平日の朝食を終えて、仕事用の服に着替えようとクローク部屋に入っていると、慌てたように妻が呼びかけてくる。見ると、ずっとテレビ画面に見入ったままだ。送還後の空港のロビーで、警察に連行されていく映像だ。男女混在の5人の中にその人物を見つけ、自
分でも確認するように指さしながら私に押し示す。「ほらっ、ほらっ、この黄色いキャップの男の人、あの人に間違いないよ。保護猫の猫カフェで説明してくれたひとだよふーん、|篠田優希《しのだゆうき》って名前だったんだ」
「わたしたち夫婦にとって、ユウナがわが子であることは何ら変わらない。そのことだけは揺るがない真実です」養親のアメリカ人夫婦は、インタビュアーに対してそのことだけを淡々と繰り返していた。アシスタントの女性アナウンサーは放送事故と思われないよう、あの事件のとき3歳だったユウナちゃんは成長して5歳になっています。日本語も日本人であったことも知らずに、現在のご両親の愛情に包まれ幸せに過ごしていたそうです、と手元のメモを読みあげた。
シルバーヘアーのコメンテーターが「今回のことの不可思議さ、奇妙さは兎も角も、まずは良かった。虐待されて死んでしまったと皆んなが思っていたあの3歳の女の子が生きていて、幸せに暮らしていたんだから」といった。
三歳のときのその女の子の写真がアップになる。ただただ「愛おしい」しか浮かんでこないその幼い顔をみつめていると、事件のやるせなさ切なさがフラッシュバックされる。あのとき、なんでこんな非情さが本当の現実として目の前に現れてこなければならないのかと、誰もが沈痛な想いにとらわれた。殺されたものが無垢であればあるほど、やり場のない気持ちはどこか別の場所におけずに自分の処へ戻ってくる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-14 08:20:22
4207文字
会話率:50%
アイリスはどこにでもいる普通の女の子。父親は知らないけれど、優しい母親と二人で慎ましやかに、幸せに暮らしてきた。
そんなある日、夢で金髪の女の子が死ぬ夢をみる。
何度も繰り返しみる夢は、どこか既視感があった。金髪の女の子に知り合いはいな
いはずなのに、アイリスは彼女のことを昔から知っていた気がした。
“私”は彼女が大好きだった。死なないで欲しい。助けたい。
夢をみるたびにそんな想いが溢れ出す。どこでみたんだろう。アイリスは夢を見ながら考えた。
そして思い出す。とても古い、前世まで遡る“私”の記憶を。
「あああああルドアリ!!!!!!!!」
フラッシュバックする。古い、でも今いる世界よりずっと進んだ時代の記憶が。
そしてアイリスは思い出した。自分の前世が日本人で、この世界は“私”がハマっていた乙女ゲーム『Princess of Wonderland』とそっくりであると言うことを。
“私”――アイリスがこの世界のヒロインであることを。
これは未来予知の特殊能力を持つゲームヒロインに転生した主人公が、ヒロイン以上にチートスペックを持っているのに、最後はどのルートでも絶対に死ぬサポートキャラクターとその婚約者を幸せにするための物語。
※基本的に補完話。
※しばらくは恋愛要素皆無。
---------------------------------
ルード殿下視点のお話→
https://ncode.syosetu.com/n1179gf/
---------------------------------折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-01 18:00:00
17819文字
会話率:32%
「あの夏、あたしたちは完全犯罪を成し遂げた」
ある夏の日、女子高生の弓削は電車で痴漢に遭う。衝撃と屈辱に呆然としていると、男友達の三國が現れ、憔悴した様子の弓削を心配する。事情を知った三國は、弓削を気遣いカラオケに連れ出した。三國の優し
さに励まされた弓削は、自分の尊厳を取り戻すため、犯人への「復讐」を決意する。
「顔にマヨネーズぶっかけてやるんだ」
「成功したらさ、二人で手ぇ繋いでめちゃくちゃに走ろ」
「この世界には二種類の人間がいる」
「男と女?」
「違う。善人と悪人だよ」
※性犯罪の描写があります。フラッシュバックの恐れがある方はご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-02 18:00:00
5471文字
会話率:39%
両親を失った事故から心を閉ざし、人との接触を避けて一人で過ごすことの多いカヤ。
ある日、雨に曝されていた彼女に傘を差しだしてくれた親切な男性がいた。
そして季節を巡り夕立の日、突然カヤの家に見知らぬ男が押し入ってくる。強盗かと身構えてみたが
、どうにも見覚えがある――傘の人。え? 違う? ……匿ってくれ?
