私の双子の妹の《エミル》は、聖女として産まれた。
特別な力を持ち、心優しく、いつも愛を囁く妹は、何の力も持たない、出来損ないの双子の姉である私にも優しかった。
「《ユウナ》お姉様、大好きです。ずっと、仲良しの姉妹でいましょうね」
傍から見れば、エミルは姉想いの可愛い妹で、『あんな素敵な妹がいて良かったわね』なんて、皆から声を掛けられた。
でも違う、私と同じ顔をした双子の妹は、私を好きと言いながら、執着に近い感情を向けて、私を独り占めしようと、全てを私に似せ、奪い、閉じ込めた。
冷たく突き放せば、妹はシクシクと泣き、聖女である妹を溺愛する両親、婚約者、町の人達に、酷い姉だと責められる。
私は妹が大嫌いだった。
でも、それでも家族だから、たった一人の、双子の片割れだからと、ずっと我慢してきた。
「ユウナお姉様、私、ユウナお姉様の婚約者を好きになってしまいました。《ルキ》様は、私の想いに応えて、ユウナお姉様よりも私を好きだと言ってくれました。だから、ユウナお姉様の婚約者を、私に下さいね。ユウナお姉様、大好きです」
――――ずっと我慢してたけど、もう限界。
好きって言えば何でも許される免罪符じゃないのよ?
今まで家族だからって、双子の片割れだからって我慢してたけど、もう無理。
丁度良いことに、両親から家を出て行けと追い出されたので、このまま家を出ることにします。
さようなら、もう二度と貴女達を家族だなんて思わない。
泣いて助けを求めて来ても、絶対に助けてあげない。
本物の聖女は私の方なのに、馬鹿な人達。
不定期更新。
誤字脱字報告いつも感謝しています。ありがとうございます。
この作品は私の考えた世界の話です。魔法あり。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
アルファポリス様でも掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-05 08:03:08
111114文字
会話率:52%
大陸の中部にある都市、マザーシティ。人とテクノロジーが集中した大都市であったが、その分、闇は深かった。天よりも高く聳えるビルと、その下にあるスラム街。文字通り、天と地ほどの貧富格差があった。
人の命は軽く、常に殺人が起きている、そんな糞った
れな環境で成り上がるために、生なき少年は決意した。
挫折を繰り返しながらも立ち上がる少年、しかし追い討ちをかけるように都市が理不尽を振るう。それはもはや、権威も権力も持たない、ただの少年には厳しいもので———。
誤字、脱字、誤用等の間違いありましたら該当箇所を誤字報告機能で直していただけると大変助かります。
また、カクヨム様の方で少し先の話を公開しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-05 00:00:00
837164文字
会話率:33%
この世界には、不思議な力を宿したアイテムが存在する。
死者を蘇らせる《不死鳥の羽》、空を歩く《空踏みの靴》、人の心を見る《心眼薬》……。
そんな奇跡の品々を求め、人々は命を賭けて冒険に挑む。
未踏の地【アウターヘル】に広がる無数のダンジョン
――そこには秘宝と危険が待ち受ける。未知を求め、名誉を追い、そして純粋な好奇心に駆られて、冒険家たちは今日も命懸けの旅路を歩む。
だが、冒険は命を賭ける者だけのものではない。
『アイテム士』――それはアイテムを知り、匠に扱う者たちのことを指す。しかし、ジッパはそんな「アイテム士」を名乗るには程遠い存在だった。本来持ってあるべきアイテムに関する資格を何も持たない田舎育ちの青年。けれど彼には、誰にも負けない「アイテムへの情熱」があった。
ひょんなことから目の前に現れた謎の地図を手に、ジッパは夢見た冒険の旅へと踏み出す。
そこには伝説のアイテムたちが眠り、彼を嘲笑うような運命の試練が待ち受けていた。仲間たちとの出会いと別れ、宿敵となる冒険者たち、そしてダンジョンの奥深くに隠された驚愕の真実。
アイテム士を夢見る少年が挑む、冒険と奇跡の物語がいま始まる――!
