詩です。オプティミスティックな詩ばかりを最近書いていたので、自分の病んでいた部分を昇華すべく書きました。痛ましいけど、どこか甘く官能的な仕上がりになったんではないでしょうか。
最終更新:2016-10-13 22:17:14
561文字
会話率:0%
むかーしむかーしのお話。
ある王国にとても綺麗な王様がいました。
透き通るような白い肌、たゆたうような碧い瞳を持っていました。
ある王国にとても優しい王様がいました。
国中を常に見守り、国民全員を慈しみ、慎ましやかに暮らしていました。
誰からも愛され、そして尊敬された、ふたりの王様です。
ただ、ふたりの王様には決定的な欠点がありました。
綺麗な王様は、笑顔の裏に常に腹に一物抱えた、腹黒王様。
優しい王様は、フォローのしようがないほどラスボス感の否めない、醜い身体を持った悪役王様なのでした──────
そしてやがて、ふたつの国の王様は『精霊王』と『魔王』と呼ばれるようになりました。
それはまだ、善と悪、剣と魔法、そして人と魔物が隔たれていなかった頃の話。
荒野に倒れた幼い王女と、魔王の親友の冒険の話。
*この作品は、小説カキコさんでも連載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-22 15:00:00
5523文字
会話率:31%
クレア・イエローは、国の養護施設で育てられた。
同時期に生まれた戦災孤児の5万分の1でしかなかったから、大人たちは行政がパンクしかかるほどの児童を「管理対象」として扱いはしても「慈しみ」を与える余裕がなかった。
結果、番号で呼ばれたほうがし
っくりくるような10年の果てに義務教育が終わると、すぐに軍の学校に放り込まれた。
この時期、国費で後期中等教育を受けられるのは軍関連しか残っていなかった。
長期にわたる戦後不況で失業率は過去最悪を更新し続け、福祉予算は破綻しかかっていた。
成績は優等だったが生活費と学費をチャラにする条件は軍への任官だけで、ここでも選択肢などなかった。
そして彼女の結婚である。
人生にある種、諦観していた彼女は軍による結婚の斡旋という強制にすら無感動になっていた。
ただ、結果的にシャーマン空軍大尉の、このすこしすねたところのある娘の気を引くにあたって自分の弟をダシにするという作戦は図に当たったといえる。
なにせ猫すら飼ったことのない娘が初めて接する「幼い生き物」である。
眺めているだけで飽きない。
こちらの一挙一投足にまで反応する。
かと思えばこちらの予想もしない行動を取る。
声がかわいい。
だっこするとあたたかい。
しかも自分になつき、甘え、信頼しきっているのである。
婚約者の弟は会えば必ず「生まれて初めて」を娘に経験させた。
それは彼女の人生の薄っぺらなことの裏返し。
それでも彼女は楽しいし幸せだと思っていた。
人のために笑い、怒り、甘えさせ、泣き、可愛がり、嫉妬さえした。
問題があったとすれば、それが世界でただ一人、10才にもならない少年にだけ、向けられていたことか。
ただ彼は楽観していた。
自分の弟といるときはあれだけ優しく笑える女性なのである。
自分の弟に嫉妬しても仕方がない。
ならば時間をかけてその笑顔を自分に向けさせればいい。
なんとも頼もしいポジティブシンキングの持ち主であったが残念なことに彼は結婚直前に事故で他界している。
彼が自分の葬儀で婚約者が泣かなかったことをどう思っていたか。
確かめる術はない。
かくして。
どこか心のこわれた娘と。
すぐ心がこわれてもおかしくない年頃の男の子が残された。
ふたりとも残されたとは思っていなかったけど。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-19 20:00:00
58684文字
会話率:39%
遥か遠き日の切なくも美しい神と人の物語。
親神に夫婦となるように言われていた創世の双子神の太陽と月。
太陽は、一途に月だけを愛した。
月は、太陽と共に創った世界を慈しみ
そして
月の女神が恋をしたのは、
大地を血で染める『染血の王
』にして、
冷たい美しさを持つ朱金の髪の少年王。
その孤独な魂を癒したいと思いながらも
王の破壊の宿命を止めることが出来ない。
穢れ無き月の女神は、
消えてゆく命に泣きながら王に触れる。
