青年エリオット・マルティは憂鬱な気分で、自分の気持ちに反して澄みわたった青空を見上げていた。自らの不運を呪いたい心地になりながらも、それでも務めに邁進するのは、惰性か矜持か。
エリオットはまだ知らない──彼の退屈で憂鬱な日々が、ある日突
然一変することを。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-19 03:23:47
4461文字
会話率:32%
少年は何も持っていなかった。
親のことも自分の名前すらも知らない。
なぜここに居るのか、何をして生きていけばいいのか、自分は何なのか……自己や自我と呼ばれるようなものは何も持たず、知らず、この場所で今日も生きている。
国中のいらな
い物が集められ捨てられていく、この場所には、物だけでなく生活に困り、行くあてのなくなった人が自然と集まって来ていた。
集まった人は自分が生きて行くことに必要な物をとにかく手に入れ、一日でも長く生きていけるようにと他人を蹴落とし、欺き、奪って生きている。
そんな環境で育った少年は当然優しさ、思いやり、夢や希望、そんなものが世の中にはあるということを知らずに生きてきた。
そんな少年はある日ゴミ捨て場に突然現れた、周りに優しくすることのできる。自己犠牲の精神をもった不思議な少女に出会うことで人の温かさを知る。
少年は『普通』を知らないままに育ってきたため、少女が自分を犠牲にして周りに優しくするといった行動の理由がわからず、モヤモヤとした気持ちになる。
しかし、同時に少女が自分に優しくしてくれた時には確かな心地よさを感じるのもまた事実であった。
ある時をきっかけにして、少年は少女が言った『普通』という物を知るために世界を見てみようと決心した。
少年は何も知らないが、知らないなりに、様々な人の想いや社会の仕組みに触れていくことで『普通』とはなんなのか、『普通』は幸せなのか学んでいくことになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-17 20:00:00
17509文字
会話率:40%
バスの切った風につむじや髪のうわべを心地よさと煩わしさが丁度くすぐったい。
最終更新:2024-07-13 22:08:42
1069文字
会話率:0%
「この絵は私の遺作です」美術部の後輩・紗奈は、心地よい風が吹く教室でボソリとつぶやいた。私は彼女が底知れない闇を抱えていることに気が付き、彼女の秘密に迫る。そこに待ち受けていた衝撃の事実とはーー。
最終更新:2024-07-12 18:43:05
343文字
会話率:0%
友人が引っ越しを検討しており、色々と物件を見て回るという。
小説執筆が趣味の私は、小説のネタ探しになるかもしれないと考えて、友人に同行。すると、最後に案内された部屋が、妙に居心地よくて……。
(「カクヨム」「エブリスタ」でも掲載してい
ます)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-03 21:19:44
1733文字
会話率:30%
「美姫には忠実な犬が必要だ」
強大なジャスパー帝国の前に、ムンパール王国は破れた。家族を失った元王女アンネリースは、人質として帝国に連れていかれる。その先で、功績を上げた「蛮族の将軍」へ下賜された。悲壮な覚悟を決めて赴いた辺境は、思ったよ
り居心地が良くて。
豊富な知識と戦略の才能を生かす真珠姫アンネリースと、野蛮だと罵られながら戦い続けたルードルフは手を組み、国盗りを開始する。亡国王女と野獣扱いの勇猛な将軍の、痛快な逆転劇。
ハッピーエンド確定、残酷な表現あり
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/03/12……連載開始折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-30 23:29:20
145733文字
会話率:36%
高校の音楽部でバンド活動に精を出す天音は、中学時代のある一つのつっかえが未だ取れない。文化祭前、毎朝出会うあの子を見つめられないもどかしさを抱えていたら、つっかえる一因を作った女の子が転校してきた。いつしか心が離れていた彼女と再び友情を築き
はじめたら、無性にあの子のとなりが恋しくなりはじめた。 ーー目を合わせなくなって随分経つあの子。心地の好い輪の中にいつしかあの子が溶け込んで、わたしは恋しいあの子に会いたくなった。あの子が静かに笑ったら、それがわたしたちの音楽が完成したということ。
あの子の笑顔はとなりにあるのに、あの子の微笑む感触はまだ手に取れない。歌を愛する少女が贈る友情と恋を描いた一つの叙情詩。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-30 10:42:00
45724文字
会話率:17%
「腹黒悪女め!君との婚約は破棄する!この家も出ていけ!」
子爵令嬢ローナは腹黒い。
家のためお金のために婚約していたことを義妹にばらされ、婚約破棄されて家まで追い出されてしまう。
しかしローナはめげなかった。
(これまで嫌なことがあって
もにこにこ笑って我慢していたけれど、もう我慢しなくていいのよね?
