傷付いた仲間が横たわっていた。
先刻まで笑顔を見せて、今まで共に戦ってきた戦友だ。
背中に致命傷を受け、もう言葉を発することもない。
流れ出た血液が、懐かしい思い出と共に溢れ出る。
こんなはずではなかった。
いくら魔物が結集したと
ころで、
この城がここまで攻め入られるなんて、
誰が予想しただろうか。
己の剣の柄を握りしめる。
剣先を敵に向ける。
あれだけ研鑽を積んだ日々を裏切るように、
手の震えが止まらない。
恐怖にすくみ、足も重い。
眼前には、巨躯の魔物。
牛頭で鋭い双角をもつ。
両手には鍔のない刀を一振りずつ。
戦友の背中を心臓ごと貫いた刀を抜き、付いた血を払う。
光の無い双眸を、こちらに向ける。
ゆっくりと歩き出したその動作に
脈動する心臓が、凍てついた。
震える剣を振る間もなく、凶刃は体を引き裂いた。
凍てついたはずの血は、思ったよりも、暖かかった。
止めどない吹雪がふきあれるこの地より、遥か遠い場所。
とある教会で一人の捨て子が拾われた。
夜空の色をその目に宿し、
後に、目に映る全てを救ったとされる子ども。
混乱を収め、万世を平和に均した
彼の者たちと、同じ力。
この物語は、その少年が歩んだ軌跡。
魔王をめぐり、星を救う
少年たちの冒険譚である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-18 07:42:06
88492文字
会話率:14%
天才画家の素質を持った少年。秀才画家の素養を持った少女。
そうして、どちらにもなれなかった凡才の美術教師。
二人だけに許された特別美術部、活動場所は屋上。
二人の天才は移り変わる空の色を、それぞれの目で真っ直ぐに描き続ける。
描
ける二人、だけれど欠けている二人の天才の穴を、凡才はゆっくりと埋めていく。
天才と秀才、そして凡才の三人が描く物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-09 18:18:23
106717文字
会話率:40%
これは僕の夢の話。
夢に出た少女の顔には、見覚えが有った。
「百類の生物。模生類は生物を侵食して、骸に変えちゃうんだよ。怖くない?怖いよね。あぁ怖い怖い。彼らはね、彼女でもいいや。何かに化けてわたし達を見てるんだ。そして伺ってる。世界を。
空の色を彼等の色に変えるのを。」
少女は、その姿を変貌させた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-11 07:15:41
5104文字
会話率:12%
これは僕の夢の話。
夢に出た少女の顔には、見覚えが有った。
「百類の生物。模生類は生物を侵食して、骸に変えちゃうんだよ。怖くない?怖いよね。あぁ怖い怖い。彼らはね、彼女でもいいや。何かに化けてわたし達を見てるんだ。そして伺ってる。世界を。
空の色を彼等の色に変えるのを。」
少女は、その姿を変貌させた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-08 08:45:37
1809文字
会話率:17%
7月七日はわたしの誕生日で 世界で一番幸せな日でした。それはお母さんが███ても何一つ変わることはありませんでしたかわることはありませんでした喪失に意味などなかったのかもしれません
/再起
キーワード:
最終更新:2024-02-16 18:45:07
478文字
会話率:0%
「ねぇ、知ってる?空の色が青いのは、王様が間違って青いペンキを溢したからなんだって」
かつて人間の心は、色が宿っていた。
その心の色を塗り替えることで、人の心を変えるペイントと言う力を持つ者達がいた。
例えば、喜ならば黄色、怒な
らば赤、哀ならば青、楽ならば緑と言った具合に。
主人公、ブラン・ホワイトは自分の白い力に自信を持てないでいた。
ブラン達、ペイントには一週間後、自分達の実力を見極める為の試験が待っていた。
これは、ブランを筆頭にしたペイント達の旅の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-18 21:08:17
43965文字
会話率:47%
空の色や雲、そして雪の形、空のことは、だいたい鳥達の仕事です。
仲良しのお馬と夏の日を過ごした子供カラスが、秋になり、冬になり、お馬が大好きな雪を作ります。
最終更新:2023-12-16 10:18:28
2092文字
会話率:19%
オムニバス形式のショートショート
最終更新:2023-12-05 01:56:58
772文字
会話率:7%
85年生きた人生が終わりに近づいているルーカスは死の間際に見る走馬灯の中にいた。
戦地から保護され施設で育ったルーカスは目に特殊な持病を抱えサングラス無しの生活を送ることができない生涯の友「エド」と出会う。
ルーカスには忘れることができな
い「エド」の言葉があった。
「僕は自分の人生を愛している」
ルーカスは走馬灯の中、僕は自分の人生を愛していたか?と答えを探している。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-21 10:49:15
81726文字
会話率:53%
海外留学中の律哉と遠距離恋愛中の優花。さびしいとも恋しいとも思う日々、「空はつながっている」の言葉で自分を慰めてきたが……。
