人前で、笑顔を貼り付け十三年。
少しでも失敗を犯したら鞭で打たれ、最近は平手もおまけのようについている。
今はそんな鞭打ちのお時間。何回されても慣れないこの鞭打ちも、表面上美しい笑顔で耐えてみせる。
(何回やっても、慣れないわね……)
ルーリア・コキリ・セロライハラ。侯爵家の次女であるがメイドのような暮らしをしている。否、メイドより酷い暮らしをしている。
ワンピースに近い薄茶の埃まみれのドレス。埃を被った髪。その髪は血のように赤黒く、それが理由で家族に虐げられていると言っても良い。髪と同様、目も赤黒くて、まさに血塗れなのだ。瞳がルビーのようなんて、そんな綺麗なものではない。ルビーと呼ばれるものは透き通っていて、生き生きとした赤色の瞳のことを言うのだ。
ルーリアの瞳はそんな色ではない。
赤にはドス黒い黒色も混ざっていて、今にも死にそうな目をしている。髪も同じだ。埃を被って少しばかり見えないは見えないが、よく見れば直ぐに分かるということで。
そんなルーリアが鞭打ちの時間が過ぎて窓拭きをしている最中、母であるギュアカーラの聞いたことのないほどのご機嫌な声を聞き、ルーリアは怪訝そうに窓から門前を見る。すると、ギュアカーラの隣でメティーチェイアが上品なカーテシーを披露しているではないか。
その前には男性がいる。誰かしら。そう思ったのは少しの間。姉と母の自室があるこの廊下には、来ないのではないだろうか。
そう思い窓拭きを再開し鼻歌を歌っていた時、話し声が聞こえて横を振り返ると、あの三人がこちらへ来ているではないか。
ルーリアはバケツとタオルを置いて曲がり角まで逃げた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 15:47:51
13988文字
会話率:27%
気づけば、教室の窓際で目を覚ましていた。
自分の名前は神永哉。高校二年生──のはずだった。
だけど、この世界は何かがおかしい。
教室。友人。授業。春の風。すべてが正しく配置されすぎている。
なぜか身体は異様に軽く、反射的に“人を殺す
動き”ができた。
記憶はない。けれど、戦い方だけを身体が覚えている。
そして、誰もいない放課後の廊下で出会った“それ”は言った。
「記録が干渉されている。お前は……また、ここからか」
忘れた記憶、繋がり直す仲間、そして世界の裏で進む“何か”。
――俺はまだ、何も思い出していない。
けれど、きっとこの世界は“初めてじゃない”。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 08:28:24
11419文字
会話率:18%
中身のダメさがにじみ出ていることによってモテない、冴えない、普通の男子高校生キョウは廊下にあった不思議な鏡によって異世界転移してしまう。この原因は何の因果によるものかはたまた神の神業によるものかそれを知る者はいるのか!?異世界で死亡フラグ
しか立たないラブコメが始まる!!
☆の付いてる節はイラストアリです(*‘ω‘ *)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 03:33:19
325956文字
会話率:60%
かつて同じ教室で日々をともに過ごした少女、光月《みつき》を失った主人公が、降り積もる雪のなかで蘇る記憶に翻弄されながら、夜の旧校舎を彷徨う学園ダークファンタジー。
夢と現実の狭間で、月の光を帯びた蝶が示すかのように浮かび上がる光月の面影。
廊下に揺れる静寂や崩れかけた教室の片隅で、主人公は彼女との過去をなぞり続ける。
取り戻せない存在の不在に痛みを抱えつつも、雪に覆われた世界はどこか儚く幻想的で、心の奥底に秘めた想いをかき立てる。
やがて、孤独な夜を駆け抜けるうち、主人公は“喪失”という現実と正面から向き合うことを余儀なくされる。
そして月の光が雪に溶けゆく瞬間、蝶は最後の導きとして主人公の選択を促す――。
喪失から始まる再生の物語が、白い静寂の学園で静かに幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-16 00:52:24
73419文字
会話率:23%
王立アカデミーは、まるで中世の大聖堂を思わせる荘厳な外観と、最先端の電子黒板やICカードを日常的に使う現代的設備が融合した不思議な学園。高校2年の朝霧 清夜(あさぎり しんや)は、部活に追われる日々を送りながらも、恋人の優依(ゆうい)との時
間を大切にしたいと願っている。
ある金曜日、部活が臨時休みになったことで「今日は絶対に早く帰る!」と意気込む清夜。だが放課後、廊下で足を踏まれたり、スマホを忘れたことに気づいたりと、次々とトラブルに見舞われる。しかも、中世風の広大な校舎は迷路のように入り組んでいて、なかなか校門までたどり着けない。
痛む足を引きずりながら校内を右往左往するうちに、女子生徒と接触してドキリとするシーンにも巻き込まれ、気づけば帰宅が遅れていくばかり。果たして清夜は、待ってくれている優依のもとへ無事に帰りつくことができるのか?