そのせいで腹黒悪女と言われたけれど、それが私の生きるための知恵だった――)
居心地の悪いあの家を出て自由になったと喜び、自分を可愛がってくれていた恩師が経営している魔導具店で住み込みで働くことにする。
「師匠!私にできることはなんでも言ってくださいね!」
「ありがとう、ローナ。君は本当にいい子だな」
「そんなことありませんよ」
(ふふふ……師匠はちょろいわね!)
そこでも〝いい子〟を演じ、常連客である王宮騎士、グレンと親しくなっていくのだが……。
「君を紹介したい人がいる」
「紹介……?魔導具店の店員としてですね!このローナになんなりとお申し付けください!」
(ふふふ……太客が増えるわ!)
(……そうじゃないのだが、まぁいいか)
ローナの新しい人生は、きままで楽しい。
しかし、本当に腹黒いのは一体誰なのだろうか……?
※2月末に書いた『腹黒令嬢』の連載版ですが、短編とはラストや設定を少し変えています。
※設定ゆるめです。軽い気持ちでお読みください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-29 18:12:43
93165文字
会話率:52%
子爵令嬢ローナは腹黒い。
ある日、お金のために婚約していたことを妹にばらされ、婚約破棄され家まで追い出されてしまう。
しかしローナはめげなかった。
居心地の悪いあの家を出て自由になったと喜び、自分を可愛がってくれていた恩師が経営している
魔導具店で住み込みで働くことにする。
そこでも〝いい子〟を演じ、常連である王宮騎士、グレンと親しくなっていくのだが……。
ローナが腹黒い理由とは?そして彼女は本当に腹黒いのだろうか――?
※軽い気持ちでお読みください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-28 19:25:22
11554文字
会話率:52%
人の世に棲(す)まう悪しき闇を祓う者――「おすくいや」。
おすくいやという悪魔稼業をしている少女は、商才がないので、比較的オカルトを受け入れる町、神城町(かみしろちょう)にきた。
少女は商店街でボランティアを申し出る。働くのは心地がよ
く、おじさんと仲良くなったが、少女の心は空虚になった。
少女が求めるのは、闇だ。汚く醜い人間の歪んだ魂。
ホラー×ダークファンタジー短編。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-26 19:45:22
46473文字
会話率:45%
紫陽花の花を挿し木にして、色々な場所で育ててみる。その土地の性質によって、思いがけない色になる。生きていることを思い出す。人間はそこまで変わらないだろうけれど、それなりに、移ろう心地を許している。
キーワード:
最終更新:2024-06-24 06:38:15
323文字
会話率:0%
日差しが柔らかくて、優しい。花の芽が膨らんで、心地良さそう。また新しい季節が、新しい出逢いを生んでくれる。ふと、思い出す出来事も、その一つ一つだったのか。
最終更新:2023-02-05 11:16:59
299文字
会話率:0%
鳴かなかった蝉が、漸く鳴いてくれた。自分の中で、夏がやっと来てくれた。何ができるわけでもないけれど、曖昧な季節だと思うよりは、夏だと感じるほうが心地いい。
最終更新:2022-07-14 12:26:18
557文字
会話率:0%
彼女にこっぴどく振られ、コンビニ前で黄昏ながら煙草を吸っていた俺の前に、メイド服を身にまとった女が現れた、
その女と一緒に煙草を吸うことになり、流れで俺の身の上話をすることに。
そして翌日、女の店に行くことを約束するのだった。
その店は
一風変わった店だが、居心地がよく、女の人柄もあり常連になっていく、そんな話。どんでん返しも深い話も特にないぞ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-23 22:30:51
4836文字