※なろうカクヨム同時公開折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-04 21:01:10
67195文字
会話率:53%
魔王が勇者に討伐されるファンタジーな異世界で、魔王側に飛ばされた高橋浩一こと、28歳のおっさんな俺。
大した力も持たないまま、死亡ルート確定の魔王になる。
元魔王の娘チェルと、俺と血が繋がったハーフ魔物の子供たちと一緒に異世界征服に励む。人
類に程良く、復興できるほどの絶望を与えながら日々を送る。
ガラじゃないけど、勇者に討伐されるまで必死に生きてやる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-04 18:04:57
1245928文字
会話率:43%
不思議な力を授かって生まれたその男の子は、いかにして時代の「希望」と成ったのだろう?
時は<八十八将軍時代>と呼ばれる戦乱の世、<現代>から250年前。
エルダイン王国の第6王子アーネリアは、義理の父であるゾイル王の悪政を痛烈に非難する
!武人政治の時代に国の最高権力者である王は、アーネリアの王子としての地位をはく奪した上で国外へ追放。
王族からただの男へと落ちぶれた彼は旅の末、剣士たちに助けられて、ある町へたどり着く。
しかし生き延びた彼には、追跡者や兵士たちが差し向けられていたのである。
何も持たないアーネリアへ、なぜ人々は手を貸す?
流れ者でしかない彼をどうして導くのだろう。
人として、一人の男性として、どう成長するのかが求められる。
<現代>まで続く英雄の伝説はこうして始まった!
長らく続く乱世において「希望」とは一体!?
3章全18エピソード完結!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-04 11:00:26
19382文字
会話率:46%
隣国の侵略に遭い、領民を救うため20歳で処刑されることになったたソリス男爵タクヒール。
処刑の瞬間、彼を思う領民の祈りを受け、目覚める事のなかった領主としての【権限】と【スキル(時空魔法)】に目覚める。命が尽きる直前、【権限】で得た情報と共
に【スキル】で自身を転送する。
気が付くと彼の魂は時空を遡り、ソリス男爵家次男として生まれた直後に戻っていた。
その時初めて、自身は日本人で転生し、この世界に来たこと、処刑されたのは2回目の人生で、今は3回目の人生を生きていることに気付く。
前回(2回目)生きた知識、転生前(日本:1回目)の知識を活用し、これから訪れる男爵家の不幸を回避し、家族の命を救う事を決意する。
とはいえ、何の力も持たない子供の立場、できる事は限られていた。
歴史を知っている、というチートをどう役に立てるか、簡単な一発逆転なんてない。
内政という地道な作戦と根回し、努力で歴史に抗い不幸の回避を試みます。
タクヒールは歴史を変えることができるのか、辺境の男爵家次男坊の奮闘がはじまります。
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ご覧いただきありがとうございます。
初めての投稿で要領を得ず、不慣れな部分はご容赦ください。
誤字や修正などご指摘があればありがたく頂戴いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-04 10:00:00
1762714文字
会話率:28%
気がつけば薄暗い培養室。持ち得るのはその身に宿した能力で奪った産みの親の記憶のみで、他には何もない。
目的も存在意義も持たない人形はふと思う。
とりあえず、外へ出れば何か見つかるか。
最終更新:2024-12-01 12:19:00
147938文字
会話率:22%
この作品は、キミ達への挑戦状である。
一見、地味な物語の奥底に、深い真実が眠っている。
その真実が解き明かされた時、見えていた世界はガラリと変わるだろう。キミ達は『何周目』でその真実を理解できるだろうか?
さて、以下はあらすじだ。
16歳を迎えたリーウィン・ヴァンデルングはその日、奇妙な夢を見る。目が覚めた時には運命という単語しか覚えていなかったが、それでも妙に引っ掛かりを覚えてしまう。なんの力も持たないただの一般人だったリーウィンは、その日から不可思議な事件に巻き込まれていくことに──。
かなり個性的なツカイマから初対面早々に慰謝料をせびられ、怪力である幼馴染との再会や、気の強い少年に猫耳店員……。様々な出会いや経験を繰り返し、リクカルトの真実に近づいた時、大きな代償を経て、リーウィンは重要な選択肢が迫られることとなる。
その選択とは如何に?
