今日も一人、調理の練習に勤しむことしか出来ない。
これというのも全部、あの時の事故が原因。
わたくしを傷物にしてくれた、伯爵。
……絶対に許せませんわ。
ここはシュトローエン男爵邸。
彼女の名はレミス・アルアン・シュトローエン
という男爵の娘。
きりっとした目つきに少しカウルを巻いた髪を丁寧に束ね、線は細く上品さを持つ。
何処からどうみても美しい彼女だが、頭には常に帽子を被っていた。
――彼女は貴族パーティーの最中、運悪くフロイデル伯爵が落としてしまったグラスで
頭をぶつけ、赤色のワインで全身を染め上げ大惨事を引き起こす要因となる。
命にこそ別状は無かったものの、頭を縫う重大な事故となり、フロイデル伯爵は責任を
持って第二婦人として迎え入れる準備があるという。
彼女の親であるシュトローエン男爵も、まさに天から降りて来た幸運としてこれを喜ん
でいた。
……当然、彼女にとってそんなことは無い。
女性にとって最も大切な美を汚されたのだ。
伯爵婦人となることは確かに名誉あることだろう。
しかし、我が身を傷つけただけでなく、あまつさえ第一婦人ではない第二婦人として迎
え入れるなど、許せるものでは無い。
それに彼女自身、婚姻にあまり興味を示していなかった。
なぜなら彼女は、死ぬほど料理を作ることが好きだったからである。
そして彼女は決意する。
自らの料理でこの恨み、晴らしてくれようと。
当然何の算段もなく料理を提供すれば気付かれてしまう。
もし最終的に捕えられることになっても、甘んじてそれを受ける覚悟自体はある。
だが、直ぐに気付かれぬように最善の手は打っておこう。
まず、自分の家に存在しないはずの者を一名、料理人として雇い入れた。
これにはとても苦労した。
自分と同じ背丈の女性で容姿もさほど悪くない町娘を探した。
名前も住処も異なる登録をした。実際にこの娘がここへ来ることはない。
そして、この娘は特別に腕がいいので、集中出来る専用の料理場を設けるとして、新たな専用
調理場を造らせた。
ここでは自身も料理場に立つことがあると説明し、無事完成させた専用の料理場である。
この場所に立ち入れるのはつまり、彼女だけとなったのだ。
料理場に、彼女の高笑いが鳴り響く。
「オーッホッホッホッホ! お命頂戴するわ!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-05 12:57:30
8667文字
会話率:26%
近況。今、ピンクの毛糸で靴下編んでいます。次は帽子の予定。
最終更新:2024-01-31 19:41:11
680文字
会話率:0%
今年もやってきた、編み物地獄。帽子の追加だ!またかいな。えーん
最終更新:2023-11-05 16:31:24
476文字
会話率:0%
帽子、帽子、帽子を3個?帽子、帽子、帽子を・・・いったいいくつ作れば良いのさ⁉
最終更新:2018-12-24 20:51:22
757文字
会話率:9%
ハリーポッターの組分け帽子で遊んだ話です。ハリーポッターを見たことがない方はなに言ってるかさっぱりだと思われます。
最終更新:2024-01-28 18:26:30
1330文字
会話率:0%
引っ越しに伴う一時保存です。
さらに加筆予定。
最終更新:2024-01-27 13:24:18
24989文字
会話率:41%
世界中を震撼させるOPENER GANG。
如何なる警備をものともせず窃盗・強奪を成し遂げる彼らの『通り名』は最早戦慄の代名詞。今日も静かに時計だけが時を刻む中、ド派手にドアが破られた。
『『『『OPENER GANGだ!』』』』
「資
本主義のザコ共〜、死にたくないなら大人しく床の味でも確かめて待っててね♡」
黒髪の少女はNyahahaと笑って煽り散らかして。
「通報は無駄だ。儂等に9mmなど意味はない」
長い白髭を蓄え帽子を深く被った男は冷徹に告げて。
「んまァ呼んだってテメェらが鉛の雨が降る酒池肉林の宴に来るだけだけどなァ…」
二丁もLMGを担ぐアロハシャツの男は欠伸を。
「さぁ、こちらへ。あなた方が何もしなければ、僕達は危害を加えませんから」
唯一物腰の柔らかな彼は全身を重装甲で覆った武者姿。
そんな4人に共通していたのは道化、狼、髑髏、鬼──恐怖を煽るマスクを付けていたことだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-14 11:00:00
6127文字
会話率:57%
5年前、私は亡くなったお母様から貰った大切な帽子を失くしました。その時のことは覚えていないのです。大きな何かに巻き込まれたのか、記憶を失っているから。それ以降、伯爵家の後継としての教育はなくなり、従兄弟が養子入り。何故か高度な淑女教育をさせ
られ15才の社交デビュー。私のエスコートを家族が誰もしてくれないと思ったら……。あらすじはシリアスっぽいですが、どちらかというとラブコメ風です。