孤独が孤独を認め、突然の非日常から少しずつ日常へと戻るためのステップ。癒し合いながら本物の「同居人」になっていく、二人の男女の物語。
※事故、フラッシュバック等の描写があります。苦手な方はご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-02 18:00:00
27456文字
会話率:54%
たこ焼きを刺さっている爪楊枝を使わずに橋で食べる国島駿。それを見て一緒に食べていた孫娘は文句を言う。
そんな中、孫娘は国島駿に亡くなった妻の話との馴れ初めを聞いてきた。
仕方がなく話すと思い出はフラッシュバックし……。
最終更新:2020-03-25 19:12:47
3445文字
会話率:61%
「編集者ツッツー添削OK」
かつて蔑まれた、今は第二の貴族となった致命傷を癒す魔法「メガヒール」を駆使する「魔法医師」一方主人公は軽症者を治す「医術士」として治療院を経営しつつ、「劣等人種」と蔑まれる獣人のエッバとともに治療に当たっていた
。ある日、魔法医師たるクリームヒルト・フォン・アーデレの病を治したことから彼は魔法医師を育成する魔法医師大学に招かれ、一日講師を担当することになる。
そこで出会ったのは魔法医師からの医術士への蔑み、テロ、そしてメガヒールの真実。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-16 17:00:00
78623文字
会話率:30%
完全に全部あらすじに書いてますので、出来ましたら、ネタバレしますので読まないでください。
もしくは上半分だけ読んでくださいませ。
二十後半の独身サラリーマンの俺が突然に別世界へ来た。
二年前くらいから、フラッシュバックのよう
に昭和のような瓦屋根の屋敷のある家で暮らしてる世界を見ていたのだが、それが現実になった。
さらに、別人格で、こちらの世界の俺も、同じ俺の肉体内に居るらしく非常にややこしい。
その世界は、数百年前の大戦争で、世界の大半の大陸が沈み、その残った島々でなんとか人間が暮らして生きていると言う世界だった。
しかも、一種の遺伝子攻撃もあったらしくて、圧倒的に女性しか生まれない世界で、各島はそれぞれ名家(みょうけ)と呼ばれる家に支配され、その八重樫家の長男である八重樫蓮(やえがしれん)十六歳が今の俺の姿だ。
八重樫家には適齢期の女子がたくさんいるのに、俺ともう一人しか適齢期の男がいなくて、俺はインポだった。
それで別の適齢期の男の子を獲得する為に俺は殺人決闘許可証を渡されて、他家と命を懸けて決闘して、それに勝たないと八重樫家から捨てられることになった。
仕方なしに三日月家の三日月龍一と三藤美優の二人と戦うことになり、姉のように寄り添ってくれた神無月唯とともに世界ネット放送される、ある島での戦いに身を投じた。
一か八かで用意したカルトロップを使い何とか善戦するが、龍一の策略に負けて、唯がレイプされそうになる。
その時、こちらの世界の俺の人格が動き出して、俺の制御が効かなくなり、暴走し、なんとちんこが立つ。
そのちんこのあまりのデカさに固まった龍一と美優のサブマシンガンを拳銃で破壊して勝ったはずが、暴走が止まらず、結局、龍一をレイプしてしまう。
こちらの世界の俺はホモだったのだ。
それが世界に放映されて、全世界の腐女子に賞賛され、数百年ぶりのホモプレイがあった試合は<復活の日>と讃えられるようになった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-02 11:00:00
9879文字
会話率:29%
第5回アイリスNEOファンタジー大賞の一次選考通過。
【第一章幼年編】公爵令嬢のアリスティアは、3歳の時に魔力暴走を起こした。その結果として発熱したアリスティアは、夢で前世を思い出す。
それでも彼女の生活は変わらず、やたらと彼女に甘い双子の
兄達と、皇太子に溺愛される。
【第二章婚約編】誘拐されトラウマを負いフラッシュバックに苦しむアリスティアを守る為、皇太子は彼女と婚約して二人で離宮に住むことにした。離宮の使用人とアリスティアの専属侍女と専属護衛は竜人と獣人で揃える。
【第三章学園編】アリスティアは学園高等科に飛び級入学する。護衛としてクロノスも同様に1年飛び級して入学した。アリスティアは戦略的魔術師(アルス・マギア)と呼ばれる存在になっていた。
色々な事件、そして臣民国の反乱を経て、アリスティアも国を治める為には慈悲だけではなく『非情さ』も必要だと学ぶ。
【第四章婚姻準備編】学園を卒業したアリスティアは皇太子との婚姻の準備に取り掛かる事になる。
※ネット小説大賞に応募中
※主人公と皇太子は魔術チートです。
※主人公は転生者です。
※人外が相手です。
※序盤、変態描写が出てきます。
※第三章終盤はダダ甘です。砂糖五百倍濃縮です!胸ヤケ注意⚠
※上記を受け入れられる方のみ、お読みください。
❍第92回「今日の一冊」で紹介されました。
https://syosetu.com/issatu/index/no/92/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-16 12:39:46
812390文字
会話率:40%
忘れていた恋って
ありますか?