中世の荘厳さと現代のドタバタが入り混じる学園を舞台に、騒がしくも笑いが絶えない青春ラブコメディが幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-24 01:44:12
4470文字
会話率:31%
夜の校舎を舞台に描かれる本作は、表面上はごく普通の学園生活を送る主人公が、
深夜の学校に潜む“儀式”の存在を知ったことから、危険な秘密へ足を踏み入れる物語です。
主人公は私立・月影学園に通う新入生。
いつしか学内に広がる都市伝説、「深夜の
旧校舎で奇妙な儀式が行われている」という噂に惹かれ、
誰もいない夜の学校で謎めいた存在との接触を試みます。
やがて、季節外れに散る桜や、不気味なほど静まり返った廊下で感じる足音に戸惑いながらも、
「儀式」に深く関わっていると噂される“あの人”に出会い、
そこから先はどうしても目が離せなくなってしまう。
その人物との契りめいた約束は一線を越えた背徳を孕み、
主人公の理性と感情を揺さぶり続けるのです。
夜の学校という日常と非日常が混ざり合う閉ざされた空間で、
主人公は禁忌の儀式に巻き込まれ、自身の執着と恐れに翻弄されていきます。
闇に沈む中庭の桜、古びた校舎の廊下で響く足音、不意に消える人影……。
これらすべてが奇妙な噂の真実に繋がっているのか、それともただの幻想か。
切ないほどの愛情と背徳感、そして逃れられない狂気が交錯するなか、
夜の学園で開かれる“儀式”の結末は、
果たして救いか、破滅か。
すべてが秘密のヴェールに包まれたまま、
やがて物語は緊迫のクライマックスを迎えていきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-24 01:33:20
9746文字
会話率:22%
平凡な大学生の吉良紡は今をときめくスーパーアイドル・東雲律の大ファン。およそ8年前のデビュー日、音楽番組で歌う律の姿を見て、テレビに釘付けになった日を今でも鮮明に覚えている。
歌うことが唯一の特技である紡は、同級生に勝手にオーディション番
組に応募されてしまう。断ることが苦手な紡は渋々その番組に出演することに……。
緊張に押し潰されそうになりながら歌い切った紡の目に映ったのは、彼にとって神さまのような存在ともいえる律だった。インタビューで夢について聞かれた紡が「律と一緒に歌ってみたい」と答えるのを聞いて、番組に退屈していた律は興味を持つ。
そして、収録を終えた紡が廊下を歩いていると、誰かが突然手を引いて――…。
孤独なスーパーアイドルと、彼を神さまと崇める平凡な大学生。そんなふたりのラブストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 20:29:04
11808文字
会話率:22%
姉に眼鏡を壊された私は、学園の廊下で誰だかよく分からない人に声をかけられた。卒業資格を貰うのに必要な共同研究のお誘い。既にほとんど終わっているのでもちろんお断り。共同研究のパートナーに報告したら、国が滅びちゃった。
最終更新:2025-05-15 12:02:17
14263文字
会話率:60%
彼女と初めてのスノーボード旅行。
だが、突然の吹雪で遭難し、たどり着いたのは謎の洋館だった。
そこで出会った案内人は「夜は絶対に部屋を出るな」と告げる。
だが夜中、巨大な影が廊下を歩き、彼女は姿を消した。
パニックの果てに判明する真実――俺
の隣にいた“彼女”は、人間ではなかった。
その正体を知ったとき、俺の恋は、恐怖に変わる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 02:46:29
1286文字
会話率:21%
私、クルト・デニム伯爵は亡父の遺言に従って、男爵家の令嬢アメリを嫁に迎えた。
アメリは良く出来た妻で、私が仕事で帰りが遅くなってもねぎらってくれて、自ら厨房に立って料理を温めてくれるし、日中は侍女と共に掃除をして部屋も廊下も綺麗にして、家令