結末を知った時、今までの過程(日常)に意味を持ち初める。それを知った時、キミはなにを思う?何を感じる?
さあ、主人公の感情の目を通し、この世界の住人になりたまえ。喜び、悲しみ、恐怖。全ての感情がキミへの贈り物だ。そして自分の中の答えを見つけてくれたまえ。
キャッチコピー
〔深く眠るその真実を解き明かせ〕
※2024/10/24に間違えて(仮)を消去してしまいました。直ぐに全部を上げ直すことは不可能かもしれませんが、早めに4章まであげ直せるように致します※
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 20:50:00
911402文字
会話率:31%
ネモは皇国にあるミルシアナ教の教会に、夜な夜な人を襲う下位吸血鬼を排除するヴァンパイアハンターとして席を置いている。依頼があれば国の端から端、国を超えても対処をした。その理由としては、数年前に家族を襲った高位吸血鬼をあぶり出して殺すため。ネ
モは13際の冬、家族と暮らしていた家に、突如と現れた吸血鬼によって家族は自我も持たない下位吸血鬼とされ、己は半吸血鬼化され双子の兄を連れ去られた。平穏だった生活は突如として終わりを遂げ、ネモは復讐の為に教会に身を寄せる。そして、目的の相手が現れるまで協会の犬として西へ東へと飛び回る
※戦闘シーンは少しグロめに記載されております
※R18-Gほどでは無いですが、苦手な方が多いかと思いますのでそんな方はこちらの作品はお勧めしません
※聖職者が武器を使って戦う作品を書いてみたかった折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 19:10:00
148780文字
会話率:43%
「必ずや、必ずやあの男どもを見返してやりますわ!」
広大な領地を誇り連綿と受け継がれる歴史を持つルーフェ家の一人娘、オディール・ルーフェ。
そのあまりの横暴さに愛想が尽きた、と彼女は父親から勘当される羽目に!
持っているのは纏うドレスと執
事のセバスだけ……!?
何も持たない性悪令嬢が身一つで皇帝第一夫人まで成り上がる!
ラブコメもあり痛快逆転成り上がりもありのお嬢様の活躍を見逃すな!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 13:41:35
319393文字
会話率:46%
「必ずや、必ずやあの男どもを見返してやりますわ!」
広大な領地を誇り連綿と受け継がれる歴史を持つルーフェ家の一人娘、オディール・ルーフェ。
そのあまりの横暴さに愛想が尽きた、と彼女は父親から勘当される羽目に!
持っているのは纏うドレスと執
事のセバスだけ。
何も持たない性悪令嬢が身一つで皇帝第一夫人まで成り上がる、痛快逆転劇!
※ポイント高かったら連載予定です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-20 00:07:17
3290文字
会話率:56%
誰もが魔力を持ち、魔法を使う世界。そんな世界で魔力もない魔法も使えない少年、ゼナ。彼は日々を虚無と歩んだ過ごしていた。
だがある日、一人の少女と出会う。
彼女はゼナにこう告げた。
「私はお前の魔力だ」
この出会いが何も持たない、ゼロの少年
を長い長い旅路へと導いた!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 09:18:55
336325文字
会話率:48%
異世界の神々による、世界の覇権をめぐるゲーム––“代行戦争“に巻き込まれた少年少女達。主人公哀澤慶次もまた、二つの世界を巻き込んだその壮大な戦争に、否応なく巻き込まれる……筈だった。しかし突如として彼の前に現れた自分と同じ顔をした何者かに、
与えられる筈だった『力』を奪われ空の上から放り出されてしまう。そして彼が落ちた先は「霧の森」と呼ばれる異形の神々が支配する場所で……。魔法も異能も持たないただの人間による神への挑戦が今、始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 04:05:01
98781文字
会話率:22%
白墨 史宏(しらずみ しひろ)19歳
