「杏沙、お願い。私が退院するまでこの人と付き合って」
末期がんに侵された友人の由紀はそう言って、自分の彼氏──永井和臣を差し出した。
「うん、いいよ」
それで由紀の病気が快方に向かうならという気持ちから、杏沙は願掛けのつもりで頷いた。
それから和臣との付き合いが始まった。
手も握らない。キスもしない。身体を重ね合わせることも、彼との未来を想像することさえしない偽りの交際は、罪悪感だけが積もる日々。
そんなある日、和臣は言った。
「由紀にとって、君は一番大事な友達……親友なんだ」
その言葉に杏沙は、ちくりと罪悪感を覚えた。
杏沙は由紀の親友では無い。親友になりたくても、なれない。そんな資格は無いのだ。
なぜなら昔、杏沙は由紀に対してひどい裏切りをしたことがあったから。
友人の回復を信じて偽装恋愛を始めるOLと、偽装恋愛をしてでも恋人の回復を願う大学生のいびつで切ない秋から冬までのお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-06 09:56:19
34471文字
会話率:36%
迷宮はとっても危険。いつだって傍には死と灰が仲良く隣り合わせに寄り添ってくれる。
仲間は死ぬし、殺される。
大枚はたいて買った装備は失くすし奪られる。
思い出の品も家宝だって落っことすこともある。
そんな所で、そんなことに遭って、
一人で逃げて帰って来たって別にいいさ。命があるだけ儲けもんだろ?
でも、それでも失くしたモノを諦めきれないなら【回収屋】に頼むといい。
屍肉漁り、腐肉喰らいのスカベンジャー。嫌われ者で口が悪い彼は「ハゲタカ」と呼ばれている。
彼は君の替わりに迷宮に潜り、君が過ぎ去った後と悔いの道で、残して失くしてしまったモノを取り戻してくれる……かもね?
※
遺跡と迷宮によって冒険者たちが集い栄える島で、夢と野望に燃える若者たちを尻目に、彼らの死体と遺品で食いつなぐ【回収屋】の青年「ハゲタカ」。
スカベンジャーを蔑むのならそうすればいい。卑しく汚らしいと忌み嫌うのは正しいことだ。
でも、何か取り戻したいものがあるというのなら。
失いたくないものがあるというのなら。
死と灰に埋もれる中で、ハゲタカの羽根は寄り添ってくれるだろう。
これは、自らの失ったモノを取り戻すために飛んでいた、愚かで無力、臆病でちょっとだけ優しい、ハゲタカの翼がもげるまでの物語。
※
基本、一日一エピソードずつ更新していきたいと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-03 08:00:00
163934文字
会話率:44%
他人を卑下する人間は愚かであるが、人間らしくもある。
最終更新:2023-11-05 14:40:15
1542文字
会話率:0%
今この現実世界で生きている民に
次ぐ、この○○を避けなさい!!
○○○○を取り戻しなさい
現実世界で起こっていることを
簡単に読める小説形式で書きました
すこしでも理解していただければ嬉しい
理解したら実行に移してください
どんな評価で
もいただければ
続きを書きます。
では、折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-21 12:39:20
394文字
会話率:0%
少女と少年は出逢う。何かに示し合わせたように。秘境に"人"は立ち入れない。だが、確かに少年は"人"である。少年は何者か、少女は知らなかった。知るつもりもなかった。総てのピースが揃ってしまわなければ、少
女らは幸せな筈だった。少年すらも曖昧な過去、少女すらも曖昧な自身について。それを知る事は二人にとって良いことなのか。また、自身らを知る過程で二人は人のセカイで話題の"神隠し"に巻き込まれてゆく。人の愚かで大きな陰謀、セカイの理。二人は惹かれ合い、恋に落ちる。総てを知ってしまったとき、二人は、セカイは、どうなってしまうのか。今、歯車が噛み合い、セカイの軸としてまわり始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-23 21:51:03
5855文字
会話率:29%
ある科学者は、神様をつくりました。天使を引き連れた神様は、瞬く間にこの星を支配しました。
争いも飢えも何もかも、全ての不幸と悲しみが無くなりました。理想の世界が生まれて200年経った日、神様は自殺しました。人はすぐに堕落しました。神を喪った
天使は途方に暮れたのち、人間と共存することにしました。
愚かで美しい人と天使の営みは、今日も静かに紡がれていくのです。