会話率:82%
”私”は大学を辞めた。理由は何かが違うなと思ったから。
けれど、大学を辞めた私の心にはぽっかりと大きな穴があいてしまった。
心の穴は私から生きた心地を吸い取っているみたいで、私は生きた心地を取り戻す為にも心の穴を埋めることにした。
その方法
は散歩。ただそれだけ。
私は引きこもる日常の傍で様々な場所を見て、様々なものに触れ、少しずつだけれど心の穴を埋めていく。
これは、そんな私が心の穴を埋めきって生きた心地を取り戻すまでのお話。
目もくれなかった幸せに気がつくまでのお話。
後になって振り返ってみれば、実に馬鹿らしい事で悩んでいた様だと気づかされた。
実にくだらない事で救われていたのだとため息が溢れた。
そんな私の人生だけれど、それでも私の過ごしたあの日々は私にとって確かに必要だったものだ。
楽園の姿を知らない私にとっては、確かに。
__________
本作は文学フリマで定期的に販売する予定の連載作品です。
基本的に短話完結でオムニバス形式に物語が展開されます。
それがある程度貯まると、書き下ろしのお話を含めて文学フリマで販売しますので、よかったらお手にとってください。
2020年1月19日の京都文学フリマにて配布いたしましたフリーペーパーに
お試し作品と称して載せていた作品となります。
その際には本作のストーリー「コンビニ」を掲載しました。
同フリーペーパーでは本作のタイトルを『楽園の形を知らない』としていましたが、小説家になろう及びノベルアップ+で連載するに合わせて、『楽園の姿を知らない』へと改題しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-23 21:11:27
53427文字
会話率:15%
青い空、白い砂浜、純真な獣人たち……ここは、なんとひどい辺境なのでしょう……
†
日本でサラリーマンをしていた僕は地下鉄事故に巻き込まれ、気づいたら異世界の公爵家の赤ん坊に生まれ変わっていた。
だけど家には兄が5人も居た。しかも
僕だけ腹違いの半分平民の子なのだ。使用人たちからも無視されている。
そんな僕が13歳になり、聖別の儀式で授かったスキルは『浄水』……汚い水を綺麗にするだけという、父親に言わせれば「高貴な公爵家にあるまじき外れスキル」だった。兄達は『軍神』だの『聖賢』だのといった、誰からもちやほやされる立派なスキルを持っているのにだ。
かくして僕は、大陸一の栄華を誇る花の王都から放り出され、公爵家が嫌々預かっている大辺境の飛び領地、ルーダン城の領主となる事になった。そこにはまともな文明もない蛮族しか住んでいないという。
はあ。ひどい話だけどせっかく貰った命だ、頑張って生きようか。
え、王都で大変な疫病が発生した? 知らないよ、聞いてないもん。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-23 00:10:00
103196文字
会話率:43%
読書好きで口下手な令嬢エレシアは、26歳になっても結婚相手を見つけられずにいた。
ある夏、親の友人のカントリーハウスに滞在すると、ふとしたきっかけで令嬢たちから一番人気の黒獅子騎士団長ライオネルと親しくなる。
夢は見ないと決めていたのに、一
緒にいるとなぜか居心地の良い彼に惹かれていくエレシア。
ところが、ライオネルは若くて魅力的な別の令嬢と婚約するともっぱらの噂。さらに彼はエレシアにさよならも言わず王都へ帰ってしまう。
王都に戻ってもライオネルのことが忘れられないエレシアだったが、ある日、偶然再会して……。
♪楠結衣さま『騎士団長ヒーロー企画』への参加作品です♪
(作品中に入れた要素)
・短髪ヒーロー
・溺愛
・頭ぽんぽん
・花束を贈る
・キス折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-22 20:00:14
17251文字
会話率:28%
聖女である私は、勇者、魔導士、武闘家、騎士の5人パーティーで魔王を倒して凱旋します。
