日頃から変な夢に悩まされている鯛太(16)はその日、幼い頃に遊んだゲームの夢を見る。何故か夢の中での自分の姿は頭が三つあるケルベロスだった。夢だと分かっているので、イタズラ心でゲームのキャラクターに意地悪をして彼らの行動を見守る。
その
ゲームは序盤に村が魔物に襲われてしまうが、ゲームとは違うその生々しい残虐さに耐えられず、目を覚ます。
鯛太の見る夢はたいてい悪夢で、どれも現実感があった。逆に現実では眠気不足がたたり、いつもふわふわしたような妙な感覚があった。
誕生日プレゼントを貰うような友達が数人いた鯛太だったが、友達関係が上手くいかず、友達の一人の女の子からは「消えろ」と言われる。
その辛さを忘れるように、鯛太はゲームの夢に縋り付く。
村を襲ってきた魔物の一人から、鯛太がしている指輪を指摘され、屋敷へ招待される。その指輪は誕生日プレゼントで貰った物だったが、鯛太にはどうしても思い出せない。
魔物曰く、指輪をして眠ることで、夢を通じて自分の思い描く異世界へ移行するとのことだった。指輪を誰に貰ったのか思い出せないのは鯛太が夢の中でケルベロスになったように、その人物が別の者に変化している可能性があり、つまり鯛太の現実世界がその人物にとっては夢だと判明する。その人物を見つけなければ鯛太の現実での違和感や不調は戻らないと助言される。
夢から覚めると、いつの間にか鯛太には姉がいることになっている。が、鯛太はその変化にも気付けない。姉の正体がかつての女友達だったことにも。
さらに鯛太の日常は魔物のいる世界に変わっていて、姉と共に魔物を倒す日常を送っていた。
夢で聞いた指輪のことを鯛太が姉に話すと、その反応から姉が指輪を譲渡してきた人物だと気付く。
しかし鯛太は姉に言いくるめられてしまい、結局は夢に出た昔のゲームをプレイする為、姉と共に帰宅するのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-19 20:50:39
117900文字
会話率:29%
ある事件を切っ掛けに死ぬと時を遡るようになった少女はウンザリしていた。知る限り、記憶を残して遡っているのは自分一人。誰に助けを求める事もできないだろうと分かっている少女は自己救済へと乗り出すのだった。
最終更新:2024-07-19 07:16:42
8746文字
会話率:11%
その日、ヴァレンティア帝国の宮殿でクーデターが起こった。皇族は皆殺しにされ、第三皇女のリリアンも主犯の第四皇子レオンに殺されてしまう。九年前に巻き戻った時間を使って、逃げるために金目のものを確保しつつ、殺されないようにレオンに取り入ることを
決意するも、なんだかお兄様の視線が変だ。
レオンが腰を引き寄せて耳元で囁く。
「リリアン、ずっと俺のそばにいてくれ。俺から逃げないでくれ」
「え?」
「兄弟ではないと分かっているだろう?」
妖艶な笑みを浮かべる兄に囲い込まれるリリアンの話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-18 19:00:00
4556文字
会話率:25%
二つの正五角形の建物を管理するのはロボットだった。2018年とは思えないテクノロジー。そこに九人が閉じ込められる。しかし全員が、この場所に閉じ込められた理由も、この場所にいる目的も分かっていなかった。前後の記憶も無く、自分が何者なのかも曖
昧な状態。そんな現状に疑問を持ちながら、九人は日々を過ごすこととなる。
※通常、作品は日をまたがず投稿していますが、この作品は不定期で更新します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-17 20:27:07
118922文字
会話率:49%
ダンスホールの中央で、二人の男女が注目を浴びている。
一人は平民。もう一人は王子様。
そして王子様は、あろうことか平民の前で跪いた。その瞳は、本物の熱意で燃えていた。
「あの日からずっと、君に恋い焦がれていた。身分差があることは
分かっている。それ以上の壁が、自分たちの間にあることも。だが絶対に、君を幸せにする。君を守り抜く。だから――」
王子様が開けた小箱の中には、見るからに高価な婚約指輪が輝いていた。
「結婚を前提に、交際させてくれないだろうか折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-07-16 19:47:38
12948文字
会話率:56%
この世界では、魔法を発動させるためには、主に3種類の方法がある。
詠唱、魔道具、そして魔法陣。
魔法陣は、主に高度な魔法や大規模魔法に用いられることが多いため一般的には 馴染みが薄い。
しかし、噂では【魔法陣使い】と呼ばれる謎の存在がい
るらしい。
詳しいことは分かっていないが、身体の一部に直接魔法陣を刻み込んで魔法を発動させることができるらしい。
果たしてそんなことが可能なのだろうか?
