事故の後遺症により高校卒業以前の記憶が曖昧な|日吉《ひよし》ツグミは、認知症の母イヨと共に介護生活をしていた。
ある日、幼少期をツグミと共に過ごしたという|茜《あかね》と名乗る者から、「憧れだったツグミちゃんに会いたい」との旨の手紙が届
く。
ツグミは同居する認知症の母・イヨの介護施設への入所を機に、茜が働いていると手紙にあった|皮頭《かわず》村の『とんがらし』という鷹の剝製が無数に並べられた奇妙な居酒屋へ足を運ぶが……。
『とんがらし』の主人と女将の口から次々と明かされる、ツグミ一家のかつての善行と悪行。僅かに覚えている記憶と混ざり合い、ツグミは戦慄と混乱の坩堝にはまっていく、サイコホラー小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 18:13:00
45779文字
会話率:34%
どこにでもいそうな高校二年生『真壁 千里』は、夏休みのある日、腐れ縁な幼馴染たちと海に繰り出して――ジャンケンに負けた。その罰ゲームとして目についた女子に声をかけた。いわゆるひとつのナンパである。『地元から離れていたので、断られても笑い話
で済む。どうせ二度と会わないだろうし』などと高をくくっていた千里は――振り向いた顔を見て戦慄するッ!
リハビリ気味の不定期更新となります。
『カクヨム』様にも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-22 07:10:00
129294文字
会話率:33%
死は常にその背に寄り添い、生に対して甘美な夢を囁く。
生まれた時から私の存在は生きていても死んでいてもそう大して代わり映えがなく、今となっては死んだ方がましという有り様だ。
私はもうずっと、どちらつかずのままその中間に佇んでいる。
その間にも生と死との境は曖昧に滲み続け、手を伸ばしたそこで私はいつでも死を掴むことができた。しかしながらこの死は触れた途端に嬌声を上げて身を捩り、まるで陽炎のごとくするりと私の手から逃れ去ってしまうのだ。そしてこの手の中には虚ろな生だけが残され、まるで陽光に晒され乾いた砂のようにさらさらと儚く零れ落ちていく。
私という存在は色もなければ味もない。音もなければ香りもない。
ただそこにあり、ただここで澱のように沈んでいる。
そのように鬱屈した日々を過ごしていたある日のことだ。私は古びて朽ちかけた教会でひとり夜を明かすはめになった。今では村人でさえ顧みることのない、森の奥の名もなき教会の、その中で。
あの日の私は、今となっては理由さえ思い出せない些細なことでウドと諍いし、煮えたぎる怒りを冷ますためがむしゃらに馬を走らせていた。そしていつしか森の魔性に捕まり、気付けば帰り道を見失い、情けなくも途方に暮れていたまさにその時、その教会は何の脈絡もなく、まるで影の隅からぬるりと抜け出すような不快さと唐突さで私の前に立ちはだかったのだった。
何とも妖しい教会だった。
その悍ましい外観を見つめるだけで私は身震いし、人の業では成しえない何かを感じて思わず息を飲み、そして胃の底から湧き上がる悪寒の前に戦慄した。しかし何の矛盾か、その姿は私の中に筆舌しがたい敬虔な気持ちも同時に掻き立てたのだ。私はただ、その異様の姿を前に立ち尽くすことしかできなかった。
何とも不思議な教会だった。
入り口の扉はすでに時の彼方へと消え去り、置き去りにされたように開いた暗い穴が静かな闇の息遣いを反射する。
しばらくして我に返った私は馬を降り、余計な音を立てぬようそっと中に足を踏み入れた。恐怖や畏敬の気持ちよりも、その瞬間だけは好奇の気持ちが勝っていたのだろう。
数歩を歩けばすぐに、聖堂の僅かな広がりが私を迎え入れた。
満月の夜だった。
月明かりが失われた天井から煌々と降り注ぎ、歳月に沈む過去を柔らかく照らし出していた。
私はそこで、見つけたのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-15 19:27:44
14793文字
会話率:12%
精霊たちの世界、「スピリット」創世紀に生まれた私。
最初は、なにもかもわからなかったけど…
他の精霊を喰って、強くなったり?
まあ精霊王とか、果には神にでもなろうかな〜
ただの下級精霊エレメントが、地道に無双するストーリーです!
