貧乏子爵家の次女のクリスティナ=スミスンは、王城の舞踏会が開かれるホールの前で、突然男性に声をかけられた。
「宜しければ私にエスコートをさせて頂けませんか?」と。
その人は見上げるほど背が高く、均整のとれた立派な体躯をしていて、その上に
は、恐ろしく整った顔があった。
彼は今この国で一番の人気のある英雄の騎士だった。
「ほとんどの貴族令嬢が王立学園へ通っている中、城でお針子として働いている自分になぜ? しかも、今日の私はツギハギだらけの物凄く妙ちきりんな格好をしているというのに」
彼女は驚き戸惑った。彼とは分不相応な自分が彼の手を取ったら、明日以降女性達からどんな目に遭うか分かっていたからだ。
しかしデビュタントの彼女は、この夜会でどうしても成人としての証明書をもらわなくてはいけない訳があった。
そのために、彼女は覚悟を決めて憧れの人の手に、その手を委ねた。
無自覚に人々を魅了(魔法ではない)していく苦労人少女と、彼女を陰から見守り続ける美丈夫騎士の恋物語と複雑な人間模様。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-02 17:10:00
110842文字
会話率:16%
8歳の時に前世を思い出したララティーナ。前世は英雄の騎士様といっしょの最期だった。そしてララティーナは田舎の伯爵令嬢として生まれ変わり、騎士は耳の聞こえない侯爵令息として生まれ変わっていた。
最終更新:2023-09-24 07:00:00
7069文字
会話率:23%
死んでも社畜は治らない。異世界でも変わらず社畜のように働くメイド・佐々木 水穂。彼女はある日ガリガリに痩せ細った子供を拾う。少女は水穂のもとですくすくと美しく育ち、やがて聖女だと判明する。彼女を迎えにやってくるのは美貌の騎士。聖女は騎士と数
名の仲間と共に魔王を倒す旅に出る。
厳しい旅になるかと思われたが、一年もせずにさっくりと魔王を倒した聖女一行。聖女と騎士の祝言に湧く町で、水穂もまたまさに物語のような展開に胸を弾ませ彼女達を出迎える。
そうしてーー養い子であった聖女に求婚された。
実は女の子だと思っていた聖女は、男だったのだ。しかも、聖女のお相手になるはずだった騎士にも求婚されてーー。
これは魔王を倒した聖女(男)と英雄の騎士に包囲され、逃げ場がない現実にメイドが右往左往するお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-08 21:43:00
15986文字
会話率:12%