※本作品はアルファポリス様、カクヨム様でも掲載させていただいております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-12 21:25:37
17659文字
会話率:54%
人間は愚かである。
些細なことで争い、同族を殺め、誰かの上に立ちたがる。
知を求めることは少ないのに血を求める。
しかしながら極少数、知性を持った者が存在する。
人々はそういった者をこう呼ぶ。
賢者、と。
最終更新:2023-09-09 13:35:51
856文字
会話率:3%
様々な世界の1つに存在する世界「ヌン」!!この「ヌン」に住む「ヌン人」達は愚かで強欲になってしまいます!!しかし伝説の先陣「カーサ」の残した宝箱にはある秘密が有りその宝箱を開ける事が出来れば世界に平和が訪れると言う伝説を残して居ました!!そ
こで様々な「チャンピオン」達の中で選ばれた「チャンピオン」達が活躍するエピソードなのですが果たして宝箱はどうなってしまうのでしょう······本編をお楽しみに!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-27 11:14:47
3143文字
会話率:0%
父親が自分を呼ぶ声が聞こえたその刹那、熱いものが全身を巡ったような、そんな感覚に陥った令嬢レティシアは、短く唸って冷たい石造りの床へと平伏した。
視界は徐々に赤く染まり、せっかく身を挺して庇った侯爵も、次の瞬間にはリュシアンによって屠ら
れるのを見た。
「リュシ……アン……さ、ま」
せめて愛するリュシアンへと手を伸ばそうとするが、無情にも嘲笑を浮かべた女騎士イリナによって叩き落とされる。
「安心して死になさい。愚かな傀儡令嬢レティシア。これから殿下の事は私がお支えするから心配いらなくてよ」
お願い、最後に一目だけ、リュシアンの表情が見たいとレティシアは願った。
けれどそれは自分を見下ろすイリナによって阻まれる。しかし自分がこうなってもリュシアンが駆け寄ってくる気配すらない事から、本当に嫌われていたのだと実感し、痛みと悲しみで次々に涙を零した。
両親から「愚かであれ、傀儡として役立て」と育てられた侯爵令嬢レティシアは、徐々に最愛の婚約者、皇太子リュシアンの愛を失っていく。
民の信頼を失いつつある帝国の改革のため立ち上がった皇太子は、女騎士イリナと共に謀反を起こした。
その時レティシアはイリナによって刺殺される。
悲しみに包まれたレティシアは何らかの力によって時を越え、まだリュシアンと仲が良かった幼い頃に逆行し、やり直しの機会を与えられる。
二度目の人生では傀儡令嬢であったレティシアがどのように生きていくのか?
婚約者リュシアンとの仲は?
二度目の人生で出会う人物達との交流でレティシアが得たものとは……?
※逆行、回帰、婚約破棄、悪役令嬢、やり直し、愛人、暴力的な描写、死産、シリアス、の要素があります。
ヒーローについて……読者様からの感想を見ていただくと分かる通り、完璧なヒーローをお求めの方にはかなりヤキモキさせてしまうと思います。
どこか人間味があって、空回りしたり、過ちも犯す、そんなヒーローを支えていく不憫で健気なヒロインを応援していただければ、作者としては嬉しい限りです。
必ずヒロインにとってハッピーエンドになるよう書き切る予定ですので、宜しければどうか最後までお付き合いくださいませ。
『アルファポリス』様にも掲載中です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-15 23:00:29
221938文字
会話率:44%
夢の中のように消えないでそばにいて
最終更新:2023-08-05 04:56:41
217文字
会話率:0%
その傷は愚かで勇敢な報い
キーワード:
最終更新:2023-06-30 23:43:53
371文字
会話率:34%
ある道化は誓ったもう彼女が泣かずにいられて、何も
奪われなかった世界に戻そうと。
そして全てをもとに戻し世界を変え、彼女を救った。
彼女だけでなく救えるものは全て救った。
ただ、そこに自分は含まれていなかった。
そんな愚かで、救えない道
化の末路の続きである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-16 02:07:13
640文字
会話率:4%
王立学院の卒院パーティにて第1皇太子による婚約破棄が宣言された。理由は婚約破棄である公爵令嬢による数々の悪事、及び自身の想い人である平民の少女に危害を加えたからとのことだが、挙げられる証拠は証拠といえぬものばかり。呆気なく公爵令嬢を慕う近衛
