僕には友人になって二年経つ彼女がいた。
少し気難しい僕と活発な彼女は相性が何故か良く、このままずっと仲のいい友人でい続けるんだってそう思っていた。
彼女と会って二回目の夏が来た。
今日も暑い日で、そんな暑い日差しの下で何の当てもなく彼女と
歩いていた。
家に帰る途中でアイスでも買って、二人で食べようかな。そう考えていると隣に彼女がいないことに気が付いた。
後ろを振り返るとさっきまで僕がいた場所に彼女は立っていた。
少しだけ開いた距離を陽炎が通り去っていく。
「話があるの」
セミの鳴き声が日常の崩壊を告げていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-14 00:54:33
2298文字
会話率:27%
インフルエンサーの妻。
もと活動家の義父。
健気さや可愛げがない程、何をやらせても優秀な息子。
いつも脇役の私。
最終更新:2022-06-09 17:14:47
4336文字
会話率:40%
それは回転し、一つの足の様なものが頭上を通り過ぎた。細長い足を起用に動かし、蔵之介の方に顔を向けた。その姿は蜘蛛。蜘蛛の体はトラック以上の大きさがあり、それから伸びる足のせいでさらにその姿は大きく見える
「またこの夢」
夢……、しかし
これは夢ではない。五歳の時、実際に起きたこと。でもこの時のことを誰に話しても、信じては貰えなかった。
*****
母親に売られ着いたのは、森の奥深く、自力で戻るのはこんなんだろう。服は全て脱がされ、見慣れない薄手の白い衣を羽織らされた。
それ以外は身に着けてはいけない。靴も、下着も全て着ることは止められた。
しばらく歩いていると、足元にねちょりとしたやわらかい感覚と音。
蔵之介が後退ろうとするが足のうらにくっつき、持ち上げると糸を引き、動けば動くほど足に絡みついてきた。
「もしかして蜘蛛の糸?」
絡みついた蜘蛛の糸は、振動を察知した主が現れる。これだけでかい蜘蛛の糸だ。主も相当大きいだろう。
記憶に残る巨大な蜘蛛が頭をよぎった。
「俺の獲物だ!」
背中の方から声がして振り返ると、一人の男が鋭い爪を光らせ飛びかかってきた。
それは蜘蛛ではなく人の形をしている。
*****
「君は誰の生贄になりたい?」
その男は少しだけ振り返り、問う。
しかし顔は見えない角度だった。
「俺は、怖いから早く終わって欲しい」
「分かった」
糸が外れ起き上がると後ろから手を脇に回され体を持ち上げられた。
そのまま抱きかかえ上げられ、木の上へ運ばれる。
「お、落ちる!」
蔵之介は目を閉じ、思わず体を持ち上げてくる相手の肩にしがみついた。
「信じて」
透き通ったような声。声の主を見ると先ほどの白い髪の蜘蛛。長い髪に白い服。先ほどは目の錯角かと思ったが、やはりその姿は暗闇の中でも輝いて見えた。
「綺麗……」
蔵之介はそうつぶやくと、白い髪の蜘蛛はほほ笑んだ。
「ありがとう」
白い髪の蜘蛛はそういって、蔵之介は唇を奪われる。
これはキス?
他pixiv、フジョッシー、カクヨム、エブリスタへも投稿している作品です。他のサイトへ投稿した物から内容を少し削った簡易版を掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-30 20:00:00
14627文字
会話率:34%
サラリーマンである鳳 夏間(オオトリ ナツマ)は今日も残業に追われていた。
休憩がてら、缶コーヒーを買いに裏のビルの前にある自動販売機に向かう途中ふと謎の光に包まれ咄嗟に腕で目をふさいでしまう。
腕をどけ、目を開けるとそこには写真でしか見
たことがないような荒野が広がっていた。目の前の事実が信じられずあっけにとられている間に、後ろで聞いたことのない叫び声と金属音が鳴り響いているのに気づき振り返ると
そこには、見たことがない獣と少女が闘っていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-26 18:22:47
17537文字
会話率:62%
雪がシンシンと降りしきる中滑る。そこは日常では味わえない楽しみや充実感を私にいつも与えてくれる。
毎年、家族で行っていただけが、大学生になってより一層かけがえの無いものになるなんて入学する前の私には思いもよらなかった。
社会人になっ
てからは大学生に戻りたいほど恋焦がれるほどだ。自宅待機を迫られる中こんなにスキーに行けなくなってしまうなんて思わなかった。
そんな振り返ると後悔が先に思い出されるがその中でも大好きな人に出会えたり出会えなかったり…
社会人の私、雪が振り返る学生ストーリー…?