「さて、もうそろそろ魔力でも補充しておきますか」
フードを目深に被った男がブツブツ言いながら忙しそうにしている。
リナは、魔法学院高等部の図書館で本を読み漁っていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-10 06:00:00
44804文字
会話率:61%
俺は、泳ぎたい。
私は、お菓子をいっぱい食べたい。
水泳部の男子だった俺の精神は、ある日突然、このクッキング部の女子の身体に宿った。
この身体はお菓子が大好きだから、食べたくないのに、お菓子を食べる。太ると分かっているのに、食べる。どんな
に止めても、体重計の針が進んでも、泣きながらでも。
この新しい人生に嫌気がして、何か変わるかもしれないと信じて、俺は……この女子が通う高校の、水泳部に乗り込んだ。
お気に入りの競泳パンツを携えて。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-07 00:51:42
25165文字
会話率:61%
貧乏子爵家の次女のクリスティナ=スミスンは、王城の舞踏会が開かれるホールの前で、突然男性に声をかけられた。
「宜しければ私にエスコートをさせて頂けませんか?」と。
その人は見上げるほど背が高く、均整のとれた立派な体躯をしていて、その上に
は、恐ろしく整った顔があった。
彼は今この国で一番の人気のある英雄の騎士だった。
「ほとんどの貴族令嬢が王立学園へ通っている中、城でお針子として働いている自分になぜ? しかも、今日の私はツギハギだらけの物凄く妙ちきりんな格好をしているというのに」
彼女は驚き戸惑った。彼とは分不相応な自分が彼の手を取ったら、明日以降女性達からどんな目に遭うか分かっていたからだ。
しかしデビュタントの彼女は、この夜会でどうしても成人としての証明書をもらわなくてはいけない訳があった。
そのために、彼女は覚悟を決めて憧れの人の手に、その手を委ねた。
無自覚に人々を魅了(魔法ではない)していく苦労人少女と、彼女を陰から見守り続ける美丈夫騎士の恋物語と複雑な人間模様。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-29 19:10:00
200972文字
会話率:16%
子爵令嬢のケイトリンは学園の卒業間近のある日、婚約者のダニエルから大切な話があると言われる。
二年前にダニエルととある男爵令嬢の逢瀬を目撃していたケイトリンは、ついに婚約破棄されるのだと覚悟した。
所詮平民出身のエセ子爵令嬢である自分
と侯爵家の嫡男の婚約なんて無理があったのだ。
というか、最初からこの婚約が履行されることは無いと、ケイトリンは分かっていたのだ。そもそもこの婚約はカモフラージュだったのだから。
なかなか肝心な話を言い出さないダニエルに、ケイトリアンの方が痺れを切らして婚約解消を申し出た。
しかしその後、人が変わったかように饒舌になったダニエルとのやり取りによって、ケイトリンの長年抱いていたモヤモヤが少しずつ霧散していったのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-10 20:00:00
16696文字
会話率:23%
〜ここは、現代によく似た異世界〜
儂は、プロ野球の球団の一つ、歴史ある東京ビッグの監督だ。
十年にも渡って監督をしていたが、その集大成である十年目の成績は、断トツのリーグ最下位。
それもリーグ戦での敗戦数最多の日本記録更新のおまけ付きだ。
儂は、絶望の最中、気を失い、気が付いたら、十年前のドラフト会議の前日に戻っていた。
そこで儂は、あることを思い付く。
それは……入団後に大活躍するのが分かっている選手をドラフトで優先的に指名しておくこと。
そうすれば、十年後には最強のチームが作れるかもしれない……。
プロ野球にとって、ドラフト会議は一大イベントである。
そんな、球団の順位に大きな影響を与えるドラフト会議にスポットを当てた物語である。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・名称などとは関係ありません。