王の血の穢れに苦しみを与えられると知りながら・・・。
月を愛する太陽は、嘆き、魔の声に耳を貸し、
孤独な少年王は、触れられない月をそれでも独占したいと苦しむ。
(自作品「遥か遠き思い出」の転載です。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-13 21:45:13
31942文字
会話率:28%
満月に恋をするヒロは満月を殺し恋を手に入れようとするのだが…。
最終更新:2016-01-07 10:50:10
16297文字
会話率:40%
恋を忘れていた30過ぎの杏子(きょうこ)と、仕事を通じて
出会った西宮(にしみや)とのオトナの恋の始まり方。
若い年代の活気があふれる渋谷で待ち合わせ、仕事とワインと
ちょっとしたツマミに、ちっぽけな警戒心がほどけていく杏子。
見た目の
魅力に加えて、少年のような笑顔に杏子は目が離せなくなっていく。
幾重にも重なる西宮の優しさと、慈しみに杏子は、次第に恋に似た感覚を思い出す。
ふわふわと浮上するような気分のまま、連れて行かれた先で、杏子は
「ちょっと後悔」な気持ちになるが、その後の西宮の言葉と優しさが
杏子の心を動かすことになる。
渋谷駅前の再開発が始まる前の、リアルラブストーリー。
転載:不可です。こちらだけ限定公開とします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-17 20:25:23
9155文字
会話率:43%
水と油。絶望的に反りがあわない巫女の私と聖騎士であるユーリエク。
それは出会って5年間変わることのない関係であったのに、関係解消を迎えたその日に厄介なトラブルに巻き込まれて怪我を負ってしまう。
重くて痛い体から醒めると一転、いがみ合っていた
ユーリエクが別人の様になっていて…………?
ツンデレを最長まで極めたお陰で巫女様を失いかけた、色々残念なふっ切れ騎士のお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-15 21:42:11
13158文字
会話率:7%
この世界が嫌いなあなたへ。
この手紙は私が長い長い旅の中の記憶を書き残した日記であり、あなたに送る手紙なのです。
もしああなたがい慈しみ深い人ならばどうかこの手紙は破り捨てて下さい。
私はこの世界が嫌いなあなたに読んで頂きたいのです。
最終更新:2015-08-04 10:41:02
796文字
会話率:11%
佐藤守30歳は転職を繰り返し、その度に上司に雷を落とされる日々を送っていた。
そんな中、帰宅中に少女を助けとうとして車に撥ねられてしまう。
それから目が覚めると見慣れないベッドの上に寝ていた・・・。
姿形が赤ん坊になり、精神だけがおっさん
。
ダンという少年に生まれ変わった守は幸いにも不自由なく、育った。
祖父の武、知の才能、父の商いの才能、母の慈しみの心を系譜し、幼馴染とふれあい、国の皇女との衝撃的な出会いを経験し、ダンは成長し、自立していく。
数多の人々との出会いがダンの成長に加速をかけていく・・・。
その中で芽生えたダンの想いは噂の不老不死の魔斧術使いと出会い、師事を受けることだった。
そしてダンが18歳になったときに事件は起きてしまった・・・。
(底辺スレ晒し中)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-21 18:06:25
33831文字
会話率:39%
これは物語ですらない。
雪深い北国で、ある貴族の令息と一人の若き騎士のほんの静かなひととき。
生まれつき体の弱かった令息は、生涯に数えるほどしか屋敷を出ることがなかったと言う。北国の冷たい風は令息にとって過酷なものであったが、令息
は故郷に雪の降る景色を何よりも愛していたのだという。
体の弱い令息は人で出歩くことなど許されず、いつも傍らに寡黙で精悍な騎士が控えていたという。騎士はとても忠実で、令息をお伽噺の姫君のように慈しみ、守り続けた。令息が儚くなった後は、その墓を見守り続け、生涯独身を貫いたという。
老人は語る。あのご令息ときたら、それはそれは美しく、まさしく姫君のようであったと。
吟遊詩人は語る。令息と騎士の間には、決して許されることのない愛があったと。
