異世界のとある山あいにある、小さな宿屋〈灯火亭〉。
その主人であるスピネルは、かつて王都で料理修行を積んだ女性。戦火で家族も居場所も失い、今は静かに、訪れる旅人に一皿の温もりを提供して暮らしている。
ある日、〈炎の傭兵〉と呼ばれた男、ヴァ
ルドが傷を負って灯火亭に現れる。無骨で不器用だが、寡黙なその男は、スピネルの料理に心をほどいていき、彼女もまた、忘れていたぬくもりを彼の存在に感じ始める。
四季折々の食材と、旅人とのささやかな交流。
失われた過去と、これから選ぶ未来。
ふたりが食卓を囲むたび、少しずつ日々が色づいていく。
「この場所で、生きていく意味を見つけたい」
料理がつなぐ、癒しと再生の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-30 19:10:00
5809文字
会話率:51%
婚活夜会にしぶしぶ出席した魔道具師の令嬢シエナは、無口で不器用な騎士・リヴィオと出会う。剣と魔道具、まるで正反対のふたりは、次第に信頼と絆を深めていく。妬まれ、妨害を受け、戦場で命を懸けた末――彼からのプロポーズは戦火の中。花束に込められた
愛、魔道具に宿る誠意。誰かを守るために作る者と、守る者。ふたりが歩む恋と未来の物語。
カクヨムでも公開。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-30 18:00:00
11170文字
会話率:54%
目を覚ました時、私は見知らぬ世界にいた——
終電を逃した会社員、Xu Sanbao(シュー・サンホウ)は、現実と異界の狭間「間域(かんいき)」に迷い込み、三つの特殊能力を選び取る:
「超高速回復(ちょうこうそくかいふく)」、
「超
学習能力(ちょうがくしゅうのうりょく)」、
「動物親和(どうぶつしんわ)」
そして彼女は、「Rudi王国(ルディおうこく)」のXu家(しゅうけ)という貴族の娘として転生する。
新たな世界で目覚めたXu Sanbaoは、自らの体に眠る“異能(いのう)”と、「linggen(霊根/れいこん):修行者の素質を決める天賦の資質」と呼ばれるこの世界独自の修行体系に出会う。
裏切りと陰謀、鬼怪と戦火、そして仲間との絆。
やがて彼女は、国家の運命を揺るがす存在へと成長していく——
これは、運命に選ばれたひとりの女性が、
愛と痛みの中で「生き直す」物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 16:21:32
57429文字
会話率:23%
第一章:転生
山本太郎、仕事一筋のビジネスマン。プロジェクトの成功直後、事故死。
目覚めると異世界の貧乏領主「カリム・ワデイッド・デイオン」として転生。
荒れた領地、冷たい家臣、絶望的な財政。
カリム
の中に残る「太郎」の合理主義と問題解決能力が目覚め始める。
第二章:再建
領民との交流開始。飢えと不安が蔓延する村。
小林孝之が「鍛冶職人」として転生していることを発見。再会。
師匠・加納正幸(元コンサル)が「老魔法使い」として登場。知恵を授かる。
新農法・治水工事・商人との取引で領地復興の兆し。
苦境の中で「苦しい時ほど楽しんで」の一言が灯になる。
第三章:試練と芽生え
周辺領主との摩擦。略奪・陰謀。
カリムの知略が敵を打ち破る。
幼馴染のような村娘・アリサとの心の交流が芽生え始める。
初勝利と「仲間を守れた」という喜びに涙。
第四章:興隆
領内経済が活性化。技術革新(紙、硝子、薬草産業など)。
辺境ながら知恵ある「若き領主」として名声が高まる。
若手騎士団を創設。青春群像劇が展開。
アリサとの関係が進展。想いを打ち明け合う。
第五章:戦火の影
王国内で内乱の兆し。腐敗貴族と改革派の対立。
カリムの領地は重要な戦略地点に。
選ばされる「戦うか、見捨てるか」。
初の本格的な戦争。若者たちが命をかける。
第六章:拡大と代償
戦争に勝利、隣接領地を併合。
領主から「侯爵」へ昇格。栄光と同時に責任の重み。
小林、加納との別れ。仲間の死。
自らの決断で多くを得、多くを失う。
第七章:未来へ
領地は豊かに。民は幸せに。
だがカリムの心には「太郎」の記憶も痛みも残る。
アリサとの結婚式。
「苦しい時ほど楽しんで」という言葉が、次の世代に引き継がれる。
