「よぉく見ておけよ、トール――――いつか、お前が越えていく姿を」
死んだ人間は石に成り果てる。死者の遺志は力を生み、受け継がれていく。
最果ての街アムレキアを襲った結晶化事変より六十年、長大な壁によって外界より隔絶され、深い霧に沈んだ極
北の地で生きる人々は、異なる世界からの来訪者トールと出会った。戦う力無く、居場所も、生きる意味すら失った少年トールを預かることになった『恥晒し』のロディ=ロー=エーソンは、少年の中に自分の姿を見る。
臆病さ故に他人の顔色を伺い、誰かの正しさを辿って生きるトールと、過去の過ち故に誰もが認める正しさの中でしか戦えなくなったロディ。少年が自分だけの間違いを見出す時、最果てより破滅の風が吹き荒ぶ。
霧の中に潜むモノ達と、食料生産の要となる最大拠点アラルド農園の戦士団、番犬を名乗る研究所の少年少女達。そして、アムレキアで連綿と受け継がれてきた英雄の魂を継承する者達。
力も、遺志も、魂すらも受け継がせることの出来るアムレキアより、生存と、誇りと、願いを懸けた戦いが始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-31 10:00:00
270818文字
会話率:24%
「私、絶対死ねないんです」
かつて不発弾の爆発事故で従兄を亡くした女子学生、冴島一希。悲壮な覚悟を胸に、一流技術者への弟子入りを志願する。目指すは、不発弾の処理を担う民間業者。命がけの職業であり、女性の前例はない。
「お前をただ働きの
使いっ走りに任命する。感謝しろ」
門前払いをくつがえし、無愛想な男のもとで住み込み修業を始める一希。十一年前に従兄の命を奪った「サラナ」の解体にも挑むが……。
「お前が言う『罪』ってのは何のことだ?」
師匠に動揺を見抜かれた一希は、涙ながらに爆発事故の経験を告白。自分のせいで従兄が死んだという罪の意識と、体に負った傷痕は今も消えていない。師匠は一希に責任はないと明言し、厳しくも親身に指導を続ける。
周囲の人々に支えられながら、自分のコンプレックスや偏見とも向き合う一希。徐々に弱みを克服し、人の手を借りる柔軟性も身に付けていく。
二年の修業を経て、師弟の関係はより親密なものへと育っていたが、二人には別れの時が訪れる。
ついに処理士となった一希は、絶体絶命のピンチのさなか、思いがけず師匠と再会。重傷で意識が遠のく中、師匠の出生の秘密と本心を知り……。
二つの血をめぐる硬派な人間ドラマ。師弟の絆と淡い恋。そして、苦い嘘。
【第9回ネット小説大賞応募作】
【希望的エンドです】
【リアリティ、心理描写、没入感に定評あり】
【この改稿版はカクヨムにも掲載しています】
【改稿前の旧バージョンはこちら:https://ncode.syosetu.com/n4247fy/】
旧バージョンとの共通点・相違点:
●世界観は同じ
●登場人物の性格は(ほぼ)同じ
●ご好評いただいている濃厚な人間ドラマやリアリティ、没入感は健在
●過去の重大なエピソードを追加
●過去エピソードに伴い、主人公、冴島一希の死生観と行動原理が変化
●いくつかのエピソードを追加・削除
●各エピソードを加筆・修正
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-30 18:00:00
178504文字
会話率:48%
妖精は人の幸せのために生きる。しかし人が妖精の存在を否定すると死んでしまう。
小さな誠意が祝福を齎す、ちっぽけな奇跡の物語。
オムニバスで毎回主人公を変え、人間関係と背景世界がどこかで重なっていて、普遍的な死生観、絆の連鎖を紡ぐ。
旅商人
の青年が自称妖精の女の子と出会う。しかし過酷な現実に、ロザリオを投げ捨て妖精の存在を否定してしまう……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-22 07:13:07
120399文字
会話率:40%
※お断り
物語中に登場する死後世界は、特定の宗教に基づくものではなく、作者個人の死生観によるものです。
また、この物語は自死を推奨するものではありません。
最終更新:2021-05-10 18:58:49
8949文字
会話率:51%
俺は名乗るほどの人間じゃない。ただの引きこもりだ。自己紹介は控えさせて貰おう。
いや、強いていうなら、「ツイーターの王」と呼ばれていたことか。
ツイーターのフォロワーは12万を超え、レスバでは負けなし。舎弟みたいなのも沢山いた。
そい
つらと一緒に大手実業家のアカウントを凍結させたり、俺に楯突いたやつなんかは作る度にアカウントを見つけては凍結させていた。
いつの時でも俺が最初に相手を言い負かし、凍結させる大義名分をぶんどっていた。そのために法律もそれなりに覚えたし、そこが取り柄といえば取り柄だ。
そんな俺は、異世界転移にお呼ばれしてしまったらしい。「ツイーターの王」は「異世界の王」に成り上がる、ってか?ドキワクが止まらないぜ!!
