生きていくことに絶望した少年が不良の世界で成り上がりを果たすシンデレラストーリー。表と裏の社会を行き来する主人公の葛藤や苦悩、取り巻く環境が起こす様々なストーリーをご楽しみください
※この作品は処女作です。ほかに掲載されてる小説と比べ粗さが
目立つかもしれませんが独特な表現や工夫で皆さんに楽しんで頂けるよう頑張ります。
金城 達也(きんじょう たつや)
主人公。14才(中学3年)。家庭環境に悪さから孤児院に移りそこで数々の問題を起こす。
山岸 大雅(やまぎし たいが)
主人公と同じ孤児院に住む同い年の小柄な少年。
金井 美優(かない みゆ)
達也の担当の児童福祉司。新卒で児童相談所に就職。
※物語が進むにつれ登場人物が増えます。もし誰かわからなくなった場合はここで確認していただければと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-21 00:00:00
6611文字
会話率:47%
平日の朝食を終えて、仕事用の服に着替えようとクローク部屋に入っていると、慌てたように妻が呼びかけてくる。見ると、ずっとテレビ画面に見入ったままだ。送還後の空港のロビーで、警察に連行されていく映像だ。男女混在の5人の中にその人物を見つけ、自
分でも確認するように指さしながら私に押し示す。「ほらっ、ほらっ、この黄色いキャップの男の人、あの人に間違いないよ。保護猫の猫カフェで説明してくれたひとだよふーん、|篠田優希《しのだゆうき》って名前だったんだ」
「わたしたち夫婦にとって、ユウナがわが子であることは何ら変わらない。そのことだけは揺るがない真実です」養親のアメリカ人夫婦は、インタビュアーに対してそのことだけを淡々と繰り返していた。アシスタントの女性アナウンサーは放送事故と思われないよう、あの事件のとき3歳だったユウナちゃんは成長して5歳になっています。日本語も日本人であったことも知らずに、現在のご両親の愛情に包まれ幸せに過ごしていたそうです、と手元のメモを読みあげた。
シルバーヘアーのコメンテーターが「今回のことの不可思議さ、奇妙さは兎も角も、まずは良かった。虐待されて死んでしまったと皆んなが思っていたあの3歳の女の子が生きていて、幸せに暮らしていたんだから」といった。
三歳のときのその女の子の写真がアップになる。ただただ「愛おしい」しか浮かんでこないその幼い顔をみつめていると、事件のやるせなさ切なさがフラッシュバックされる。あのとき、なんでこんな非情さが本当の現実として目の前に現れてこなければならないのかと、誰もが沈痛な想いにとらわれた。殺されたものが無垢であればあるほど、やり場のない気持ちはどこか別の場所におけずに自分の処へ戻ってくる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-14 08:20:22
4207文字
会話率:50%
4月1日午前9時
新人児童福祉司園田ハルの研修1日目がはじまる
最終更新:2016-08-04 00:55:25
257文字
会話率:0%