私はいま恋をしている。
それも、このあいだ生まれたばかりの恋だ。
お互いを好きなのかどうかを確認する作業もなく、デートをするわけでもない。ただ週一度のこの面会だけが、私たちの関係をつなぎ止めていた。
哲也がここに通いだしたのは大学四年の春だ
った。
「はい、これ」
いつものように面会室で向かい合って座ったとたん、哲也はテーブルの上に分厚い茶封筒を置いた。
「なに?」
「来年のカレンダーのレイアウト。頼まれてたでしょ? 原案ができたから渡しておくね」
そう言って彼は中身を見せた。
紙束の中には六畳間とキッチンとユニットバスの写真があった。
「これ、この部屋?」
「そう。今年の写真も使いまわしなんだ」
来年は私の二十歳の誕生日だ。このあいだの誕生日には、彼がフォトフレームに写真を入れ替えてくれた。
そしてカレンダーにも写真を貼ろうと提案してくれたのだ。
「ありがとう」
私はそれを受け取った。
哲也は茶封筒をまたテーブルの上に置くと、私の方を見てにこっと笑った。
「あとさ、『星々のため息』読んだよ」
「え?」
私はどきりとした。
あれはまだ書きかけの短編小説だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-29 20:44:34
8379文字
会話率:30%
幼少期の悪役令嬢ナディア・プレイステッドの侍女に任命されたその日に自らが転生者であることを思い出したハンナ。
侍女として彼女を近くで見ているうちに、ただの自信家ではなく、それは努力の上に成り立っていることを知った。
そんなナディアのためなら
、乙女ゲーム内で起きた暗殺者によって殺される侍女役。
喜んでやりましょうと覚悟を決めたはずなのに目を覚ますと暗殺者によって手当さされ、彼と生活をともにするようになっていた。
何度逃げようとしても捕まる上に怒らせると怖い存在に私はこれからどうなるのだろうと深いため息を溢すのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-17 23:30:06
24151文字
会話率:49%
リョウは朝の光が窓を通して射し込むのを感じながら目を覚ました。瞬間、心の中で小さな期待が芽生える。異世界での朝は、いつも新たな冒険と期待に満ち溢れていた。しかし、目の前に広がるのは、コンクリートのビルが立ち並ぶ現代の街の風景だけだった。
彼は深いため息をつきながらベッドから起き上がると、いつものようにスーツに身を包んだ。鏡に映る自分の姿は、かつての勇者の面影を感じさせるものではなく、ただのサラリーマンだった。彼はかつて、剣と魔法で世界を救い、仲間と共に数多くの冒険を楽しんでいた。しかし、今はただの会社員として、日々の繰り返しの中で生きている。
リョウは部屋を出て、エレベーターに乗りながら今日も会社での仕事を思い出す。厳しい上司の顔、無理な期限、そして絶え間ない仕事のプレッシャー。それは異世界での自由と冒険の日々とは正反対の世界だった。
会社に到着すると、リョウはいつものようにデスクに向かい、コンピューターを立ち上げる。しかし、心の中ではいつも異世界での仲間たちのことを思い出していた。彼らは今、何をしているのだろう。リョウは新たな現実に慣れるために努力していたが、心の底では異世界での日々を忘れることはできなかった。
その日もリョウは上司から厳しい言葉を浴びせられながら、無言で仕事をこなしていた。しかし、突如として彼の携帯電話が鳴り、画面には「異世界からの通信」という文字が映し出されていた。リョウの心臓は高鳴り、手が震える中で通話ボタンを押した。そして、彼の耳には異世界からの切実な声が響いてきた…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-17 10:56:52
5528文字
会話率:12%
とある人気店へ面接に伺ったお話です☆
最終更新:2023-10-16 12:21:13
3586文字
会話率:0%
近況でございます。たいしたコトはありませんと書きたいですけれど、たいしたコトだと思います……(ため息)。
最終更新:2023-09-01 10:11:13
2221文字
会話率:0%
「リーディア、僕と婚約してくれないか?」
「エリクさまの婚約者になれるなんて夢のようですわ。喜んでお受けいたします」
14歳の時に侯爵令嬢リーディアは王太子エリクの婚約者となって、19歳の現在妃教育を受ける日々。