※この作品は、相容れることの無い死生観を詰め合わせた、いわゆるどうしようもない塩(えん)です。
※決して異世界転移・転生を主題に据えた多くの作品を否定する趣旨がある訳ではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-13 20:26:06
2365文字
会話率:54%
家にいても、帰りたくなる。
僕が思考を止められる瞬間。
最終更新:2021-03-21 21:44:47
5777文字
会話率:0%
ヒトはどこから生まれ、どこへ向かい、どこへ至るのか。人の人格や自我、意志は何処から発生し、何処へ向かうのか。至った先にどんな意味があるのだろうか。或いは、意味など無いのだろうか。
諸行は無常にして、生者は必滅であり、無常は思いの外迅速だ
。
人の命は有限である。しかし、ヒトは生きている限り何者にも成れる可能性がある。人の命は有限にも関わらず、生きている限り可能性は無限に存在する。
人はいずれ死ぬが、人は死んでない限り生きているしかない。そして死ねば生き返らない。
私がこれから記述するのは、どうせ生きるならもう少し活きてみるかと思うに至るまでの過程と、得られた効果だ。御拝読頂き、何かの役に立てば幸いに存ずる。
私は全ての人々の幸せを願い、祈っている。
なお、当小説は物理学や心理学、エニアグラム、一部に経済学や日本国憲法を参照したものですが、私はこれらを修めていません。県立高校を卒業出来る程度の学問は修めていますが、所々で私の記述が間違っているかもしれません。正確でも適切でもないかもしれないものの、なるべく解りやすい表現を目指した結果です。何卒ご容赦下さい。
更新は不定期です。そして更新期間は多分長いです。私は物書きを始めて一週間程度のビギナーなので、そもそも書ききるのに時間がかかり、書いた物が公開に足る物かを考察するのに時間がかかります。私は飽きっぽいですが、なるべく失踪しないよう心掛けて頑張ります。どうぞ宜しくお願い致します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-18 03:25:10
7844文字
会話率:0%
明日があると思っていた。
明日が来ると思っていた。
明日も同じ日常が...
何気ない日々が訪れると思っていた。
でも、その明日はもう来ない...
二度と訪れない。
最終更新:2021-03-11 21:49:59
6033文字
会話率:34%
人が化生に恋をした。化生は恋を受け入れた。化生にとっては余命の百年、人にとっては永き百年。緩やかに生き、いずれ来る別れの日。身を寄せ合って静かにその日を待つ、人の子と化生の交わり。
カクヨムにも掲載しています。
最終更新:2021-02-24 01:31:25
106271文字
会話率:46%
そして龍は堕落した。だからソレは地に落ちて、墜ちて……それでも龍は、人の様に生きられたらどんなに良いだろう、人の子を愛するように、誰かを愛せるならばどんなに良いだろうと焦がれたのだ。
化身たるその身は最早空を征くこと叶わず、定めある人
の子らとどちらが先に止まるかも分からぬほど脆弱である。
――それでも、それでも。それでも龍は、人を愛したのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-14 16:37:16
9050文字
会話率:45%
「……いずれそうなるのだ。器が耐え切れねば彼女も狂い、そして消える。一年や二年の話ではないが、な……それでも確実に力は弱まっている。それはどうしようも無いことなんだよ」
おせっかいな使い魔が言う。それでも、それでも――
――愛、なのだろ
う。私も、誰かを愛する事ができるのだと、貴女は教えてくれた。
「――共に生きよう。永遠には程遠く、完全というには何もが足りず……それでも、それでも、俺は……。慈愛を湛えた妖かしの貴女、どうか共に生きることを許してくれ」
一人の夜はあまりに寒い。孤独の風は心を冷やし、指の先から凍えさせてしまう……だから、あゝ、誰かに触れる指先が、凍え切ってしまう前に。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-28 02:51:23
14264文字
会話率:52%
全ての一秒間に、それぞれの俺がいる。
一時の楽しみ。一時の快楽。一時の感情。それらは全て幻の様に、不確かな記憶として色褪せていく。
そして最後に残るのは、『終わり』を体験する自分自身。
なろうで投稿する様な作品ではないと思うのですが、一応
試しに投稿してみます。
僕の死生観に基づいて書いたショートショートです。
