-13 15:44:02
1039文字
会話率:63%
会社帰りのティーラウンジで資格試験の勉強に励む僕は、いつもの“指定席”に精霊が座っているのを目にする。
最終更新:2022-08-22 16:53:05
3062文字
会話率:54%
昔、知り合いのラウンジにて、女形、瀬崎蘭子になっていた時の与太ばなし。
最終更新:2023-11-04 11:02:31
513文字
会話率:0%
朝早くに起きた人向けの小説です。
ホテルのラウンジで飲む飲み物って、不思議と味わい深いですよね。
最終更新:2023-11-04 06:06:34
1158文字
会話率:12%
泥沼ミッドナイトが怖くて人と関われるかよ
最終更新:2023-07-30 14:56:57
209文字
会話率:0%
いいことしに行っても寒い風は止まない
最終更新:2023-06-27 15:04:28
279文字
会話率:0%
茶番なんか鵜呑みにしないで やりたいことやろうよ
最終更新:2023-03-05 14:32:33
217文字
会話率:0%
東京の中心部にある高級ホテル「イリーナ・ホテル」。
このホテルのラウンジ「リリア」では、時折美しい女性がピアノを弾く。
見事な演奏を披露する彼女の正体とは?
ピアニストで探偵の桜井百合と、財閥の御曹司で覆面作家の西村達也が「人の死なな
い謎」を解いていくライトミステリー。
【主な登場人物】
・桜井百合(さくらいゆり)…ラウンジ「リリア」のピアニスト。ピアニストは副業で本業は探偵。美しいがクールな性格。ずば抜けた記憶力と洞察力を持っている。
・西村達也(にしむらたつや)…ラウンジ「リリア」に通う青年。世間をにぎわせている覆面作家「柏木林太郎」の正体であり、日本有数の財閥の御曹司でもある。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-28 23:09:12
252436文字
会話率:29%
エンジェルライフ前編までのあらすじ
愛知県田原市の渥美病院に私財を提供し健康管理センターと、長期滞在型おもてなし看護付き療養施設、通称:モトズラウンジを作った小林元旦:元(モト)と,看護師長の小久保あさこ、そして、孤高の狼!天才脳外科医なの
に診療看護師として勤める小久保エライザの三人が、立ち上げたエンジェルライフ。看護師から選び抜かれたエンジェルクルーたちが、医者やリハビリ担当、料理人まで指名して、世界のVIPに提供する究極のおもてなし看護の費用は超々高額のぶっ飛び価格!集めた資金を貧しい国の患者やその家族に惜しげもなく大盤振る舞い!とっても気前のいい人たちの物語。
そんな三人も、やっぱり年を重ねる。終活、更年期、そしてママになるエライザ。初代エンジェルクルーたちも続々と第二の人生をスタートさせる。
エンジェルライフMirai、始まります!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-06 10:48:18
106524文字
会話率:0%
遥か天空には、死んだ者達の霊魂が集う場所がある。
人生を清算し天の裁きが下る迄の間、霊魂に束の間の安息を与えるその待合所=『天空のラウンジ』には、彼らを管理する『ゴーストワーカー』と呼ばれる天使達が働いている。
第三管理課に配属され
てから日々忙しく業務に追われる新米ゴーストワーカー『アリステア・ガイルーク』。
彼女は、担当する母娘の霊魂の願いである【現世の家族は今どうしているか】を叶える為、転生装置『アースビジョン』を用いて下界へと赴く。
そこでは悲しく辛い現実が待ち受けていた…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-06 12:00:00
15986文字
会話率:76%
遥か天空には、死んだ者達の霊魂が集う場所がある。
人生を清算し天の裁きが下りる迄の間、霊魂に束の間の安息を与えるその待合所=『天空のラウンジ』には、彼らを管理する『ゴーストワーカー』と呼ばれる天使達が働いている。
『アリステア・ガイ
ルーク』はゴーストワーカーの実習生。
そのあまりのボヤきの多さから親友の『エリザベス・キャスカ』にいつもツッコまれる毎日だ。
アカデミー卒業を間近に控えたある日、2人は霊魂と接する実地訓練に赴く。
だが、彼女達が関わる霊魂は、普通のものではなかった…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-08 21:57:50
17446文字
会話率:72%
高層ビルのバーラウンジで話題となったのは歴史にまつわるミステリー。
「どうして旧人類は優れた力を持ちながらその全てが絶滅しホモ・サピエンスだけが生き残ったのか」
その真相は意外なものだった。
最終更新:2023-03-25 05:57:33
896文字
会話率:46%
本屋が大好きだったという思い出と、これからの本屋についての思いのようなもの。
最終更新:2023-01-15 08:38:00
2414文字
会話率:0%
主人公は、モトクロスの天才ライダーと言われプロライダーになったのだが引退する。
引退後、出会いがあり水商売の世界へ入り色々な体験を得て夜王を目指す。
そんな中、当時ライバルであったMr.チャンプからYouTube出演の誘いがありそれをき
っかけに諦めてなかったレースに復帰する。
そして、全日本モトクロス選手権に出場しチャンピオン目指すが...