と相談して領地経営にまで乗り出すほど有能だった。
にも関わらず、舞踏会で自由奔放に振る舞う赤髪の若い女サロメに、私は一目惚れ。
彼女と逢引きを重ねた結果、私は、良妻アメリに言いがかりをつけて、伯爵家から追い払ってしまった。
ところが、赤髪の愛人サロメは伯爵夫人になった途端、本性を表して、横柄な態度となり、乱費を繰り返すばかり。
改めて、元妻アメリが良妻だったことに思い至って、私は後悔した。
が、時すでに遅し。
良妻アメリを追い出した結果、私、クルト・デニム伯爵の転落が始まってしまうのだったーー。
※ざまぁ系のストーリーですが、ざまぁされる側の視点で書かれています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 12:10:00
15179文字
会話率:14%
ある日、ぼくは夢の中で一匹の黒い猫になった。その不思議な夢の中でぼくは一人の女の子と出会った。その女の子の名前は、風(ふう)と言った。……、風は、ぼくの命を救ってくれた。
第一章から第三章までの物語。
本編あと短編作品集あり。
長編作品 第六作目
愛はここにあるよ。ずっとある。
第一章
真夜中のお散歩
……ずっと一緒にいようね。猫ちゃん。
気がつくと、ぼくは夢の中で真っ黒な毛並みをした一匹の猫になっていた。猫になって、真っ暗な廊下をなれない四本の足を使いながらひたひたと歩きまわっていた。それは暖をとるための行動だった。そこはとても冷たかったから、ぼくは体を温めることのできる小さな炎を求めていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-13 11:22:50
331840文字
会話率:6%
高校生のとき。私はあなたと恋をした。
最終更新:2020-06-14 21:48:31
2015文字
会話率:16%
二人の出会いは、高校に入学した日の教室。
席も私が窓際の後ろ、彼は廊下側の後ろ。
話もしないし、好きなタイプでもない。
明るい私はすぐに友達ができてワイワイ。
彼は友達がおらず、1日机で寝ている。
普通なら交わらない二人。
気に
もならないし、気になることはない。
そんな最初だった。
なぜか運命は交わり、彼は私の彼氏に。
幸せ一杯な二人に幸あれ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-13 07:39:04
57833文字
会話率:34%
心琴中学校(みこと)に通う三年生の神月紅葉(かづきもみじ)は何の才能も無く、誰かを救うことも出来ない自分を好きにはなれなかった。ある日彼女は廊下で黒百合の腕輪を見つけ、それから目には見えないはずのものが見えるようになっていた。後から保健室で
同級生の希来宵小夜(ききよいさよ)と遭遇し、彼女も紅葉と同じ状況に遭っている事が判明した。二人は黒百合の腕輪の正体を知る為調べて行くうち、昔心琴中学に通っており若くして亡くなってしまった少女、古鳥霞李(ことりかすり)に出会い、彼女に二人は何十年も前に消えたはずの「呪い」に掛かっていると告げられた。
これは、日常世界と別世界が混ざった世界で、能力を持つ少女達を救いながら、呪いの謎を解き明かす物語。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-12 21:26:58
25564文字
会話率:37%
「お会いしとうございました、魔王様。これより先は、魔王近衛隊隊長である私が常にお傍に仕えさせていただきます。」
高校入学式後の新入生で賑わう廊下にて。山之辺優菜の前に跪く一人の少女。粉雪魅由は、中学時代の優菜のトラウマ的人物だった。
「覚悟しなさい魔王!あなたは!私が!勇者である私が!今度こそ倒す!」
更には、勇者まで現れて!?
優菜の高校生活はどうなってしまうのか!?
異世界転生した魔王と勇者が織りなす学園コメディ、ここに開幕!