最終更新:2024-05-29 15:40:11
4786文字
会話率:0%
忘れたい過去はありますか。
やり直したい過去はありますか。
俺は…………
元高校球児の大学一年生千葉新(ちばあらた)は通り魔に刺され意識を失う。気がつくと見知らぬ空間にいた新は隣にもう一人の自分がいることに驚愕する。しかしそれよりもその場
にいた女神を自称する存在が放った言葉に戦慄した。
「どちらが元の世界に残りどちらが異世界に転生しますか?」
剣と魔法の異世界に転生した新は帰還することが実質的に不可能であることを悟る。ならせめてテレビもスマホもないこの世界でそれなりに暮らしていこうと思った彼であったが……
一度何もかもどうでもよくなった主人公は異世界で何を思い何を成すのか、そんなお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-19 21:05:33
4262316文字
会話率:31%
最近やっている乙女ゲーム「Antinomy Romance」に出てくる攻略対象、「フロレンツ」に恋をしている私は、彼とヒロインである「イザベラ」が恋愛する描写を見たくなくて、まだ彼のルートをプレイできていない。そんな中異世界に転生してしまい
、その舞台である王立学校に通うことになった。フロレンツとイザベラが恋愛する様子を生で見るのかと戦慄するも、そこに彼の姿はなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-10 22:03:06
8851文字
会話率:46%
深夜。山奥の廃墟となった遊園地に、肝試しにやって来た6人の大学生たち。
最初は特に何事もなく園内の奥へと進んで行った彼らだったが、途中で霧が発生したことにより主人公のジェイコブは仲間たちとはぐれ、一人になってしまう。
彼は仲間たちを見つける
ため、広い園内を探索し始めるのだが......。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-02 00:07:59
14931文字
会話率:41%
ドッペルゲンガー症候群と呼ばれる病気が、世界をざわつかせている。
一人の時にのみ、自分であって自分じゃない『ワタシ』の声が聞こえるようになり、次第に意識が『ワタシ』に成り代わってしまう病気だ。
そんなどうしようもない病気に、私は罹っ
ている。
これは『ワタシ』が『私』に成り代わる、戦慄の一人語り。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-29 21:38:47
1774文字
会話率:25%
世界中を震撼させるOPENER GANG。
如何なる警備をものともせず窃盗・強奪を成し遂げる彼らの『通り名』は最早戦慄の代名詞。今日も静かに時計だけが時を刻む中、ド派手にドアが破られた。
『『『『OPENER GANGだ!』』』』
「資
本主義のザコ共〜、死にたくないなら大人しく床の味でも確かめて待っててね♡」
黒髪の少女はNyahahaと笑って煽り散らかして。
「通報は無駄だ。儂等に9mmなど意味はない」
長い白髭を蓄え帽子を深く被った男は冷徹に告げて。
「んまァ呼んだってテメェらが鉛の雨が降る酒池肉林の宴に来るだけだけどなァ…」
二丁もLMGを担ぐアロハシャツの男は欠伸を。
「さぁ、こちらへ。あなた方が何もしなければ、僕達は危害を加えませんから」
唯一物腰の柔らかな彼は全身を重装甲で覆った武者姿。
そんな4人に共通していたのは道化、狼、髑髏、鬼──恐怖を煽るマスクを付けていたことだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-14 11:00:00
6127文字
会話率:57%
導かれるようにある、古ぼけた本屋に入った主人公は、ある本と出会う。
そして、家に帰った主人公がその本の中を見ると、そこにはある伝承が書かれていた。
引き込まれるように本を読み漁った主人公、そして―――。
最後の言葉に、戦慄する
最終更新:2024-01-07 21:38:27
2964文字
会話率:3%
漫才王になろうGP敗者復活戦に出場した「恋人じゃない」の漫才。本作は会場にて観覧した俳優・野田栄一郎氏が書き起こしでレポートしたものである――
最終更新:2023-12-24 18:00:00
2415文字
会話率:52%
ホストの漫才コンビ「恋人じゃない」の漫才。
最終更新:2023-11-07 19:00:00
2431文字
会話率:81%
ド底辺アマチュア小説家の雑種犬(ザッシュ・ザ・ダーティーブラッド)が語る戦慄の恐怖体験談の数々。
夜中にトイレに行けなくなっても私は責任は取りません。
※不定期更新
最終更新:2023-12-14 01:34:07
67469文字
会話率:29%
この戦争は勝たなくてはならない。女王は、父王の死を乗り越え、進撃を続ける。特別軍事作戦は侵略ではなく解放だから。
最終兵器とは何か。しかし、父が犠牲になった超コマンド・システムの出力は抑えられ無理をさせない近習が、使わせるとは思えない。
帝国は総動員体制にはない。臣民に犠牲を強いてまでする対外戦争など有り得ない。そのために、帝国議会は徹底した議論をし、官僚たちは全力で要請に応えようとする。もちろん、最前線の軍は言うに及ばず。
しかし、帝国軍が占領地で虐殺を行ったという戦慄の報が届く。
この国の戦いとは? そのために掲げたこの国の理想とは? 王位とは? その存在の重さは、末端の兵の所業に釣り合う責任なのか?