キーワード:
最終更新:2019-10-27 09:13:10
287文字
会話率:34%
失恋がフラッシュバックする時に書いた詩です。
最終更新:2019-10-21 21:00:00
397文字
会話率:0%
階段から落ちて目が覚めたら記憶がなくなっていたヴィルヘルミナ。初対面のような夫と子供に戸惑いながら家族になっていく。だが、夫には何か秘密があるようで……その秘密はどうやら失った記憶にあると思ったヴィルヘルミナは記憶を取り戻そうとする。最終的
に思い出した彼女が選んだ答えは……
※この作品は以前ムーンライトノベルズで投稿したものをR15向きに改稿したものです。
描写を増やしたり、以前頂いた感想を元にエピソードも増やそうと思っています。
初めて書いた小説で設定が甘いです。あと、シリアスで鬱展開なので、キーワードの確認をした上でお読みください。R15以上に該当しそうな具体的な描写はしません。
※不定期更新の予定です。
10/21 完結しました。ありがとうございました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-21 14:00:29
108799文字
会話率:46%
久々に実家に帰省した"私"は、子供の頃によく食べた檸檬味の氷菓を発見する。
そんな時、私は転んで頭を打ち、過去にフラッシュバックしてしまう。
死んだ祖母との思い出、夏の香り。あの頃流した涙に気づく者はいなかった。
最終更新:2019-10-19 13:53:32
5073文字
会話率:36%
【神の指先】を持つ女医、海堂彩は祖父の死を機に地元に帰って来た。
彼女が5歳の時、医師と看護師だった彼女の両親は、エボラ出血熱で苦しむ人々を救うため、アフリカに出向いたがその地で命を落としてしまった。
彩はその時から両親に背を向けて生き
てきたが、あるオペを機にアフリカの地、スゴイ王国で命尽きた両親に向き合ってみようと考え始める。
意を決してスゴイ王国に出向いた彼女がそこで知った両親の真実はあまりにも衝撃的であった。
一方で彼女は7年前、救えるはずだった少女の命を救えなかった苦悩を抱えたまま生きていた。信頼していた教授の突然の死を機に理不尽にも准教授滝宮によって、敬愛する医師、長島と彩は大学を追われたのだが、そこにはあまりにも悲しい真実があった。
苦悩を抱え続けている彼女は、突然、患者として目の前に現れた滝宮の娘の名前を見たとたんに、7年前にオペが中止され亡くなってしまった少女の笑顔がフラッシュバックして【神の指先】が震え始めてしまった。
止む無くオペができないという彩に激怒した滝宮の妻は、懇意にしているルポライターに都合のいい部分だけの記事を書かせ、世論は彩のバッシングを始めたが、彩はそれに耐えようとする。
しかし、そのことに耐えられなくなったルポライター星野が、7年前の真実を記事にすると世論は一気に滝宮への罵倒と変わっていったが、それでも神の指先の震えは止まらなかった。
ふたたび、異国の地、スゴイ王国に向い、オペの指導をしながら、人の命の偉大さに触れ、命には膚の色も言葉の違いも関係ない、命は全て同じ、命に名前なんてないのに…… と気づいた時、彩の瞳に輝きが戻った。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-24 03:00:00
116207文字
会話率:57%
DVの発生した家庭でしばしば起こる支配構造の中で自分が興味深いと思ったものをいくつかの事件と自分の体験をもとに考察し、自分なりに考えをまとめていくだけのものです。
不快な表現も多々あり、虐待、DVなどの経験者様方におかれましてはフラッシュバ
ックを誘発する危険性が多々ございます。読むかどうかは自己判断でお願い致します。なお、この文章を読んでフラッシュバックが起きたなどのご意見は受け付けられません。
また、この考察はあくまでも一素人が実際の事件をもとに文献を漁りつつ考察をしているものにすぎませんので、読む際にはご注意ください。
何が言いたいかといいますと、この考察を信じないでくださいということです。私は有資格者でもなければこれらを専門に研究したわけでもございませんので。話半分に、暇つぶしにでもお読みいただけると幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-13 22:56:41
1624文字
会話率:7%