新たな若者が、彼に「師匠」と呼びかける――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-29 07:28:18
40090文字
会話率:22%
戦争孤児として育った少年レイ・フォワード達は、大人の争いにゆっくりと巻き込まれて行く。
時には小さな宿場町のいざこざに、時には港町の覇権争いに、そして次第に大きな戦争へと彼等の戦火は伸びていく事になる。
異なる価値観、異なる思想、異な
る種族。あらゆる思いが交差していくこの世界。
蒸気機関が発達した西大陸、帝国が支配する中央大陸、法術発祥の地東大陸。あらゆる力に惑わされる少年達。
彼等は、世界の歯車に組み込まれながらその世界の仕組みと謎に触れていく事になる。
そんな時代に生きた少年達が居る。
彼らの物語の書き出しはそう――「むかしむかし、ある所に」
お伽噺の様式美から始まる、あの日読んだ物語。
・ファンタジー×スチームパンク×ジュブナイルでお届けする、少年達の友情と希望の物語。
◆こんな方にお勧め!
・オリジナル世界観が好きな方
・成長物語が好きな方
・じっくり読みたい方
・ネクストファンタジー以外をお探しの方
・チートやハーレム物に飽きてしまった方
※当作品には『暴力描写、残酷描写、猟奇的な内容の描写、ゴア表現』があります。観覧の際にはご注意ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-26 22:09:24
440956文字
会話率:54%
戦火の中、瀕死の重傷を負った青年兵士は、深い森で一人のエルフの女性・リュシアに命を救われる。
彼女の住む森は、精霊と契約し永劫の時を守り続ける聖域。異なる種族、異なる寿命、交わることのない運命――それでも、二人はひと冬の静寂の中で心を通わせ
、再会を約束する。
冬が来るたびに彼は森を訪れ、幾度も季節を重ねる。やがて人間である彼の身体は老い、歩けなくなる。
それでも彼を想い続けたリュシアは、掟を破って人の世界へ――彼の最期を看取るために。
それから千年。
彼女は一人、記憶と共に生き続ける。そして再び、雪の舞う森で“再会”を果たす――
時間を越えて結ばれる、切なくも美しい異種族恋愛折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-25 09:26:53
4762文字
会話率:41%
戦争に敗れた獣人族の国「アルドファーズ」。
戦火を逃れ、森の中の辺境に街を作った。そこに住む防衛団見習いヘンデルゼン・ダルダーニャンは、過去に起こった事件のトラウマにより、「自分が皆を守らなきゃ」とばかり考えるようになる。
自らを二の次とし
ながら戦い、訓練の日々を送る彼に、
救いの手が差し伸べられる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-24 08:29:55
1699文字
会話率:63%
※カクヨム並列掲載作品
機甲歴216年。人類は荒廃した地球を見限り、宇宙に人工的な模倣惑星――コロニーを建造し、崩壊した国家体制に代わり企業がそれを治めていた。
資源鉱石『エーテライト』及びそれから精製されるエネルギー資源『エーテリウム』
に深く依存した人類は、廃棄された資源惑星を『クリステラ』と名付け、採掘に勤しんでいる。
まるで人類を憎むかのような過酷な環境に於いて、探索・採掘――そして、戦闘を担う鉄の騎兵『メタルライナー』。金で命を売った傭兵共は企業の尖兵として、終わらない代理戦争を続けていた。
主人公ロイドは未だ熾烈な争奪戦が続くクリステラでエーテライトを得るため、戦火に身を投じることとなる――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-24 02:06:53
37998文字
会話率:50%
ステファン帝国が第二次魔導大戦の戦火に巻き込まれてから早数十年の月日が流れた。かつて大戦により家族を失ったニーナ・アグラシアはウェルキエル帝国学院への入学を果たす。戦場で生き残る術を学ぶこの学院で少女は何を思い、何を残すのか。
最終更新:2025-04-23 18:34:38
64724文字
会話率:56%