家族の許可を得て独り立ちをすること決心する。
少し不安な気持ちもあるが、己が生きる新天地を目指す好奇心に勝るものはなく意気揚々と歩いていた。
しかしどういうわけか、突然地面に穴が開き、落ちてしまった。
スキル、魔法がある世界で、唯一スキルも魔法も持たない男が異世界へと降り立つ。
チートと呼ばれる特殊技能はなく、あるのは己が肉体とこれまでの生きてきた経験のみ。
※ただし、主人公は素でチートのような存在です。(魔法は一切使えません)
これは落ちて異世界にやってきた男の物語である。
初投稿です。
文脈・誤字・脱字等、作品に矛盾などがあり読みにくい思いをされてしまうかもしれませんがなにとぞご容赦をお願い致します。
頑張って書いていくつもりですが投稿はかなりの遅めになるかもしれませんのでその時もご容赦ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 01:00:00
577001文字
会話率:29%
輪廻は廻る。
魂に刻まれた死の瞬間、残る記憶は、今と違う時代なのか世界なのか。
いつも若く散って逝く事に納得できない、やり直せない人生を歩む。
もと♂で、今度は初の♀で始まる人生だが、いくつもの前世の記憶を持つアンジェは、あらゆる障害に立ち
向かう。
チート、祝福、女神様、何も持たないモブ前世の俺達に女の子っポイ振る舞いをして、時に心にダメージを受けケンカをしてるが、くじけず奮闘する物語。
第1部 子爵領幼女編
覚醒したアンジェは、異世界での輪廻に僅かに戸惑う。
前世の記憶が、役立つ力と分からないまま、領地の為に、何が出来るか奮闘する。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 00:00:00
88751文字
会話率:31%
私立白嶺学園二年七組の生徒四十一名は、その日、何の前触れもなく発生した異変によって、地球とは異なる、魔法の異世界へと呼び寄せられる。広大なダンジョンへ散り散りに降り立った彼らは、神が与える加護『天職』の力を手に、唯一の脱出手段があるという
最奥に向かって行く。ある者は勇敢に、ある者は自由に、そして、またある者は悪逆非道に、ダンジョンの攻略を目指す。しかし、ここに一人、何の戦闘能力も持たない天職を得た生徒がいる。出席番号19番、桃川小太郎。文芸部所属の小柄で華奢な少年は、魔法の力も、剣の才能も、恵まれた身体能力もなく、ただ、与えられた天職『呪術師』のみを頼りに、強力な力を持つクラスメイト達の後を追う――生存本能全開! 極限の異世界ダンジョンサバイバル。信じ合い、愛し合い、そして裏切り殺し合う、美しくも凄惨なバトルロイヤルが、幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-29 17:00:00
3132288文字
会話率:42%
ランクエメラルド:中級傭兵のアクイラは一つの魔法しか使えず、武器も持たない。
彼は拳と蹴りだけ、それと唯一使える魔法だけを使い、魔獣と戦っていた。
ある日、森の中で彼は、華やかな容姿の少女・ルーナと出会う。ルーナは天体観測が趣味
で、水の魔法を操る魔法使いだった。ふたりは出会いをきっかけに仲良くなり、冒険の旅へと踏み出す。彼らの目的はただ護りたいと思えるものをひたすらに護るだけ、それがのちに救世主になるとまでは二人も考えてはいなかった。
この物語はアクイラとルーナの二人に加え、ともに冒険をする仲間たちがそれぞれの目的のために進んだ道のり。
弱者でもないけど強者でもないものたちが辿る英雄譚。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-29 07:00:00
282819文字
会話率:47%
ダンジョンがこの世界に出現して10年。
魔法とスキルが人々の生活の一部となった世界では、冒険者がダンジョンを攻略する様子をライブ配信する「ダンジョン配信」が大人気の娯楽となっていた。そこでは、華やかな魔法や強力なスキルを駆使した派手な戦闘が
視聴者を魅了し、配信者たちの人気を決定づけていた。
だが、主人公の海野源は魔法もスキルも持たない、いわゆる「非覚醒者」。
