美唯菜(みいな)は小学校四年生、新菜(にいな)は小学校三年生。二人は家がお隣同士の従姉妹です。きらきらしたものが大好きなにいなは、ある日カラスに大切にしていたきらきら石を奪われてしまいます。きらきら石を取り戻すため、にいなは夜に罠を仕掛けま
すが、逃げられてしまいます。カラスを追いかけて、二人は夜に家を飛び出しました。親切なフクロウの背中に乗ってカラスの巣に追いつくと、そこにいたのは体中にきらきらしたものを身につけたカラスの女王でした。女王は言います。「この下の遺跡にあるきらきらしたものを取ってきたら、きらきら石は返してやってもいいよ」
にいなとみいなは、地下の遺跡に入っていきます。さあ、冒険の始まりです!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-01 20:30:00
154468文字
会話率:32%
冬の夜明け前、稽古場に響く三味線の音。十四歳の蘭子は、祖母の厳しい声と撥の響きに導かれながら、まだ見ぬ舞踊家としての未来を夢見ていた。昭和の終わり、日本舞踊桐山流の家元の孫として生まれた蘭子は、誰よりも早く起き、誰よりも冷たい稽古場の畳を踏
む日々を生きる。それは血筋を守るためでも、家元の名を繋ぐためでもない。ただ、祖母の舞のように、美しい鷺のように在りたいと願うからだった。
しかし、平成へと移り変わる時代の中で、蘭子は“血筋の終わり”を知ることになる。父の死、そして祖母の死。家元の名と共に失われた守り。舞踊界から放たれた蘭子は、着物一枚を抱きしめるようにして東京へ向かった。和装店のモデル、着付け師、深夜の稽古場。誰にも必要とされない孤独の中で、それでも舞を捨てられなかった。誰かに評価されなくても、血筋も名取もなくても、舞うときだけは自分が“ここに在る”と感じられたから。
やがて、和室二畳の小さな教室。初めての生徒。少女に扇の開き方を教える手は震えていた。けれどその日、舞は再び蘭子の胸の奥で芽吹き始める。
——舞踊とは、誰かに与えられるものではない。
——舞わぬ花は散らない。
それは、舞台の上でこそ咲く“孤高の花”。
数年後、大舞台の照明を浴びる蘭子は、観客のざわめきが消えた静寂の中で祖母の舞を思い出す。あの日の稽古場、撥の音、冬の冷気。今、扇を返すこの瞬間、蘭子は確かに祖母と同じ景色を見ている。
そして舞い終わり、舞台に降りる静寂を背に、盛大な拍手が響き渡る。
舞わぬ花は、決して枯れない。
それはただ、美しいままに咲き続ける。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-01 10:06:38
19164文字
会話率:32%
「僕はいつか、世界一の技師になってみせる」
そう宣言したのは幾年も前のこと。
その姿は今では見る影もなく、デルタ・グリステアは衣食住を共にしていた冒険者パーティから追い出されてしまう。
その冬の夜、路地裏で毛布に包まって自身の境遇を嘆いて
いると、彼に一人の少女が手を差し伸べた。
「私も似たようなものですから」
リナと名乗る不思議な少女。自称魔物学者の彼女は行くあてのないデルタに助手として自分と生活することを提案する。
暫し考え込んだ末、デルタはリナの手を取り、立ち上がった。それが二人の、まだ見ぬ者の、果ては世界の運命を変えかねない事態へと展開していくとは考えもしなかった――
発明家に似た職業である技師が、同じく『一味違う』職業の者と活躍する物語が、幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 19:12:31
347138文字
会話率:57%
スープ専門店の店長ノエルは、天真爛漫な笑顔の裏に、恋への臆病さを隠す23歳。ある日、面接に現れた音大生リアン、K-POPアイドルのような美貌と凍てつく湖のような瞳を持つ「氷の王子」に心を奪われる。ミステリアスな彼に、ノエルは2年前にブックカ
フェで聴いた忘れられないピアノの旋律を重ねる。あのピアニストはリアンなのか? 確かめるように惹かれていく。街に囁かれる噂が頭をよぎる。
「黒い森の魔女のスープを飲ませれば、恋が叶う。ただし代償がある…」