というか、恋愛ってしたっけ?にっきみたいになっちゃうかも。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-22 17:00:22
1529文字
会話率:24%
自分の人生を振り返ると後悔ばかりだが、一番の後悔はあのどうしようもない最悪のクズ女にうっかり惚れたことだろう。
きっと、あの女がオレよりも先に死なない限り、その一番が更新されることはない。
最終更新:2022-01-01 20:38:27
4013文字
会話率:42%
社畜の主人公が、夜遅く仕事が終わり外にでると雪が積もっていた。子どもの時以来に久しぶりにゆきだるまをつくっていると、後ろから声をかけられる。振り返ると、パトロール中の女性警官だった。
最終更新:2021-12-31 17:46:17
660文字
会話率:56%
死ぬ前に指す将棋。相手は死神!?
「ねえ、君、死ぬ前に私と将棋しようよ」
突然僕の背後から聞こえた言葉。振り返ると、そこには一人の女性。その正体は、まさかの死神。彼女は、僕と将棋をしたがっているのです。
「いや、僕、今から自殺する予定
なんですけど」
「いや、知ってるよ? だから、死ぬ前に将棋指そうと思ったんだけど……」
「……あなた、頭大丈夫ですか?」
「……特に問題はないはずだけど。え、何? 何が分からないの?」
「…………?」
「…………?」
これから自殺する予定の僕と死神である彼女との将棋。その結末とは……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-31 11:23:10
92340文字
会話率:57%
都立・煌蘭女学園に通う優華の夢は
白馬の王子様に迎えに来てもらって
玉の輿に乗って幸せな結婚をすること。
そんな妄想女子として
周りからは冷ややかな目で見られながら
親にも軽蔑された視線で怒られる日々。
「あなたはいっつも、部屋が汚くて
だらしない!
ちょっとは片づけなさい!そんなんじゃ結婚もできないわよ!」
毎度毎度、
家で母親から言われるその言葉には、
正直もうウンざり。
嫌気が差して気分転換に外へ出かけると
近所の公園でダンボールに入っていた
まだ生まれたばかりの捨て猫がいることに気づいた。
猫好きの優華は
そのまま放っておけない気持ちになり
捨て猫を家に連れて帰ることにする。
しかし案の定、母親からは激怒されたことから、
優華は捨て猫を連れて家を飛び出していった。
行く宛もなく繁華街を歩いていると
信号待ちをしながらふと空を見上げると
ビルに表示されていた看板にこう書いてあった。
「あなたにも、ワンチャンあるかも!?」
それはキャバクラのスタッフ募集の看板だったが
その言葉に惹かれてずっと眺めていると、ポンと肩を叩かれることに。
後ろを振り返ると、そこには・・・
高校卒業を間近に控え
未来への希望と不安が両立しながらワンチャン目指す
汚部屋JK優華の元へ様々な試練が巻き起こる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-16 15:54:44
2537文字
会話率:49%
侯爵令嬢であるアリス・ターナーは、婚約者であるライアン第二王子に婚約破棄を言い渡された。
さらに、この国からも出て行くようにも言われた。
しかし、なんだか彼の様子が少しおかしい。
アリスが理由を尋ねた時、彼は言葉を詰まらせていた。
普通、も
っと堂々とそれなりの理由を語る場面なのに。
しかし、決定事項に逆らうことはできず、アリスは国を出ようとした。