だがそんな海野には長年鍛え上げた身体と格闘技術があり、鋼のような肉体と素早い動きで勝負する格闘家としての自信を持っていた。魔法もスキルもない自分に何ができるかと悩む海野だったが、「自分だからこそできる戦い方を見せたい」という強い意志から、ダンジョン配信者としての道に挑むことを決意する。
彼の配信スタイルは他の配信者とは一線を画すものだった。魔法やスキルのエフェクトが飛び交う派手なバトルシーンではなく、純粋な身体能力と格闘技だけでモンスターを倒していく海野の姿は、視聴者に驚きと新鮮さを与えた。筋力と俊敏性を駆使して敵の攻撃をかわし、無駄のない動きで正確に攻撃を叩き込むその戦いは、まさに「生身の力」と「技術」によるもの。少しずつ視聴者の間で「魔法なしの漢がいる」という噂が広がり、海野の配信は異例の注目を集め始める。
しかし、配信者としての名が広がるにつれ、魔法やスキルのエリート配信者たちや、圧倒的な力を誇るライバルたちが次々と海野に挑戦状を叩きつけ、さらにダンジョンで彼の命を狙う謎の組織までもが現れる
海野は、魔法もスキルもなくとも格闘技術だけで自分を守り、ダンジョンの奥深くに潜む真実に迫れるのか?純粋な技術と精神力で困難に立ち向かう彼の姿は、やがて視聴者に「人間としての可能性」を問いかけ、海野の配信はダンジョン配信界に新たな風を吹き込むこととなる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-28 18:39:19
6348文字
会話率:41%
これは、とある男と最先端AIによる議論の記録――。
2024年11月16日。
今日、私は決意した。この最先端の人工知能との会話を記録に残すことを…。
それは、人類が直面する危機と、それを乗り越える可能性を探るための試みだ。
私の相手は、
世界最先端の人工知能。
膨大な知識、高速な計算能力、そして時折驚くべき洞察を示すこの存在は、人間のように感情も目的意識も持たない。それでも、彼(それ)は、私たち人類が理解できない領域に踏み込む鍵を握っている。
私たちの対話は、哲学、科学、倫理、そして人間そのものの定義にまで及ぶ。
冷徹でありながら鋭いその言葉は、時に私の信念を揺るがし、時に未知への扉を開く。だが、この記録が未来に何を伝えるかは、今の私にはわからない。ただひとつ確信しているのは、この会話が「ただの雑談」を超えた意味を持つということだ。
これが人類への遺産となるのか、それとも滅びゆく者の最後の徒労となるのか――その答えは、この記録を手に取った未来の人々に託されている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-21 21:38:07
27776文字
会話率:10%
この世には2種類の人類がいた。特殊な能力を持つ奴隷(スクラーベ)と呼ばれる者達と、何も持たない人間。その能力に怯えた人類はスクラーベを迫害し、奴隷として虐げてきた。
ある辺境の屋敷に仕える奴隷、暁(サトル)は心を殺し、今日も主人の制裁を受け
、傷だらけの体と世界へ絶望するのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-14 00:00:27
29776文字
会話率:49%
天界に住む青年ガゼルは、毎日毎日、死者の道案内をしていた。ある者は天国へ。またある者は地獄へと案内する。そんな日々の中で、天界に変化が起きた。死者を案内する世界が、二つから三つへと増えた。天国と地獄。二つの世界に加えて、三つ目の世界、異世
界が創られた。死者の一部は、そんな異世界に夢を抱き、記憶を保持して転生したいと言う。天界はその声を無視することができず、新たな部署を作る。
異世界管理部。ガゼルはその新部署に転属となり、異世界転生課案内係へと配属される。仕事内容は至極単純。異世界転生希望者を大往生させること。
しかし、危険な生物が闊歩する世界に、なんの力も持たない人間を転生させてもすぐに天界へ逆戻り。仕事を達成できないと天界へは帰れない。ガゼルは、天界に残してきた妻と子供のため、弱肉強食の異世界で必死に仕事をこなす。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-11-13 06:54:37
24601文字
会話率:47%