ノエルはリアンを黒い森へ誘い、スープを飲ませるが、それは単なる恋の魔法ではなく、二人の心の奥に眠る“本当の願い”を暴き出すものだった。リアンの秘めた孤独と音楽への葛藤、ノエルの現実と夢の狭間の迷い。スープが映す真実が、二人の運命を絡ませていく…。幻想と現実が交錯する冬の夜、恋と音楽が奏でる切ない旋律が響き始める。
リアン(攻め)年齢:21歳(音楽大学ピアノ専攻)身長180㎝
外見:K-POPアイドルのような整った顔立ち。澄んだ瞳は凍てつく湖のような静寂。周囲から「氷の王子」と呼ばれる。
性格:寡黙でミステリアス。完璧な姿を保とうとするが、その奥には孤独と葛藤を抱え暗闇を彷徨う。
(氷の王子、孤独、完璧主義、音楽への葛藤)
✖
ノエル(受け)年齢:23歳(スウェーデン料理店のスープ専門店『FIKA』店長)身長173㎝
外見:くるんとした柔らかな茶髪に、ビー玉のようなキラキラしたアンバーの瞳。無邪気でどこか子供っぽい仕草が可愛らしい。店の常連客からも「マスコットみたい」と可愛がられている。
性格:天真爛漫で、くるくると表情が変わる。恋には臆病でなかなか踏み出せない。
夢の秘密:時々、夢の中で異世界に迷い込む不思議な体質。現実と幻想の狭間で揺れている。
(可愛げ、無邪気、恋に臆病、幻想と現実、夢見る心)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-29 19:00:00
2627文字
会話率:35%
冬の夜。
風の強い河川敷に向けてベランダからマッチを投げる。何度投げると火がついて徐々に広がっていく炎をぼんやり眺める。
それが楽しみだった。
火に取り憑かれた男の生涯。
※この作品は同名で「カクヨム」にも投稿しております。
最終更新:2025-06-28 00:20:00
6255文字
会話率:18%
ひとりは演じることに慣れすぎて、
もうひとりは見られることに疲れすぎていた。
交差したのは冬の夜。
言葉の裏に潜む静かな熱、沈黙に染みるまなざし。
それは「恋」と言い切るには繊細すぎて、
「友情」と呼ぶには深すぎた。
この物語は、語られ
ない感情のかたちを、
夜ごと少しずつ編んでいくふたりの記録。
そして続編では、
編み上げたその夜を、光のもとへ差し出す決断が待っている——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-10 00:09:47
770文字
会話率:20%
失ったはずのぬくもりが、音と記憶を越えて、今もなお胸に響いている――
冬の夜、ストリートピアノの音に導かれて出会った看護師・春菜と、かつて夢を諦めた青年・雪斗。
痛みと過去を抱えながらも、二人は静かに寄り添い、愛を紡いでいく。
しかし運
命は、残酷な別れを告げた。
残された春菜と娘・雪花が歩む道に、白い祈りと淡い希望が芽吹いていく。
たとえ“最後の歌”になっても、その愛は、消えない。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-28 00:00:00
23735文字
会話率:18%
奪われた体を取り戻せ。あの夜の続きを生きるために――
ファッション好きな19歳のアパレル店員、夜見環《よみ・めぐる》。
ある冬の夜、橋の下で目を覚ます。
橋から飛び降りたようだったが、その記憶がない。
意識が遠ざかる中、自分の体が勝手に動
き出す。
なんと、月の魔物に体を奪われてしまったのだ!
死んでもいないのに、魂としてあの世へ飛ばされた環。
体を取り戻すためには、あの世の神々から武器を借りなければならない。
神々は曲者揃いで、武器を借りるだけでも大変な苦労だという。
環には愛する恋人がいた。
彼と離れ離れになるなんて嫌だ。
困難が待つと知りながら、環は武器集めの旅に出る。
あの世に集う死者の協力を得ながら、なんとか武器を集めていくが……。
気がついていたら橋の下に倒れていた環は、どうして飛び降りてしまったのかを忘れていた。
やがて環は、その理由を思い出す。
彼女にとって、残酷な真実を――。
苦難を超えてまで、自分の体に戻りたいか。
環の戦いは、武器集めから己との闘いへと変貌していく。
さらに魔物と環の因縁が明らかになり、環は自分の人生に立ち向かうための決心を迫られる。
あの世を駆けめぐる環は、無事武器を集め、体を取り戻すことができるのか!?