※選手名や選手の成績も、実在の選手を参考にしておりません(選手名は、無作為に漢字を組み合わせたもので、本当にランダムです)。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-29 10:04:52
7837文字
会話率:15%
王女アルウェンの婚約は国益のために解消された。お互い幼い頃からの婚約だった。
「私などいかがですか?」
元婚約者の結婚式からの帰り道。跪いてそう口にした次期騎士団長の手をアルウェンは振り払った。婚約解消すると分かっていれば、無防備に心を預
けることなどなかったのに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-28 21:00:00
5345文字
会話率:52%
250年の刑期を終わらせるためにケーキ屋で働く主人公
うまい話には罠がある、きれいな花にはトゲがある
危険と分かっていても手が出てしまうここから彼はどうするのか
最終更新:2024-06-28 18:00:00
1955文字
会話率:20%
時は戦国、下剋上真っ只中。
そんな中、美濃国長山のある漆塗り屋にて、彼は産まれる。
名を明智左馬助…秀満?光春?
実は名前すらよく分かっていない。
彼は後に戦国最大の裏切り劇、本能寺の変の首謀者、明智光秀の懐刀として歴史に少しだけ名を
馳せることになる、
名も無き英雄である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-27 18:53:36
470文字
会話率:0%
書いて無視され評されて、ようやく気付く娯楽作品の本質と現状。
ライトノベルを書いて、評され、学んだ事を綴っていくもの。
本質を知れば知るほど、思ったより単純だなって話が多いよね実際。
知れば知るほど、プロに求められるものと、自分が書きたい
物の差とかも分かってくるもんなんだよね。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-06-27 14:00:40
14657文字
会話率:0%
──── 降りしきる雨の中、高そうなスーツを着て傘もささず、雨雲が厚く覆っている空を眺めながら、気だるそうで、どこか退屈そうな表情を浮かべている男の人を見つけた。
「お前、名前は」
「え?」
「名前」
「……あ、あの……ごめんなさ
い」
『絶対に関わっちゃダメなタイプの大人だ』
そう頭では分かっていても、心が揺らいだ。
「あの……つかぬことをお聞きしますが、ヤクザですか?」
「だったらどうする」
──── 大嫌いな梅雨の時期に出会ったのは、ぶっきらぼうなヤクザでした。
ひとり暮らしの高校生
月城 梓 つきしろ あずさ (17)
✕
ぶっきらぼうなヤクザ
桐生 誠 きりゅう まこと (27)
──── 『降りしきる雨の中、桐生さんは傘をささない』
※一部に【未成年者(20歳未満)の飲酒・喫煙】に該当する表現が含まれております。“本作はその行為を推奨するものでは決してありません”。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-26 21:33:56
75456文字
会話率:57%
学園内で、眉目秀麗な殿方を侍らすアリマキネさんに廊下を陣取るなと軽い注意をしたヤスダキーネ。
しかし、何故かアリマキネの周りにいる殿方達が、ヤスダキーネに一々口出しをしてくる。
分かっていない殿方達に、ヤスダキーネは親切にも学園内で必
要な事を教えてあげた。
頭の中で文句を言いつつ親切心を爆発させる公爵令嬢ヤスダキーネの活躍にご期待下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-26 19:30:00
6650文字
会話率:53%
学校の窓ガラスが割れていた。
誰がやったのかはまだ分かっていない。
助けを求めた『僕』は何でも解決してくれる学校の名探偵の下へと向かった。