公務で忙しいエリクに寂し
さを覚えながら、一途に彼を思い続け、そして彼もそんなリーディアを可愛がった。
そしていつものように仲睦まじく話していたところ、事件は起きて……。
※短編で書ききれなかった部分、そしてそのあとのお話を書いていきます
※短編をお試しに読んでからでも大丈夫です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-12 07:00:00
62851文字
会話率:46%
「リーディア、僕たちももう14歳だからよかったら婚約しないか?」
「ええ、エリクさまの婚約者になれるなんて夢のようですわ」
14歳の時に侯爵令嬢リーディアは王太子エリクの婚約者となって、19歳の現在妃教育を受ける日々。
公務で忙しいエリク
に寂しさを覚えながら、一途に彼を思い続け、そして彼もそんなリーディアを可愛がった。
そしていつものように仲睦まじく話していたところ、事件は起きて……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-26 12:16:18
10670文字
会話率:49%
「オフィーリアすまない、アゼリアの体調がすぐれないんだ。今日のデートは中止にしてくれ」もう何度目になるか分からない婚約者の台詞にオフィーリアはため息を吐いた。
病弱な従妹をいつも優先する婚約者。しかも婚約者はそれを悪いことだと思わず、繰り
返す。虐げられたオフィーリアは、そんな婚約者に引導を渡すことにした。
短編『いつも病弱の従妹を優先する婚約者なんて、必要かしら?』の長編です。一話から四話は短編と同じです。7/28日間1位、8/12月間6位ありがとうございます。長編はオフィーリアが隣国に渡ったところから始まります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-01 08:52:18
133451文字
会話率:50%
「オフィーリアすまない、アゼリアの体調がすぐれないんだ。今日のデートは中止にしてくれ」もう何度目になるか分からない台詞にオフィーリアはため息を吐いた。
従妹の体調不良を理由に婚約者を蔑ろにした男が自業自得の結末をむかえる話です。
最終更新:2023-07-25 19:11:18
10857文字
会話率:51%
あまりにイケメンな男子生徒は、今日もあまりのモテっぷりにため息を漏らす。
そんなイケメンが、人間関係に疲れ、引きこもり、オタクになり、安寧の地を求めて、文学部へ。
そこには、普通に生きてきた、普通のオタク。略してフツオタがおり、イケメン
とフツオタの奇妙な関係が始まる。
ひたすら格好良く、美しい男と、普通に生きてきた陰キャ女子とのラブコメ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-28 17:54:44
17655文字
会話率:33%
イェオリはアレクシス皇太子に仕える侍従の1人で、今日も皇太子の側に控え、婚約者との間に吹き荒ぶ吹雪を見守る。
どうしてそんなに不仲でありながら婚約破棄しないんだと噂する貴族たちを尻目に、2人の間を駆け回る使用人は今日もため息を吐く。
最終更新:2023-09-26 23:50:44
3576文字
会話率:42%
お前の母は死んだ。もうお前のこと等、誰も気にしないわ。一人でのたれ死ぬがいい。
王宮からかなり離れ古ぼけた白い離宮に、ぽつんと1人取り残された14才の少女クライス。
先程彼女に言い放ったのは、側妃スジャータとその側近達。
先程まで彼
女クライスの母アンシェルの葬儀が行われていた。 その後に王宮の部屋を追いたてられ、ホコリ舞う離宮に移されたばかり。
あの言い方ならば、身の回りの世話はおろか、食事等も与える気はないだろう。
「お母様、来年はお参り出来ぬかもしれませんが、お許し下さいね」
力なくため息を吐きながら、青空に向かってクライスは呟く。
普段から敵対視されていたので、何かされるとは思っていたが葬儀の日にまさか来るとは。
でも1人で憚らず泣けるのは、ちょっとだけありがたいと思った。
これからどうなるんだろう?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-22 17:11:14
13735文字
会話率:26%
「お姉さま、ずるい!