しかし、魔王討伐の記念パーティーの場で、勇者を庇って受けた呪いによって、あろうことかその勇者から婚約破棄をされてしまいます。
勇者の父である国王陛下も、勇
者が懸想している魔導士ですらも申し訳ない表情でこちらを見ていますが、私は気にするなと伝えて旅に出ます。
どうせ羊になるなら、居心地の良い牧場を探さないといけません。
羊になってからでは遅いのですから。
そうして魔女を訪ねて牧場と一応は人間に戻る術を聞いてみましたが、牧場だけは教えてくれたので、そこの周囲のモンスターを殲滅してからそこに居つきました。
そこでは素晴らしい生活が待っていました……美味しい牧草にのんびりとした素敵な時間。
しかしあるとき、あろうことか私は人間の男性に恋をしてしまいます。
焦がれる思いを胸に、改めて魔女を訪ねて人間に戻る方法を聞いていく私。
その結末やいかに!?
なお、勇者のバカは王子誕生と同時に去勢されて幽閉されたそうです。
やるな魔導士……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-18 10:43:54
8162文字
会話率:28%
主人公は、ありきたりな日常を過ごしていた。
不満はないが、刺激を求めていたのも事実。
そんな時、主人公は容姿端麗な転入生、妖使麗子に出会う。
妖使麗子は表では、優等生を演じいているが、実はかなりのお転婆娘で、一人前の魔女となるべく試験で松竹
梅高校に転入してきた。
主人公は、ある出来事が原因で妖使麗子の奴隷となり試験を手伝う羽目になる。
平凡だった主人公の日常に欲望と苦痛、衝動と憂惧、今までにない刺激が混ざりこむ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-16 23:43:34
9283文字
会話率:30%
ベンチャー企業で社長秘書として仕事に生きる亜由美。
それだけで十分幸せなはずなのだ。
いつの間にか爽やかな男成長した幼馴染の真紘。
昔から亜由美に懐いていて、社会人になった今も、犬のように構われに来る。
この距離が心地よくて、ずるずると
この関係を続けている。
そんな2人のじれじれラブ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-09 08:00:00
21312文字
会話率:45%
「私との婚約を破棄してくれませんか?」
ある日の昼下がり。窓からは心地の良い日差しが差し込み、小鳥の鳴き声も聞こえる。そんな何の変哲もない、穏やかな日。
部屋にやってきた私に白髪の彼女はそう言った。
その顔は穏やかに微笑んでいるよう
にも、泣きそうなのを我慢している様にも見えた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-05 07:00:00
13035文字
会話率:46%
――蒼生散歩。
いつもと同じ風景。
そこに宿るかすかな変化。
太陽にあたり、風景が変わる。
山。透明な陽光を通して、いつもの風景がより鮮明になる。
鳥のさえずりが心地よい。
川。透明な水流を通して、水底が踊る。
水のせせらぎが心地よい。
いつもと同じ。
それもまた良し。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-04 07:51:12
706文字
会話率:0%
マリア・ホワイトは幼馴染の婚約者ショーンとの結婚を待ち望んでいたが、居心地の悪い実家を早く出たかったのだ。しかし、姉のデイジーの婚約破棄の影響で結婚は遠のいた。
それでもマリアは、結婚を夢見て婚家につくしていた。
そんなマリアをショーンの祖
父は可愛がってくれた。そして祖父はマリアに全てを残してくれた。マリアはそれを使って幸せをつかむ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-01 14:10:00
18804文字
会話率:15%