なろうラジオ1000文字以内に応募しようと思ったら無理だった(笑)ので、普通のショートショートストーリーに変えました~。年始の暇潰しにどうぞ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-05 00:00:00
2923文字
会話率:40%
江戸の町で昨今流行りの裏稼業。
モノでもヒトでも依頼されれば何でも贋物を用意するというハッタリカタりの騙しの商売〈贋物屋〉。
その贋物屋の正体は同じく昨今流行りの芝居の一座、深山一座の看板女形の雪之丞と立役者の助三。彼らは卓越した演技
と幅広い人脈で困り事を抱えた依頼人を助けていく。
第三話「贋花嫁」
今回の依頼人は伊勢屋の娘のおみよ。
大店の娘が政略結婚を嫌って贋花嫁を依頼してきた。偽花嫁が婚礼を挙げて親達を油断させている間に自分は好きな男と駆け落ちをするつもりだとのこと。
政略結婚の相手は父親の同業者の中年男で、おみよは後添えとして迎えられるのである。だが、おみよには好きな男がいた。何年か前に町でちんぴらに絡まれているところを助けてくれた男である。その男・駒吉はまともな職にも就かずふらふらとしているような、箸にも棒にもかからぬ男であったが、おみよには優しいのである。おみよに泣きつかれ、贋物屋の人々は依頼を承諾する。仕掛人、つまり贋花嫁として雪之丞が任務を果たす。江戸一番の名女形の腕の見せ所であった。花嫁姿になった雪之丞は妹の菊弥が見ても惚れ惚れするような美しさであった。もったいなくもその美貌を綿帽子で隠し、おみよではないと悟られないようにして雪之丞は婚礼の席へと出向いていった。贋花嫁が婚礼をつつがなく済ましている間に、おみよは家を抜け出しは深山一座へと逃げ込む。そこで男と待ち合わせていたのである。
ところが、駒吉はいつまで経っても姿を現さなかった。
おみよは涙をふき固く決心した様子で、家には戻らぬと言い出した。雪之丞達は仕方なく二・三日、おみよの気の済むまで様子を見ることにしたのである。
ところが、その間におみよの父親の元に身の代金を要求する脅迫状が届いていたのであった。勿論、雪之丞達が出したわけではなく―――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-03 20:47:44
80337文字
会話率:37%
「第5回『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』大賞」において設定されたキーワードは「コスモス」「雪山」「温泉」「パスワード」「たまご」「和菓子」「金魚」「5年」「帽子」「三日月」「クエスト」「文化祭」「暖炉」の13種類。
一体何のキ
ーワードが多く使われたのか、また組み合わせとして多かったのは何なのか気になって調べました。
あとは、ジャンルや評価数、レビュー数を調べました。
あくまでも自己満足なのでご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-03 19:02:29
6247文字
会話率:0%
「第5回『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』大賞」の参加作品です。
全キーワードを使いました。
最終更新:2023-12-24 07:01:06
1000文字
会話率:81%
桜と秋は、腐れ縁の幼馴染みと言う関係だけだと思っていたけど……。
最終更新:2023-12-23 07:01:34
1000文字
会話率:49%
その人は、最も近くにいながら、最も遠い存在だった。
圧倒的なカリスマ性を持つ兄。
その輝きに、周囲の人は常に魅せられていた。もちろん、弟である俺も……。
二人の関係よ、いつまでも。
※なろうラジオ大賞5に参加しています。応援、よろしく
お願いします!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-31 17:53:22
1000文字
会話率:3%
都内の高級ホテルにて、結婚式の二次会パーティーに招待されていたDJが死亡した。
当初は薬物による中毒死と思われていたが、あまりに量が逸脱しているため事件性が疑われることとなる。
事件解決のため、壮年の警部と若い刑事が現場へと急行する。
は
たしてDJを中毒死させた方法とは?
そして、警部とDJ、このふたりにはある共通点が?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-31 15:32:05
1000文字
会話率:71%
19世紀半ばのアメリカの南北戦争時代で、美しい農園主の少女を恋しながら戦争に行き、戻って彼女と再会した若者の物語です。
最終更新:2023-12-31 15:05:20
999文字
会話率:28%
海での戦いを描いています。
舞台は江の島(江ノ島)付近です。
最終更新:2023-12-31 09:28:19
811文字
会話率:23%
魔王が舞い降りた。
賭けに勝たなければ人間を滅ぼすと言う。
しかし、魔王は私の帽子を吹き飛ばし、汚してしまったのだ。
よりにもよって、お母様の前で!