騎士や公爵令嬢の親族によって企みは潰え、逆に平民の少女やそれを慕う他の貴族子息達、及びそれを利用した大人たちの悪行が暴かれることとなった。
そして、その引き金となった元第1皇太子は幽閉された。
だが、そこに疑問を募らせる者もいた。
これは、愚かな婚約破棄という喜劇のその裏側、真実を探る者の問い掛けと、元第1皇太子の愚かなある真実である
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-31 10:21:43
638文字
会話率:45%
この世界では、今日も魔物による被害が起こっていた。
夜毎現れる魔物と呼ばれる大型の獣。
その姿は狼や猪、熊や大型の猫の様な物まで居た。
獣は夜になると現れ、城壁の外にいる者を襲っては喰らっていった。
それはここ数年で現れる様になったが、い
つから居たのかは分からない。
気が付けば、戦場で戦う兵士等を襲い始め、やがては寒村部で大きな被害を与えていった。
戦争
元は我が国が行った人民合同計画なる侵略戦争であった。
”全ての人間は、法の下に平等であり、我が国の法の下に争いも無く平和に暮らすべきだ”
そんなスローガンを掲げ、軍部が強硬に他国へと侵攻を始めた。
最初は我が国の科学力の前に、多くの国が平伏した。
国民を守る為、或いは己の利権を守る為、多くの小国を吸収したいった。
負ける気などしていなかった。
全ての国が一つになり、我々の崇高な思想の下に、平等で幸せな暮らしが出来る。
数ヶ月前までは、私もそう思っていた筈だった。
彼女に出会うまでは…。
これは私と彼女が如何にして、愚かで醜い戦争に加担し、死を覚悟したか書き綴った物語です。
叶う事なら、誰か人目に映り、この戦争の終結に結び付いて欲しい。
今はそう願うのみです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-29 17:00:00
146075文字
会話率:49%
本作は、「【お嬢様 悪治物語】 お嬢様、この世界を治めるなら『悪』として治めていただきます」から、戦争に関するものを集めたものです。
※G7に合わせ、緊急(ᐢ ᵕ ᐢ)再掲載いたします
私は、愚かだから「仕方が無い」や弱いのが「悪い」で
はなく、
最愚最弱者(最も愚かで最も弱き者→さいそこびと)達が”さいそこびと”のまま、
健やかにつつがなく暮らしていける世界こそが本当に良い世界だと考えます。
本作が、そんな世界を実現するための一歩になることを願います。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2023-05-20 14:05:40
1885文字
会話率:84%
※本作は以前に投稿した作品を加筆・修正したものです
お金とは一体何なのかを、庶民の立場で基本に立ち返り、考察します。
やたら、しち難しいだけの経済理論等とは無縁のものですので、ご安心を(ᐢ ᵕ ᐢ)。
本来、お金は私達庶民にとっ
ても、便利で良いものになるはずでした。
ところが、度重なる金目当ての犯罪や当事者国に武器を売り込む為の戦争への誘導等が起きてしまい、それを聞いた私達は「また金のせいか」と最早あきらめの境地。
そして、合法的な地上げともいえる生活費の高騰等々、まるで計ったかの様に巧妙に立ち回られた結果が、昨今の誰しもがお金に困らさせられる状況です。
まさに鬼退治のお話の鬼の如く、お金は悪者にさせられてしまいました。
そういう意味において、最も貶められ、歪められたものの一つが『お金』なのかも知れません。
本作は『お金の本来、あるべき姿』を探るために、考察を入れるものです。
偉い学者先生から見れば愚考にすぎないものかも知れませんが、皆様も一緒にお考え下さい。
それでは、長いですが考察を始める前の決まり文句を(ᐢ ᵕ ᐢ)。
最も愚かで最も弱き者、略して最愚最弱者|(さいそこびと)が一人”軍と税金と権勢争いのない未来”が、(プラトンの「国家」と「ひふみ神示」を後ろ盾に)「考察します」。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-04 03:32:26
2323文字
会話率:4%
女神3柱がお茶を飲みながら、愚かな人間の一生を報告し合う。女神たちは人間の愚行が大好き。愚かであればあるほど、笑いが止まらなくなる女神たちは、自分が管轄する宇宙で起こった出来事をみんなに共有する。
※カクヨム・Twitterでも掲載して