わたくしの方がそのドレスは似合うのに!」
「でもね、ルティア、あなたには少し大きすぎるから」
「そんなことはないわ!
あ、お父さま!お姉さまが意地悪なことを言うの!」
妹のルティアは青い目をうるませながら、父の
元に駆け寄った。
いつものこと。
もうため息も出ない。
だって、お父さまの答えが、分かるから。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-15 20:10:30
4990文字
会話率:18%
※※旧・題名「気がついたら魔王になっていたので自分の安寧のため、ひとまず世界征服する事に決めた。」からレベルアップしたイフ版、新暦verです※※
気がついたら記憶を失ない魔王になる運命に立たされていた主人公。
彼は勇者に倒されることを恐れて
自分のため、そして魔族のために世界征服を誓い平和を目指すことになる!
これはそんな男の勇気と希望・愛に溢れるサクセス青春冒険活劇譚である!………………………………………………………………なんて事がある訳も無く主人公は記憶を代償・担保に神に直訴して転生特典を上乗せさせて魔王を嬲り大魔王に成って代わると魔王軍を支配下に置く。
そして次の魔の手は瞬く間に魔界全土に広がって行き、ちゃっかり(しっかり?)何故か統治してしまう。
そして次の標的は自分と同じように転生している勇者達を全滅させる事へと向かって行き!?
ついに大魔王は命令を下す『勇者殲滅計画を決行する』
全ては脅威に成るかもしれないタネの可能性を徹底的に"摘み"握り"潰し"根絶やし"にするためだ。
安寧ののち、自堕落にのんびり暮らして生きたいという身勝手な極まりない真実を果たさんとするために。
野望に誘われるように悪魔の所業も辞さないと心に誓いながらも彼は思う「案外、魔王も仕事しなきゃいけないのか~」
ため息ε=(。・д・。)フー
この物語は主人公の所為で四苦八苦する魔族と魔界。
勘違いで成り上がって崇拝していく部下たち。
主人公の妨害でいまいち活躍出来ない勇者と滅亡へとカウントダウンを早めてしまう人類サイドの上層部たち。
その慌てふためく様子を見て嘲け足蹴にする人を捨てた真の魔王に成った男。
主人公の悪行を綴った無慈悲な冒険譚である(笑)
※※以前の更新は停止して、こちらから再始動しています※※折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-13 02:00:00
107752文字
会話率:14%
女神様はため息をついた。「あー、自殺ですか」
そのせいか、能力とかはときにもらえなかった私は……
最終更新:2023-09-06 10:34:15
865文字
会話率:40%
仕事
どんだけ~
責任
とんでけ~
最終更新:2023-09-02 19:30:08
677文字
会話率:0%
華やかな舞踏会の終わり、婚約者のカテラと共に会場を出ようとしたテノールは親友の王子とその婚約者と歓談する黒いドレス姿の少女を目に止める。
それは幼い頃のテノールのかつての婚約者だった。そして知っていた、危険な〝魅了の魔眼〟の持ち主であるこ
とを。
王子の危機と思い込んだテノールは婚約者に先に帰るように促し、自らは王子の元へ向かって行くーーーー
なんでも出来て、なんでも手に入る魔女姫ペニーヴェガのため息は、常にどこか退屈なところ。
だから今日もドタバタと暗躍するーーこの退屈をなんとかするために。
そんな物語です。
どうぞ、ご賞味あれーー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-02 10:58:17
15676文字
会話率:48%
やる気のない日常を変えるため、AIが語るシナリオに沿って行動してみた僕のため息。
最終更新:2023-08-23 20:02:09
3001文字
会話率:0%
自分でもうさんくさいと思う外面を貼り付け、今日もアカデミー棟にあるアルサム=ベルガの研究室を訪れる。無視されるのも重いため息を吐かれることももう慣れた。けれどそれは人付き合いが苦手な彼が私を遠ざけるために取る態度であり、根は悪い人ではないこ
