2030年代、日本は経済崩壊と社会の分断でカオスのど真ん中。街は廃墟、企業はバタバタ倒れ、人々は未来を見失い「もうダメだ」と立ち尽くしていた。だが、そんな中で妙に楽しそうに生きる連中がいた。
引きこもりながら30ヶ国語を操る女、過去を完全
に忘れる男、違法な衛星操作で天気を変えるエンジニア、億万長者なのにボロボロの服を直し続ける哲学者、ジャンク品で無駄に壮大な発明を繰り返す男——彼らは社会の「裂け目」に住み、普通の人間が見えない景色を見ていた。
「混沌を受け入れろ」「過去なんて忘れちまえ」「とりあえず動け」「金なんてただの記号だ」「失敗?それ、燃やして次の燃料にしろ!」
崩壊の時代、止まるか、踊るか? 颯真は奇妙な言葉を胸に、裂け目の向こうへと踏み出す。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-02-05 20:05:14
6726文字
会話率:19%
ラヴィレンス高等学園の奨学生メグミは、生活費と将来のために、イジメられながらも学園へ通っていた。
そんなある日、なぜか学園一の美少女であるサーシャ・バークレーが彼をかばい、イジメの主犯格である皇太子の怒りを買ってしまう。
皇太子が彼女を
攻撃し、もうダメだと思ったとき……教室全体がまばゆい光に包まれ……気がつくとクラスメイト共々、ダンジョンマスターである魔王に転生していた。
ダンジョンポイントの初期値が、転生前の貯金額と連動していたせいで、最初のうちこそ苦労するメグミだが、地道に力を蓄え成り上がっていく。
負ければ殺される魔王として生き、サーシャ嬢と関わる中で、メグミの価値観にも少しずつ変化があらわれ……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-04 23:58:15
1353101文字
会話率:28%
勇者クレスは魔王を倒して英雄となった。
しかし、世界が平和になっても彼の仕事は増える一方だった。
「もうダメだ。俺は何もしない人になりたい」
過酷な労働環境に限界を感じたクレスは、何もかも捨てて旅に出る決意を固めた。
聖獣クロを連れて、
気ままなぶらり旅だ。
そして、北の果てののどかな村にたどり着いた。
誰も勇者を知らないこの地でクレスのセカンドライフが幕を開ける。
素性を隠すクレスだったが、彼の力はあまりにもケタ違いで……。
正体を隠したまま、彼は無事スローライフを謳歌できるのか!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-29 08:14:26
99095文字
会話率:37%
「ちょっと斉藤さん、いい加減名波くんと別れてよ!」
「はぁ? アンタらバカなの?」
昼休み、購買に向かう途中の廊下でいきなり拉致された挙句、なにアンタら全員で同じコスプレでもしてんの? みたいな巻き毛茶髪ギャルメイクな女子集団に囲まれ
た咲は、不機嫌さを隠そうともせずに言った。
もうダメだ。アウトだ。おしまいだ。
購買では今頃、飢えた学生たちがたかりにたかって、咲が買う予定だった火曜日限定販売のクロワッサンサンドは、買い尽くされてしまっただろう。
このために今日はお弁当も少なめにして、四時間目のチャイムの最初の音とともに教室を飛び出したのに。ていうかこのヒトら、咲を待ち伏せするために、わざわざ授業サボったんだろうか。
「……つーか、誰も通らないし」
低く小さく呟いて、舌打ちをする。
一番人気のない特別棟の廊下。今の時間生徒たちがやってくることは稀だろう。
小柄で可愛らしい女の子がおっかない女子六人に囲まれているという、なんとも助けがいのあるシチュエーションなのに。
「バカってなによ!」
「ちょっと斉藤さん、あんたちょっと可愛いからってチョーシに乗ってんじゃないの!?」
そんな感じに幼なじみのモテ男のせいでクロワッサンサンドを買えなかった咲と、彼女を好きだと公言して憚らない幼なじみ侑紀と、ふたりが突然見えるようになってしまった半透明な少年友成の、ホラー要素皆無の青春ドタドタバタバタラブコメディです。
昔書いた小説を発掘しまして、日の目を見ることもなかったのでこちらにアップすることにしました。最終話まで予約投稿済みです。
(8月4日から12時に一話ずつ公開されます)
ラストの五話、エピローグは同日公開となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-07 12:00:00
34104文字
会話率:52%
この国はもうダメだ、と思った聖女様。もう好きにして、聖女をやめようと思います。
最終更新:2024-03-27 17:41:57
3945文字
会話率:45%
適当に人生過ごしていたら、車に轢かれてファンタジーの世界に転生してしまった!のだが…
「奥さん…残念ながらこの子はスキルを所持していません。」
「そんな…あの子と違って外れスキルどころかスキルも持っていないなんて…」
「期待していたがもう
ダメだな…」
(え…転生したら最強になって無双できるってもんじゃないのか!?)