魔法によるガソリンの精製から自動車がまた息を吹き替えしてきた時代。
数年前まで整備士をやっていた主人公ビシ。
ビシは今年個人会社を立ち上げた。
凄腕の整備士だったがビシは何もわからない高校生から社会人になった高卒エンジニアだった。
世界一
の自動車メーカー[タヤック自動車]で働いていた過去が自分の会社「花菱」の入社式前にフラッシュバックし、思い出していた。
自分の知識を生かして立ち上げた新自動車会社[花菱]。
その人にあった自動車を、をコンセプトに世界に一台しかない自動車を作り上げる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-11 00:12:15
573文字
会話率:20%
時は四十年代。あの頃は、家族が、同級生が、そして誰より“親友”がいた。
薄暗くきな臭い、しかし暖かい時代の思い出……。
今は遠く過ぎ去った、人生で最も豊かな日々の追憶が、男の乾いた日常にフラッシュバックする。
かわいいワンちゃんとか
他のなんかとか、みんなが好きな物をたくさん詰め込んだ、おもちゃ箱みたいな素敵なお話です。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-05 23:42:34
23304文字
会話率:29%
「女神ナブシ様に異世界へ送られ、目が覚めたらトカゲになっていた!」で毎回始まる話。各1話完結→
冒険者ギルドで殺されそうになったり。婚約破棄された令嬢の召喚獣トカゲ。冒険者や魔王や勇者や納豆売りや背骨だったり。巨大ロボで戦場に。村娘
のペットに。UFOと宇宙人に遭遇。エレベーターガールだったり。その場限りで何でもありな話です。
* * *
「トカゲ」以外の設定はリセット。最後ストンと納得いくような話を目指します。基本、軽く短い話で、PTSD等の重い話も時々あり。
* * *
形式としてはスペース☆ダンディやギャラクシーエンジェルのアニメみたいな「毎回設定含めて前回の話は全部なかった」ことにします系です。どんな話をどう書けばいいのか試行錯誤してもいます。拙い文章力ですが、後半の話の方が多少向上してると思います。各話に関連はない(主人公も違う、老若男女なトカゲ)ので、なんでしたら最新話→1話ずつ戻って読む、でも特に問題はないです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-17 20:13:19
48839文字
会話率:48%
何の偶然か、全く知らない、会ったこともない奴らと合コンをしたのがまさかのきっかけだった!
最初に感じた違和感、懐かしいような、初対面の奴らにそう感じたのはほんの一瞬。
気づいたら辺りは違う居酒屋で・・・
何故俺は今、女装をして男と対面して
いる?!
突然フラッシュバックのように知らない映像が頭の中に流れてくるようになってしまった。
一つ聡明に思い浮かぶのはきれいな音色に歌声。
この曲を知ってる人はいるのだろうか。
探そう。そして早くフラッシュバック時の俺の女装を止めさせてくれ!!!
これは一つの音楽から始まる、時空を超えた6人のファンタジックな物語
『いいか?合言葉は・・・』
『また逢おう。』
物語が今始まる折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-03 00:00:00
4357文字
会話率:22%
吐き出す先が無い、とある恋の物語です。
誰にでもある、出会い・すれ違い・今もフラッシュバックする、他愛ない話です。
共感してくださると嬉しいです。
初めての創作で拙い作品ですが、温かい目で読んでいただけると幸いです。
最終更新:2019-04-16 02:26:26
1824文字
会話率:0%
そこで暮らす少女達は恐怖に怯えて生きている。
記憶が欠損した女子高生、シノミヤユイは目が覚めると見知らぬベッドにいた。そこで出迎えたのは日本では見ない、現実離れした外見の少女ユノだった。行く当てもないユイはユノの家で暮らすことになる。し
かしその家に住んでいたのは、心に闇を抱えた六人の少女達。世界から疎まれた少女達はお互いを補い合ってこの世界を生きていく。
ユイが現れたことで閉鎖的な空間は壊され、少女達の心も徐々に変化していく。
異世界で幸福を願う少女達の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-07 01:00:00
4725文字
会話率:32%