ともとっくに気づいている。だから今日も『とある目的』を達成するため、彼に話しかけるのだ。※『「お姉様だけズルい」が口癖の妹の可愛いワガママ』に登場する妹・メリッサの数年後のお話。本作だけでもお楽しみいただけます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-18 18:00:00
12296文字
会話率:55%
「オデット=コリントン、君との婚約を破棄する!」
光の聖女を階段から突き落としたとして婚約破棄を言い渡されたオデットだが、そんなことをした覚えは全くない。光の聖女と呼ばれる女子生徒はいつも王子と人目を憚らずいちゃいちゃいちゃいちゃしているの
だが、王子以外にも何人か顔の良い男子生徒にちょっかいをかけていた。大方、恨みを買ったのだろう。自業自得だ。
次の授業に遅れたくないオデットだったが、このまま王子を放置すれば面倒くさいことになるのは確実。こんな空気を読まない男でも王族で、発言権だけは無駄にある。口元まで出かかった面倒くさいの言葉とため息を飲み込み、代わりの言葉を吐いた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-05 21:00:00
9144文字
会話率:18%
「お前はどうしたら俺のことを諦めるんだ?」--大好きなカルロにため息混じりにそう言われ、私の思考はほんの一瞬だけ動きを止めた。
最終更新:2018-01-12 18:00:00
1935文字
会話率:23%
花の精霊は、二つに裂けた、焦げ枯れた巨木を見下ろすと、寂しそうにため息をついた。
彼は球の中に座す生命の消えた同胞の姿に、時の残酷を実感するのだった。
キーワード:
最終更新:2023-08-06 20:25:21
1192文字
会話率:0%
パワハラ&マザコン王子なんてお呼びじゃありません。
婚約者も結婚相手も御免ですわ。
これは不運にも不良物件の王子に見初められてしまったご令嬢方のお話です。
婚約者候補にはあがってしまいましたがそれより上には絶対に上がらない。一生の伴侶に
そんな相手は選べませんの。
※更新は月曜・水曜・金曜です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-04 13:00:00
51791文字
会話率:62%
「お腹が空きました。何か食べさせてください」
春休みの最終日。俺、海野凛太郎(うみのりんたろう)の部屋に同年代くらいの一人の女が腹を空かせてやって来た。
そいつの名前は美凪優花(みなぎゆうか)
今日。マンションの隣の部屋に母親と一緒に引
っ越して来た奴だった。
「なんで初対面の人間に飯を振る舞わなきゃなんねぇんだよ?」
そう言う俺に、
「先程お母さんに言ったそうですね。『何か困り事があったら言ってください。隣人同士、助け合いで行きましょう』と」
と笑顔で言い返して来た。
「まさか、その言葉を言って数時間でこんな事になるとは思いもしなかったわ……」
「ふふーん。こんな美少女にご飯を振る舞えるのです。光栄に思ってくださ……」
パタン
俺は玄関の扉を閉めた。
すると直ぐに
バンバンバン!!!!
と扉を叩く音
『ごめんなさい!!嘘です!!お腹ぺこぺこなんです!!助けてください!!隣人さん!!』
そんな声が扉を突きぬけて聞こえて来る。
はぁ……勘弁してくれよ……
近所の人に誤解されるだろ……
俺はため息をつきながら玄関を開ける。
そう。これが俺と彼女のファーストコンタクト。
腹ぺこお嬢様の飯使いになった瞬間だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-08 13:00:00
336573文字
会話率:47%
偉そうに言ってるんじゃない!!……って話です。
最終更新:2023-05-31 07:00:00
754文字
会話率:24%