転生しても結局落ちこぼれだった俺は家では雑な扱いをずっと受けてきた。しかし…
「お前はなぜこの家に迷惑しかかけられないんだ!とっとと出ていけ!」
「もううちには無スキルの子供なんて養うお金はないのよ。悪く思わないでね。」
ついに家を追い出されてしまった!
(なんとかして強くなって家に帰って見返してやる…!)
そしてこれは、俺が英雄と呼ばれるまでの冒険譚である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-02 00:38:04
357文字
会話率:58%
※この物語はフィクションですが、特殊な性癖の内容を含みますので、念のためR-15以上とさせていただきます。
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「もう我慢の限界」
婚約者のクリステアの目が届かない場所でしつこく言い寄ってくる
クソ王子に、レヴィローズは限界を突破していた。しかもドM性質のレングルトは気の強い女性が好みで、鞭でお仕置きして欲しいとまで懇願してきた。もうダメだ。
親友のためだと我慢をし続けていた彼女の堪忍袋もついにブチ切れた。一計を案じ、王子を公衆の面前で精神肉体両面から「丸裸にする」計画を遂行することにしたのだが…。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-29 22:00:00
22142文字
会話率:33%
【鎧の兵士にキュンする勇者に中身の私がきっかけ作り?】
この世界での人気職である”王宮兵士”になるために王都にやってきた主人公ヒヨリ。
女性兵士専用のプレートアーマー(全身防御の鎧)を装着したヒヨリが迎えた二日目の任務の途中、突如出現
したモンスターの群れに荷物運ぶ業者が襲われているとの一報が入る。
操縦士のおじさんの大切なスカーフを取り返そうと必死に戦うヒヨリの元に、更にモンスターの大群がやってきた。もうダメだと思った瞬間、その日に異世界から召喚された勇者が戦場を駆け抜けた。
勇者から放たれた強力な炎の魔法がモンスターを包んだ時、燃やされそうになったスカーフ目掛けて炎の中に飛び込むヒヨリ。
その勇敢な姿を見た勇者は仮面で見えないヒヨリの顔を妄想し、勝手にキュンキュンしてしまう。
任務が終わった後、噴水広場で何故か勇者に追い回されて噴水に落ちてしまったヒヨリ。勇者は彼女が戦場にいた女性兵士とは気付かずに助け出し、そこでキュンキュンした事を話し始める。
それが自分と言い出せなくなってしまうのだが、勇者ともっとお近づきになりたいと思ったヒヨリは邪な心で、あるきっかけを提案する。
結局その作戦は邪魔が入って失敗に終わってしまうのだが……
それ以降、様々なシチュエーションでキュンする勇者と、ヒヨリの提案する邪な作戦には必ず邪魔が入り交わらない日々が続いていった。
数カ月後に王都近くの山で二つに分かれた黄色い石を、それぞれ違う時間に拾ったヒヨリと勇者。その日から二人の距離に微妙な変化が現れ始めた。
そして復活した魔王との戦いの前、勇者の心にこれまでにない最大級のキュンが湧き上がる。
田舎育ちの素朴で明るく現実主義な主人公のヒヨリが、最後に迎える大大大大ハッピーエンド。個性溢れる仲間や先輩達と送る、クスリと笑えるユルユル兵士のホンワカ日常物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-21 21:12:52
488783文字
会話率:41%
銀色の髪をなびかせる可憐な少女が七色のオーラを纏い、神々しい光を放つ剣を片手に巨大な魔人を圧倒しながら戦っている。