人の「心」が魔物を呼ぶ世界。
そんな世界でも人類は、争いを続けていた。
憎しみ、怒り、絶望——負の感情が魔物を呼び、世界は少しずつ崩れていく。
そんな戦場で「心を捨てた兵士」と「心を信じる少女」の思いが交錯する。
最終更新:2025-04-22 19:44:22
7110文字
会話率:19%
2038年。
突如として地球外生命体が北極と南極に降り立ち、各国への侵攻を開始した。
数年後。戦火は東京にまで及び、何日間にもわたる飽和攻撃の末に東京は半壊する。
政府は崩壊の著しい 渋谷・目黒・品川・大田区 周辺をまとめて "
特区" と呼ばれる資源回収エリアに指定し、特区内で資源の略奪と売買を合法化する「臨時資源回収法」を施行。
さらに東京に隣接する主要都市には地球外生命体の上陸と交戦を想定し、 川崎区は1区,幸区は2区 のように首都圏を取り巻く複数の地域が" **区 "として戦略区指定を受け、前線都市として機能するようになっていた。
そんな世界で生きるのは、特区の境界近くに建つ古びた団地で暮らす14歳の少年 "猫田ニア" 。
銃と情報とだらしなさを愛する彼と、ロマンと理想を追い求める相棒の川郎未来は、回収屋として奇妙で平和な日々を過ごしていた.....。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-22 18:09:28
1292文字
会話率:38%
かつて、月のもとに統べられしルナリス王国には、聖鷹の光と呼ばれる教団があった。
民を導くという名のもとに、信仰は権力と化し、祈りは支配に、教えは刃へと変わってゆく。
その頂に立つひとりの男――アルヴィス。
元老院の末席にして光の聖使として
の彼は民に“白き蝶”と謳われながら、教団の闇を担う粛清部隊「白い影の爪」の長として、数多の命を奪ってきた。
偽りの光に身を染めながらも、彼は心のどこかで、静かに罪を問い続けていた。
そんな彼の前に現れたのは、“黒蝶”の異名を持つ義賊ノエミー。
反体制の象徴として民に希望をもたらす彼女の瞳には、かつてアルヴィスがその手で葬った男の影があった。
相反する運命。交わるはずのない立場。
それでも、ふたりの魂は、いつしか互いに寄り添い、共鳴し始める。
やがて国を揺るがす激動が訪れ、教団の欺瞞は暴かれ、崩れゆく秩序の中で、ふたりはそれぞれの過去と向き合い、
そして静かに、未来を選び取る。
これは、偽りの光の中で出会い、互いを映す月となったふたりの物語。
戦火を越え、傷を抱え、なお手を取り合ったふたりが見上げた夜空には、
満ちる月とともに、自由へと羽ばたいた祈りの軌跡が描かれていた。
そして誰かが、そっと囁く。
──二つの蝶が飛び立つとき、月の光が奇跡を起こす。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 17:00:00
31834文字
会話率:25%
卓越した剣技と戦闘技能を持ちながら正体をひた隠ししにしている底辺冒険者『アルゴノート』の少年セスは、ひょんなことから貴族令嬢シルキィの護衛任務を引き受けることに。
大のアルゴノート嫌いであるシルキィはセスを邪険に扱うが、そんな彼女を
セスはとある理由から命懸けで守る決意を固めていた。
シルキィのメイド、ティアを伴い帝都を目指す一行は、その道中で国家を巻き込んだ陰謀に巻き込まれてしまう。
セスとシルキィに秘められた過去。
歴史の闇に葬られた亡国の怨恨。
容赦なく襲いかかる戦火。
ーー苦難に立ち向かえ。生きることは、戦いだ。
最強剣士とわがまま令嬢が織り成す正統派ハイファンタジーここに開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-19 12:30:00
137037文字
会話率:42%
遥か昔、神々が世界を見守っていた時代は終わり、人々は祈りの意味すら忘れかけていた。そんな時代の片隅で、ひとりの少年――スカールは、かつて神に仕えた祈りの炎《祈火》をその身に宿していた。
故郷を戦火に焼かれ、すべてを失ったスカールは、今も“
祈りの残響”を集めて彷徨う。生者の祈りを受け取る資格を持たない彼が使うのは、亡者たちの名もなき祈り。その炎は、時に運命の分岐を示し、時に刃となって彼の道を切り開く。