ライアン王子とはいい関係を築けていただけに、ショックは大きかった。
大きくため息をついていると、うしろから誰かが大きな声でアリスの名を呼んでいることに気付いた。
振り返ると、そこにいたのは馬車に乗ったライアン王子だった。
「おーい、アリス! 待ってくれぇ!」
意味が分からなかった。
どうして、婚約破棄して追放した相手を追ってきているのだろう。
何か、理由があるのだろうか……。
「大事な話があるんだ! 聞いてくれ!」
どんどんこちらに近づいてくるライアン王子。
それを見てアリスは……、とりあえず全力で逃げた。
この作品はアルファポリスにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-18 20:18:31
12039文字
会話率:40%
10月31日、とある都会のスクランブル交差点にて。
「さぁ……今年もやって来たわね」
都会のハロウィンのごちゃごちゃとした雰囲気に紛れ、本物の死神エリィはお祭りに参加する。
死神としての責務から離れ、ハロウィンという特別な夜を楽しむべく
彼女は一夜限り普通の女の子として過ごそうとしていた。
エリィは早速声をかけられる。
自信満々に振り返ると、そこに現れたのは安っぽいかぼちゃの被り物をした、ヒョロ長い男であった。
いきなりハズレを引いたと後悔するエリィ。しかしその男の頭上に表示された数字を見て、エリィは絶句した。
『20XX年 10月31日』
本物の死神の前に現れたのは、ハロウィン当日が命日の男であった。
この作品は以下のサイトでも掲載中です。
なろう
https://ncode.syosetu.com/n3191hh/
ノベプラ
https://novelup.plus/story/519146699
アルファポリス
https://www.alphapolis.co.jp/novel/337904610/534561898
カクヨム
https://kakuyomu.jp/works/16816700428491495871折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-31 00:25:20
9992文字
会話率:56%
何を言ったのかは分からない。ただそれでもかすかな声が聞こえて振り返ると、街灯の下であの子が照らされていた。思い出してくれたかな、とでも言いたげににこりとほほ笑んで。僕を通り過ぎたあとにまた振り返って、手招きをして。僕をどこかへと誘う。少女の
向かう先に何があるのかを、僕は知っているような気もしたし、知らないような気もした。
〈他の小説投稿サイトでも重複投稿しております(note、ノベプラ、カクヨムなど)〉折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-02 09:45:17
6727文字
会話率:3%
仙人岳の頂上に住む64歳の老人、ウォー・クライアス、彼はかつて世界最強と謳われ、数々の伝説を残し
その名声は天下に轟いた。
富、名声、力、この世の全てを、、、、、え?それ以上はまずいって?
そんな彼は現在、隠居生活中、しかしふと自分の人生
を振り返ると
たった一人でなんでもこなし評価を得てきた、いわゆる孤高の剣士。
剣以外のほとんどに興味を示さなかった半生、そんな彼な晩年になりようやく
妻は愚か友達すら居ないことに気が付く。彼はそんな自分を嘆き
隠居生活などやってられるか!!
と置き手紙一つを残し、
家を出て、自分の剣士としての人生第二幕をスタートさせんと意気込んだのだ!!