『終わり』を常に恐れる僕のこの感情が、うまく伝われば良いなと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-01 23:50:50
3537文字
会話率:8%
俺は死にたい、ただ死にたい。
家族、幼馴染、知り合いからはほぼほぼ全員に拒絶されてしまっている。
こんな状況で、生きる気なんてさらさら湧いてこない。
だからこそ俺は、身内に迷惑をかけないように死のうと思っている。
始めの頃は、どんな手を使っ
て迷惑をかけてやろうかと考えていたが、そんなのは一か月で消え失せた。
いくら拒絶されるとはいえ、一から育ててくれた親には迷惑をかけられない。
海に飛び込むのもいいかもしれない、自分で買った包丁で自分を刺し殺すのもいいかもしれない。
自殺に本腰を入れ始めた時期に、周囲の人達の様子が変わり始めた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-31 20:00:00
4698文字
会話率:12%
人斬りの剣客を自称する悪霊・無迅に啓蒙されて、別の世界の日本らしい地を旅するリオ少年。
彼が出くわしたのは妖刀シャガを封じることを使命とする巫女の姉妹だった。
妖刀シャガはゾンビとなって復活する。
人斬りの悪霊はゾンビ化した悪霊と
愉快に切り結ぶ。
蛇の目とは。
妖刀シャガとは。
そして少年のささやかな助平心と下心の結末とは。
「刀なんざァ、折れず、曲がらず、欠けず、鈍らず、それだけでいいんだよ」
舞台は江戸時代っぽい、日の本っぽい世界。
歴史考証はさほど重要視しちゃいません。
『人斬り無迅と悪夢を見る少年』の続編短編のため、先に読むとお話がよく分かるはずです。
https://ncode.syosetu.com/n3677ga/
キーワードで察してください。
ゆるい雰囲気で書きました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-18 20:00:00
45531文字
会話率:50%
何も誇れることのない、気弱な少年は虐めっ子に脅されて神社に奉納されている妖刀を盗みに行く。
見るからに怪しい妖刀を興味本位で抜いた瞬間、少年は飛ばされてしまった。
目が覚めると身包みは剥がされ、持ち物は妖刀のみ。
しかも妖刀に宿っ
ていた無迅という人斬りを自称する幽霊が現れて、師匠となって剣客にしてやるなどと持ち掛ける。
人斬りなんかになるものかと反発を試みたものの、無迅の他に頼れる相手もおらず言うことを聞いている内に何やかんやで危険に巻き込まれる。
自称・人斬りの大剣客である無迅に振り回されながら、少年は次第に呪われていき……?
「悪霊じゃねえやい。
天下にその名を轟かし、泣く子ははしゃぎ、悪党は小便ちびって腰をつく、天下無双の大剣客、無迅様たぁこの俺よ!」
舞台は江戸時代っぽい、日の本っぽい世界。
歴史考証はさほど重要視しちゃいません。
キーワードで察してください。
ゆるい雰囲気で書きました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-11 00:01:35
34913文字
会話率:55%
題 死後の世界の聞き手役
主人公 鈴木(すずき) 敬央(たかお)
生前は動画クリエイターを夢見ており、ゲームや漫画が人並みに好きで、好奇心は人一倍あるのだが、あまり社交的ではない現代的な若者。死後の世界はないと考えていて、占いやスピ
リチュアルなものに否定的、異世界転生などもってのほか。
交通事故により他界し、閻魔大王の裁判を受けるため、町(今作では現世から見た「あの世・死後の世界」を「町」という名称に統一)に送られてきた。 町にやってきてからは町デビュー(?)を果たし、自身の好奇心のままに活動をする。
世界観 町(あの世・死後の世界)
近代の人口増加は閻魔大王の裁判待ちをしている死後の世界にも影響を及ぼすほどであり、そのような中、魂(死者)たちは裁判を受けるまでの間を過ごすための町を作り出した。町並みは魂により形を変えており、和・洋・中など色々な町並みが見られる。町にいる魂は現代(一九五〇年以降)に来た者たち。町にいる者は、自身が死んだことやこの世界への恐怖などから閉塞的である者もいる。宗教観は多数あるが、いずれの場合にも死後の世界観のものが適用される。
世界観 現世
現代(二〇一〇年代)をベースとしている。敬央もこの時代に死亡した。
世界観 魂
魂は姿形が決まっておらず、自己の意思決定により、他生物などに変容することができる。町で過ごす姿は魂によって様々。敬央は生前同様の姿をしているが、他の者は必ずしもそうではなく、極端な例を言えば、言葉の話せる犬や、十字架などに姿を変えている場合もある。
コンセプト