現代日本とあの世が交錯する、現代ファンタジー。
※カクヨムにて完結している作品です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-25 18:36:20
114638文字
会話率:54%
あらすじ
この街のはずれには、小さな墓がふたつ――寄り添うようにして存在している。ひとつには、かつて戦場を駆けたこの国の英雄の名が。もうひとつには、彼を支え続けた女性の名が刻まれている。
雪が降りしきる中でも、この墓地だけは、どこか穏
やかだった。辺りを白く包む雪は、彼らが歩んだ罪も痛みも、静かに覆い隠してくれているようだった。
短い春の訪れと共に、墓前には花が手向けられる。――どれも野に咲くような、素朴な白い花。
ここに眠る人間の本当の名を知る者はもう、居ない。
けれどこの街では、ある小さな噂が語り継がれている。
――冬の夜、薪が爆ぜる音とともに、英雄とその愛しい人の囁きが、暖炉の火に溶けて聞こえてくることがある、と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 19:00:00
5567文字
会話率:36%
・詩人会議2025年4月号に掲載された作品です。
※2024年12月の作品です。
読んでいただけると幸いです。
いいね、スキ、フォロー、シェア、コメント、サポート、支援などしていただけるととても嬉しいです。
これからも応援よろしくお
願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 16:54:05
305文字
会話率:0%
とある冬の夜、トラウマを抱えた青年が「オッサン」に出会い救われる話
以前ある賞に出した作品です。再掲載
最終更新:2025-04-20 08:49:40
7781文字
会話率:21%
就職活動に奔走する大学生・橘祐一は、ある冬の夜、都内のバー「スペクター」に迷い込む。そこで出会ったのは、寡黙で冷たい眼差しを持つ女店主・イリーナ。無愛想な彼女は、祐一を追い返そうとするが、成り行きで彼に一杯のカクテルを出す。
やがて現れた謎
の男・ボリス。ロシア語で交わされる二人の会話、張り詰めた空気——それは単なる酒場のひとときではなかった。
バーに入ったことを契機に,祐一は自らの運命を大きく揺るがす闇に足を踏み入れていた。
"黄昏に駆ける"者たちの行き着く先は——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-21 18:27:17
55008文字
会話率:43%
真冬の夜、雪がしんしんと降る雀荘に集まった四人の女性。
「脱衣麻雀の逆をやったら面白そう」という一言をきっかけに、振り込んだり、ツモ上がりされたりするたびに服を増やす“着衣麻雀”がはじまる。
最初は軽いノリで始めた遊びだったが、勝ち続ける者
は薄着のまま、負け続ける者はどんどんかさばっていくという地獄のような状況に。
寒いはずの真冬なのに、いつしか汗だくになり、牌すらつかみにくいほど着ぶくれていく。
そんな悪戦苦闘の末に生まれた友情と、前代未聞の寒さと暑さが同居する夜の顛末は……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-08 23:37:53
4153文字
会話率:20%
冬の夜、窓の外にいたものは……。
最終更新:2025-02-24 16:04:18
4526文字
会話率:30%
寒い冬の夜空と少年の話
キーワード:
最終更新:2025-02-02 23:43:24
661文字
会話率:48%
冬の夜には子どもだっていろいろ考える。
キーワード:
最終更新:2025-01-29 19:34:25
1128文字
会話率:0%
冬の夜、歩いていると
キーワード:
最終更新:2025-01-25 19:27:08
898文字
会話率:0%
週末の夜に近所のカフェで ひとりでうだうだしていると
時々きみがひとりで しかめっ面してパソコンを睨んでる
最終更新:2025-01-19 21:35:07
2162文字
会話率:0%
詩乃(しの)と颯真(そうま)は、冬の夜空を見に行こうと、見るのに最適な丘を訪ねて、そこで愛を誓う甘いお話です。
仲良しカップルシリーズの1作になります。
武 頼庵(藤谷 K介)様が主催されている「冬の星座(と)の物語企画」の参加作品です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-17 07:00:00
2808文字
会話率:64%
ギリシャ神話に登場する優れた狩人オリオン。
彼の死を嘆く女神アルテミスの懇願により彼は星座となって冬の夜空に輝くこととなった。
しかし何故か彼の猟犬2匹も星座に列せられることに。
これは彼等2匹が星座になった日のエピソード。
「ん
あ?うおっ!?俺達星座になってる!?」
武 頼庵様主催24冬企画『冬の星座(と)の物語』参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-12 11:03:25
3016文字
会話率:72%
榊原修一は、平凡なサラリーマンとして日々を送っていた。仕事に追われ、特に変わり映えのない毎日が続いていたが、ふとした瞬間に「このままでいいのか?」という思いが湧き上がる。そんなある冬の夜、帰宅途中に暴走トラックに遭遇。高校生たちがその
危険に気づかないまま歩いているのを見つけた修一は、躊躇なく彼らを助けようとするが、次の瞬間、突如として辺りが閃光に包まれる。
その後、物語は東京都郊外の高校に移る。授業中、突然教室の床に魔法陣のような奇妙な模様が現れ、光を放ち始める。生徒たちはその異常に気づき、次々とその光に吸い込まれていく。修一と高校生たちの運命が交錯し、異世界への扉が開かれる瞬間が迫る。彼らは新たな世界で、予測不可能な冒険に巻き込まれていくのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-08 00:00:00
6408文字
会話率:4%