旅の中で出会う少女・リーネアは、失われた宗教の巫女の末裔。彼女との出会いは、スカールの運命を静かに揺るがせていく。
忘れられた神、届かぬ祈り、そして燃え尽きぬ運命の炎――
少年はただ、誰かの祈りを裏切らぬために戦う。
これは、“神なき時代”に抗い、祈りの光を手繰る者たちの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-16 09:23:12
2640文字
会話率:14%
帝国軍の天才機械技師であったロウ・フォードは、極秘で開発されている「永久機関」の秘密を知ってしまう。
その永久機関は、帝国が世界の全てを完全に支配するための禁忌の技術だった。
帝国軍を逃れるため、彼は帝国最強の空中戦艦「リヴァイアサン」を強
奪。
空賊『ブラックギア』と手を組み、新たな勢力を築く。
各地を巡り、帝国軍への反乱軍を集め、戦火を広げていく空賊たち。
産業都市の革命軍、遊牧国家の独立戦士団、没落貴族の亡命軍、
帝国に奪われた技術を取り戻そうとする科学者たち――
彼らの思惑が交錯し、新たな戦争の火種が灯る。
帝国の圧倒的な軍勢に対抗し、天空を翔ける反乱軍は勝利を掴めるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-15 22:39:09
1803文字
会話率:60%
旧暦 2117年 大陸間の大規模な戦争が勃発した。
当時アメリカと呼ばれた国とロシアと呼ばれた国が大争い。戦火の蛍は次第に大きく羽ばたき、やがて全ての者を燃え尽くした。人々は口々に呟いた。
【終末】だと。
そして時代は流れ、暦が変わり、新
暦 65年、地球(アース)の大陸間は大きく変わり、大きな2つの大陸で争いが起きる事となった。【アースティア連邦】、【フェイド共和国】この2つの大陸での戦争を機に、100年続く大きな対戦へと変わる。
その際、アンベル兵器研究所にて新型歩行型戦略兵器【アーティスト】が開発される。
それにより、人と人、機械、戦車との戦闘だけではなくアースティア同士による白兵戦も行われるようになった……それはゲームの世界のように。空想のような20年間。終末までの足跡。
これは、そんな兵器に乗り、戦争を練り歩いた少年少女達のお話である。
そんなあらすじを持っている【|Ace or Aarth《エース オア アース》】と呼ばれたゲームにハマっていた主人公が、何度も戦う内にそのキャラ性に引かれ憧れていたそのゲームの裏ボス【Unknown Zero】もとい【|黒赫《クロガネ》の死神】『バルファルム・J・ゼロ』と呼ばれたキャラへと転生してしまった。
転生してしまった彼は仲間たちと共に【アーティスト】と呼ばれた駆動兵器を駆り、戦場を駆け巡る。
すると、何故か敵側のやべぇ奴に目をつけられたり、主人公に謎の視線を感じたり。同じ僚機であるもの達からハイライトの消えた目で見られたり、マッドサイエンティストに目をつけられたり……。
いつの間にか、彼の行動で世界が変な方向に回り始める。
厄災を背負い、逃れなれない運命の中で彼は支援機として活動する事を誓う。
これは、そんな彼の物語である。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△
⚠注意!この小説には以下の要素が含まれております。
・初投稿の為、誤字、脱字が多少ある……かなぁ……
・ちょっぴりダークな世界観な為、ちょっぴり鬱要素、ちょっぴりグロデスク表現があります。
・機械で興奮する変態が書いてる為、とんでもない事を書き始める場合があります。
以上を踏まえて、お読みになれば幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 21:37:12
7454文字
会話率:43%
戦火の影がじわじわ迫る魔法世界。
平均的な魔力とそこそこのお金持ちという微妙なポジションに甘んじていた新人ギルド職員のマリーヤは、外面こそ外交的だが、実は超・不器用女子!
そんな彼女の前に現れたのは、太陽みたいなオーラで危険任務を軽々こ
なす騎士・シュトラールと、静かながら「ギルドの頂点を狙う」という野心を秘めた同期のレオン。
果たして彼女の選ぶ道は危険な任務、それとも平穏な暮らし?