そんな中、この場に似合わない一人のおっさんが一人戦闘についていけずに地面に突っ伏していた。
彼の名前はウードという。
こんな戦火の中で、そんな状態で無事なのが不思議なくらいだが、それは彼の傍にいる大型の魔獣が護っているのが答えになるだろう。
「お父さん!大丈夫?!」
「クレス、お父さんは、もうダメだ…」
「もう~!だからついてきちゃダメって言ったのに!リーヴァ、お父さんを頼んだよっ!」
少女はそう言うと、颯爽と戦場に戻っていく。
「フェーン、一緒に来て!あの魔人を倒すよ!」
少女は月の色をした毛を持つ大きな狼のような魔獣の背中に飛び乗る。
フェーンと呼ばれた魔獣は、少女を乗せたまま魔人に飛び掛かり、少女と一緒にこの魔人を斃すのだった。
──この物語は、この可憐に戦場を駆け巡る少女の話───ではなく
この少女と一緒にいた”おっさんテイマー”のウードと、拾われて娘となった二人の物語です。
ウードは、剣も魔法も才能が無く唯一使えるのは弓矢くらい。
若い時に冒険者目指すも無理だと言われて門前払いされるほど、才能が無い。
唯一の特技である、”動物と仲良くなれる”事を活かして馬や家畜を捕まえては商人に卸す事をして生計を立てていた青年であった。
妻は若くして亡くなり、子供もおらず、天涯孤独と諦めていた時に偶然にも迷子の女の子を拾ってしまう。
育てた娘がとある事がきっかけに冒険者になったので、心配になったウードは戦えないのに、一緒に冒険者になる事を決める。
そんな父親となったウードは、”動物と仲良くなれる”能力を活かしておっさん”テイマー”にジョブチェンジ!
本人は大して強くないのに、優秀な娘のお陰で冒険者始めた途端ランクがどんどん上がってしまう事に…
果たして、ウードは冒険者として成功することが出来るのか?
そして娘クレスに隠された秘密とは?
世話好きな最強娘と、動物を育てる能力しか秀でた才能が無かったおっさんの凸凹冒険ストーリー。
是非、応援よろしくお願いします!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-26 00:07:19
278911文字
会話率:32%
原因不明の病で高熱を出して苦しんでいた時、もうダメだと思った瞬間に思い出した。あ、私悪役令嬢だ、と。
ここが前世でプレイしていた乙女ゲームの世界で、私は数年後に王太子殿下の婚約者候補として王妃様のお茶会に呼ばれることになる。そこでテン
プレのように王太子に一目惚れして、けどこの体の子は悪役令嬢だけど健気だった。好きな人に釣り合うようにと、必死に努力して。
でもその結果が、魔物化ルート。
何それ!?意味わかんない!!
っていうか、冗談じゃない!!
よし、まずは王妃様のお茶会に出ないようにして……え?出なきゃダメですかお父様。じゃあせめて目立たないように……ってあれ?なんか目の前に綺麗な少年がいるぞー?っていうか、同じ年齢なのになんで目が笑ってない笑顔を習得して…え?この少年が王太子様…!?ちょ、笑顔が怖いから!!こんな人に一目惚れとかあり得ない!!なのになんで私が最有力候補とか言われてるの!?辞退とかできないんですか!?できないんですね!?じゃあしょうがない!!ヒロインに王太子様を攻略してもらおう!!一目惚れしてないから今の私なら心の隙間とかできないし、きっとそれが一番いい!そうしよう!
……ってあれ?ヒロインは…?え、攻略対象の誰とも出会ってない?そんなバカな…!!だってヒロインは確かに学園に入学して…!!
って、ヒロインも転生者かああぁぁ!!しかも王妃どころか貴族にすらなりたくないとかゲーム全否定!?平民時代の好きな人にアタック中だから邪魔しないでね♪って……あなたがちゃんとヒロインしないとゲームが始まらないでしょおぉぉ!?!?