最終更新:2023-10-06 10:30:22
1147文字
会話率:39%
SF風ファンタジー。
青い地球、そこに人々は住めなくなった。
カウントダウンされいてく2週間という時間。
内向的で、消極的な、チアキ・ハセガワ19歳は追い立てられるように消去法の旅に出た。
一生に一度の故郷との別離。
そして新
たに始めた『惑星CA-N』での生活。
たった一度だけ、仕事の一環としてすれ違っただけの名誉公務員のショウ・ヨコヤマからの手紙が届いた。
銀河標準暦127年12月31日 12:00 地球上から人類は消滅。
前年8月12日に施行された『地球並びに地球の全ての動植物の権利に関する条約』通称『地球保全法』により、地球外の移住すべて完了。
これより、地球は<ヘブン>となる。
生きた人間の24時間以上の滞在は禁止され、人類の墓標となった。
まっすぐと歩いていた。
どこまでも続くように錯覚させられる、舗装された道を娘は歩き続けていた。
東へ、東へと。
海のある場所、太陽が昇る場所へ。
迷いもなく、しっかりとした足取りで歩いていく。
やがて、たどりつく。約束の場所に――。
自サイトにも「紅の空」にも掲載されています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-25 18:42:08
18771文字
会話率:17%
空の色は少しずつ秋色に澄んできて
けれど
キーワード:
最終更新:2023-09-19 19:20:46
295文字
会話率:0%
空を映した小さな花は
空に溶けた想いもその身に写しとっているだろうか
本作はカクヨム様にも投稿しています。
https://kakuyomu.jp/works/16817330658197739834
キーワード:
最終更新:2023-06-07 07:00:00
492文字
会話率:0%
眠り病の様な少女と、正義感の強く博学な少年のおりなす恋愛小説。
最終更新:2023-09-13 17:03:18
53535文字
会話率:24%
今日の空の色は、“今日の空の色だと思う!”
キーワード:
最終更新:2023-08-06 14:59:55
598文字
会話率:0%
白兎(しらと)レイラは某県にある警察本部で働いている。彼女は警務部で事務仕事をする一方、TNTと呼ばれる組織の一員として極秘に活動していた。10年前、記憶喪失だったレイラを救った彼、千田(ちだ)リュウジは同じTNTの仲間だ。二人はいつ死ぬと
も分からない日々の中、恋人同士になっていた。
そんな時、レイラの前に一人の男が現われる。そして、男との出逢いが彼女の人生を変える。
彼女の試練、彼女さえも知らなかった秘密。
―――その先にあるのは『楽園』か『地獄』か。
万物は流転する。人間の細胞も然りだ―――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-23 23:00:00
113526文字
会話率:48%
「空」
人々がそこに憧れ、およそ120年前にようやく到達した場所。
でもそれは私にとっては恨みを晴らす場所でしかなかった。私を生み育ててくれた両親の仇を討つ為の場所。
私の最期の場所になるはずの空。それが少しずつ変わっていくのは、もう少し
後になる。
そう。私は大切な人達と出会い、私にとっての空は変わっていく。空の色は変わらずとも、意味は変わる。
まるで、常に形の変わる雲のように。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-21 01:00:06
422361文字
会話率:41%
「ヴィクトリア・ゲレニカ・クラウス、貴様と婚約破棄する!!
貴様はミレナをいじめ、しこも毒を盛ったと聞いた!!これによってこの女を処刑する」
豪華で広いパーティー会場、そして煌びやかなドレスを着た貴族たちの中に青い髪の青年の罵声こと
により賑やかだったはずのパーティー会場が静まり返った。
青年の前にはヴィクトリアと呼ばれた月光のように輝く銀髪とまるで空の色を映したようなマリンブルーの瞳を持ったパーティー会場の中の貴族には比べ物にならないくらい美しい少女が床に崩れ落ちていた。
青年の横にはミレナと呼ばれた桃色のふんわりとした髪に茶色の瞳の少女がくっついていた。
「アレク殿下!!私のためにそこまでしてくれるなんて...でもいくら何でも処刑だなんて...」
と青年の横で泣くミレナ、そして心配そうにミレナを見つめるアレク。
いつもで続くだろう―
そうヴィクトリアは思った。
元々ミレナに毒を持っていなかった。ミレナの自演自作だ、だか婚約者のアレクはミレナにうつつを抜かしている。そして証拠も調べすこのザマだ。
「ミレナ...ヴィクトリア感謝しろ!ミレナはお前を気ずかっていたんだぞ!あの世で反省しろ!!」
そう言いながらアレクはヴィクトリアの首を剣で切った。
ゴトリ
ヴィクトリアの首がパーティー会場の床に落ちた。
もう疲れた、これが悪夢だったらいいのに―
1からまた始まられるので会ったら今度こそ幸せになりたかった―
こうしてヴィクトリア・ゲレニカ・クラウスの最初の人生は終わった。
処刑から始まるヴィクトリアのやり直し革命が今、開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-12 20:32:34
22921文字
会話率:25%
埋もれた傑作2!