帽子を吹き飛ばされてから、魔王を滅ぼすまでの顛末。
最終更新:2023-12-31 06:43:37
939文字
会話率:47%
毎年夏になると、家族みんなで父方のおじいちゃん家に10日程泊まりに行く。そこで麦わら帽子の少女と初めて出会ったのは、僕が7歳の頃だった。
毎年おじいちゃんの家に行く度、僕はその少女と遊んだ。けどその少女は、まったく年を取らなくて。気づいた
ら僕はその少女の年齢を越えてしまい───
これは、切なく淡い恋の物語……
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-30 22:25:54
999文字
会話率:38%
もうすぐ冬休み。
でも学校の帰り道がなんか嫌だ。
道路工事のおじさんたちの中に、ひとりだけ怖い人がいる。
あぁ、今日もいる。
やだなぁ……。
そう思っていたある日、私は熊に襲われそうになって……?!
最終更新:2023-12-30 19:43:18
1000文字
会話率:33%
レンタル魔族のメデューサ女子のメデュさんを家に呼んだ坂ノ上。お洒落シャッポでお出迎え。メデュさんも帽子をかぶってこんにちは。その頭の下はどうしたの?
【原作】しいたけ様
【執筆】くまぽ
しいたけ×くまぽの「しいたけガチャ」作品です。
最終更新:2021-09-08 21:02:51
3359文字
会話率:43%
幼い頃から野球が大好きで、プロを目指してやってきたシュン。「自分ならできる」と信じているが、周りの大人達の言葉は冷たい。
誰かが決めた「常識」に縛られ、それを自分にも他人にも、押し付けてはいないだろうか。今では「当たり前」にあるものも、
最初はなかった。最初は「非常識」だった。
シュンの「当たり前」は、マジョリティとは違う。けれど、シュンにとってそんなことは関係ない。「こうなる」と決めて、そこに向かって行くだけだ。
「ストライク!」の声は聞こえない。でも、動きなら分かる。「見える言葉」は、シュンの武器になる。マウンドに立つ自分の姿を想い描く、15歳の少年。その人生の、ほんの一部を垣間見る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-30 18:18:29
998文字
会話率:17%
公爵令嬢フロリアーヌ・ポートリエは冷静沈着無表情。
そんな彼女の元に届けられたのは……。
「第5回下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ大賞」参加作品です。
最終更新:2023-12-30 13:00:00
1000文字
会話率:43%
私は、暖炉。
いつも家族の幸せを祈っている。
『第5回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞』参加作品
最終更新:2023-12-30 10:47:48
999文字
会話率:24%
金魚が帽子に恋をしました。
最終更新:2023-12-28 11:22:55
1000文字
会話率:20%
『シン=ヒノ、君は……どのクラスでどんな役割を与えられても役不足だ』
帽子がそう告げた瞬間、嘲笑が波のように広がっていき、中心にいた少年シンは何事かを呟くが笑い声にかき消され生徒たちには届かない。
「ははは! やはり下級貴族がこの魔法学
校に入ろうなんて無謀なんだよ!」
「だっさーい! どのクラスにも入れないなんて」
シンが被っていたぎゅっと帽子を握りしめると、帽子が苦しそうに皺を寄せ、呻く。
その帽子は、大魔法使いが作った〈生きた魔法道具〉の1つ。
被った者の才能を見極め、相応しい教育を与えてくれるクラスを教えてくれる。
魔法の帽子に役不足と告げられた少年のおはなし。
※この作品はなろうラジオ大賞参加の超短編です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-29 12:38:18
998文字
会話率:59%
※この作品はなろうラジオ大賞参加作品の為、1000文字以内で5分で読める超短編です!
「おい、雉真。お前帽子とれよ」
「……頭下げてるじゃないスか」
キャップのつばを掴み、ちょこんと頭を下げた雉真優を見て犬塚真は眉間に皺を寄せる。
古い
体育会系野球部の犬塚にとって、生意気後輩マネの雉真が分からない。
小学生の時同じ野球チームで仲良かったし、帽子もとっていたのに……。
頭が固い先輩と帽子をとらない後輩の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-16 08:08:54
999文字
会話率:43%
第5回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞』参加作品です。
キーワードは雪山・温泉・和菓子・帽子。
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1000文字
会話率:57%