私だって王妃になんかなりたくない!!王太子殿下の婚約者なんてお断り!!
…って!!だから王太子様、そんな怖い笑顔で近づいてこないでええぇぇ!!!!
婚約したくない悪役令嬢と、婚約したい王太子様と、ゲームを始めたくないヒロインが繰り広げる、ざまぁも三角関係もないのにドタバタなラブコメディー。
テンプレのようでテンプレから外れた彼らの行動は、やがて国をも巻き込む(かもしれない)騒動へと発展していく。
本人が大真面目であればあるほど、周りから見たら喜劇でしかないよね!を地で行く主人公の、無駄(笑)な奮闘物語。
☆毎週月・水・金曜日に更新中!
☆第二章『令嬢編』終了!
☆3/10 第三章『学園編』スタート!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-29 21:46:48
629858文字
会話率:37%
――良い子にしていると、クリスマスの夜にサンタさんからプレゼントがもらえる。
幼い頃に聞いた夢の話も、大人になるにつれて真実が見えてくる。
でも、実は『本物の良い子』のところには、本物のサンタさんがプレゼントを持ってきていたのです。
おじいさんではない、子供には少し刺激の強い格好をした、『サンタのお姉さん』が。
「あ、あと、7件……んんっ! も、もう、我慢が……っ」
サンタのお姉さん達は、世界中の良い子にプレゼントを届けるため、聖夜の夜をソリに乗って駆け回ります。
止まらず、休まず。
あまりの忙しさに、トイレにも行くこともできません。
お姉さん達は必死に我慢を続けますが、やがて、意地悪なおしっこに負けてしまい――
「も、もうダメだっ!! あああああああぁぁぁーーーっっ!!!」
これは、クリスマスの夜空に煌めく美しい少女達と、季節外れの『天の川』のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-24 20:08:46
9451文字
会話率:25%
クラスメートとともに異世界へ転生させられてしまった九先日隼人はMP1とステータスの低さから見限られ裏切りに遭い、魔王城に一人取り残されてしまう。
重傷を負っており、もうダメだと思っていた矢先なんとそこで出会ったヤンデレ魔王によって最強魔術師
に!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-11 20:50:35
29760文字
会話率:37%
稼ぐ能力が低いと暮らせないことに
最終更新:2022-09-17 06:36:28
262文字
会話率:0%
陸上最強を誇るタイタイアス王国は今、異界からの襲撃にあっていた。誰もがもうダメだと思ったそのとき、一人の英雄が立ち上がり世界を白銀の聖剣で照らした。と言われている。これは、英雄ジークの本音と裏話である。
「あなたが私の英雄です!!」
「
流石は最強の英雄!!」
「お前が英雄ジークだな!我は魔王である!!」
「「英雄ジーク!!」」
「・・・」(どうしてこうなったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)
始めての作品なので頑張って投稿していきたいです!
ミスや至らない部分も多いでしょうが今後ともよろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-02 14:56:06
4971文字
会話率:40%
2155年。かつての地球が抱えていたありとあらゆる問題を解決し、世界は絶頂期を迎えていた。
高校生の南瑠々は幼馴染の柊柑奈に支えられながら、相棒のコハクと共にVR世界でアイドルをやっていた。そんな平和な生活をする彼女の前に、突如として三人
の男が現れ、彼女を消そうと襲いかかってきた。もうダメだと思ったその時、一人の少女が颯爽と現れ━━
全八話で毎日投稿の予定です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-27 17:25:59
24763文字
会話率:63%
少年は産声と共に世界から忌み嫌われた。
父は殺され、母は乳飲み子を抱え過酷な旅の末病に倒れた。
赤髪に赤眼の少年は邪神の生まれ変わりだと命を追われた。
死を覚悟した。もうダメだと、神は居ないと、全てを呪った。
薄れゆく意識の中、少年は生かさ
れた。
少年の旅の果てに見るものは…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-19 01:45:03
9171文字
会話率:32%
「お風呂...だよな?」
「そう。お風呂貸してほしい...」
「お、おう...!!」
俺はヒナタを招き入れ、
風呂場まで案内した。
「おじゃまします...」
「バスタオルはこれな。
えーと、あとは...着替え困るよな...