「ゆ、優菜ちゃん、どうしましょう?ま、まさか勇者が現れるなんて、お、思いもしませんでした。」
いや、それ私の台詞だからね。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-12 10:00:00
454070文字
会話率:45%
ゴールデンウィーク2日目、高校赴任1年目の木村は校舎の廊下を進む。
午後の陽光を感じながら職員室のドアを開けると、中には3年生担当の佐藤がいた。
連休明けに行われる期末テストの作り方をきっかけに、木村は佐藤が以前作ったとあるテストの内容につ
いて質問する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-08 17:00:00
5634文字
会話率:56%
──人の出逢いとは分からないもので。
春らしい陽気が心地よい昼下がり。帝都にある学園にて。
リュミエール公国の第一公女であるティアナは、早足で次の授業の教室へと向かっていた。余所見をしていた彼女は、白い長髪が美しい青年と廊下で衝突して
しまう。初対面でありながら、近寄り難い鋭利な空気を纏う彼の魔性の貌は一瞬にして彼女の脳裏に色濃く焼き付いた。
ティアナは帝国の公爵令息である彼に、毎日話しかけるようになる。しかし、彼は彼女のことを相手にしようとすらしない。孤高の存在である彼のことが気になるティアナは、日に日に興味を引かれていく。何度冷淡にあしらわれようが、彼女の心は決して折れない。
「わ、私と、お友達になって!」
「帰れ」
高慢で冷酷無比な公子様と無邪気で明るい公女様。
由緒正しき家柄に生まれたがゆえの苦しみに触れてゆくにつれ、互いの心は乱れ始める。
これはちぐはぐな二人が唯一の愛を掴むまでの物語──
*こちらは「泡沫の夢をあなたと共に」のスピンオフ作品となっております。本編よりも十四年前の時間軸から始まるお話です。
↓本編はこちら
https://ncode.syosetu.com/n9296ig/
*なお、こちら単体でもお楽しみいただける構成になっております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-07 21:55:17
81570文字
会話率:48%
気付くと薄暗い廊下にいるスケルトンになっていた主人公。
何も覚えてないし、これから何をするかも分からない。取り合えずと、本能に任せて目の前に落ちていた骨を食べたことから、共食いの人生、というより骨生が始まっていく。
一方、世界では
、ダンジョンから産出される魔鉱の応用技術が次々と発明され、文明の進歩が目覚ましかった。だが、急激な発展に伴い、世界のあちこちで軋みが生じ始め、混沌が溢れ出そうとしていた。
魔物に宗教、銃に戦車に、夢を見たけりゃ酒に頼るしかないようなファンタジーの世界で、たった一体の骨の冒険が始まろうとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-07 21:35:12
19879文字
会話率:38%
大きなお屋敷で働く使用人の少女ミクリは、廊下のお掃除係。
しかしいつも調子に乗っては失敗ばかり……。
上司を怒らせ、周囲を巻き込むトラブルメーカー。
そんな彼女の唯一の取柄……そう、ずば抜けた魔法の才能こそが彼女の代名詞なのです。
ある日、ミクリはお屋敷のご令嬢から専属のお世話係に指名されるのでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-07 05:00:00
393063文字
会話率:34%
ふと朝の廊下で感じた小さな違和感。
最終更新:2025-05-06 12:14:26
356文字
会話率:0%
それは、定期テストの真っ最中のことだった。
一人の女生徒が、全校舎から見渡せる位置にある渡り廊下の屋上に、突然立ったのである。
異変に気づいた全生徒、全教師が見守る中、彼女は突然、スカートのホックを外し、そして……。
彼女になにがあったのか
。
そして、なにが彼女をそうまで駆り立てたのか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 08:16:42
10527文字
会話率:15%
祝書籍化! 3月24日に一巻発売!
人は10歳でギフトという不思議な力を賜る世界。
ある日、ジルベール・ムノーは滑る廊下で遊んでいたら、すっ転んで前世の記憶を思い出した。それによると、このままでは自分は勇者に必殺技を教えるチュートリ
アルで殺されてしまうらしい。しかも、今までのバカが祟って家族や使用人たちには嫌われていた。
どうやら【収納】というギフトを賜ったのがすべての原因らしいが……。
この【収納】。めちゃくちゃ強くね?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-03 19:04:21
185930文字
会話率:45%
高校に入学して早々、校舎の廊下で出会ったのは、身長が2メートル以上の女の子。
「どんどん肉を食べなさい。そうすれば背が高くなるわ」と告げる彼女は、肉屋の一人娘で、しかも……。
(「カクヨム」でも掲載しています。「身長」「廊下」「肉」とい
うお題の三題噺で書いた短編です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-03 17:50:00
1761文字
会話率:17%
彼女は長い棒を手にしていた。
(「カクヨム」でも掲載しています。「島」「薙刀」「廊下」というお題の三題噺で書いた短編です)
最終更新:2022-12-29 16:30:01
2834文字
会話率:34%
マンション五階の共用廊下で、一人の若い主婦が、隣に住む女子大生と話をしながらエレベーターを待っていた。
一階から上がってきたエレベーターに乗っていたのは、高校生とOLの姉妹。同じ階の住人なので、それぞれ普通に挨拶したのだが……。
(「
カクヨム」「エブリスタ」「Prologue」でも掲載しています)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-17 11:10:11
1576文字
会話率:47%