自我というものを自覚した時、俺は人在らざる。いや、生命さえ持たぬ無機質な物へとなっていた。
その姿は俺という意識を持った、歪な形状の禍々しい漆黒の刃。──まさに魔剣と形容する存在になっていたのだ。
意識の中にある記憶はもちろん失われ
ていて、かつての俺が何者だったのか、そもそも人間だったのかどうかさえ分からない。ただ、唯一の思い出せる記憶が、今の俺が剣である事とその使用方法のみ。それを知った俺はひたすら待つ事にした。
──この暗闇の中でその時が来るのを。
─────
やがて、その自我のある漆黒の剣は、自由に動かせる自身の身体を手に入れ、己の持つ力の強大さを実感する事となる。そして『彼』は強大な力を持つ存在となった事に何か意味があるのではないのかと、強く疑問を抱き始める。
そう考えた『彼』は欲した。
─この見知らぬ世界で存在している己の存在意義を─
そして求めた。
─この世界で生きる為の己の目的を─
──その為に『彼』は冒険の旅に出る。
幾多の経験の後、やがて『彼』はひとりの少女と運命的な出逢いを果たす事となる。そして漆黒の剣の『彼』は彼女と交ざり合い、ふたつの精神がひとつの身体を共有する存在──
『一心同体の魔人』となる。
──これはひとつの身体で比翼連理のつがいとなった、二人組が紡ぎ出す冒険の物語──
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-10 00:37:18
974815文字
会話率:40%
ある朝気付いたらそこは異世界だった!?
ていうかほんとに異世界なの!?
異世界というにはあまりにしょっぱすぎる現実感…
スキルもない!チートもない!無双もない!!!!
ないないづくしの異世界!?
転生前?となんら変わらない日常…
あまりに
しょっぱすぎる異世界?に辟易しつつも日々を過ごしていくうちに段々と愛着が…
元の世界へ戻る道を探るのか、このしょっぱすぎる異世界?でこのまま過ごすのか…
いったいどうなるわたし!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-04 21:34:21
12255文字
会話率:67%
引きこもりの高校生、宇佐見がコンビニに買い物にでかけたところ運悪くいじめっ子の同級生に遭遇してしまう。
気づかれないようさっさと帰宅しようとする宇佐見であったが呼び止められ、殴り飛ばされてしまった。
その際に後頭部を強打してしまい死亡………
…。
昔のトラウマと混濁していく意識を重ね、恐怖とともに消える宇佐美の命の炎。
次にウサミが目を覚ますと、そこにはガルタと名乗る虎のモンスター、タイガルがいた。
現実感のない状況に戸惑いつつも、冷静に現状を分析していると湖に自身の姿が映る。
そこに見えるはモンスターとなった自分の姿。
錯乱するウサミに差し出される手はガルタのもの。
ウサミは彼の手をとり、この世界を共に生き抜いていく──────折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-02 18:00:00
29998文字
会話率:49%
当たり前の日常。当たり前の生活。何一つ不自由ないはずの世の中で生きづらさを抱える主人公は、今日も義務のように神社へと赴く。決まり文句の願いを唱えて、息のしづらさを実感して。何かに縋りたくてたまらない主人公は、その日、不思議な存在と出会う。
主人公視点(果実)と不思議な存在視点(鉱石)の2部構成。
※本作には、自殺を示唆する描写が含まれておりますが、推奨をするようなものではありません。あらかじめご了承の上、それでも構わないという方のみ、注意してご閲覧ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-29 21:49:55
25501文字
会話率:43%
若くして事故で妻を失った准教授の留浦は研究に身が入らなくなっていた。学生の指導だけはきちんと行っているが、まるで抜け殻のような人生だ。
そんな留浦も55歳になった。新生制度を利用するかしないか、考えなければならない年だ。2年後にはDNAを採
取して新しい体の培養を始める。培養期間は10年。ざっくり『倍速』と呼ばれる培養速度で17歳まで成長した体に意識を写すのだ。
妻を愛しすぎたことが徒となって人生の後半を無駄にしてしまった。日頃からそう実感していた留浦は新制度を使って人生をやり直すことに決めた。
派手なアクションはありません。地味に淡々と話が進んでいきます。
プロローグは難解かも知れませんが、理論的にいい加減ですので異世界もののように「そういう設定なのね」と流していただければ幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-18 00:00:00