います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-04 23:35:13
4083文字
会話率:58%
人類が母星を旅立ち早数世紀。宇宙の秘密を暴くため、そして更なる発展のために異なる星への入植船団は次々と星の彼方へと出発していった。
だがとある入植船団の一つは不運だった。
目的地への道中、異様な力場が発生する宙域に捉われて、気が付
けば見知らぬ惑星に全宇宙船が墜落してしまったのだ。
幸い被害こそ軽微だったが、その惑星は彼らの常識の尽くを塗り替えた禁忌の星だった。
現生する動植物の全てが巨大だったのは宇宙時代において珍しくもないことだが、かつてこの星に知的生命体が存在した形跡がそこかしらにあるとなれば話は別。人類は未だ他の知的生命体に遭遇しておらず、これは世紀の発見と言ってよかった。
だが……全長二十メートルの巨大な人型の骨と、その居住施設とみられる遺跡はまだいい。問題だったのは……神としか言い様のない者達が残した様々な力を宿した器物に神器、その神が作り出した秘宝が眠るダンジョンと呼ばれる迷宮もまた、この星に残されていた。
それだけではない。覇者である巨人と支配者である神が消えようと、代わりの動物達が星を支配していたのだ。
三十メートルの巨大オーガ、二十メートルの巨大オーク、十メートルの巨大ゴブリン。その他様々な巨大生物に加え、ドラゴンとしか言いようがない存在まで。
そのため、入植船団の科学者ではなく作家が真実を導き出した。
ここは滅びた巨人達のファンタジー世界と言える星であり、我々は迷い込んだSF世界の小人だ、と。
そして惑星シラマースと名付けられたこのかつてのファンタジー世界に人類が漂着して数百年。彼らは惑星の隅々にまで入植し、平和な世を作り上げ……
られる筈がない。例え宇宙という領域に足を踏み入れた時代だろうと、人は愚かで間抜けで救いようがないのだから。
世はかつて存在した神々が残した強大な神器、ダンジョン、資源を巡って戦う血みどろの時代。その結果、巨人の神器をロボットに組み込む発想に至り、それを扱う強化人間達が生み出された。
結局人は……人は争うことを止められない。
これはそんな世界で、強化人間である女達に愛された男の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-24 11:11:52
99638文字
会話率:42%
リリーア・イシュタール伯爵令嬢は完璧すぎて可愛げがない以外は完璧な美女だった。
その妹のバーバラは可愛らしい容姿だが両親に甘やかされた愚かで我儘な令嬢だった。
リリーアが将来を誓い合ったロバート・アスロー伯爵令息にバーバラも恋をする。
そし
てロバートはリリーアでなくバーバラと結婚した。
間もなくバーバラは社交界で「姉の想い人を略奪した性悪妹」「悪役令嬢にもなれない馬鹿令嬢」と後ろ指を刺されることになる。
姉のリリーアは当時ローレンス公爵と結婚し幸福な日々を送っていた。
しかし彼女を冷遇していたイシュタール伯爵家の面々は皆次々と没落していく。
その大半がリリーアを溺愛するローレンス公爵の差し金だった。復讐されていたのだ。
バーバラも貧乏暮らしの上義母にいびられ夫には浮気されると散々な目に遭っていた。
そんなある日、夫が自分と結婚したのは姉に嫉妬して貰いたかったからだと知る。
怒りでロバートを刺し殺し自殺した彼女は気が付いたら十年前に巻き戻っていた。
そしてバーバラは叫ぶ。
「そもそも私ロバートと姉様が好き合ってたなんて知らなかったんだけれど!教えてよ!!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-10 12:24:36
5179文字
会話率:18%
戦争は嫌だ。怖い。
こんな簡単な事が分からないか?
ならば教えてやろう。
最終更新:2023-03-30 21:19:25
303文字
会話率:57%
シクシクのお話
シクシクは悲しい子
愚かな子、若くて若くて、寂しい子。
お気に入りの青いとんがりボウシは、いつも星の飾りがまたたいている。
シクシクはいつも悲しいし、愚かで若く、寂しい。
かわいそうだと誰か思ってあげてほしい。
で
も、その前にあなた自身、シクシクと共通するところを探してほしい。
きっと、あると思うんです。シクシクとあなた。
そうでしょう?
シクシクを、ひとりにしないでね。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-18 04:29:09
8371文字
会話率:46%