軽々と散っていく命。勝った側が無抵抗な者を、古強者が新兵器に、あるいは時世ではなく借金がそうさせる。
そして誰かのために自ら散らす命。櫻威よ、戦争を終わらせろ!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-13 19:17:07
49567文字
会話率:37%
この戦争は勝たなくてはならない。女王は、父王の死を乗り越え、進撃を続ける。特別軍事作戦は侵略ではなく解放だから。
最終兵器とは何か。しかし、父が犠牲になった超コマンド・システムの出力は抑えられ無理をさせない近習が、使わせるとは思えない。
帝国は総動員体制にはない。臣民に犠牲を強いてまでする対外戦争など有り得ない。そのために、帝国議会は徹底した議論をし、官僚たちは全力で要請に応えようとする。もちろん、最前線の軍は言うに及ばず。
しかし、帝国軍が占領地で虐殺を行ったという戦慄の報が届く。
この国の戦いとは? そのために掲げたこの国の理想とは? 王位とは? その存在の重さは、末端の兵の所業に釣り合う責任なのか?
軽々と散っていく命。勝った側が無抵抗な者を、古強者が新兵器に、あるいは時世ではなく借金がそうさせる。
そして誰かのために自ら散らす命。櫻威よ、戦争を終わらせろ!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-17 19:13:08
57899文字
会話率:1%
「俺はどんな罪を犯したのか。」
どうやら俺は、犯罪者として世界を戦慄させていたようだ。
しかし、どうしてもその時の記憶が思い出せない。
思い出せることは、一ノ瀬勇という名前と普通に暮らしていた日常の記憶。
異世界に呼ばれた他の6人も境
遇は同じのようだ。
本当の自分が何かも分からないのに、魔王の討伐を依頼される。
果たして、俺達だけで魔王は討伐できるのか。
そして記憶を取り戻した時、俺は一体どうなってしまうのか。
罪深き7人の勇者による欲望と思惑が渦巻くダークヒーローファンタジー。
貴方の考え方によって決まる善と悪がここにある。
毎日22時〜23時30分投稿予定折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-05 22:28:24
560475文字
会話率:34%
しいな ここみ 様 主催の「リライト企画」参加作品です。島猫。さまの作品『第二性(0910)』のリライトです。
このとき地球は侵略者の攻撃を受けていた。思えば攻撃の初まりは出生率の変容からだった。そして新生児の男女比がついに9:1になる
という異常さに世界が戦慄する中で、女性を他国に奪われたくないために各国は次々と鎖国政策を打ち出していった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-23 23:59:18
2724文字
会話率:62%
巨乳判定を受けた女子は、18才までに結婚せよ。
そんな国に生まれた少女・高野のぞみ。
あと4年で結婚相手を見つけよ。でなければ国外追放か強制結婚。
その運命に戦慄するが、女子高生になればきっと良い男子が見つかるはず。
そう思って、この状況で
油断していた。
……だが、気が付くと彼氏なしで17才になっていた。
あと1年しかないのにどうしよう?
そんな彼女の前に非の打ちどころのない男子が現れる。
是非この男子と結婚したいと思うのだが、その男の子には好きな相手がいた。
……どうしよう?
彼女は思った「好きな相手なら、付き合ってるとは言えない。ならば寝取っても許される」
※カクヨム、ノベルアップにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-21 20:30:43
117246文字
会話率:21%
四月三日
都内。体調不良を訴える者多数。集団パニックか。
四月七日
体調不良を訴える者の数さらに増え、延べ二百人を超える。
四月十日
謎の体調不良による入院者、三百人超。
最終更新:2023-11-21 11:00:00
2098文字
会話率:42%
きらり光る夜空
午後19時半
キーワード:
最終更新:2023-10-01 19:15:58
246文字
会話率:100%
かつて、好きだった女の肉体を奪った男、セルジュ。
彼は闇の骨董屋デス・ウィングの依頼を受けて、あらゆる事件に巻き込まれていく。
彼が出会う者達は、生者か死者か。
あるいは、正常な者なのか異常な存在なのか……。
戦慄の現代ファンタジー風、
サイコホラー!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-13 10:14:52
234509文字
会話率:33%
私の趣味はパチスロだ。今日もホームの遊技場で打たせて貰った。しかし、先に座っていたものが逆恨みし、待ち伏せしていたのだ。
※これは「夏のホラー2023」参加作品です。
※この作品は「アルファポリス」にも掲載しています。
最終更新:2023-08-05 08:00:00
918文字
会話率:31%