166813文字
会話率:46%
現在冷たい風が吹いている。
昨日は暑かったと言うのに。
もう秋が来たのだなと実感した。
それと同時に昔の記憶が蘇った。
最終更新:2023-10-14 12:02:16
5132文字
会話率:44%
支那事変に従軍した戦場の日々を詳しく書いたもので、戦争はお互い国民が恨みも、憎しみもない人間同士が国家の為との美名に隠れて殺しあいが繰り返される、お互いの国民が悲惨の限りを尽くすことになる。
戦争の無い平和な世界が如何に幸せであるかを実感し
て貰いたい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-14 00:00:00
66370文字
会話率:0%
シチュエーション: ディストピアな未来都市。大きな円形の監獄(パノプティコン)があり、中央の塔から囚人たちが監視されている。
チャップリン風のキャラクターが、その監獄の中央の塔に立っている。彼は監視員のはずだが、彼の手には双眼鏡ではなく、
大きなサンドイッチが握られている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-12 23:48:26
959文字
会話率:46%
夏休みの実感って少しずつひしひしと感じだすあれ
最終更新:2023-10-07 07:31:37
384文字
会話率:0%
沖縄出身の内間智明は、勤務している会社の転勤で本社に戻ることになった。
智明には四年間交際して、結婚を約束している恋人の黒岩碧がいる。本社勤務に戻るのをきっかけに、二人は横浜にある碧の部屋で一緒に生活をする予定にしていた。だが、智明が大
阪から戻る予定の前日に、あるトラブルから同居する計画が頓挫した。
東京で住む場所が無くなった智明は、新小岩のビジネスホテルの近くにある不動産屋で、シェアハウスのような部屋を紹介される。人一倍の人見知りだが、大型家具や家電製品等の設備が充実していて、家賃も破格だったので、智明は契約をして入居することにした。
〈シンビオシス〉という名のハウスには、訳あり風で個性的な住人が入居していた。週末ごとにどこかに帰る元一流企業のお偉いさん。容姿端麗だがLGBTだという女性公認会計士。自活している高校生。バンド活動をしていて、デビューを目指している居酒屋の店員。風采の上がらないバツイチの中年男性。
当初は入居者たちと距離を置いて接しようと考えていたが、ハウスの中で過ごすうちに、入居者たちの肩肘を張らない接し方に、自然な感じで居場所を見つけていた。
そんなある日、会社の仲間と飲んだ帰りに碧と電車の中で再会した。だが、三か月ぶりに会った碧に、智明は気持ちとは裏腹に、冷たい対応をしてしまい、後悔をする。
年末年始のある日、〈シンビオシス〉に新しい入居者が引っ越してきた。実家に帰らず、寝正月を決め込んでいた智明は、新しい入居者を共用のリビングで見つけ、挨拶をしようと恐る恐る近付いて、後姿の女性に声をかけると、その女性は碧だった。
驚く智明に対して碧は動じることなく、〈シンビオシス〉を探しだして、引っ越してきたと語った。
そんな健気な碧の気持ちに智明も応えるように、再び付き合いをして欲しいと告げ、二人は部屋は別々だが、他の住人と共に生活を始める。
引っ込み思案で人見知りだた智明は、〈シンビオシス〉での生活を通じて、人との交流の仕方が変っていくのが実感できるようになっていた。
今までは人との付き合い方、コミュニケーションの取り方を難しく考えていた。相手の懐に深く入
何の取り柄もない今の自分と、損得抜きに付き合ってくれているのは誰なのか。肉親以外で、常に近くにいてくれ、いつも深い愛情を包隠さずに表現してくれているのは誰なのか……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-29 16:00:00
129720文字
会話率:45%
どこにでもいる普通の家庭を持つ父・中峯晋一はある日の居酒屋で出会った若者を手にかけてしまった。
そして中峯はそのことに何も感じず、自分は人ではなかったと実感することになった。
どうにかして人に戻りたい、そう強く思いさらに殺人に手を染めていっ
た。
そんな時、彼はある人の死に際に、不明な感情に出くわすこととなった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2023-09-28 23:19:53
701文字
会話率:23%
目的もなしに山歩きすることが好きな私の話。
とある小さな部落に入る。雑然として品物を並べただけの雑貨屋に入る。50歳くらいのもんぺ姿の女性がビールを出して接待してくれる。そして女性は急ぎの用があるからと言って出ていく。1人残された私の前に