世界も恋も全力疾走、波乱必至の大冒険が始まる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 01:16:45
4843文字
会話率:8%
1943年、大日本帝国はアメリカとソ連という軍事大国に挟まれ、その圧迫を受けつつあった。
太平洋の反対側に位置するアメリカ合衆国では、両洋艦隊法に基づく海軍の大拡張計画が実行されていた。
すべての計画艦が竣工すれば、その総計は約13
0万トンにもなる。
そしてソビエト連邦は、ヨーロッパから東アジアに一隻の巨艦を回航する。
ソヴィエツキー・ソユーズ。
ソビエト連邦が初めて就役させた超弩級戦艦である。
1940年7月に第二次欧州大戦が終結して3年。
収まっていたかに見えた戦火は、いま再び、極東の地で燃え上がろうとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-05 06:00:00
382184文字
会話率:20%
幼馴染であり婚約者のサイラスが戦争に出征し、消息を絶ってしまう。
戦火で村も焼け落ち、両親や職人を失ったシュラリエは、絶望の中で生き残った人々と共に酒蔵の再建を決意する。
戻らぬ夫を思い、村の復興の象徴として「シュラリエの花酒」を作り続ける
日々。
やがて村には活気が戻り、花酒は遠く離れた地にまで届くようになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-03 18:14:25
7356文字
会話率:15%
戦時下における少年兵の友情の物語
キーワード:
最終更新:2025-03-31 21:46:36
2422文字
会話率:21%
あらすじ
――世界は、終わらない戦争に疲弊していた。
自由と資本を掲げる巨大連邦〈統合自由連邦〉と、
支配と秩序を信奉する専制国家群〈黒統圏〉。
ふたつの大国陣営は、数十年にわたり互いを滅ぼし合い、地図を塗り替え続けてきた。
その戦火
の中、ただ一振りの“剣”が存在した。
カイン・レグナス
ヴァルキリオン機構軍 特別戦力群「灰夜」部隊に所属する戦術中将。
その剣技は単独で都市を消し、敵国家をひとつ滅ぼすほどの威力を誇る。
彼は、味方からも恐れられる存在――**“灰の剣”**と呼ばれた。
命令に従い、敵を切り捨て、民を無差別に処理する。
それが「兵器としての自分の在り方」だと信じていた。
だがある日、制圧任務の最中、瓦礫の中で出会った一人の少女――ティナとの出会いが、
カインの中に、忘れ去られていた“人間の心”を呼び起こす。
彼は思い出す。
かつて、なぜ剣を握ったのか。
なぜ、守れなかったのか。
なぜ、今さらになって“命”が重く感じるのか。
そして、知ってしまう。
自分が信じてきた“連邦の正義”が、腐敗した支配構造と巨大財閥の手によって作られた虚構だったという事実を――。
裏切り者として追われるカイン。
討伐に現れるのは、かつて剣を並べて戦場を駆けた盟友にして、軍が誇るもう一人の最強――戦術司令官ゼロス・エルグレイン少将。
さらに、軍が密かに育て上げた“次世代の灰の剣”――狂気を宿す剣士ヴァルト・ディアマント。
彼は連邦という絶対権力から逃れながら、
地下世界で息づくレジスタンスや元兵士の集団「グラウス・ナンバーズ」、
そして無数の失意と怒りの中にある者たちと出会い、**「本当の自由」と「平和の本質」**を探し始める。
やがて、カインの存在は戦場を変え、世界を揺るがす。
支配か、希望か。滅びか、再生か。
彼が最後に選んだのは、
すべての過去を背負い、
すべての命を繋ぎ、
すべての“支配”を終わらせるための――
最大規模の反乱だった。
「俺は、英雄なんかじゃない。
でも、あの日あの子に、命を託された――
ならばこの剣は、今度こそ“生かす”ために振るう」
これは、ひとりの兵器が、人間へと還る物語。
そして――旧体制を崩壊へと導き、人類史上、最も平和な統一国家を築いた“偉人”と呼ばれる男の、誰も知らない“はじまり”の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-30 19:58:45
13121文字
会話率:10%