最終更新:2024-06-26 18:20:00
4543文字
会話率:12%
幼い頃、誘拐された侯爵令嬢のリリアーヌを助けてくれたのは、勇者パーティの魔法剣士アルノルトだった。
彼に惚れ込んだリリアーヌは、結婚したいと父に直談判するも答えはNo。貴族令嬢だから、断られるのは半ば分かっていたけれどね。
勇者が所属す
るのは、冒険者ギルドと言うところらしい。
彼の近くに行くため、私も冒険者になろうかしら。でも、自分の力は、冒険者として戦うには向いていないし、父も許してはくれないだろう。
なんでも、冒険者って職業は危険な割に儲からないらしい。
ん?それなら、私がプロデュースすればいいじゃない?だってアルノルト様はこんなにカッコいいんだもの。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-26 08:13:33
42159文字
会話率:54%
「お義姉さま、私と婚約者を交換してください!」
婚約者との結婚式が近づいた昼下がり、私の部屋に入ってきた義妹が無茶苦茶なお願いしてきた。
『いやいや、絶対無理だから。だって、私が王太子殿下の婚約者ってことは周知の事実だから』
この家に
来た時から両親や使用人達に散々甘やかされた義妹は、すくすくとワガママな性格に育ち、私が大切にしていた様々なものを『交換』と称して奪っていった。
『いつものように、宝石やドレスならまだいい。でも婚約者は流石に……』
そう思っていたのけれど、義妹にベタ甘な私以外の家族や使用人達だけでなく、お互いの婚約者や国王夫妻までも、義妹の提案に乗り気になり、あっさりと婚約者が交換されてしまった。
「ありがとうございます、お義姉さま!」
誰からも愛されている可愛らしい笑顔で、王太子殿下の腕に抱き着きながら私にお礼を言う義妹。
でも、分かっていた。ワガママ義妹と王太子殿下が本当は相思相愛で、私に隠れて愛を育んでいたことを。
『はぁ、また義妹のワガママに振り回されるのね』
義妹のワガママに振り回されて疲弊していた私は、仕方なく辺境伯家へ。
だが、実は婚約者の交換自体が辺境伯令息の策略だったらしくて……!?
ご都合主義&ざまぁ展開になっています。
※カクヨムでも公開されています!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-24 12:30:55
11721文字
会話率:45%
自分はデザイナーだ。ウェブサイトのデザインをしたいと転職したばかりだが、転職した会社は「ひどい環境」の会社だった。上司は自分の理解を越えた事案を部下に押し付ける。内容が分かっていないまま提案しろと強要する。指導しない。それなのに責任だけは新
人だろうが擦り付ける。
どんなに頑張っても報われない、業界外の人は誰も知らない、デザイン業界の闇とも言えるリアルな日常の一部を切り取りました。
「自分」が男なのか女なのか、どこまで本当でどこまでお話なのか。想像しながら読んでみてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-23 23:30:00
8267文字
会話率:16%
3年目の結婚記念日。
海までドライブをして帰りにご飯を食べて帰る。
何気ない休日。ちょっと特別な日。
助手席に結愛は突然苦しくなる。圭人は路肩に車を止めて救急車を呼び病院へ運ばれた。その日、結愛は亡くなった。
結愛は目覚めると不思議な世界に
いた。すぐに目を閉じて再び目が開くと、5年前の4月1日。2人が出会った日に戻っていた。でもその人生もまた同じに死んでしまう。
不思議な世界で今度は女の子に出会う。
女の子が助言した意味は?一体何者なのか?
夫婦2人がずっと一緒にいられる未来は来るのか。
そして3人はハッピーエンドで終われるのだろうか。
自分が死ぬかもしれないと分かっていても一緒にいたい、会いたい、ただそれだけなのに…
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-23 21:50:44
5702文字
会話率:38%