敬央は様々な人種・経験をしている人物と、時には自身の考えで、時には時代的考察などを交え、対話をしていく。町の住人から見ると未来から来た敬央との異文化的コミュニケーションを図っていく、死後の世界のヒューマンライフストーリー(すでに登場人物は全員死亡しているが)となる。そこで触れていく魂(ここでいう『魂』は現世における人間程度に考えてほしい)関係を通じて成長し、閻魔大王による裁判の結果地獄へ落ちることとなる敬央の独自の死生観を町の様子を描いていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-03 00:40:36
7688文字
会話率:69%
完璧に笑うことの出来る人はその笑顔を手に入れた代償に何かを失っているのではないだろうか。辛くても笑わないといけなかった人にしか出来ない笑顔。飯田咲<いいだえみ>もそんな笑顔を振りまく一人だった。咲の笑顔を信仰していた遊馬<
あすま>、憧れていた芽衣、不信感を持っていた朔也<さくや>、そして咲自身。四人それぞれが抱えているものが見えてきた時、咲の笑顔の理由と四人の死生観が見えてくる。
笑顔と死生観をテーマにした作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-08 14:14:35
97477文字
会話率:49%
凍みるような雪の夜、僕の葬式が執り行われた。
と、いう一文から始まる冬の夜の物語。
死んだはずの『僕』が淡々と語っていく現実、 それは本当に存在したのだろうか。
この作品はカクヨムさんにも投稿してます
最終更新:2020-12-06 20:30:08
2013文字
会話率:0%
不死の能力を持つ高校生・長柄凪はある日、一人の女の子と出会う。
異世界から転移してきたのだという、イブと名乗る彼女は切り裂き人。自分の気に入らない者は躊躇なく殺してしまう、倫理観の欠如した女の子。
――不死と、切り裂き人。
これまでと
は違う、殺しても死なない凪と触れ合っていく中で、切り裂き人たる彼女にも、小さな変化が生じ――?
これは、不死の魔術師と出会った少女が、何か大事なモノを見つけようとする物語。
倫理観欠如系日常異能バトルファンタジー、開幕!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-01 14:12:06
28395文字
会話率:53%
このテキストは独自のアプローチで、死後の世界の実態を考えるものです。
……本当はそんなものがなかったとしても。
エッセイと小説を交互に投稿してます。
この作品は「カクヨム」と重複投稿しています。
文中に登場する拙作の引用元については、ご面
倒とは思いますがカクヨムもご参照ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-14 10:44:19
130694文字
会話率:9%
死者の思い出を扱う「走馬灯センター」のお話しです。
最終更新:2020-10-28 15:47:12
1548文字
会話率:7%
井の中の蛙大海を知らず。たとえ跳び出しても見ることもない。そのような者でも、行き着くところはある。
死生観を扱った拙作「死生の道標と見えざるものの命」「死生の道標と死のない人」と関連して、これでひとまず満足という詩です。
最終更新:2020-10-24 19:12:05
224文字
会話率:0%
拙作「死生の道標と見えざるものの命」と関連したものです。
頂いた感想も参考にして、ひょっとすると案外身近にいる「死のない」人について書きました。
またあちこちに漢字の構成要素を使った表現を入れています。
語源や成り立ちは違うでしょうが、ご寛
恕いただければ幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-29 20:30:46
414文字
会話率:0%
頭の中から出てきた言葉をつなげていくうちに、形になってきたものです。
仕上げる上で死生観は意識しましたが、私の死生観かといえば、そうでもないのがいかんともしがたいものでもあります。語りつくせぬものを語ろうとするのは難しいと思う次第です。
最終更新:2020-09-14 12:16:02
256文字
会話率:0%
生まれ変わったが記憶の連続性を保っていた故に死生観、論理感が壊れている男アスラ。
理外の無敵な力と、運命を感じさせる友を得たためばかりに、世界統一を己の宿命と思い込み、統一大陸の帝冠を虎視眈々と狙っている。
*中華っぽい世界で気とか龍とか
武侠とかが出る話にしたい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-19 20:24:01
2769文字
会話率:39%