F8とB2、二つの太陽を巡る海人草座δ星第五惑星リレイヤーの空は色気狂いだったが、これはリレイヤーの鉱物性植物・ポリマーローズが吐き出す空中浮遊性蛍光色素微生物(FLB)がその空に浮遊しているためだった。FLBは二つの
太陽の紫外線を吸収・再放射することにより、炭素型生物へのダメージを和らげかつ生物に必要な光エネルギーを供給するという役割も担っていた。語り手のベビーフェイスの離婚した妻フローラがある目的を持ってリレイヤーを再訪した直後、殺人犯として警察に逮捕されてしまう。その無実を証明するには、被害者が最後に見た空の色と彼女の主張する空の色が違うことを明確にしなければならなかった。リレイヤー固有の生物種・猫蜜柑がその鍵を握っていたが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-04 10:00:38
32702文字
会話率:62%
26歳の六室崇(むつむろたかし)新宿通りの歩道橋の上から通りを眺めて物思いに耽けていた。
高校2年のときに両親が離婚し、母方の姓を名乗るようになったが、離婚からちょうど半年後の6月6日、「むつ」「む」「ろ」という数字の6を連想させる音が三つ
重なる珍しい苗字を残して、母が急死した。そのせいで自分は特別な存在だと信じるようになったが、その思いは一年も持たずに消えた。
崇の特別な能力といえば、空の色を自分の都合のいいように自由に変えられることだけ。それも、実際に空の色を変えるのではなく、自分が見ている空の色を変化させる、ただ自分の脳を騙しているだけ。
崇は何の気なしにランナーの男の姿を目で追いかけていた。突然車同士の交通事故が起こり、ぶつけられた車はランナーのすぐ近くまで吹き飛ばされる。ランナーは事故にまったく気づくことなくそのまま走り続ける。
ランナーの顔には色がなかった。漫画の輪郭の線が服を着て走っている、でも、すれ違う人は彼の姿を気にも留めない。
亡くなる前の母に言われたことがある。「いつか透き通った不死身の男が現れる。その男についていけ」その時が来たことを崇は確信した。
崇が追いかえると男はオフィスビスに入って行った。建物の前でどうしようか考えていると、高校の同級生、祝園玉青(ほうそのたまお)に声をかけられる。8年ぶりの再会。彼女はこのビルのHR2という社員30人ほどの上場企業で働いていて。ランナーの男は彼女の会社の社長、和田(わだ)だと言う。
崇が玉青にだけ透き通った男の話をしたことがある。玉青は覚えていた。
玉青は崇をオフィスに連れていく。崇には和田が輪郭が服を着ているようにしか見えないが、玉青には普通に見えるという。
玉青は和田を見張ることを約束し、動きがあれば連絡すると言って崇と別れる。
玉青の人生はここまで、彼女の目論見通りに進んでいた。それは高校時代に崇にあることを打ち明け、背中を押してもらえたからだと信じていた。
それは玉青にとって宝物のような思い出だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-02 19:03:16
48271文字
会話率:65%
空の色はどこから来るのか。
科学的にはすでに明らかになっています。ではそうでない領域では……
最終更新:2022-08-18 21:00:00
2997文字
会話率:0%
今や、異世界は身近になった。
一万円も出せば、東京駅からの異世界列車で、気軽に行き来できる時代。
この春から高校一年生になる神野雹吾は、魔王・神野悪五郎の息子である。
雹吾は、空の色が緑色である異世界『グリーン』にある私立大蛇学
園に進学する。
雹吾は魔王としての力など、全く無い、ただの高校生。
しかし、そこでは、波乱に満ちた生活が待ち受けていた。
妖怪や魔物の種族が入り混じるクラスメイトや教師たち。
自然発生するダンジョンと恐るべきモンスター。
悪意に満ちた、強力な敵。
そして、愛しい幼馴染の女の子。
これは、魔王の息子・神野雹吾の恋と友情と冒険の物語。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-07 20:06:41
87076文字
会話率:23%