乙女達は語る。ああ、わたしの元にも『雪姫様の白騎士』のように素敵な騎士が現れたならと。
これは物語ですらない。
一人の少年と一人の騎士と、ほんのささやかな思い出の一幕である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-12-11 00:03:29
9940文字
会話率:50%
虐待され死んだ子供。新たな法により裁判で裁かれた虐待した者が死刑になる。
死刑の方法は今までの方法とは違い、新たに施行された死刑執行方法。虐待され死んだ幼い子供の味わった屈辱以上の冷酷、非情な方法。絶望と苦痛の末地獄へと誘われた虐待者がやが
て自分の犯した罪を悔い輪廻しこの世で死刑執行官となり、今度は新たな虐待者を殺し幼い子供たちへの慈しみを与える。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-11-28 00:14:50
7931文字
会話率:21%
巨大隕石の落下という大災害により、地表が
厚い土に覆われた近未来の地球。
ヒトガタ重機<ローダー>を用い、エンジンなどの
失われた旧時代の遺物を探す鉱山工の日々を
過ごす少年<渡>。
そしてペアの整備士で幼馴染の少女<柚葉>。
渡は自らの電動ローダーの動力源をエンジンに
積み替え、それらによって行われる格闘技
<ローダーバトル>
に選手<ライダー>として出場する夢を長く抱いている。
柚葉の父であり渡の育ての親、さらに職場である
京都鉱山の主でもある<棟梁>らと、家族として
慈しみ合い協力して、精一杯生き抜く日々を送っていた。
ある日、渡は持ち場の堀場にて硬い岩盤にあたる。
工夫をすれども容易に貫けないその層に、棟梁の
許しを得て、柚葉の助けを借りもって注力することとなる。
息のあったコンビネーションにより作業が進みかけた
矢先、地震が起こる。
鉱山の地盤が緩むという被害は発生したものの、
幸い死傷者はなく安心する二人だが、なんと揺れにより
件の岩盤は砕け散っていた。
そしてその下には空間が有り、数台の自動車とバイク、
それらの大量の部品が収められていたのであった。
詰め所に戻った渡と柚葉だが地震の影響は予想より
大きく、鉱山再開には時間を要することがわかった。
京都を離れていく同僚の鉱山工たち、渡もまた貯金により
掘り当てたエンジンを買取り、夢だったローダーバトルに
参加すべく旅立つ決意をするのであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-19 11:55:39
67722文字
会話率:26%
鶏デミーは5羽の雛を慈しみを持って育てるが、ある日突然親離れを宣言する。親子とは身を分けた存在であるが別個の個体でもある。生命の不可思議を鶏の子育ての中に観る。
子は親無くして育つことはできないが何時かは親子は解れて暮らさなくてはならな
い。親離れ子離れは自然の摂理であろうか。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2014-08-08 17:22:45
7026文字
会話率:27%
「こんなシチュはいかがったー」で出たお題で書いた。夕暮れを窓辺で眺める彼女を見つめる「私」の視点で話を進める。「私」は彼女を慈しみ、彼女もまた「私」を慈しむ。静かな時間だけが降る部屋の話。
最終更新:2013-10-08 17:20:08
200文字
会話率:0%
・・・普通の物語なら、主人公はヒーローで弱きを助け、強きを挫く。
そういう物なのだろうと、思う。
それがこのような軍記物であれば、蹂躙されし弱国を己の知恵と勇気で救う物だろう。
・・・普通ならば、だが。
物語ではそうだが、
実際はそうではな
い。
蹂躙される弱国は、蹂躙され尽くされ枯れていく。
・・・これは、蹂躙する方の物語である。
正義がない訳じゃないが、悪意がないわけでもない。
野望がない訳じゃないが、慈しみがないわけでもない。
戦争とはそういう物だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-09-15 04:36:18
2958文字
会話率:35%
『武装』それは生ある者が死した者の魂を召し上げ、己の武具として使役すること。けれどもそれは限られた者にしかできない諸行。神に認められし広い器のある者、そして生を慈しみ死を慈しむことができる者の二つを持つ者が『武装』を行使できる。