どうもお疲れ様です
こちらの作品に飛んでいただきありがとうございます
書き溜めという概念をほとんんど持っていない作者が書いていることを
あらかじめご了承ください
※ざまぁは書きますがだいぶ後になってからだと思います
※不定期連載になってしまう可能性があることをご承知おき下さい折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-12 22:00:00
99536文字
会話率:39%
昔書いた童話。
短いのであらすじはありません。
振り返ると、価値観を押し付け気味だった気がするもの。
キーワード:
最終更新:2021-09-12 17:34:17
1889文字
会話率:31%
交通事故から車椅子に乗ることになったシステムエンジニア。テレワークでの仕事を終えてちょっとコンビニへと家を出たら、そこはマンションの廊下ではなくだだっ広い草原。しかも足元には何やら魔法陣のような光。振り返ると自宅の玄関。ドアを閉めるとドアご
と消えて焦るものの頭の中で念じるとドアが出てきてそこから自宅へ戻れるというわけわからん状態に。しかも自宅で任じると指から火が立ち、水玉が宙に浮いて──再度自宅から出ると草原。しかも車椅子が喋りだして──行き来できる異世界ファンタジー。
また,念の為 <R15> とさせていただいています。
※アルファポリスと同時配信しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-27 12:04:19
17365文字
会話率:46%
怪異ハンターを自称する僕の次の獲物は南中ソブラだ。
帰り道に不穏な空気が流れる。
振り返るとそこには髪の長い女性がいた。
(*注 南中ソブラは出てきません。)
最終更新:2021-08-23 15:37:58
3473文字
会話率:37%
鬼田《おんだ》佑《たすく》はある日肩を叩かれた。振り返るとそこにはどこか見覚えの在る、一人の青年。私服姿に教員だろうと佑が当たりを付けた青年は、佑が関わるいじめについて言及する。いじめの対象は落沢《おちさわ》潤《じゅん》。唯一佑を助けてく
れた生徒だった。
pixivでも公開中です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-22 06:00:00
5349文字
会話率:28%
朝。阿蘇の外輪山が遠くに見えるバスの中。
突然前の方で、女子高生の声があがった。
「お願いです。やめて下さい!」
女子と同じブレザーを着た不良が二人、絡んでいる。
一人はボウズでピアスを着け、眉毛を細くして、片側をストライプに剃っていた。
緊張が走る中、震える男子の声がした。
「あの……、そのコ、嫌がってる」
不良たちが振り返ると、同じ高校の生徒だった。
制服は燕尾服に袴、そして神主が履く浅沓(あさぐつ)と、非常に変わっていた。
「なんだお前、神職コースか。俺は悪魔じゃねーぞ!」
怯える男子は急いでカバンから木笏を取り出し、不良の眼前に突き付けた。
「我、神を祀(まつ)る者にて、忌まわしき者を討つチカラ、ここに求めるものなり。畏(かしこ)み畏みも白(まを)す~」
不良は眉間をピクピク痙攣させ、指輪を付けたコブシを男子に炸裂させた。
膝をつく男子の胸を蹴り、腹と左頬を踏みつけた。後頭部が通路の鉄板にバウンドする。
両手を差し出して抵抗するが、鼻に喰らった一発の後は、もうわからなくなった。
「俺に迷惑かけんじゃねー!」と不良たちがバスを降りると、
助けた女子高生が言った。「弱いくせに、オンナ助けようとすんな!」
男子は乗客たちの冷たい視線から逃げるようにバスを降りていく。
「一日でいいから、あんな目で見られない日ってないかな……」
男子の名は、菱 歩結(ひし あゆむ) 十七歳、二年生。
自分の負け人生を変えたいと毎日悩んでいるが、どうすればいいのかわからない。
友だちの野良猫四匹の住か、湧霊湖(ゆうれいこ)は、高校の敷地に面している。
一年生の頃からせっせと清掃活動に勤しむ彼の前に、水柱に乗った女神・浮艶蘭(プテンラ)が現れた。
「あなたには恩があります。ひとつだけ神としてチカラを貸しましょう。それをどう活かすかは、自分次第ですよ」
人生初めてのチャンスがやって来た。九州のシンデレラストーリー。怒涛の高校ヒーロー生活が、今夜幕を開ける!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-05 10:00:00
11781文字
会話率:36%
16歳の頃の僕が理恵を想う心は恋愛と性愛の狭間を漂う小舟の如く
20年後に振り返ると全てが夢の中で起きた出来事のように思える
やがて僕は自分が現在生きている事にも確信を持てなくなって来る
最終更新:2021-07-22 14:39:40
757文字
会話率:0%
ドサッと重い音がして、振り返ると女が倒れていた。ぼくは女の財布から現金と一枚のカードを盗むが、そのカードの裏には電話番号が書かれていて……。
カクヨムにも載せています。
https://kakuyomu.jp/works/16816452
220637106226折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-31 01:23:47
3543文字
会話率:7%