*実物モデル登場と実際にあった話をモデルにしました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-12 09:26:54
20186文字
会話率:52%
高学歴、高身長、三流企業勤めOL、学生時代から付き合っていた彼氏に浮気をされて傷心。
友人に誘われサウナに行くと、なにこれ、ととのうってすごい!
コミュ障が治り、会社を辞める踏ん切りもつき、クズ男とも別れ、大都会・東京に未練がなくなった私は
地元大阪に帰った。
嫌いだったはずの地元の商店街も、昔とは随分違う様子。
喉が渇いて吸い込まれるように入ったお店は……ラウンジ?
晴れて夜の蝶デビューをすると思いのほか性に合っている模様。
全てがうまくいくと思った矢先、疲れを癒すために仕事終わりに行った銭湯で、原因不明の体調不良で倒れてしまった。
性格もなんだか昔の引っ込み思案で根暗な自分に戻ったみたいで、ラウンジの仕事がとても辛い。
そんなときに実家に届いたのは、元カレからの手紙。
よりを戻したいらしい。
同封された新幹線のチケットで東京に戻るも、やっぱりクズはクズだった。
落ち込む私をまたしてもサウナに連れて行ってくれる友人。
なんだかまた調子が戻ってきたみたい。気分爽快!
クズ男を盛大に振り、大阪に帰ってラウンジの仕事にも復帰。
お客がストーカー化したけれど、なんだかんだうまく……も行かない?
エブリスタ、カクヨム、アルファポリスでも同時投稿中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-05 22:00:00
63999文字
会話率:33%
母と娘の恋のバトン。
それぞれの想い、母への凍り付いた気持ちが徐々に解けはじめる。
最終更新:2022-10-12 22:32:38
21308文字
会話率:27%
一流の歌手を目指すその女性の名は、ベラドンナといった。
ホテルのラウンジショウへの出演が決まり、ベラはバンドのメンバーとの練習に励む。様々な人物と交わる中で成長を見せるベラだったが、本番当日の朝、思いもよらぬ報せが舞い込む。二十二歳のベ
ラは、ある決断を迫られるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-28 19:00:00
26729文字
会話率:48%
雷雨の夜、海辺のホテルへやって来た青年《万条彼方/ばんじょうかなた》は、その1Fにあるカクテルラウンジで一人の女と出会う。彼女は『ブルームーン』を飲みながら、静かに夜の海を眺めていた……
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
最終更新:2021-08-11 12:56:21
5842文字
会話率:43%
異世界、今の人々が、今いるところが自分の世界との認識の中で、異なった世界に存在する人々、種族のことを、異世界人と呼ぶ。
エルフ、ヴァンパイア、ピクシー、獣人など、様々な種族が存在する世界が、そこにあった。
まだ、異世界人の存在が人々に認
知され始めて間もない時、地球のとある街の片隅のお店にだけ起きた奇跡の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-19 11:49:43
5128文字
会話率:41%
内田大輝(うちだだいき)は、考え事をするのが好きな、
学校では寡黙で知られる高校3年生。彼の楽しみの1つは、
同じマンションに住む、後輩であり幼馴染でもある
夏山若菜(なつやまわかな)との、マンションのラウンジでの会話。
いつからか習慣
になったラウンジでの2人きりでの会話を
2人は楽しんでいたが、利用者が少ないラウンジは閉鎖される事に
なった。ラウンジの閉鎖を明日に控えた2人は「最後の
一晩」を2人で過ごすことになり、「人生最後の1日をどう過ごす」
というお題を話し合うのだが……
秋のマンションのラウンジを舞台にした、ちょっぴり意地悪な彼とお茶目な彼女の軽妙なやり取りをお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-18 17:24:23
6974文字
会話率:57%
とある大学の、人気が無いラウンジの一番端の机。そこが彼の特等席だ。
成績優秀だけど少し変わった彼、一郎くんはそこでよく小説を書いている。
私、司はそれを眺めているのがたまらなく好きなんだ。
◆◇◆
田舎の大学を舞台にした、司と一郎のほん
のりとした恋愛劇です。
【アルファポリス】にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-14 20:52:57
3032文字
会話率:50%
アラフィフの私が出張時に空港ラウンジで目にした事、そして感じた事。
最終更新:2019-10-28 21:57:56
2152文字
会話率:6%