、奥の部屋から骸骨のようにやせ細った老人がはい出てくる。
タイミングよく戻ってきた女性は老人を奥の部屋に連れ戻すと、私に世にも不思議な話をする。
それはこの部落の北側に鎮座する神社の奥が神の山になっており、その中に入るとつるつるした岩で出来た空洞がある。その中に入ると、前世のすべての記憶が蘇ってくる。
「私と老人は前世では夫婦だった」女性は語る。
そして今夜女性と老人は空洞に入ってあの世に行く。来世は完全な夫婦となって生まれ変わる。
“私”は女性と老人とともに神社の奥に鎮座する神の山にはいる。
神の山の洞穴で女性と老人が消える。あの世に旅立ったのだ。1人になった私は瞑想にふける。肉体と精神が高揚する。・・・私は神だ・・・心の中に充実した実感がわく。
そして意識を失う。気づいたときは隣町の神社に居た。
隣町まで歩く。しかし神社も神の山も、部落もすべて消えていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-25 10:29:11
25574文字
会話率:9%
王子が選んだ七人の婚約者「花乙女」の一人として選ばれた、公爵令嬢のレティシア。
美しく才能ある彼女は、自他共に未来の正妃たりえる唯一の少女だと信じて疑わなかった。
しかし、王子は平凡すぎる庶民の少女を選んでしまう。プライドを傷付けられ
たレティシアは、正妃候補発表の会場から飛び出してしまい……。
レティシアはとある大きな出来事を切っ掛けに、庶民の少女と自分の違いを実感する。
そんな彼女の前に次々と現れる、未来の旦那様候補達。
果たしてレティシアは、自分の力で幸せを掴み取る事が出来るのか?
※短編として投稿した作品を皆様から大変ご好評いただき、こちらを連載化する事になりました。
※主人公は人間的に未熟な部分がございます。その成長過程を含めて楽しんで頂けると幸いです。
※2016.6.29 異世界恋愛ジャンル日間1位を獲得しました
※「カクヨム」様でも掲載中です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-19 11:44:57
278855文字
会話率:37%
【こちらは短編版となっております】
王子が選んだ七人の婚約者「花乙女」の一人として選ばれた、公爵令嬢のレティシア。
美しく才能ある彼女は、自他共に未来の正妃たりえる唯一の少女だと信じて疑わなかった。
しかし、王子は平凡すぎる庶民の少女
を選んでしまい、プライドを傷付けられたレティシアは婚約発表の会場から飛び出してしまう。
どうして私を選んで下さらないの?
レティシアはとある大きな出来事を切っ掛けに、庶民の少女と自分の違いを実感する。次こそは、自分だけを選んでくれる男性と巡り合うことを決意して──
※大変ご好評いただきましたので、現在こちらに加筆・修正を加えプロローグとした連載版を公開しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-26 09:49:55
3827文字
会話率:20%
同性愛者の物部亜子はそれを隠し夫と結婚し、一見幸せに見える家庭を築いていた。
しかし、己を隠すことに生き辛さを感じる日々の中で、亜子は職場の女子高で一人の生徒と不倫関係になってしまう。
昔、燃えるような恋をしたあの時に戻ったように幸せと生を
実感する亜子。
だがそれは、死すら生温い復讐への甘い罠だった。
*「教師・離婚・ものまね」のお題で作った三題噺です。
*性加害を匂わせる描写があります、ご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-10 03:47:09
2811文字
会話率:54%
現実世界において極平凡な男の伊藤琢磨45歳は、気が付けば既に親兄弟も無く、この年に成るまで彼女もいない冴えない男だった。突然の会社倒産によって仕事も無くなってしまう。失意の中で出会った神の使徒によって、この世界が危機に瀕している事を知らされ