ど、ど
ーしよ...」
「母さんのやつ、て、てきとーに
持ってくるわ!!多分、新品のやつ、
タンスの中、引っ掻きまわせば出てくると
思うっ」
「ごめんね...本当に有難う...」
「お、おう。じゃ、先にシャワーでも浴びてろ。おまえが風呂から上がる頃には、
脱衣所に着替えを置いておくぜ!」
「...助かる」
それから俺は。
脱衣所から一目散に逃げた。
着替えシーンなんて見たら、もうダメだから。
いくら振られた女とは言え。
俺、まだ好きな女だから。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-08 09:29:22
3998文字
会話率:38%
2036年4月12日、日本・沖縄。
「この街はもうダメだ、どこをどう見てもここは地獄だ」
18歳の高校生・松崎伊織は、日々の生活に飽き飽きしており、他人の問題に巻き込まれることなく、怠惰な生活を送ることだけを考えていた。
しかし、そ
んな退屈な日常は、世界的な大災害の渦中に身を置くことで一変する。かつての世界が突然終わりを告げたかのように、彼の日常は粉々に砕け散ってしまったのだ。同級生と一緒に、この地獄のような世界で生き残ろうとします。
果たして、彼は切り抜けて生き延びることができるのか、それとも終わりを見届けることができるのか……
「今日、生まれてから初めて、鳥にもその日に歌ってほしいと思った」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-07 03:56:15
2576文字
会話率:39%
「ライトノベルは漫画の劣化コンテンツ!」
「ラノベは売上右肩下がり! もうダメだ!」
季節性インフルエンザの如く創作界隈で定期的に語られるこれらの話題。
実際のところどうなのか、最早ラノベに未来は無いのか、売上データを基に考えてみました。
お楽しみ頂ければ幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-23 08:00:00
4148文字
会話率:8%
「新聞社を焼かねばならぬ。
我慢に我慢を重ねてきたが、もうダメだ。
すべてを失い、悪に堕ちてでもこの粛清をやり遂げねばならない。
それが王として最後の責務である」
聖オルタンシア王国の国王ジルベールは王位を継ぐ以前からマスコミに嫌われて
いた。
「新聞に書いてあったけど、ジルベール様は権力を傘にきて地方領主にパワハラしてるらしいぞ!」
(領民を奴隷にして麻薬栽培してる不届き者を罰しただけなのに……
口封じに危うく殺されるところだったし)
「新聞に書いてあったけど、ジルベール様は仲のいいお友達の領地にばかりお金を支援しているらしいわ!」
(ドラゴンの群れの襲撃受けたから復興支援してるだけだって……
それに国境線守っている彼らが倒れたら王都も危ないんだぞ)
「新聞に書いてあったけど、ジルベール様は女好きで毎晩美女をムリヤリさらっているらしいぞ!
お后様はあんなにお美しいのに!! 爆発しろ!!」
(妻以外に女性は知らないし、てかその妻も最近相手してくれないんだが……
ん? 妻の寝室に見知らぬ男が————)
マスコミは偏向報道により、ジルベールが国民に嫌われるように仕立て上げた。
悔しさに歯を食いしばりながらも己の責務を全うするジルベール。
称賛を浴びられなくとも、自分の行いが国や民のためになることを信じていたからだ。
ジルベールの生き様に心を打たれる者や救われたことに感謝をしている者たちも少なからずいた。
しかし、その想いは彼には届かず、限られた信用できる人間にしか心を開かず、孤独に打ちひしがれる。
ギリギリのところで踏みとどまっていたジルベールだったが、マスコミの起こしたある事件により我慢は限界を超える。
「敵国よりもドラゴンよりも恐ろしい敵がすぐそばにいる。
奴らは無実の者に罪を着せ、罪深き者を無実にする力を持つ。
民よ、どうか気づいてくれ。
私の蛮行が無駄にならないように……」
これは後に『流刑王』という異名を背負うことになる善良な王ジルベールと悪意に満ちたマスコミとの戦いの物語である。
※この作品はアルファポリスにも掲載しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-18 19:30:23
227370文字
会話率:22%