世界は廻
る、生と死を隣合わせながら。
ある者は多くの魂を召し上げて己の器量を誇示する、またある者は一つの魂とだけ添い遂げると誓う者、またある者は魂を捨てては拾い捨てては拾いを繰り返す者。
世界は廻る、生ある者と魂を引き合わせて。
一人の生ある者が一つの魂と出会うことで物語が加速していく。
魂は手を差し伸べた。魂は請う、偽りの生でもいいから自分に体が欲しいと。
その者は手を握り締める。その者の心は酷く悲しんだ。死して直も生を求める魂に。魂はいずれ消えてなくなることがわかるから、誰にも気付かれることなくただ忽然と。それが悲しい。その思いが芽生えたことでその者の魂の器は限りなく大きくなる。
ある者は讃える、多くの魂を救済する者として。
ある者は恐れる、その武装の多さに。
ある者は敬う、死して直も生を与えてくれることに。
ある者は請う、志半ばで魂だけの己に体をくれと。
世界は廻る、生と死が混在する不思議な世界。
あなたはどんな生と死を望むか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-03 23:38:16
37428文字
会話率:43%
昔々、あるところにエルフや妖精獣人など様々な種族の暮らすアヴィスブルグという国がありました。
アヴィスブルグの王様は世界に夜を与える役目を負い、そして世界を慈しみました。
それを快く思わない人間達はアヴィスブルグの住人達を『魔族』とし、勇者
と聖女達がアヴィスブルグの女王を殺し、世界から夜が無くなりました。
それから100年。
《有角類》の孤児オリは、召使としてボロ布を着て下着にさえ困る生活をしていました。しかしとうとうそんな生活に耐え切れなくなったオリは家出。おりしもその日は彼女の誕生日で100年目の慰霊祭の日。
森の中を彷徨う彼女の額に何かが衝突し再び目を覚ましたとき彼女は・・・
「え?私が新しい女王様!?」
美貌のエルフ執事ルークと元召使の女王様オリ。
オリがルークに一目ぼれしたり、それを取り巻く人々とか世界のお話。
*これは短編で掲載した《星灯りの国》の連載編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-04 23:00:00
14487文字
会話率:22%
水の神殿に程近い村に一人の少女がいた。
少女は捨て子だった。
運良く森の薬師に拾われ、慈しみ育てられた。
シェイラ。
それが彼女の名前。
精霊に愛され、薬師として生きる。
そんな彼女の日々の物語である。
第二話:例のアレ
最終更新:2012-06-05 01:21:34
4020文字
会話率:48%
水の神殿に程近い村に一人の少女がいた。
少女は捨て子だった。
運良く森の薬師に拾われ、慈しみ育てられた。
シェイラ。
それが彼女の名前。
精霊に愛され、薬師として生きる。
そんな彼女の日々の物語である。
最終更新:2012-04-25 01:53:38
3793文字
会話率:20%
ライティル、クラディス、リッツ。
ガルドニア帝国にあるエルドラン国立騎士軍隊養成学校にて三人に訪れる、三者三様の出逢い。
『従者(アントラージュ)』という愛すべき使い魔の存在。
孤独な僕の傍に居てくれたのは、いつだって君だった。
仲間
、友達の大切さ。見守ってくれる人の暖かさ。怒ってくれる人の有難さ。
自分を慈しみ、愛情の中で育ててくれた家族への感謝。
これは世界に星の数ほどある、でもたった一つのファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-01-30 20:43:41
29046文字
会話率:10%
(9月30日まで公開)時空を越え、世界を越え、時には業火に身をうち滅ぼし、一時の慈しみに万の命を捧げ、あらゆる人間の友となり、仇となり、願いとなり、怯えとなり、降りしだく雨となり、覆い護る雲となり、多くを為し、多くを失い、多くの幸福と悲劇の
傍に寄り添った、一匹のかまきり。……その、最期。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2009-09-26 01:26:36
3781文字
会話率:54%