、現実世界では役に立たない魔力が自分に有る事を知らされる。魔力によって魔法少女(幼女)に成ることを勧誘され、うやむやのうちに魔法少女となる。魂の形状と異世界人との相性から魔法少女の姿は幼女であったため、遠距離からの狙撃を攻撃手段として選んだ。山に籠ったトレーニングで驚異的な狙撃能力を身に付け、先輩魔法少女三人組に協力して異世界からの侵略者が支配する集団を殲滅していく。捕らえられ非人道的で執拗な拷問と暴行を受けた元魔法少女を殺害される寸前に救出する。警察や行政組織に浸透し宗教を使っての支配を水面下で進めてくる敵を避けるために、元魔法少女20歳(女性)を自分のアパートにかくまい、いつしか彼女と愛が芽生え、彼女に偽の身分を作った上で結婚する。もう一人別の捕らえられた元魔法少女救出作戦中に、敵の首領と戦闘に成り死亡するが、魂の形状が一致する異世界幼女に転生し、侵略者の真の元凶である魔王討伐を神から依頼され無限の魔力と神が使う魔法を手に入れる。転生後の世界で魔王の悪逆非道に怒り、核戦争寸前の時代からICBMを召喚し魔王の本拠地に核攻撃を実行する。魔王とその一統を完全に殲滅する事に成功するが、数千キロも離れた地点の出来事の為そのことに気が付かずに、今日も魔王の脅威に備えるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-06 16:14:31
119661文字
会話率:21%
事故で首の骨を折り、手脚が動かない四肢麻痺と成り一瞬にして人生が変わった企業戦士。
育ち盛りの息子の父親でもある働き盛りの40歳、立つことも指さえも動かせない重度障害の身体、医者からは施設入所を告げられる。
自宅で妻子との暮らしを諦めるたく
ないが、肩から下がまったく動かない体でも働けるようリハビリに必至で取り組む。しかし破壊された中枢神経は治療できない。リハビリにて鍛えた手腕の残存機能を最大限活用して、パソコンによる在宅勤務の道を切り拓いていく。
介護なくしては暮せない身体障害は家庭に仕事に、そして時間と共に家族の将来にも及んでいく。
愛猫たちとの離別や妻との死別を重ね、家庭も崩れていく。
寝返りすら自力で出来ないベッドで天井を見つめる日々。
逝ってしまった歴代のネコたち、そして死別した家族たちは大きなエネルギー集合体に還りそして新たな生命として、
解かっている様な心を有して自身の暮らしに入って来る、真理を実感してい行く。
心折れながらも進み、心を今に置き絶望から生き直す力を、ネコたちの不思議で達観した力を見習い日常を培う。
なぜ私、なぜ我が家にという、不条理には因果はなく、いつどこにでも起きうる器量が自分自身を支える糧と成っていく。朝から就寝まで介護ヘルパーさんと暮らす日々にて、二度目の人生を日常として捉えられる様に成っていく。禍福は紙ひとえで、とらえ方次第でどちらにも変わる。心折れながらも進み、心のしなやかさと絶望から生き直す力を、ネコたちを通じ培う。
今、健常の誰にでも起きうる突然に襲われる、寝たきり障害と介護、家族たちの暮らしと人生の難破。人生は喪失のプロセスとレジリエンスそのものであることを会得し、心穏やかに暮す日常を取り戻す。
心を今に置き、重い障害を受け入れるまでの苦悩と葛藤の25年間のノンフィクション物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-05 16:00:00
60337文字
会話率:17%
三十五歳、1年前に彼氏に振られ、人生に失敗したなと思ってる。孤独に仕事をする。今日はちょっと良くない日だった。
仕事のポジションは不安定で、安心はできない。
通勤時間は1時間。
毎日あっという間に過ぎていく。上滑りしている。なんだか最近、現
実感がない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-30 22:14:19
1421文字
会話率:17%
高校時代のクラスメート、古河優子(ふるかわゆうこ)の訃報を受け取った進藤雅弘(しんどうまさひろ)は、実感が湧かない。
最終更新:2023-08-25 00:00:00
16896文字
会話率:38%
私は目が見えない。
家にこもって毎日を過ごしている。
優しい婚約者が度々訪ねてきてくれるが、結婚に実感は湧かない。
夜になると、私の部屋を訪ねてきてくれる人がいる。他愛のない言葉を交わすだけの関係だが、心地よい。
この人と、今の関係を続けて
いくことができるのなら、一生独身でいても構わない。
だが、周囲はそれを許さない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-24 21:36:06
3417文字
会話率:40%
刑事という仕事に向き合い続け、結婚を半ば諦めている吉野冬紀は、同僚の勧めで家事代行サービスを利用し始める。
片付いた部屋に温かい食事。満たされていく実感を得る冬紀だが、ある日家事をしているのが男性であることを知る。
刑事と家事代行サービスの
「パートナーシップ」はどうなっていくのか。
この作品は「note(https://note.com/tabi_mata/n/nc5130ffbd6c0)」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-24 15:12:46
53722文字
会話率:39%